妖精の尻尾の音竜   作:ハーフィ

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アイ ウィル ビー バック!!


というわけで日本に帰ってきます。


マスターゼロ

アミク一行は王の間と呼ばれる建物の中に入った。

 

 

この中にニルヴァーナを止める重要な手掛かりがあるはずだ。しかし・・・

 

 

「どうなってやがる・・・」

 

「何これ・・・」

 

何にもなかった。驚くほど何もなかったのだ。

 

「王の間ってここよね? なのにそれらしきモノが何一つないじゃない!!」

 

「う、うーん・・・場所間違えた?」

 

「いや、中央って言っていたからここで間違いないはずだ」

 

アミクたちはキョロキョロと見回した。しかし、やはり何も見つからない。

 

 

「くそっ、ブレインを倒せば止められるモンかと思ってたけど・・・」

 

「そんな単純な話じゃなかったってこと、なの」

 

ルーシィもうーん、と手を顎に当てた。

 

「でもニルヴァーナの制御が出来るのはここだって、リチャードさんが言ってたし」

 

「リチャード殿がウソをつくとも思えん」

 

「止めるとかどうとか言う前に、もっと不自然な事に誰も気づかない訳!?」

 

シャルルが苛立たしげに言った。

 

「操縦席はない、王の間には誰もいない、ブレインは倒れた。なのに何でこいつはまだ動いてるのかって事よ」

 

シャルルの疑問に全員が黙る。まさか、という思いで、だ。アミクとマーチは推測を口にした。

 

「・・・もしかして自動操縦?」

 

「そうだとしたら、ニルヴァーナ発射までセットされてる可能性もある、の」

 

「そ、そんな・・・」

 

ウェンディは涙を浮かべて絶望する。ニルヴァーナを止める手段が見つからない今、このままではニルヴァーナは化猫の宿(ケット・シェルター)まで一直線だ。

 

「もう!なんで化猫の宿(ケット・シェルター)なの!私たちのギルドが狙われる理由も分からずじまいだし!!」

 

「まあ、深い意味はねえんじゃねーの?」

 

「動機はともかく、これを止めることの方が先だ」

 

シャルルも不安なのだろう、表面上は冷静のようだが、尻尾が不安げに揺れている。そこでアミクはハッと思い出す。

 

 

「そうだ、忘れてた!もしかしたらニルヴァーナを止めるのに関係あるやつ見つけたかも・・・」

 

「そんな大事なこと忘れちゃダメでしょ!!」

 

シャルルの言うことも最もだ。

 

「ニルヴァーナの足の付け根の所にでっかい魔水晶(ラクリマ)があったんだよ」

 

「もしかして・・・それが動力源、か?」

 

グレイの言葉にルーシィも賛同した。

 

「それ壊せば止まるんじゃない!?」

 

「それが・・・壊してみたんだけど修復されちゃったんだよね」

 

アミクの言葉に全員が驚いた。

 

「自己修復機能つきか!?」

 

「ますます、そいつが怪しいな・・・」

 

「でも、そんなのどうしろっていうのよ!」

 

やっと見つけた手掛かりなのに、解決策が見つからず八方塞がりな状況にみんな焦る。

 

「やっぱ、このデケエのを壊すしかねえだろ!」

 

「どうやって?なの」

 

「こう・・・なんか、どかーんって!」

 

「貧弱な発想力・・・」

 

こんな大きいものを破壊するなど、ドラゴンぐらいでしか無理じゃなかろうか。だがその時、ウェンディとアミクはある人物を思い浮かべる。

 

(もしかしたらジェラールなら・・・!)

