誰かマーチの絵描いてくれないかなー(棒)
シャルルより目付きが優しげで、瞳は大きくて、全体的に黄色いけど、ハッピーみたいに腹が白い感じ。
「アミクーーーー!!ハッピーーーー!!ルーシィーーーー!!」
マーチがアミクたちが戦っていた川に戻って来た。
『戻るんですか!?』
『足手まといになるだけよ!』
『そんなの関係ない、の!あーしはアミクの相棒、なの!』
そう言い放って飛び出して来たが・・・すでに終わった後のようだ。エンジェルが川の中に仰向けに倒れているのをみると、勝者はアミクたちの方だろう。残っているのは氷漬けになっているハッピーだけ。他の人たちはどこにいったのだろう。
「ハッピー!ハッピー、しっかりして!なの」
だいぶ解けているが、復活にはまだ時間がかかりそうだ。
「どうしよう、なの・・・」
この状態のハッピーを置いていくわけにもいかないが、アミクの方も心配だ。
「・・・あっちはルーシィとかも付いてるから大丈夫だと思う、の」
アミクはきっとナツたちと行動を共にしているだろうから心配しなくても大丈夫だろう。そう判断してハッピーが復活するまで待つことにした。
その時、マーチは黒い光の柱が白く変わるのを目撃した。
「な、何、なの・・・?」
底知れない不吉な予感にとらわれるマーチだった。
●
アミクはハッと目が覚めた。
「ふぇ?ここは?」
最後の記憶は滝に落ちたところまでだ。近くに滝があるのを見ると滝壺に落ちた後、岸に着いたらしい。
周りを見回してみるとルーシィとナツが倒れていた。一応二人とも無事なようだ。
「ん、包帯?」
自分の胸元には包帯が巻かれていた。誰かが応急措置をしてくれたようだが、一体どこの誰が・・・。
「って服も変わってるし・・・」
なぜか、さっきまで着ていたショートパンツとTシャツではなく青を基調としたスカートと袖のない青い上着だった。結構可愛い。
「いたたた・・・」
「おはよー」
そこで、ルーシィが覚醒。
「あれ? 治療・・・てか何!?この服!」
「あ、私と同じ服じゃん」
何気にペアルックだった。本当に誰が着替えさせたのだ。
「アミク!無事だったのね!」
「このとーり元気ですよー」
ヒラヒラと手を振って応えるとルーシィが嬉しそうに微笑んだ。
「でも、誰がこんなことを・・・服まで着させてくれてさ」
「星霊界の御召し物でございます。ボロボロでございましたので」
「「バルゴ!!?」」
いつの間にいたのか、ピンク髪の美少女メイドが無表情で立っていた。滝壺から救い出してくれたのも彼女らしい。
「本格的な治療はアミクさんに任せればよろしいかと」
「ほんと有能なメイドだねぇ」
アミクが感慨深げに頷くと、ナツの声が響いてきた。
「うお!?どこだここ!?」
ナツが起き上がって周りをキョロキョロしだした。
「ナツ!」
「もう大丈夫?」
筏に揺られて、滝に落ちただけなので特に外傷はない。が、服装はなぜかアミクたちと似たようなものだった。
「お揃いの服となっております」
「ユニフォーム!?」
スポーツじゃあるまいし。
「くっそーまだ気持ち悪い・・・」
「私たちが戦ってる間ずっと放置されてたしね」
途中で存在を忘れていたほどだったし。
「つーかオレらなんでおそろなんだ?」
「え、えーと、団結力を高める、ため?」
「なんじゃそりゃ」
呆れたようにナツが言うとバルゴがポツリとなにか呟いた。巻き舌風に。
「あー、おまえらが頑張ってくれたんだよな」
思い出してくれたようだ。ナツはニカっと笑ってアミクたちに言う。
「ありがとな、アミク、ルーシィ」
「べ、別に・・・」
「えへへ、どういたしまして」
ルーシィはそっぽを向いて、アミクはふにゃりと笑って応えた。
「でぇきぃてぇるぅ」
「どこで覚えたの!?」
バルゴがいらんこと覚えてた。巻き舌うめえ。
「うわ・・・あの光の柱、結構近くにあるね・・・」
いつの間に近づいていたのか光の柱が随分大きく見えた。
「ていうか色も変わってない?」
「皆さんが気絶している間に黒から白へと」
なんだか不吉な予感がする。急いであの光の方に向かったほうがいいだろう。
「それでは姫、私は星霊界に戻ります」
「あ、ちょっと!」
「いろいろありがとねー」
最初から最後までほぼ無表情のまま、バルゴは星霊界に帰っていった。
(今バルゴ、自分の力で戻った?もしかしてアタシ今・・・魔力0の状態!?)
