妖精の尻尾の音竜   作:ハーフィ

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今回は導入の為短いです。


立ちあがれ光の戦士たち

アミクたちと別れたウェンディたちは無事、ジェラールに会うことができた。その場にエルザもいたのは驚いたが、とにかくやっと彼に会うことができてウェンディは喜んだ。

 

しかし、彼は記憶を失っていた。だから、ウェンディやエルザのことも覚えておらず、ニルヴァーナの止め方も分からないとのことだった。

 

途方に暮れていると、アミクたちを全滅させたゼロが目の前に見えてきた化猫の宿(ケット・シェルター)に向けてニルヴァーナを発射しようとした。

 

「やめて―――――――っ!!!」

 

ウェンディの悲痛な絶叫が響いたその時。

 

 

空から白い光が降ってくる。

 

 

それがニルヴァーナの足に当たってニルヴァーナは体勢を崩した。それによって、ニルヴァーナの魔法が化猫の宿(ケット・シェルター)から逸れた。ギリギリだった。

 

「なんだ!?」

 

「外したわ!!」

 

それを見たエルザたちは白い光が降ってきた方向を見る。そこには撃墜されたはずの魔導爆撃艇クリスティーナが空を飛んでいる姿があった。

 

煙を上げながらも懸命に空を飛ぶ、ボロボロのクリスティーナ。

 

 

それを呆然と見上げていると、ウェンディたちの頭の中に声が響いてきた。念話だ。

 

 

『…きこ…聞こえ…る……聞こえるかい!!誰か!!僕の声は聞こえているかい!!?』

 

「この声は……ヒビキさん!」

 

ウェンディが歓声をあげる。

 

「無事だったか」

 

『私も一応無事だぞ、メェーン…』

 

『ウェンディちゃんにエルザさん!それに、先輩も!』

 

一夜の声が聞こえてくるのを見ると、彼も無事なのだろう。というか存在すら忘れていた。

 

 

「どうなっている? クリスティーナは確か撃墜さたはず」

 

「まだ飛べたんですね」

 

『ああ、何とかね…僕たちは即席の連合軍だが、重要なのはチームワークだ。壊れた翼をリオン君の魔法で補い…シェリーさんの人形撃とレンの空気魔法(エアマジック)で浮かしているんだ。さっきの一撃は、イヴの雪魔法にクリスティーナの魔導弾を融合させたんだよ』

 

連合軍の力を合わせて起こした奇跡。それが、ニルヴァーナの砲撃を逸らしたのだ。

 

『だけど、足の一本すら壊せないや…あんなに頑丈だなんて…それに、今ので魔力が…』

 

『イヴ!』

 

かなり魔力を使ったらしく、疲労していたイヴの声が途切れた。力尽きたらしい。

 

 

「ありがとう、みんな…」

 

ウェンディは涙ぐんだ。みんなが一つになってニルヴァーナを止めようとしてくれている。それがどうしようもなく嬉しかった。

 

『聞いての通り、僕達は既に魔力が限界だ。もう船からの攻撃はできない。いつまで飛んでいられるのかも分からない』

 

それを証明するが如くクリスティーナの一部が爆発し、大きく傾いた。

 

「み、みなさん!!」

 

『僕達の事はいい!最後に、これだけ聞いてくれ。時間がかかったけど、ようやく古文書(アーカイブ)の中から見つけたんだ!! ニルヴァーナを止める方法を!!』

 

それを聞いてウェンディたちの顔が驚愕と歓喜に包まれた。ようやく止める方法が分かるのだ。喜ばないはずがない。

 

 

「本当か!!?」

 

『ニルヴァーナには、足のような物が6本あるだろ?その足は、大地から魔力を吸収しているパイプのようになっているんだ』

 

「だから、足の付け根の所に魔水晶(ラクリマ)があるんですね!」

 

そこに吸収した魔力を集めるのだろう。

 

『な、なんだ…知ってたのか』

 

「アミクさんが見つけてくれました!…でも、破壊しても修復するって…」

 

『そこまで分かってるのなら話は早い。ニルヴァーナの全機能を停止させるには、全ての魔水晶(ラクリマ)を同時に破壊しなくちゃダメなんだ。一つでも残ってたらそれが他の魔水晶(ラクリマ)を修復してしまう』

 

アミクが壊しても修復したのはそういうことだったのだ。

 

「6箇所のラクリマを同時にだと!? どうやって!」

 

『僕がタイミングを計ってあげたいけど、もう…念話がもちそうにない』

 

ヒビキもかなり無理をしたのだろう。息が荒いのが念話越しでも分かる。

 

