妖精の尻尾の音竜   作:ハーフィ

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アミクのイメージ姿としては初音ミクのおっぱいでかいバージョンだと思えばいいです。



チーム結成

ルーシィは感激していた。とうとう自分の部屋を手に入れることができたのだから。辺りを見回してみる。自分が持ち込んだものを除いてもセンスがいいと言える小物、綺麗な壁紙、埃一つない窓。全てが最高だ。

この部屋はアミクの家にあるいくつかの内の一つなのだが結構広いし窓から見える、家が並んでいる景色や川もいい。いい事尽くめだった。

 

「この家のお風呂も大きかったし、設備も充実してる!暖炉はレトロな感じだし素敵!!竈まである!」

 

「そこまで絶賛されると逆にどこか不備がありそうで怖いんだけど・・・」

 

興奮するルーシィにアミクが苦笑する。マカオの件のとき、この家に住むことを金に釣られて即決したルーシィだったが、とりあえず様子見でお試し期間として住まわせてもらっている。

 

「えーっと、これってシェアハウスってことになるのかしら?」

 

「そうだね。だからリビングとかも自由に使っていいし、ほんとに自分の家だと思ってもらって構わないけど・・・なんせ私もこういうの初めてだから・・・」

 

「まだ、お試しだから1週間は住んでみてそれからほんとに此処に住むかどうか決めればいい、の」

 

アミクが照れながら言い、マーチも助言する。

 

「もっとも、それまで待つ必要はなさそう、なの」

 

マーチの言う通りすっかりこの家が気に入ったようで目をキラキラさせながらあっち行ったりこっち行ったりして家の中を探検している。この様子だとこのまま此処に住み着きそうである。

 

 

ここでアミクの家について簡単に説明しよう。まず、2階建てだ。1階にキッチンやリビング、お風呂がある。2階にはルーシィやアミクの部屋があり、トイレは1階、2階に1つずつある。ちなみに庭もあり、そこで何か野菜を育てているらしい。そして肝心の家賃。何と――――

 

「じゅ、10万っ!!?」

 

「もし、ルーシィが住むんだったら2人で分けて5万だね」

 

「ちょ、ちょっと!おかしいでしょ!!こんな良い家がたった10万なわけないじゃない!」

 

ルーシィの言う通り、そこそこの大きさに充実した設備を持つ家としては破格の値段だ。

 

「も、もしかして事故物件だったり・・・?」

 

「それはないから安心して。実はこの家の大家さんとは知り合いでね。そのよしみで安くしてもらってるんだ」

 

実は前にその大家さんをある事件から助けたことがあり、その恩ということでこの家を安く使わせてもらっているのだ。

 

「ちなみに、元の値段聞いてみても・・・?」

 

「20万Jだったかな?」

 

「25万、なの」

 

「・・・」

 

開いた口が塞がらないとはこのことだろう。半額以上に安くしてもらって自分はさらにその半額なのだ。もうこの良物件薦められただけで一生分の運を使い果たした気がする。

 

「もうずっとこの家に住む~~~!ほんとにありがとねアミク~!」

 

「ちょっと!恥ずかしいからやめて!」

 

ルーシィがアミクをまるで神かのように崇める。

 

「そうだ、せっかくだしお風呂入って来なよ」

 

「いいの!?あの風呂使ってみたかったの!ありがとう~!」

 

入浴を提案するや否やビューーーンという擬音が聞こえそうなほどの速度でお風呂に直行していった。それを微笑ましそうに見るアミク。

 

「でも、ほんとにどうした、の?こんなことするなんて」

 

マーチが疑問に思ったのか首を傾けて聞いてきた。

 

「人恋しかったのもあるよ。マーチが居てくれたから孤独ではなかったけど、やっぱり家にもっと人が居てくれるのは安らぎがあるから・・・」

 

アミクはそっとマーチを抱きしめる。

 

「マーチがダメってわけじゃないよ。ただ、時々不安になるんだよ。2人だけで過ごしていていつの間にか、一緒にいた人が消えて1人ぼっちになっていないか。置いてかれてないか、怖くなる。1人にはなりたくない。たくさんの人と一緒に居た方が孤独感は薄れる・・・」

 

マーチは優しくアミクの腕をさする。

 

「・・・ごめんね。これはただの私のエゴだよね。でもルーシィが居るからってマーチが居なくなっていいわけじゃないよ」

 

「分かってる、の。つまりアミクは皆と一緒に居たいだけでしょ?あーしだって『アミクと一緒に居たい』って言うエゴで居るから全然問題ない、の」

 

「・・・ありがと、マーチ」

 

アミクは抱き締めてるマーチの頬に自分の頬をすりよせる。柔らかい毛皮の感触が気持ちいい。

 

(・・・不安なのはあーしも、なの)

 

だが、マーチは内心でこう思っていた。

 

(アミクの方こそ、どこにも、行かないよね・・・?)