 

そこでアミクとウェンディはアイコンタクトして頷きあう。

 

「皆さん!私心当たりがあるので探してきます!!」

 

「ちょっとウェンディ!待ちなさい!!」

 

ウェンディとシャルルは王の間から出て外を走って行った。二人だけだと心配だが、ジェラールの方はウェンディに任せることにする。アミクは念のため、ここでみんなと別の手段を探す方に注力することにした。

 

「じゃ、私たちは他の方法を模索しておこうか」

 

「そうだな、ウェンディたちが失敗したときのためにな」

 

「一旦アミクが言ってた魔水晶(ラクリマ)の方に行ってみない?何か分かるかも」

 

次の指針が決まりそうになった時、アミクたちの脳裏に声が響いてきた。

 

『みなさん、聞こえますか?』

 

「うわ!」

 

突然の声にアミクは驚く。なんか聞き覚えがあるような・・・。

 

『私デス、ホットアイデス』

 

「あ!彫刻品みたいな人!」

 

「その覚え方はどうなの・・・」

 

そういえばこんな声してたような気がする。

 

 

でも微妙に違うような・・・?

 

簡単にルーシィからホットアイことリチャードがニルヴァーナにより改心した、と説明を受ける。

 

 

そして、リチャードからは、自分はミッドナイトに敗北。そのミッドナイトがニルヴァーナを操っていて、彼は現在王の間の真下にいるので倒してほしい、と頼まれた。

 

『ガハッ』

 

「リチャード殿!」

 

リチャードは説明し終わると力尽きたのか念話を切った。

 

「王の間の真下って、この下だよね!?」

 

「おし!! 希望が見えてきたぞ」

 

「強い奴か・・・燃えてきたぞ」

 

それぞれやる気になっている中、アミクは微かな違和感に首を傾けていた。

 

(・・・さっきあの人は自分のことを「ホットアイ」って言ってた。でも、本名を教えたのならそっちで名乗ればいいのに・・・いや、癖みたいなものかな?穿ち過ぎも良くない)

 

さっきの記憶と微妙に違う声だからといって疑り深くなってしまっている。頑張ってくれた人に失礼だろう。

 

アミクはそう判断して、ルーシィたちと一緒に下に向かうことにした。

 

だが、嫌な予感は止まらなかった。王の間の真下まで来たが、目の前には扉がある。これを開ければ、ミッドナイトがいるらしいのだが・・・。

 

「よーし、ぶっ飛ばしてやる!」

 

「あ、ちょっ!!」

 

だが、アミクが制止する間もなくナツが扉を開けてしまった。

 

 

 

直後、目に映ったのは閃光だった。

 

「いかん!罠だ!!」

 

ジュラの警告とともに、衝撃がアミクたちを襲った。

 

 

 

「う・・・」

 

何が起こったか分からなかった。とにかく、頭が痛い。

 

 

「な、なんなの・・・?」

 

「なんだこりゃあ・・・」

 

アミクたちはドーム状の岩の中に閉じ込められていた。敵の魔法だろうか。思ったより狭くてこの人数だとキツイ。

 

「えい!」

 

アミクは天井を蹴り上げ、穴を開けた。そこから外に這い出る。

 

「一体何が・・・」

 

そこで、アミクは目の前にボロボロの誰かが立っているのが見えた。

 

 

 

ジュラだ。

 

 

両腕を広げ、荒い息を吐いている。まるで、アミクたちを守るかのように。

 

「ま、さか、私たちを庇って・・・!?」

 

先程のは恐らく爆発。それをジュラが身を呈して守ってくれたのだろう。時間がなかったため自分までは防げなかったのだ。

 

ナツたちは唖然とした。もうほぼ白目を剥いているジュラは、それでも言葉を紡ぐ。

 

 

「無事で・・・よかった・・・!」

 

 

それだけ言うとーーーーーー仰向けに倒れた。

 

「ジュラさん!!」

 

アミクたちはジュラに駆け寄る。

 

 

「どうしよう・・・ひどい怪我・・・」

 

「死ぬんじゃねえぞ、オッサン!!」

 

アミクは急いで歌を歌う。

 

ーーーーーー♩

 

「『治癒歌(コラール)』!!」

 

優しげな光がジュラを包む。みるみるジュラの傷は癒えていった。

 

「・・・よし、これで大丈夫」

 

「よかった・・・」

 

とりあえず、死ぬことはないだろう。まだ気絶しているが、そのまま安静にしておいたほうがいい。

 

