妖精の尻尾の音竜   作:ハーフィ

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じゃがりこはサラダ味が好きです。

サラダ味こそ至高。


魔導士 VS トレジャーハンター

「お願いしまーす!!その『月の雫(ムーンドリップ)』を譲ってくださーい!!」

 

「その雫があれば巨人を助けられるんだ!!」

 

「冗談じゃねえ!!この『月の雫(ムーンドリップ)』を手に入れるのにどんだけ苦労したと思ってんだ!!」

 

「超悪魔ばっかりの島に行って超必死に探したんだ!!」

 

「苦労はお察ししますけど、そこをなんとか!!お金ならいくらでもあげるので!!」

 

「超はした金なんかいるか!!お宝がありゃあどっちにしろ超莫大な金が手に入る!!」

 

「つーか巨人が蘇ったらドゥーンて怖ェだろーが!!」

 

ただ今、鬼ごっこを開催中。賞品は『月の雫(ムーンドリップ)』。

 

アミクは追いかけながらもなんとか彼らを説得しようとするが、一蹴されてしまう。

やっぱり奪うしかないのか。できれば平和的にいきたかったのだが…。

 

「あれ?そういえばエルザは?」

 

「他の手がかりを探すって村に残ってるよ」

 

「巨人を壊しちゃったりしないよね!?」

 

「大丈夫なの。壊しちゃってもくっ付けちゃえば問題なしなの」

 

「問題しかないわ!!」

 

まぁ、ともかくエルザのことは心配しなくても大丈夫だろう。アミク達はこっちに集中だ。

 

「待てドロボー!!」「ドロボーじゃねえよ!!」「トレジャーハンターだ!!」「ドゥーン!!」

 

「人の物を勝手に盗るのはドロボーだよー!!だから、私達はドロボーになる覚悟はできるんだ!!」

 

「そんな覚悟超決めるんじゃねー!!」「ドゥーン!!」

 

そう、もう覚悟は決まった。奪うしかないなら仕方ない。

 

「追いかけっこで私に勝てるかな!」

 

アミクも走るスピードがぐん、と上がった。ナツ達をあっという間に追い抜いてぐんぐん3人組に追いついていく。

 

「おっ!?」「速っ!!」

 

「アミクさん、速いです!!」

 

「そりゃあ音の魔導士だからなの。元々アミクは足が速いけど、足に音の魔力を纏わせてもっとスピード上げる事ができるようになったの」

 

「ジェットの魔法みたい!」

 

「ちなみに最高速度は1秒間に約340mだって」

 

「音速っ!!」

 

「最早青いハリネズミなの」

 

ちなみにこの走行方法は最近思い付いて、アミクは『音速(ソニック)ダッシュ』と呼んでいるがこれは魔力を一時的に消費するのであまり頻発はできない。さらに補足すると「音速移動」とはまた別物である。

 

とにかくこれならアミクは誰よりも速く走れる!

 

「待ってよー!!」

 

「うおおおお!!?超速ぇええーーーー!!?」

 

「何だこの女!!」「ドゥーン!!」

 

あっという間に3人組の真後ろまで追いついたアミク。彼らもすぐ後ろにまで追いついてきた俊足の少女に大層驚いたようだ。

 

「さぁ、その瓶をちょーだい…きゃあああ!!!」

 

だが、その時タイミング悪くアミクのドジが発動。地面が凍っているせいで思いっきり足が滑ってしまった。すってんころりーん、と。尻餅を付く。

 

「わ、わわわわわー!!」

 

しかも高速で走っていため勢いが乗っている。そのまま直進に滑っていくアミク。

 

「ぎゃあ!!」「超痛え!!」「ドゥーン!!」

 

そして前を走っていた3人組に激突。図らずともスライディングのようになってしまった。アミクにぶつけられた3人は吹っ飛んで氷の地面に転倒する。

 

「イタタタタ…さ、作戦通り!!」

 

『嘘つけ!!』

 

アミクがお尻を摩りながら親指を立てると、追いついてきたナツ達に目を剥かれた。

怪我の功名だが、何にせよ『風精の迷宮(シルフラビリンス)』の3人組の足を止めることはできた。

 

