ナツとアミクは
「かってぇ!ビクともしねぇ!」
「うーん、やっぱり内側から壊すしかなさそうだね・・・」
ナツもアミクも殴ったり音を流したりしてみたが滅茶苦茶固くて壊せそうにない。
「ここから入れば一気にショートカット、なの」
「これ入ってる間に撃たれたら消し飛ぶよね・・・」
アミク達は砲身から中に侵入することにした。
「それにしてもこんなの作ったなんてすごいお金持ってるんだなぁ・・・」
アミクはカンカン、と音を響かせながら砲身の中を歩いた。
「いくらかかるんだ?」
「さぁ・・・億はするんじゃない?」
「「億ぅ!!?」」
なんて会話をしているうちにギルド内に辿り着いたようだ。
そこは広い部屋になっていた。そして真ん中にあるのが――――
「あ!見て!」
アミクは巨大な
この部屋はおそらく制御室だろう。
「ってことはこれを壊せば、
「よぉーし!だったらさっさと壊すぞぉぉぉぉぉ!!!」
「待って!誰かいる!」
アミクの言葉が聞こえなかったのかナツは拳に炎を纏い、
―――――が。
「うぇぶ!!?」
急にナツがナツ自身を殴ったのだ。
「ナツ!?」
「遊んでる場合じゃない、の」
「ち、違ぇよ!体が勝手に・・・!」
そこでアミクは巨大
「ってさ、侍!?」
「これは壊させないよ」
アミクが驚いたような声を上げると
侍のような格好をした男―――――兎兎丸が不敵に笑った。
「そりゃ、そうか。制御室って大事な部屋に誰も置かないわけないよね」
アミクはナツの隣で構えた。
「いてぇなこの野郎!『火竜の―――』」
ナツが拳に火を灯した直後―――――。
「うおっ!?」
「きゃあっ!」
ナツの拳がアミクを襲ったのだ。
「わ、悪ぃ、アミク!」
「あっつ・・・やっぱり貴方の魔法だね」
アミクの腕が少し焼けたがこれくらいなら何ともない。
念のため『
「その通り。私は火のエレメントを操りし兎兎丸。すべての炎は私によって制御される。
敵であろうと自然であろうと全ての炎は私の物だ」
「俺の炎は、俺のものだ!」
ナツは愚直に炎を纏った拳を叩きつけようとするが、兎兎丸はそれを操ってナツ自身を攻撃させた。
「ナツ!君とは相性が悪いよ!私がやる!
「そうだよ!そんなヤツなんか無視して早く
「・・・待って、あいつは炎を操る、の。今、ナツが炎で
壊そうとしても操られて逆にアミクの邪魔になると思う、の。
だから、先にアミクに倒してもらった方が賢命、なの」
「あ、そっか」
ハッピーにマーチが説明する中、ナツは渋々攻撃をやめた。
「・・・仕方ねぇ、今は急いでっからアミクに任すわ。
頼んだぞ!」
「まっかせて!」
アミクは後ろに下がったナツの代わりに前に出た。
「・・・ふむ、今度は女子か。悪いが女子だからと言って手加減はしないよ」
「じょーとーだよっ!」
「まずは小手調べ!『
兎兎丸は青色の炎を出すとそれをアミクに向かって放った。
それを危なげなく避けるが近くで感じたのは熱さじゃない。
「え、この火冷たい・・・?」
「私の出す炎は多様性に富んでいるのだよ」
ちなみにさっきの炎はナツがちゃっかり食っていた。
「でも、火の魔導士ならずっと近くで見てきたんだから!」
アミクは息を吸い込むと―――
「『音竜の咆哮』!!」
「!?」
ブレスを放つ。兎兎丸は何とかそれを避けた。
「なるほど・・・お前が『
だとしたらあそこにいる片割れが『