 

「・・・やっぱり、さっきの念話は罠だっんだ」

 

アミクが言うと、グレイたちが抗議する。

 

「デカブツが騙してたってのかよ!?」

 

「ううん、そうじゃなくて・・・あのリチャードさんは偽物だったんじゃないかな」

 

アミクは先ほど感じた違和感を含め、推測を説明した。

 

「・・・なるほどな」

 

「アミクだからこそ、些細な声の違いに気付けたのね・・・」

 

「くっそー!ミッドナイトってやつがやったのか!?」

 

「それは分からないけど・・・」

 

その時、アミクが物音に気づく。カツン、と聞こえた直後、振り返る。

 

「誰!?」

 

そこにはーーーーーー杖がいた。よく見るとブレインが持ってた、先端に髑髏が付いている悪趣味な杖だ。

 

 

 

「ブレインめ、最後の力を振り絞って、たった一人しか仕留められんとは・・・」

 

 

その杖が喋り出した。ていうか自分で歩いてもいる。

 

「…杖が喋った!の」

 

いくら魔法という概念があるとはいえ、こんなのは初めてだ。

 

アミクたちが固まっていると。

 

「おい、棒切れ!このデケェの止めろ!」

 

ナツが杖を掴んでめちゃくちゃ叩き始めた。

 

「やめろ小僧!」

 

杖は急いで離脱する。そして、邪悪な笑みを浮かべた。無駄に表情豊かだ。

 

「私は七人目の六魔将軍(オラシオンセイス)。貴様らを片付けるために眠りから目覚め」

 

「とーめーろーよー!」

 

ナツはお構いなしに再び杖を叩き始める。

 

 

「なんか不思議な魔法アイテムだね・・・」

 

「魔法アイテムなど、そんな低俗なものと一緒にするな!!」

 

アミクの言葉に杖、いやクロドアが憤って叫んだ。

 

 

クロドアはナツの手から抜け出すと、ナツに頭突きを喰らわせた。

 

「ぐおっ!?」

 

それに驚いているグレイにも同じく攻撃する。

 

「ってえ!!」

 

「ナツ!グレイ!」

 

「うっわ、地味ー」

 

クロドアは次の標的をアミクに定めた。

 

床を蹴ると、結構な素早さでアミクに突っ込んでいき

 

「てい」

 

「ぐばあ!!?」

 

ハエのように叩き落とされた。

 

「あ、ラッキー」

 

反射的に手を振ったのが当たったらしい。

 

アミクはバッとクロドアを掴んだ。

 

「さあ、もう観念して・・・」

 

ヒュッ

 

 

しかし、クロドアは俊敏にアミクの手から抜け出すと、アミクのスカートの中に侵入する。

 

「ちょ、きゃあっ!!?入ってこないで!!」

 

クロドアはそのままスルスルと上っていき。スカートから上着を通って、胸の谷間から脱出した。

 

「ほお、いい肌触りじゃないか」

 

「いやああああ!!?」

 

「こ、この変態杖!!」

 

ルーシィがクロドアを蹴ろうとするが、それを軽く避けて、さらに言い募る。

 

「星柄のパンツなんて可愛いものを履いてらっしゃる」

 

「わああああああん!!!」

 

アミクは半泣きだ!

 

「サイテーよ、このエロ棒!!」

 

「ははは、なんとでも言え!」

 

ナツたちはクロドアを睨んだ。

 

「くっそ、杖のくせに強えな・・・」

 

「杖だからって舐めてると痛い目に合いそうだね」

 

「ついでにエロいこともする、とんでもない杖、なの」

 

「も、もう許さないんだから!」

 

胸を押さえて真っ赤になったアミクがクロドアを指差す。

 

 

「ふふふ、残念だが貴様らはこのクロドア様に始末され・・・はっ!!!」

 

そこで、余裕そうだったクロドアが急に青ざめてカタカタ震え出した。

 

「そんな・・・バカな・・・六魔が、全滅!?」

 

「な、なに?」

 