 

マーチの心には昔から漠然とした不安があった。

 

 

 

 

 

「ほんとにこの家に来て正解だった!!同居人は常識人だし、家は全てが最高だし、そしてなにより一番ステキなのは・・・!」

 

風呂から上がったルーシィは裸にバスタオルを巻き付けた姿のまま、ぶつぶつ言いながら明るい顔をして自室のドアを開けた。そりゃあもう、キラッキラの顔して。

 

「よお!」

 

「あたしの部屋――――!!!」

 

そこには我が物顔でソファに座りフランクに手を挙げてお菓子を頬張るナツと魚を食い散らかしてるハッピー、済まなそうな顔をしているアミク、そしていつも通り何を考えているか分からない顔をしているマーチが居た。

 

「なんであんた達が此処に居るのよォォォォ!!」

 

「「ごふっ!!?」」

 

ルーシィの回し蹴りが綺麗にナツとハッピーに入って壁に叩きつけた。

 

「だ、だってミラから部屋、つーか家が決まったって聞いたから・・・」

 

「あい・・・」

 

「聞いたから何!? 親しき中にも礼儀ありって言葉知ってる!? 女の人の部屋には勝手に入らないものなのよ!」

 

「まだ正式に決まったわけじゃないけどね」

 

「あと、グレイじゃないけど服を着ろ、なの」

 

なんかもともとこの家に住んでた人達そっちのけでルーシィがナツ達に説教していた。そもそも、アミク達も勝手に入っているがそこはいいのだろうか。

 

「それにアミクも!ほいほい男の人を家にあげてあまつさえ、人の部屋に入り込ませるなんて!!もうちょっと警戒心持ちなさい!せめて止めなさい!」

 

「いや、私達がこの部屋覗いた時にはすでに居たんだよ」

 

「普通に不法侵入じゃないのよ!!?立派な犯罪よ!!」

 

「おい、それは傷つくぞ・・・」

 

「傷ついてるのはあたしの方よ・・・」

 

ナツが情けない顔をしていた。変なところで繊細な男である。

 

「まぁまぁ、こういうのは慣れるとむしろ嬉しくなるよ?」

 

「慣れると、って・・・」

 

「今までもう何回もされてるから」

 

「ナツ――――――!!」

 

「あい――――!!」

 

ナツがハッピーみたいな声を出した。

 

「・・・もぐもぐ、うん、ルーシィのツッコミはやっぱり美味しい♪」

 

「ちゃっかり『声』を食べてる、の」

 

さっきからルーシィが叫んでばっかりなので、その『声』を食べてご満悦のアミクであった。

 

「いい部屋だね、ルーシィ」

 

「爪研ぐな! 猫!」

 

「マーチもやってみる~?」

 

「1人でやってろ、なの」

 

「あ、ハッピーそれ以上傷つけたら弁償ね」

 

「あ、あい・・・」

 

アミクが目を光らせて言うとすぐにやめた。 

 

「ん? なんだこれ?」

 

ナツはルーシィの机の上にあった大量の紙の束を拾い上げる。それに気づいたルーシィはすぐさまナツに近づく。

 

「ダメー!!」

 

「のわっ!?」

 

ナツを突き飛ばし、紙の束を奪う。

 

「気になるな、んだよそれ?」

 

「私も気になる」

 

 

アミクが興味深々に見て、たんこぶができたナツが聞くも、ルーシィは紙の束を抱きしめて離さない。

 

「なんでもいいでしょ!アミクにも見せられないわ!というか帰ってー!!」

 

「せっかく遊びに来たんだから帰るのやだ!」

 

「超勝手・・・」

 

「それがナツだから」

 

もはや楽しげに笑うアミクからは経験者による苦労がにじみ出ているようにも見えてルーシィは人知れず恐怖するのであった。

 

 

 

 

 

その後、落ち着きを取り戻し、私服に着替えたルーシィはナツ達に紅茶を出し、テーブルの椅子に腰掛ける。(ちなみにこの紅茶はルーシィが持ってきたやつである)