「・・・そういうこと。だから、火の魔導士には慣れてるんだ」
「ふむ、私を『
「そんなこと思ってないよ。ナツの方がずーっと強いからね!」
「ほざけ、『
今度は紫色の粘つく様な炎を放ってきた。
「マカオの魔法!?」
マカオもこれと同じ魔法を使う。
その炎はまたナツに食われた。
「これはどうだ?『
「・・・くっさ!!」
オレンジ色の炎。めっちゃ臭い。直接当たってないのに臭いが届く。
「うへぇ!これ糞の臭いだ!!うえ!」
食べたナツもなんかダメージを受けてた。
「下品な炎だなぁ・・・」
「ハハハ!私の色とりどりの炎はどうだ!」
「確かに面白いけどさ・・・」
アミクは残された時間を考える。およそあと10分。
そろそろ真面目にやらなければ。
「遊んでる暇は、ないっ!」
アミクは拳に音を纏わせると兎兎丸に向かって突っ込んでいく。
「さぁ、来い!『
本当にレパートリーに富んだ炎だ。
今度はどんな効果があるか分からないが避ければどうってことない。
アミクは頭を傾けて炎を避けると兎兎丸に拳を叩きこもうとした。
瞬間。兎兎丸がニヤッと笑う。
嫌な予感がしたアミクの耳にボヨン、と音が響く。
直感に従って横に避けると、アミクの頭があったところを先ほどの緑の炎が通過したところだった。
「うお!今、あの炎、壁に当たって跳ね返ったぞ!!」
「・・・なるほど、跳ねる炎、ね・・・」
「勘の鋭い娘だ」
悔しげに言う兎兎丸。さっきからロクに攻撃をアミクに当てられていない。
「もう一度・・・!」
「『
間髪を入れずに藍色の炎を放ってきた。その炎は水のように広がって襲ってくる。
「『音竜の響拳』!!」
アミクは衝撃波で炎を吹き飛ばし、兎兎丸に接近する。
弾き飛ばされた炎は床に水溜りのようになって燃え続けていた。
「『音竜の旋律』!」
「グハァ!!」
アミクの蹴りが兎兎丸の腹に入り込んだ。兎兎丸はくの字になり吹き飛ぶ。
「ぐぅ、小癪な!『
兎兎丸が空中を飛びながら手を構えた瞬間。黄色い炎がカチカチになりながら飛び出してきてアミクに向かう。
「・・・っ!」
アミクはそれを最小限の動きでかわした。肩を炎が掠めて熱い。
後ろで「だぁー!?この炎硬ぇ!?」という声を聴きながらアミクは腕を構えた。
「だ、だったらオーソドックスな炎で燃やし尽くしてやる!
炎の基礎!『
真っ赤に燃える炎。単純だが、今までより規模が大きく、威力も高い火が覆いかぶさるように襲ってくる。
(・・・ナツの炎と比べたら、遥かに涼しいっ・・・!)
アミクは蹴りだけでその炎を消しとばす。
「なん、だ、と!?」
「『音竜の
「うぎゃあああああああ!!!」
驚いている兎兎丸に向かって音を纏った両腕を振り下ろし、兎兎丸を真っ直ぐぶっ飛ばす。
彼はそのまま壁に叩きつけられた。
「がっ!」
「勝負あったね。やっぱり、貴方の炎はナツの炎より
早速、
「――――舐めるなァ!!我が最強魔法で塵にしてくれる!!『
アミクが
だが。
パク。
ナツがその炎にかぶりつく。
そして吸い込んで全部食べてしまった。
「ありがと、ナツ」
「・・・ふぅ、ごちそうさま、ってかくっせぇし冷てぇ。
アミク、待たせたな」
「見せ場、ちゃんと残したんだから。じゃ、止めお願い。できるよね?」
「当たり前だ!」
どんな心境の変化があったのか分からないが、アミクはナツに後を託すと
「ハハハハハ!!お前の炎は私のものだと言っただろう!