汗をダラダラと流しているクロドアが、恐る恐る言葉を紡いだ。

 

「いかん、いかんぞ!あの方が・・・来る!!」

 

「あの方・・・?ブレインも言ってたけど誰なの?」

 

 

アミクのその疑問に答えるようにクロドアが口を開いた。

 

「ブレインにはもう一つの人格がある」

 

(あ、答えてくれるんだ)と思ったアミク。隙だらけの今、攻撃しちゃおうか、とも思ったが空気を読んで黙って聞いていた。

 

「知識を好み『(ブレイン)』のコードネームを持つ表の顔と、破壊を好み『(ゼロ)』のコードネームを持つ裏の顔」

 

「ゼロ!?」

 

不吉なコードネームだ。

 

「あまりに凶悪で強大な魔力の為、ブレイン自身がその存在を六つの鍵で封じた」

 

「もしかしてそれが…六魔将軍(オラシオンセイス)!?」

 

そういえば、ブレインの顔の模様。アレが減ってるとかどうとかの話があったが、それが『鍵』だったのだろうか。

 

「生体リンク魔法により、六つの『魔』が崩れる時……『無』の人格は蘇る……」

 

なるほど、生体リンク魔法ならば顔の模様についても納得である。六魔将軍(オラシオンセイス)が倒されれば消えていく仕組みになっていたのだろう。

 

 

その瞬間。

 

おぞましい魔力がその場を突き抜けた。

 

 

クロドアはその魔力が流れて来る方向を凝視した。アミクたちもその魔力を感じて固まる。

 

(なに・・・この魔力・・・)

 

とんでもない魔力だ。以前戦ったジョゼにも劣らない。

 

そして、とうとう魔力の源が現れた。

 

「お…おかえりなさい!!マスターゼロ!!!」

 

「マスター…?」

 

 

器用にも身体を折り曲げ、地面に頭を擦り付けるクロドア。

 

そんなクロドアをよそに、1人の男が歩み寄ってきた。

 

顔こそブレインだが、色黒で模様だらけだった彼とは違い、肌は白く、瞳が赤く染まっている。さらにブレインよりも邪悪で、獰猛な笑みを浮かべていた。

 

彼こそ六魔将軍(オラシオンセイス)のギルドマスター、ゼロだ。

 

「ずいぶん面白ェ事になってるな、クロドア。あのミッドナイトまでやられたのか?」

 

落ち着いた感じに喋るブレインとは対照的に、荒々しく喋り、粗野な印象を受ける。

 

「はっ!!! も…申し訳ありません!!!」

 

「それにしても、久しいなァこの感じ。この肉体…この声…この魔力…全てが懐かしい」

 

そう言うと、ゼロは着ていた服を脱ぎ捨てた。

 

「後はオレがやる。下がってろクロドア」

 

「ははーっ」

 

換装か何かか。あっという間に軍服のような服装に変わると、目の前に立つアミクたちを見た。

 

「小娘ども、ずいぶんとうちのギルドを食い散らかしてくれたなァ。マスターとして、オレがケジメを取らしてもらうぜ」

 

睨まれただけで腰が抜けそうな迫力だ。六魔の誰をも超えるこの魔力。さすがはマスターか。

 

「コイツが、ゼロ!!?」

 

六魔将軍(オラシオンセイス)のギルドマスターが、ブレインの裏人格だったなんて…!推理小説じゃあるまいし!」

 

同じ肉体なのに人格が変わるだけで、魔力も変化するものなのか。

 

「燃えてきただろ? ナツ」

 

「こんな気持ち悪ィ魔力初めてだ…」

 

それはアミクも感じている。吐きそうなほどの禍々しさに押しつぶされそうである。

 

「そうだな…まずはこの体ブレインを痛めつけてくれたボウズから…消してやる」

 

ゼロはまず、倒れて気を失っているジュラに目を付けた。

 

「動けねえ相手に攻撃すんのかよテメェは!!」

 

「動けるかどうかはたいした問題じゃない。形あるものを壊すのが面白ェんだろうが!!!」

 