『君たちの頭に、タイミングをアップロードした』

 

その時、全員の頭の中に情報が付け足された。まるでカウントダウンみたいなものだ。

 

「20分!?」

 

『次のニルヴァーナが装填完了する時間だよ』

 

「これなら、タイミングを合わせられそうね」

 

シャルルが納得したように言った。

 

 

『君たちならきっとできる!!信じてるよ』

 

『無駄な事を…』

 

ヒビキが激励した直後、別の声が割り込んできた。

 

『誰だ!!?』

 

「この声…」

 

ウェンディたちの記憶が正しければブレインのものだったはずだ。しかし、随分印象が違って聞こえる。

 

『僕の念話をジャックしたのか!!?』

 

『オレはゼロ。六魔将軍(オラシオンセイス)のマスターゼロだ』

 

六魔将軍(オラシオンセイス)マスターだと!!?』

 

ここに来てギルドマスターを名乗る者が現れ、動揺する連合軍。

 

『まずは褒めてやろう。まさかブレインと同じ古文書(アーカイブ)を使える者がいたとはな…聞くがいい! 光の魔導士よ!オレはこれより、全ての物を破壊する!』

 

ゼロは高らかに宣言した。

 

『手始めに仲間を4人破壊した。滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)二人に氷の造形魔導士、星霊魔導士、それと猫を二匹、か』

 

それはアミクたちのことだ。それを聞いたウェンディが悲痛な表情を浮かべる。

 

「そんなの嘘よ!」

 

『テメエら、魔水晶(ラクリマ)を同時に破壊するとか言ったなァ? オレは今その6つの魔水晶(ラクリマ)の内どれか一つの前に居る!オレが居る限り、6つ同時に壊す事は不可能だ!』

 

そう言い放つとゼロは念話を強引に切った。

 

「6つのラクリマを同時に破壊するとなれば、我々全員で手分けして向かうしかないな。ゼロに会う確率は6分の1。しかも、エルザ以外は勝負にならんと見た方がいいか…

 

 

ジェラールはそう言うが…。

 

「ちょっと!何言ってんのよ!魔水晶(ラクリマ)を破壊できる魔導士が、6人もいないわ!」

 

「あ、わ、私…破壊の…魔法は…使えません!ごめんなさい!」

 

ウェンディがダメならばこの場で壊すことができるのはエルザとジェラールのみになるが。

 

「こっちは2人だ…他に動けるものはいないか!」

 

『マイハニー…私がいるではないか。縛られているが…』

 

また存在忘れてた。

 

 

これで一夜を含めて三人。

 

 

後三人いれば…。

 

 

その時、リオンの声が響く。

 

『グレイ…立ち上がれ…お前は誇り高きウルの弟子だ。こんな奴らに負けるんじゃない』

 

以前はグレイを憎んでいた彼は、ウルの弟子としてグレイを認め、その力を信じているのだ。

 

『私…ルーシィなんて大嫌い…ちょっと可愛いからって調子に乗っちゃってさ、バカでドジで弱っちいくせに…いつも…いつも一生懸命になっちゃってさ…死んだら嫌いになれませんわ、後味悪いから返事しなさいよ』

 

シェリーの弱々しげな声。なんだかんだ、ルーシィのことは認めているらしい。

 

「アミクさん…!お願いです、目を覚ましてください!まだ、私、アミクさんと話したいことがいっぱいあります…だから、こんな所で死なないでください!」

 

ウェンディも必死にアミクに呼びかけた。憧れていた人にやっと会えたのにここでお別れなんて嫌だ。

 

「オスネコ…メスネコ…」

 

『ナツ君…』

 

仲間たちがナツたちが立ちあがることを願い、信じて呼びかける。

 

「聞こえるだろ。ナツ…さっさと返事をしろ」

 

エルザの言葉が響いた、瞬間。

 

『…オウ!』

 

威勢のいい返事が聞こえた。

 

『…聞こえてる、よ!』

 

それに続くように少女の声もあがった。

 

 

 

 

 

 

アミクたちはフラフラになりながらも必死に身を起こした。

 

「6個の魔水晶(ラクリマ)を、同時に壊す…!」

 

「運が良い奴は、ついでにゼロも殴れる…でしょ」

 

「運、いいのかなぁ…それ」

 

「あと18分。急がなきゃ…シャルルとウェンディのギルドを守るんだ!」

 

「別にシャルルのためじゃない、の。みんなの為、なの」

 

すでにボロボロ。血だらけだし、傷も深い。喋っているだけでもキツイ。

 

でも、ここで立ちあがらなくてはダメなのだ。信じてくれる皆の為にも。

 