私には通用しないよ!!」
「おまえこそ、俺の炎は俺のだって言っただろーがあぁぁ!!」
ナツは巨大な炎を腕に纏った。
兎兎丸が制御しようとするが―――――
「・・・なっ!!?制御できないだと!!?まさかこの土壇場で制御返しを!!?」
「おめぇの炎は全部見たんだ!!今度は
燃え盛る炎が兎兎丸に襲いかかっていく。兎兎丸が必死に制御しようともナツの炎は止まらない。
「何よこれぇ!!」
「『火竜の鉄拳』!!」
ナツは思いっきり兎兎丸を上空に殴りとばした。
「でも、なんでナツに任せたの?」
ハッピーがアミクの隣を飛びながら訊いてくる。
「言ったでしょ。ナツの方がずーっと強いって。
そのうちコツでも憶えてあの人の制御克服すると思ってたから
しばらく私が相手してあげたの」
「ああ、何かやたら隣で燃えてると思った、の」
「それで、アイツの炎を食べて魔力回復してたんだね」
「あの行為でどうやって克服できたのかわからないけど・・・
私はナツを信じてるから」
「・・・どぅえきてるぅううううう〜」
「・・・?」
「巻き舌・・・羨ましい、の」
「でも、アミクだけでも余裕だったでしょ?」
「まぁ、ね」
アミクたちは
「あとはこれを壊すだけっ、と」
アミクは手に音を纏うと思いっきり
パリィン!!
「・・・残り5分だったか。上出来!」
「おーい、こっちも終わったぞ!」
「これで任務は成功、なの」
お互い喜び合っていると
ガコン!
「うわ!」
「な、なんだ!?」
急にギルドが動き出した。
「どーなってんだ!?」
「わかないけど、これこの後の展開が予想できーーーーーうぅえぇ」
ギルドが乗り物のように激しく動き出す。
『乗り物』と認識してしまったアミクとナツは途端に気持ち悪くなり、
蹲って動けなくなってしまう。
「おえぷ・・・なんなんだこの乗り物は・・・」
「ほん、と・・・!技術力の高いことで・・・!」
二人ともしばらく苦しそうに耐えていたが、すぐに動きが止まった。
「ふっかーつ!」
「この体質、どうにかなんないのかなぁ・・・」
「おい、ナツ、アミク!」
「グレイ!エルフマンまで!?二人も来たんだ」
二人が来てくれたのは心強いが・・・エルフマンは少し不安要素がある。
「んだよ、もう終わっちまったのか」
「それでこそ漢だ!」
「私は女ですけど・・・」
エルフマンは床で白目を剥いている兎兎丸を見て、誇らしそうに頷いている。
「それより、ハッピーとマーチ。外に行って何が起こってるか見て来てくれる?」
「あいさー!」
「わかった、なの」
ハッピーとマーチは外に飛んで行きしばらくすると飛んで戻って来た。
「大変だー! ギルドが巨人になって、魔法を唱えてて! 完成したら大聖堂まで消えちゃうって!」
この建物はファントムの最終兵器『超魔道巨人ファントムMkII』という。
「落ち着いて、なの。このギルド自体が魔導士らしい、の。それで『
それを聞いたアミク達は驚愕した。
『
こんな大きい建物が使ったら街一つは簡単に消し飛びかねない。
「急いでこの建物止めなきゃ!」
「動力源を探すぞ!」
「次から次へと問題を起こすなよなぁ!」
ナツ達が手分けして探そうとすると、アミクが慌てて助言する。
「エレメント4に会ったらなるべく倒しておいて!動力源と繋がってるかもしれない!
あと、私たちが倒したのは多分『奴は四天王の中でも最弱ぅ!!』的な奴だと思うから、
甘く見ちゃダメだよ!」
「一体、どこからそんなセリフ覚えたんだよ・・・」
それから四人で手分けして探すことにする。別れる直前。
『・・・こっちは任せな。健闘を祈る』
『分かった、ウル』
アミクは『
マーチと共に去っていった。
眠いです。
兎兎丸の緑、黄、藍の炎はオリジナルで考えたものです。
原作で出なかったからね!赤は多分普通の炎でしょ?