そう言い放って、ゼロはグレイに向かって魔法を撃った。

 

「!『(シールド)』!!」

 

咄嗟に氷の盾を作り出し、魔法を防ぐ。だが…。

あっという間にヒビが入って崩壊してしまった。魔法はグレイの腹にめり込むように直撃した。

 

「オレの盾が!!?こんな簡単に…ぐああああああっ!!!」

 

大きく吹っ飛ばされるグレイ。ブレインとは比較にならないほどの威力だ。

 

そこに、ナツがゼロに炎の拳を叩き込もうと接近していた。

 

思いっきり拳を振り抜く。

 

だが、ゼロはそれを体を捻って躱し、逆に裏拳をナツの顔面に叩き込んだ。

 

「ぐああぁぁぁあ!!!」

 

ぶっ飛ばされたナツは壁に激突する。

 

「ナツ!グレイ!!」

 

「さて、次はやたらハゲハゲ言ってきた小娘か・・・」

 

ゼロは次なる矛先をアミクに変えた。

 

「『音竜のほ』」

 

ゴキ、という音が脇腹からした。そのまま思いっきり横にぶっ飛び、壁に叩きつけられた。

 

(な、にが…脇腹が、痛い…)

 

「ぐふぅっ」

 

小さく吐血する。意識が朦朧とする中、アミクは絶望した表情でこちらを見るルーシィたちを見る。

 

 

一瞬でアミクの懐に入り込んだゼロがアミクの脇腹を蹴り抜いたのだ。簡単に骨が折れ、内臓までが傷つく。

 

ルーシィはあっさりとやられてしまったアミクたちを見て、恐怖で身体を震わせていた。

 

「アミク・・・!」

 

「ナツぅ」

 

マーチとハッピーも同様だ。

 

(体が…動かない…!怖い…!)

 

そんなルーシィたちにゼロは手の平を向ける。そして。

 

 

 

「「きゃあああああああああっ!!!」」

 

「わあああああああああ!!!」

 

強大な魔法を放って吹き飛ばしてしまった。

 

 

「さ…さすがマスターゼロ!!お見事!!この厄介なガキどもをこうもあっさり…」

 

クロドアがごますりして(手はないが)ゼロを賞賛するも。

 

「まだ死んでねえな」

 

「へ?」

 

クロドアは間抜けな声を出す。

 

「まだ死んでねえよなァガキどもォォ!!!だって形があるじゃねえか!!!」

 

残虐な性格がここで本領を発揮した。すでに傷ついてボロボロのアミクたちを嬉しそうに見るのだ。まるでおもちゃを与えられた赤子のように。

 

「ヒャッハァッ!!!」

 

まず、横に飛ばされたアミクに近づき、頭を鷲掴みにする。そして、ナツたちが倒れている方向に投げ飛ばした。

 

「う”っ」

 

「ガハハハハハハッ!!!」

 

そうしてから、ゼロはがむしゃらに魔法を繰り出し、アミクたちに向けて放っていった。壁が壊れ、地面が抉られ、天井に穴が空く。

 

 

 

 

轟音。騒音。激音。

 

ひしゃげる音。潰れる音。壊れる音。

 

ああ、嗚呼。

 

 

すべてが心地いい。

 

 

 

「ひいいいっ!!!マスターゼロ!!それ以上は…」

 

陶酔感に満たされているゼロにはクロドアの声など聞こえていなかった。むしろその声を塗りつぶすかのように哄笑をあげる。

 

 

壊すのはやっぱり最高だ。形あるものが(ゼロ)に変えられていく様を見ると、笑いが止まらなくなる。

 

 

 

破壊がすべて。

 

 

 

破壊こそ至上。

 

 

 

破壊こそが、自分の生き様だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アミクたちはぜんめつしてしまった…。

 

 

 

 

 

 




やっぱ、家がいいわ〜。


さて、そろそろニルヴァーナ編も佳境に入ってきました。ニルヴァーナ編が終わったらいつものように閑話を少し挟んでエドラス編です。

ギルダーツは閑話で出ます。

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