「クッソ、よくもやってくれたな!」

 

「超ビックリしたぜ!」

 

「ドゥーン!」

 

3人はすぐに立ち上がってこちらを睨んできた。

 

「こっちもやられっぱなしじゃいられねえ、やっちまおうぜ!」

 

「超やっちまうか!」

 

「ドゥーンてやっちまおうぜ!」

 

彼らのプライドに火を点けてしまったようだ。戦う気満々だ。

 

「ドレイク、位置につけ!!」

 

「おう!!」

 

ドレイクだけがそのまま走って何処かへと向かって行く。

 

「わざわざ行かせると思う?」

 

それを見逃すアミクではない。手に魔力を溜めて、ドレイクに向かって放った。

 

「『音竜弾』!!」

 

音の弾が三つ連続で発射される。それらはまっすぐドレイクに向かうが…。

 

「ドゥーンとそうはさせねえ!」

 

ララが背負っていた大きい手の形をした武器を取り出して、その手の平の部分でアミクの攻撃を防ぐ。そのせいでみすみすドレイクを逃してしまった。

 

「面白い形の武器だね…」

 

「ドゥーン、ドゥーン」

 

ララは得意げに笑う。その隣にヒロシも立って背中に背負っている武器に手を掛けた。

 

「魔導士ごときにナメられちゃ超オワリなんだヨ!」

 

「邪魔な奴等は排除する!トレジャーハンターは危険な仕事だぜ!ドゥーン」

 

「危険なのはこっちもだよ!」

 

「やる気なら丁度いいの。その手癖の悪い手を切り落として、二度とお宝を手に取れなくしてやるの!」

 

「超怖っ!やれるもんなら超やってみろ!」「ドゥーン」

 

「燃えてきたぁ!!」

 

いよいよ魔導士対トレジャーハンターの対決が始まる。

 

先手はララだ。さっきのお返しとばかりにアミクに向かって拳の形になった武器を振り下ろす。

 

「おっと!」

 

バックステップで避けるが、その武器は地面にぶつかるとすごい衝撃を生み出し、地面を抉った。

 

強化甲型鎚(ストロンガー)の威力はドゥーンとくるぜ!」

 

「じゃんけん器具ってわけじゃないんだね…」

 

さっきもアミクの攻撃も防いでいたし、攻撃も防御も兼ねることができる優れた武器なのだろう。

 

「『音竜の響拳』!!」

 

今度はアミクが攻撃を仕掛けた。正面からだと防がれそうなので、素早くララの後ろに回り込んで拳を撃つ。だが…。

 

「ドゥーンと読んでるぜ!」

 

「嘘!」

 

今度は手の平の形にして武器を背中に回すララ。アミクの拳はその手の平に阻まれた。

 

「わっ!?」

 

動揺していると、強化甲型鎚(ストロンガー)がアミクの体を鷲掴みにする。そしてそのまま振り回してアミクを放り投げた。

 

「うひゃー!!」

 

近くの氷の崖に叩きつけられるアミク。

 

「アミクさん!」

 

「…んー、痛いなぁ」

 

このくらい大したことない。アミクはすぐに復帰してウェンディ達の元に戻る。

 

「攻撃に防御、掴みまで…手の形だからこそできる万能性がある武器か。いいね!」

 

「それだけ聞くと中々のチート武器なの」

 

武器も強力だが、ララ本人も侮れない。アミクのあの攻撃に反応して反撃までされたのだ。

 

今度はヒロシが走ってきた。

 

「よーし、切り刻んでやるの!」

 

爪を伸ばしたマーチが空からヒロシに突っ込んでいく。そしてすれ違いざまに爪を振るった。

 

「『マーチスラッシュ』!!」

 

「ネコが一丁前に人間に超喧嘩売んのかぁ!?おらあ!!」

 

だが、それはヒロシが構えていた変わった形の剣にいなされてしまった。

 

「アイスメイク…『氷槍騎兵(フリーズランサー)』!!」

 

そこにグレイがいくつもの氷の槍を放った。

 