 

「引っ越したばっかだから家具も揃ってないのよ。遊ぶものなんてないからこれ飲んだら帰ってよね!」

 

「残忍な奴だなぁ・・・」 

 

「あい」

 

「残忍って・・・」

 

「ほら、遊ぶものなら私が持ってるから。あんまりルーシィを困らせたらだめだよ?」

 

アミクがナツ達を窘めるように言う。だが、なぜかナツ達は感動した様子だ。

 

「おおー、さすがアミクは心が広いなぁ」

 

「あい!それがアミクですから!」

 

「それに比べて・・・」

 

と、ルーシィの方を見る。

 

「ルなんとかさんはなぁ」

 

「あい、心が狭いです・・・」

 

「随分な言い草ねぇ!!?」

 

そろそろルーシィの顔が女の子がしていい顔じゃなくなってきた。ルーシィの表情筋を守るためにもなんとかしなければ。 

 

するとアミクは思いついた。

 

「あ、そうだ。ルーシィの持ってる星霊、全部出してみてよ!」

 

「星霊を?」

 

ルーシィが聞き返す。 

 

「せっかくだしね。ルーシィの他の星霊も見てみたいし」

 

「そういえばルーシィは今何人の星霊と契約してる、の?」

 

アミクに続いてマーチも聞いてみる。 

 

「6体! 星霊っていうのは1体、2体って数えてね・・・」

 

マーチの質問に答えながら、ルーシィは6本の鍵を取り出し、それぞれテーブルに銀の鍵3本と金の鍵3本に分けて置いた。

 

「こっちの銀の鍵がお店で売っている奴。時計座のホロロギウム、南十字星のクルックス、琴座のリラ。 そしてこっちの黄金色の鍵が『黄道十二門』の超レアな鍵。 金牛宮のタウロス、宝瓶宮のアクエリアス、巨蟹宮のキャンサー」

 

「か、蟹かー!?」

 

「蟹ー!」

 

「また訳の分からない変なところに食いついたし・・・」

 

(確かに蟹はおいしそう・・・)

 

口には出さなかったがアミクも似たり寄ったりの思考だった。 

 

そのときルーシィは何か思い出したようにぽんっと手を叩く。

 

「そういえばまだハルジオンで買った鍵の契約をしてなかったわ。特別に星霊魔導士と星霊との契約の流れを見せてあげる!」

 

「「おおー!」」

 

「ほんとに!?」

 

「楽しみ!なの」

 

ルーシィの言葉に全員期待に満ち溢れた顔をした。が、急にナツとハッピーは顔を青ざめるとアミクやルーシィ達に聞こえないようにヒソヒソ話し出した。

 

「血判とか押すのかな?」

 

「痛そうだな・・・ケツ」

 

「めっちゃ聞こえてるから。あとなんでお尻・・・?」

 

耳のいいアミクには全く無意味だった。

 

そうしている間に、ルーシィは契約の準備を整えた。

 

「ゴホンッ! まぁ見てて。我、星霊界との道を繋ぐ者! 汝、その呼びかけに応え、(ゲート)をくぐれ! 開け、仔犬座の扉・・・ニコラ!」

 

詠唱した途端、光が漏れた。

 

「「おおー・・・」」

 

「わぁ・・・」

 

「綺麗、なの・・・」

 

全員その幻想的な雰囲気に声を失う。

 

そして、光はだんだん形をとっていき、現れたのは―――

 

真っ白な小さな体に、角のような鼻、二足歩行でプルプル震える生物。

 

「プーン」

 

それを見た人々の反応はそれぞれだった。

 

ナツとハッピーはショックを受けたかのように愕然とし、アミクは瞳を輝かせ、マーチはなぜかドヤ顔していた。

 

沈黙に包まれる中一番最初に声を上げたのがナツ&ハッピーコンビだ。

 

「「ド、ドンマイ・・・」」

 

「失敗じゃないわよ!!」

 

次に動き出したのはアミクだ。

 

「プ、プーン」

 

「なにこれかわいい!!」

 

「そ、そうか・・・?」

 

「でしょ!?やっぱりアミクなら分かってくれると思ったわ!」

 

「この円らな瞳、ぷるぷる震える体、このドリルみたいな鼻!可愛い要素しかない!」

 

「最後のは可愛いのかしら・・・」

 

そうやってニコラを抱き締めたりする女子2人を見ているナツ達は女はよく分からん、って顔をしていた。

 