これじゃあ戦闘では足手まといになってしまう。なるべく戦闘は避けて通らねば・・・。
「それじゃあこっち寄ってー治療しまーす」
「へーい」
アミクとナツは呑気にお医者さんごっこしているが、ルーシィは冷や汗ものだ。
「『
「あざっしたー」
「なんなのこのノリ!!?」
そうやってふざけていると急に近くの草むらがガサガサと音を立てた。
「!だ、誰!!?」
それを敏感に聞き取ったアミクが身構える。
「ひっ!!」
まさか敵か、と焦るルーシィだが、相手は待ってくれない。草むらからある人物が飛び出してきた。
その人物は。
「あ、おまえら!!無事だったか!!」
「「ぎゃあああああ!!!変態!!!」」
全裸のグレイだった。
「完全に不審人物だと判断し、討伐します!!」
「許可するわ!」
「ちょ、おいバカ、やめろおおおお!!!」
アミクはルーシィの許可の下、グレイに飛びかかった。
直後、樹海ではグレイの断末魔が響いた。
●
「悪かったよ。木の枝にパンツが引っ掛かって脱げちまったなんてな」
タンコブを生やし、顔面が腫れてるグレイが神妙に口を開いた。かっこ悪い。
「グレイも無事でよかったよ」
「おめえのせいで無事じゃねえけどな」
「・・・て、てへ・・・?」
ちょっとやりすぎたかもしれない。グレイの全裸など初めてみるものでもないし。
(・・・ウルはいる・・・みたいだけど、眠ってる?)
なんとなく気配は感じるが、何も言わない。呼びかけてみたが反応がなかった。まるで、楽園の塔から生還した後のようだ。
(魔力も空っぽみたいだし・・・また魔法でも使ったのかな?)
まぁ、そこらへんは後々聞いておこう。
「じゃああのニワトリヘアーは倒したの?」
「ニワトリって・・・倒したけどよ」
※レーサーのことです。
「リオンやシェリーと一緒にな」
「へー!リオンたちと共闘したんだ。その二人はどこに?」
「消耗が激しかったからちょっと休むってよ」
リオンは囮になったりしてたので結構攻撃を喰らったし傷も堪えないから休息が必要だという。シェリーもその付き添いだ。
「てかあの光の柱は何なんだよ。まさかアレがニルヴァーナってやつか?」
「そのまさかみたいだよ・・・」
「マジか・・・」
グレイは白い光の柱を唖然と見上げる。見ているだけ不安にさせるような光景だ。
「おいおい、やべえんじゃねえのか?」
「そのヤバそうなのにこれから近づこうってわけだけど・・・覚悟はできてる?」
アミクが挑戦的にグレイを見ると彼は鼻で笑ってきた。
「上等じゃねえか。どっかの腰抜け火達磨野郎とは違ぇってことを見せてやるよ」
「はぁーっ!?誰が腰抜けだコラァ!!」
こんな時でもケンカする二人に安心感すら覚える。アミクは怖気付いてるルーシィを見た。
「ルーシィはどうする?あんな危険なところ行かなくたっていいんだよ?」
ルーシィはそれを聞いて自分を奮い立たせるように、パチンと頬を叩いた。
「バ、バカ言わないで!これでも
そう言いながらもちょっと足が震えているのを見て少し笑ってしまった。勇敢な少女だ。
(できれば、ニルヴァーナを止めたりできればいいんだけど・・・行かないことには始まらないか)
こうしてアミクたちは白い光に向かって走り出した。
●
「はっ!」
「ハッピー!気が付いた、の!」
ハッピーが目を覚ましたのを見て、マーチは歓声をあげた。
「あれ?マーチ?何で・・・そ、そうだ!ナツは!?みんなは!?」
ハッピーがガバッと起き上がり周りを見渡した。
「あーしが来た時にはみんないなくなってた、の」