「超斬る!!」

 

しかしそれらもすべてヒロシが斬ってしまう。

 

「我が変形銃槍剣(チェインブレイド)、喰らうがいい!!」

 

ヒロシが剣に付いてあったレバーを引くと剣が変形して槍のような形になる。

 

「超突きィ!!」

 

それをグレイに向かって突き出すヒロシ。槍となった剣はぐんと伸びてグレイに迫る。

 

「チッ!」

 

ギリギリの所で避けるグレイ。槍はそのまま伸びてアミク達の後ろにあった木に突き刺さる。その衝撃で木が倒壊しアミク達のすぐ側に倒れてきた。

 

「うわっ!危な!」

 

「あっちは変形する剣…ってところなの」

 

結構な破壊力だ。その時、アミクの耳に何かが聴こえた気がした。

 

「伏せてー!」

 

予感に従って咄嗟にルーシィとウェンディを押し倒す。直後、ダーン!と甲高い音が響き、アミク達の居た場所に銃弾が撃ち込まれた。

 

「銃!?」「どこから…!?」「狙撃手!?」

 

「さっき逃げた人か…」

 

おそらく先ほど走り去っていったドレイクが犯人だろう。

 

「ほう、よくかわしたな。だが次は頭をぶち抜くぜ」

 

どこからともなく声が響き渡る。この声はやはりドレイクか。遠くから狙っているのだろう。

 

「声が拡散してて位置がわからない!」

 

「オレの七四式長距離砲(ナナヨン)が血を求めてんだョ」

 

周りにある木や岩などが声を反射しているのだろう。これだと位置が特定しづらい。

 

通常は(・・・)

 

「声が拡散している?それくらいじゃ私の耳からは逃れられないよ!」

 

アミクの聴覚ならばどれだけ声が拡散していようと、少し時間をかければ声の発生源を特定することができる。そもそも最初の銃声の時点で大まかな方向は割り出していたのだ。

 

「あそこだよ!」

 

アミクはここよりも高い位置にある崖の上を指差した。高い場所からこちらを狙撃していたのか。狙撃手として合理的な方法だ。

 

「任せて!開け!人馬宮の扉!サジタリウス!!」

 

「狙撃ならお任せあれ、であるからしてもしもし」

 

ルーシィが召喚したのは狙撃の名手であるサジタリウス。狙撃には狙撃を、ということだ。

サジタリウスはすぐにアミクが指し示した方向に矢を放つが…。

 

再び銃声が鳴ったかと思うと矢が撃ち落とされてしまったのだ。

 

「矢を撃ち落とした!?」

 

「クレー射撃でも優勝できそうなの」

 

「天才スナイパー、ナメんなョ」

 

放たれた矢を狙って撃つなど、常人ができる芸当ではない。

 

アミク達は微かに冷や汗を流す。自分たちは彼らを甘く見すぎていたのかもしれない。

 

「思ったより…強いね」

 

 

 

 

 

しばらく睨み合う魔導士とトレジャーハンター。そしてナツが感心したような声を上げる。

 

「お前ら、魔法も使わねーのにスゲェな」

 

「魔導士相手に魔法を使わないで渡り合えるなんて。武器も強いんだろうけど本人の実力も伴ってなきゃ使いこなせないはず…」

 

「おいおい、オレたち『風精の迷宮(シルフラビリンス)』をそこらのトレジャーハンターギルドと超一緒にしないでくれよ。フィオーレ1のトレジャーハンターギルドを決める『大秘宝演武』超優勝ギルドだぜ!!」

 

「大秘宝演武?大魔闘演武のトレジャーハンターバージョンなの?」

 

「トレジャーハンターさんの世界にも、同じようなお祭りあったんですね」

 

「すごーい!!おめでとー!!パチパチパチ!!」

 

「それはスゲェ!!」

 

「お前ら、本気で感心すんなよ」

 

その大秘宝演武とやらがどれくらいすごい大会なのかは分からないが、優勝は素直にすごいと思ったので。

 

「わかったらとっとと帰りなョ。そこらの魔導士じゃオレたちとはやり合えないぜ」

 