マーチに至ってはぼうっと見ているだけだ。

 

「ニコラは魔力消費が少ないから愛玩星霊として人気なのよ」

 

「へー、そうなんだ」

 

アミクが納得している後ろではナツ達がヒソヒソと会話をしていた。

 

「ナツ、マーチ。人間のエゴが見えるよ・・・」

 

「やっぱり、ルイージ怖ぇな・・・」

 

「人間に限らず全ての生物はエゴの塊、なの」

 

「だから聞こえてるって・・・それにルーシィだよ・・・」

 

「マーチは何悟ってるのー!?」

 

アミクとルーシィが仲良くツッコミを入れた。

 

「まぁ、いいわ。契約に移るわよ」

 

ルーシィは近くに置いてあったメモ帳とペンを取るとニコラの前にしゃがみこむ。 

 

「月曜は?」

 

「プン、プーン」

 

首を横に振るニコラ。すぐさまメモを取るルーシィ。

 

「じゃあ火曜?」

 

「プン」

 

今度は首を縦に振るニコラ。またメモを取るルーシィ。

 

「うんうん、水曜!・・・」

 

そんな契約をしている様子をアミク達はテーブルの紅茶を飲みながら見ていた。

 

「地味っ!!」

 

耐えきれずにアミクが叫んだ。

 

「なの」

 

マーチも相槌を打つ。

 

そして少し時間が進み―――

 

「はい! 契約完了!」

 

「プン、プーーン!」

 

ルーシィがメモ帳を閉じるとニコラが飛び跳ねる。

 

「案外、契約簡単なんだね」

 

「だな」

 

「そう見えるけど、結構重要な事なのよ? 星霊魔導士は契約……つまり約束ごとを重要視するの。だから私は約束は絶対破らない・・・てね!」

 

「へぇー」

 

割と深い言葉だった。アミクは感心する。

 

「あ、そういえば名前決めなきゃ!」

 

「ニコラじゃないの?」

 

「それは総称でしょ? 」

 

ニコラを見ながら顎に手を当てながら名前を考えるルーシィ。やがて思いついたのか「そうだ!」と声を出す。

 

「おいで、プルー!」

 

「プーン!」

 

「「プルー?」」

 

「プルー!いいじゃん!なんか語感が可愛い!」

 

「分かる!?やっぱりそう思うわよね!」

 

また女子達だけで盛り上がる。またナツ達も首を傾ける。またマーチがドヤ顔していた。

 

「プルーって仔犬座なのにワンワン鳴かないんだね。変なの」

 

「あんただってニャーニャー鳴かないじゃない」

 

ルーシィがそう言うとプルーがルーシィの腕から抜け出しナツ達の前で踊り始めた。

 

「なにかしら?」

 

「何かの儀式?」

 

少女2人が疑問に思っていると急にナツの顔が輝き出した。

 

「プルー!お前いいこと言うな!」

 

「プーン!」

 

そして互いにグッドサインを出す。

 

「「なんか伝わってるし―――!」」

 

見事にハモッた。

 

「マーチはさっきから何やってるの?」

 

「読者に存在感をアピールするためにいろんな表情してる、の」

 

「え?なんの話?それにこれ小説だから実際に字で表現されないと伝わらないよ?」

 

ハッピーとマーチはなんか凄い危ない会話をしていた。

 

「そうだ!こんな所でちんたらしてる場合じゃねェ!他にも用事があってきたんだ!」

 

「じゃあそれを早く言いなさいよ!」

 

ごもっともである。

 

「ほら、前に言ってたチームの話。今日はいい仕事持って来たから俺達でチーム組んで行こうぜ!!」

 

「いいね!ルーシィもいいよね?」

 

「もちろん!」

 

ルーシィは自分の心が高ぶっているのに気付いた。やっと皆で仕事に行けるのだ。この日をどんなに待ったことか。

 

アミクとナツ、そしてルーシィは拳を突き合わせた。

 

「よし、決定だ!」

 

「契約成立ね!」

 

「よろしく!」

 

「あいさー!」

 

「なのー」

 

忘れられないためかとりあえず声を上げるハッピーとマーチ。

 

「早速仕事行くぞォ!」

 

「そういえば仕事持って来たとか言ってたわよね。もう~せっかちさん!」

 

そう言ってルーシィはナツが持ってる紙をひったくるように取った。

 

その時アミクはナツの顔が邪悪に笑っていたのを見逃さなかった。

 

「・・・ナツ。何を企んでるの?」

 