ハッピーは気絶しているエンジェル以外誰もいないことに気付くと、翼を生やした。
「ナツたちを探さなきゃ!」
「落ち着いて、なの」
マーチはそんなハッピーを宥める。
「あの光の柱が見えるでしょ?きっとアミクたちもあそこに向かってる、なの。だから、あーしたちもあそこに行けば会えるはず、なの」
「なるほどー!」
ハッピーは手をポンッと打った。
「でも、マーチ。オイラが起きるまで待っててくれたんだ」
「まぁ・・・仲間だから、なの」
ちょっと照れたように言うとハッピーもデレデレしていた。しゃんとせい。
「い、いいから行く、の!」
「あいさー!」
ハッピーたちも飛んで光の柱の方に向かっていった。
●
「いーーーーやーーーーーー!!!高いーーーー!!!」
ルーシィの悲鳴が響く。
「下を見ちゃダメだよ!余計に怖くなるから!落ちたら家賃倍になるって考えて!」
「落ちたら家賃も何もないわよ!!!」
アミクたちは突如巨大な建造物に変化したニルヴァーナを登っていた。
「ほんとにアレにはびっくりしたなー。急に変化するんだから」
これがニルヴァーナの正体なのだろう。全体的に見たらタコのようなものだった。そこで、アミクたちはニルヴァーナの足に当たる部分を登っていたのだ。マーチたちがいれば楽だったと思うが、いないものはしょうがない。
「何ブツブツ言ってんだ?もうすぐ着くぞ!!」
グレイの言葉に上を見るとニルヴァーナの足の折れ曲がりに差し掛かっているところだった。そこからは水平なので普通に歩いていける。
「こ、怖かったー・・・」
「お疲れ」
まさかこんな所でロッククライミング紛いのことをするとは思わなかったが、何にせよこれでニルヴァーナに侵入できる。
アミクたちは走りながら話し合う。
「ていうかなんでお前らおそろなんだ?」
「一致団結のため!」
「言い切ったわね・・・」
説明がめんどいのでそういうことにする。
「ほんとでっかいなー。さすがは古代の魔法ってところ?」
「善悪を反転させるって程なんだから、納得って感じね」
「おい、それより敵はどこだーーーーー!!!」
「自分から呼ばないでよ!!」
そこで、ルーシィはずっと気になっていたことを聞いてみた。
「こんな時になんだけど、アミクが首からかけてる袋、何が入ってるの?」
今日、
「ああ、これは・・・奥の手、かな」
「奥の手?」
グレイがアミクの言葉を復唱する。
「言っちゃうと録音用
「そーなのかっ!!?」
ナツが反応して振り向いた。ナツのマフラーもイグニールから貰ったものなので、ドラゴンからの貰い物に対して反応したのかもしれない。
「いざ、って時に再生してって言われてるんだ。何が録音されてるのかは聞く前にいなくなっちゃったけど」
そのうち教えるとか言っておきながらぶっちしたのだ、あのドラゴンは。
「今回、
「確かに・・・」
大体の戦いで再生している暇がなかった、というのが現状だ。使わなくてもなんとかなってるからよかったもが。
「本当に何が録音されてるんだろ・・・」
果たして、いざ、という時に効果的なものをもたらすものなのだろうか。
そうしていると。急にニルヴァーナが揺れ出した。
「はっ!嫌な予感・・・」
予感的中。ニルヴァーナが動き出したのだ。
「動くなんて聞いてないうっぷ!」
アミクたちはとっさに足にしがみついたが、ナツとアミクのダメージが大きかった。
主因、乗り物酔い。
「うおえええ・・・」
「止まっちゃダメよ!止まったら気持ち悪くなっちゃうわ!!」