「そこらの魔導士?あーし達をそう思ってるならとんだ節穴なの」

 

マーチが鼻を鳴らす。そして手に持っていたものを3人組に見せた。それは…。

 

「じゃーんなの」

 

「何ぃ!!?」

 

「『月の雫(ムーンドリップ)』が!!」

 

月の雫(ムーンドリップ)』の入った瓶だったのだ。

 

「さっきすれ違った時にくすねたの」

 

「あの時か!!」

 

先ほど、マーチがヒロシに攻撃した時だろう。『月の雫(ムーンドリップ)』はヒロシが持っていたから最初から彼を狙っていたのかもしれない。

 

「ドロボーだー!超ドロボーだ!!」

 

「ドロボーじゃないの。窃盗犯なの」

 

「超一緒じゃねーか!!」

 

「せめて怪盗って言った方がカッコよかったと思うよ」

 

ハッピーが的外れなことを言っているが、とにかくマーチのお手柄だ。

 

「でかしたよ、マーチ!!」

 

「クソ!ドレイク!!撃てーい!!」

 

「おう!!」

 

ドレイクがマーチに向かって発砲する。当然、それをただ見ているアミク達じゃない。

 

「サジタリウス!」

 

「お任せあれ!」

 

すかさずルーシィが命じてサジタリウスが矢を放つ。見事、銃弾を撃ち落とした。さっきとは逆の光景だ。

 

「何!?」

 

「それがしもまた、弓の名手であるからしてもしもし!」

 

狙撃の腕なら彼も負けない。

 

「返せドロボー!!」

 

「お宝より人助けに使う方がよっぽど有意義なの!!」

 

今度はヒロシがマーチに向かって槍で突くが、マーチはフワリと飛翔して躱した。

 

「グレイ!パスなの!」

 

「任せろ!」

 

マーチが瓶を投げ、グレイがそれを掴み取る。

 

「ドゥーン!!」

 

そんな彼をララが強化甲型鎚(ストロンガー)で叩き潰そうとした。

 

「『(シールド)』!!」

 

だが、それは氷の盾に阻まれる。

 

「アミク!!」

 

「ナイスパス!!」

 

次はアミクに瓶が渡った。

 

変形銃槍剣(チェインブレイド)、ガンナー形態!!」

 

「銃にもなるの!?かっこいい!!」

 

ヒロシの剣がハンドマシンガンのような形になった。彼はそれを乱射する。

 

「ええい!!」

 

飛び交う弾丸の間を縫って避けるアミク。隙を突いて弱めのブレスを放った。

 

「ぐああっ!!?」

 

「ナツー!!」

 

「おう!!」

 

今度は瓶はナツの手に。

 

「ドゥーン!!」

 

「おっと!」

 

ララの攻撃をジャンプして躱すナツ。

 

「ルーシィ!」

 

「OK!」

 

投げられた瓶をルーシィがキャッチ。

 

「おらららら!!」

 

復活して、ルーシィへと撃ちまくるヒロシだがルーシィは転がって回避。ウェンディへと瓶を放り投げる。

 

「ウェンディ!!」

 

「はい!!」

 

「おらー!!」「ドゥーン!!」

 

ヒロシとララ、二人掛かりで瓶を持つウェンディを襲う。

 

「はい、『音竜壁』!!」

 

「アミクさん、助かります!」

 

アミクが咄嗟に割り込んで音の壁を張ってウェンディを守った。

 

「シャルル!!」

 

「了解!!」

 

飛んでいるシャルルに瓶を投げるウェンディ。

 

「超ちょこまかと!!」

 

ヒロシが苛立ちを露わにしながら狙いをシャルルに定める。

 

「『火竜の鉤爪』!!」

 

「超あっち!!?」

 

ナツが炎の蹴りを叩き込んだことにより狙いがシャルルから逸れた。

 

「ドゥーン!」

 

ならば、とララが向かおうとするが。

 

「ハッピー!」

 

「あいさー!」

 

すぐにバトンがハッピーに渡された。

 

ハッピーは飛んできた瓶を掴み────

 