「うぉえ!?べ、べっつにィ~?」

 

ナツが下手くそな口笛を吹いて誤魔化す。その時

 

「うそ! エバルー公爵って人の屋敷から本1冊取りに行くだけで20万J!?」

 

「な? おいしいだろ!?」

 

確かにそれだけ聞くとお得だが・・・。さっきのナツの表情が引っかかる。そして、すぐにその正体が分かった。

 

「ん? 注意、スケベで女好きで変態・・・ただいま金髪のメイド募集中・・・っ!?」

 

恐る恐るナツ達を見ると凄い爽やかな笑顔で話していた。

 

「ルーシィって金髪だもんな・・・」

 

「メイドの格好で忍びこんでもらおうよ~」

 

「あ、あんた達最初から・・・」

 

ルーシィはプルプルと震えると・・・

 

「は、はめられたぁ!!」

 

ウガーッ!となった。

 

「星霊魔導士は契約を大切にするのかぁ。偉いなぁ」 

 

「騙したなぁーー!!」

 

そんな風に揉めているナツとルーシィを見てアミクは素直に感心する。

 

「ナツにしては頭使ったねー」

 

「俺にしてはってなんだー!」

 

「感心してないで助けてよー!」

 

2人から怒鳴られる。

 

「せめてアミクも一緒に潜入してよー!」

 

「えー!?う、うーんしょうがないなぁ。分かったよ・・・」

 

「ほんと恩に着ます!!」

 

ルーシィに涙目で懇願され断りづらくなり、仕方ないか、と承諾すると手を掴まれブンブンと揺すられた。ナツが嬉しそうな声を出す。

 

「条件は満たしてねぇけど、アミクだったらなんとかなるだろ!2人で潜入すればずっと楽だしな!」

 

「ついでにマーチもやってみたらー?」

 

「本気で言ってる、の?」

 

冗談で言うハッピーに無表情で答えるマーチ。実はハッピーがマーチのメイド服を見たいだけだった。

 

「じゃあ、とりあえずハッピーの事、ご主人様って言ってみろよ」

 

「ネコには嫌ー!」

 

「ご主人様」

 

「言うんかい!?」

 

早速ノリノリのアミクに強烈なツッコミを入れるルーシィだった。

 

 

 

 

 

 

一方その頃、魔導士ギルド『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』では――。

 

「あれ〜? 1冊20万Jの仕事……誰かに取られちゃったのかな?」

 

クエストボードの前でチーム『シャドウ・ギア』のレビィ、ジェット、ドロイの3人がボードを眺めていた。

 

「えぇ、その仕事ならナツがルーシィとアミク誘って行くって」

 

「あ〜あ、迷ってたのになぁ・・・」

 

「あの双竜に加えて新人がチームを組んだのか。どうなることやら・・・」

 

レビィは思わずため息をこぼす。ジェットもこれからの事に思いを馳せた。するとカウンターに座っていたマスターマカロフが口を開く。

 

「いや、レビィ・・・行かなくて良かったかもしれんぞい」

 

「マスター?」

 

「その仕事の依頼主からたった今連絡があってな」

 

「キャンセルですか?」

 

ミラがマカロフにそう聞くとマカロフはニヤッと笑みを浮かべる。

 

「いや……報酬を200万Jにつり上げる、だそうじゃ」

 

マカロフの言葉を聞いた者は皆、驚きを隠せなかった。

 

「10倍!?」

 

「本1冊で200万だと!?」

 

「討伐系並みの報酬じゃねぇか・・・」

 

喧騒が増す中、カウンターに座っていたグレイがニヤリと笑う。グラスの中の氷が不自然に揺れた。

 

「へっ・・・面白そうな事になったじゃねぇか」

 

グレイの脳裏にはやたらと暑苦しい少年、喧騒を好む緑髪の少女、そして新人の金髪の少女の姿が浮かんでいた(ついでに猫達も)。グレイにとって彼らが一体どんなことを引き起こすのか楽しみになってきたのだ。

 

「グレイ、下」

 

「ん? あぁ!? いつの間に!?」

 

ミラの指摘にグレイが下を向くとまたもやパンツ一丁になっていた。やっぱりグレイはグレイだった。

 

 




はい、というわけで主人公とルーシィは一緒に住むことになりました。
最初は家賃無しにしようかと思ったけどやっぱり家賃に苦しんでこそルーシィだと思ったんで家賃有りにしました。原作より2万少ないのはせめてもの温情です(笑)

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