「こうなるとホント使えねーな、お前ら・・・」
正直しがみ付くだけで精一杯だ。
「これはタコよ!でっかいダコだと思うのよ!!」
「こんな所にタコなんているのかー!!?」
「ナツのくせにそういう所気づかなくていいの!!」
ルーシィ、ちょっとひどいよ、それは。
「も、もう限界・・・!」
アミクがズルズルと横に滑る。この足はパイプのように円筒状になっているため、油断すると滑り落ちてしまうのだ。
「お、俺もむりぃ・・・」
「バカ!力を入れろ!!」
「アミク!!ナツ!!」
とうとう、アミクたちの手が足から離れた。
「あ、ヤバ・・・」
「おおお・・・?」
そのまま落下する二人。
「きゃああああああああ!!!」
「アミク、ナツーーーー!!!」
ルーシィたちの絶叫が響いたその時。
二つの小さな影が飛んで来て、二人をキャッチした。
「セーフだねー」
「大丈夫、なの?」
「ハッピー、マーチ!!」
「はぁ・・・」
その二つの影はハッピーとマーチだった。ルーシィたちは無事、アミクたちが救出されたのを見て安心する。
「か、かっけーぞハッピー・・・」
「ナイス、マーチ・・・。うえ」
とりあえず、グッドサインをしておいた。
「おまえら!!そのまま上に行け!!俺たちはその穴から中に入ってみる!!」
ニルヴァーナの足の付け根の方に穴があるのでそれのことを言っているのだろう。
「わかった!二人とも気をつけて!!マーチ、行くよ!」
「なの!!」
「乗り込むぞ、ハッピー!!」
「あいさー!!」
二人と二匹はぐんぐん上昇してニルヴァーナを見下ろす高さまで来た。そして、そこの景色に奪われる。
「すごい・・・」
「広えーな・・・」
建物が密集し、道が入り組んでいる。まるでこれは都市のようだ。
「まさか・・・古代都市?」
これが都市だとすると、ニルヴァーナと同じく大昔のものだと予測される。
「でも、こんなに広いとニルヴァーナを止める手がかりを探すのにも一苦労だね・・・」
「手がかりなら
「あと、ジェラールもだね!」
「ジェラール・・・!」
ナツがギリッと歯を食いしばった。
「と、とにかく、一旦二手に分かれない?広すぎし二人で固まって捜索するのは非効率だよ」
「そうするか。じゃ、後でな!!」
そう言うや否やナツはビューンとハッピーを伴って飛んで行ってしまった。
「速っ・・・
「倒せそうなら、倒しちゃってもいいんじゃない、の?」
「手がかり倒しちゃうのか・・・」
無力化する方向性は賛成だが。
「私にはこの耳と鼻があるから、探索もしやすいね。まずは反響マップから作ろうか」
超音波を発生させてその反響で周囲の状況を知るエコーロケーションで地形を調べるヤツだ。
「ーーーーーー!」
アミクの口から超音波が放たれた。建物や道に超音波が当たり、反響する。それを利用して、アミクの脳裏にこのニルヴァーナの大まかな地図が形成された。
「・・・うーん、前の方に砲台みたいなのがあるね。あそこから魔法を発射するのかな?」
実際、ニルヴァーナには砲台が積んである。もしかしたら、そこに何か手がかりがあるかもしれない。
「あとは・・・なんだろ?足の付け根の方になんかある・・・大きい
大きな手がかりとしてはこの二つか。
アミクはクンクン、と匂いを嗅いだ。
「・・・ここにはナツたちの他にもいるみたいだし、注意して進もうか」
「なの」
アミクたちは探索を開始した。
そういえばアミク鼻もいいの忘れてた、と今回取ってつけたように発揮する嗅覚。
設定はちゃんと覚えておこうね!