 

 

 

 

 

 

 

損ねてハッピーの頭上を瓶が通り過ぎた。

 

 

ガシャン

 

 

なんか割れた音が聞こえた。

 

 

時が止まった。

 

 

…恐る恐ーる音が鳴った方を見てみると、瓶が割れて中の液体が溢れていた。

 

 

魔導士もトレジャーハンターも全員あんぐりと開いた口が塞がらない。口の閉じ方を忘れてしまったかのようだ。

 

 

そして。

 

 

『割れたぁーーーーーー!!!』

 

 

叫んだ。

 

 

「何て事しやがるー!!お前ら超悪人だなー!!」

 

「盗んだモン壊すとか、ドゥーンドゥーンドゥーン!!」

 

「…ごめんなさい」

 

涙目で喚くトレジャーハンター達に、同じく涙目で謝るハッピー。

確かに苦労して集めたものを壊されたら堪ったものじゃないだろう。これはこっちに非があると思う。

 

「本当にすみません…弁償しますので…」

 

「金で超解決できると思ったら超大間違いだぞー!!」

 

アミクが批判を甘んじて受けていると、ルーシィがある事に気付く。

 

「でも、あれ見て」

 

月の雫(ムーンドリップ)』が溢れて凍った地面と接触している箇所。そこだけ氷が溶けていた。『月の雫(ムーンドリップ)』の効力が発揮している証拠だ。

 

しかし…。

 

「たったあれしか氷が溶けてない」

 

「やっぱり初めから、あの量の『月の雫(ムーンドリップ)』で村全体を救うのは無理だったんだ」

 

「よく考えてみれば明らかに少なすぎるの」

 

月の雫(ムーンドリップ)』を奪うのに必死で誰も気にしていなかったが、あの少量で多くの氷は溶かすことは難しいと考えるべきだった。

あるいは少量で広範囲に効果が及ぶのを無意識に期待していたのかもしれない。

 

「そんなァ!!最初から超ダメな計画だったのかーーー!!」

  

「『月の雫(ムーンドリップ)』で永遠の炎がドゥーンと溶けると思ったのに…」

 

トレジャーハンター達はショックを受けて頭を抱えてしまっている。彼らも気の毒なことだ。せっかく『月の雫(ムーンドリップ)』を頑張って集めたのに壊された挙げ句、結局ほぼ無意味だと判明してしまった。

 

「ドゥーンと作戦変更だ!!」

 

とヒロシ。

 

「超やり直しだなっ!!」

 

とララ。

 

「入れ替わってるの」

 

これでお互いに振り出しに戻ってしまったというわけか…。

 

「────聴こえる」

 

「え?」

 

アミクが何か呟いた。かと思うと、急に走り出す。

 

「あっち!」

 

「アミク!?」

 

一人で走って行ってしまったアミクを呆然と見送るルーシィ達。慌てて追いかけようとするが、ナツが声を上げた。

 

「ホントだ…誰かの声が聞こえるぞ!呼んでるみてーだ」

 

氷の溶けた地面に耳を当てているナツ。彼も何かが聞こえているようだ。

 

「オイラには何も聞こえないよ」

 

「…アミクが行った方か!」

 

ナツもアミクが走り出した方向に駆け出していってしまった。

 

「この声、どこかで聞いた事のある声だ」

 

ナツには確信があった。絶対に自分が知っている声だと。

 

「ちょっと、ナツまで!」

 

「待てよ!」

 

「もしかしてさっきアミクが聞こえてた声のことなの!?」

 

「分かんないけど、とにかく追いかけよう!」

 

マーチ達も困惑しながらも後を追いかけていったのだった。

 

 

 

そして「トレジャーハンターが宝を持たずにギルドに帰れるかっての!ドゥーン!!」とトレジャーハンター達も彼らの後を追い始めたのだった。

 

 

 




一方、幼女化したエルザ。


「クソ!もしこんな姿をアミクに見られたら…」


『わああ!エルザ可愛いい!!私がお世話してあげるー!!はい、エルザの大好きなスイーツだよー!!』


「…案外、悪くないのか?」
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