 

「『治癒歌(コラ―ル)』!!」

 

アミクたちの身体を光が包み、傷を癒す。しかし、全快とはいかない。魔力が心許ないのだ。

 

「でも…これで、十分…!」

 

「動けるなら、いい!」

 

アミクたちが完全に立ち上がると、脳裏にヒビキの声が響く。

 

『もうすぐ…念話が切れる…頭の中に、僕が送った地図がある…各ラクリマに番号を付けた。全員がバラけるように…決めてくれ…』

 

「1だ!」「1!」

 

ナツとアミクの声が同時にあがる。

 

互いに睨みあった。

 

「オレが1に行く!」

 

「いや、私が!」

 

「もう!どーせ人数余るんだから二人で行けば?」

 

「「……」」

 

アミクは納得、ナツは渋々といった感じで引き下がる。

 

「2!」

 

「3に行く! ゼロが居ませんように…」

 

グレイは2でルーシィは3だ。

 

『私は4に行こう…ここから一番近いと香り(パルファム)が教えている』

 

『教えているのは地図だ』

 

『そんなマジでツッコまなくても…』

 

『私は5に行く』

 

「エルザ、元気になったのか!」

 

『ああ、お陰さまでな…』

 

一夜が4、エルザは5。

 

『俺は…』『お前は6だ』

 

「今の誰だ?」

 

一瞬だけ聞こえた声。記憶通りなら、ジェラールだ。アミクはそう、気付く。

 

でも、今それについて言及するつもりはない。

 

とにかく、全部の魔水晶(ラクリマ)に人が割り振られた。ちょうど念話も切れて、クリスティーナが落下してしまう。

 

 

「…じゃ、行動開始だね」

 

「あーしたちはルーシィについて行く、の」

 

この中で一番戦闘力がないのはルーシィだ。妥当である。

 

「成功を祈るわ!」

 

「しくじるなよ」

 

「あとでねー」

 

「なの」

 

ルーシィたちはそれぞれの魔水晶(ラクリマ)に向かっていった。

 

 

「…行くか」

 

「うん…燃えてきた?」

 

アミクは静かに問うた。ナツはいつものように自信にあふれた笑みを浮かべる。やっぱりいつ見ても安心できる笑みだ。

 

「お前も、だろ?」

 

「そうかもね」

 

アミクは曖昧に答える。正直に答えるにはちょっと抵抗があったからだ。

 

 

ともかく。アミクたちも移動することにする。

 

 

 

 

 

 

決戦の地へと。

 

 

 

 

 

 

1の魔水晶(ラクリマ)は案外近くにあった。

 

 

入口に入ってしばらく、アミクは静かに歌う。

 

 

―――――♪

 

 

「『攻撃力強歌(アリア)』『防御力強歌(アンサンブル)』『速度上昇歌(スケルツォ)』」

 

付加術(エンチャント)の大盤振る舞い。それをアミクとナツに掛ける。

 

 

「…うっ、魔力が…」

 

「最初はオレが突っ込む。おまえはその間「音」食って回復してろ」

 

「…頼むね」

 

「任せろよ。オレとアミクなら、絶対倒せるぞ!」

 

これから戦う気満ヶの二人。

 

 

 

そう、1の魔水晶(ラクリマ)には『奴』がいる。

 

 

アミクたちが魔水晶(ラクリマ)にある広場に来ると、男が魔水晶(ラクリマ)の前で待ち構えていた。

 

 

彼は大きく唇を歪ませる。

 

 

「ようやくお出ましか。滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)ども」

 

 

六魔将軍(オラシオンセイス)のギルドマスター、ゼロが魔力を高ぶらせた。

 

 

「さっきとは雰囲気が違うな?付加術(エンチャント)で力を上げたか」

 

「詳しいね?」

 

破壊に執着しているようで割と知識は深い。

 

 

「ブレインとは知識と記憶も共有するんだよ。なんにせよ、壊しがいがありそうじゃねえか」

 

簡単に壊れてはつまらん、とばかりに言う。

 

「壊れんのはオレたちとお前、どっちだろうな」

 

ナツが啖呵を切った。

 

「そっちこそ、簡単にやられちゃわないように気をつけてね」

 

アミクも続ける。

 

「なんせ、私たち二人で最強コンビなんだから!」

 

「さっきはあっさりやられてたくせに、言うじゃねえか!」

 

ゼロは禍々しい魔力は両手に纏わせ、身構えた。

 

 

 

 

 

光と闇が、ここにて衝突する。

 

 

 

 

 

 

 

 




ウェンディとシェリアは最高のロリです。

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