『委員長決定/謀る侵入者』
オールマイトが雄英高校の教師として赴任したことが世に広がり初めた。そんな上手いネタをマスコミが逃すわけもなく彼らは連日、雄英高校の正門前へと押しかけていた。
その影響でいつものように麗日、飯田と合流していた出久も彼らの質問を受けることとなる。
「オールマイトの授業とかどんな感じですか!?」
「えっと、その……とっても頑張れる気になれます!」
「様子?うーんと……筋骨隆々!!です」
「最高峰の…………(ry」
無難に返す出久。四字熟語で答える麗日。真面目な学生を連想させる飯田。それでマスコミから解放された三人は緊張しながらも教室に入っていく。
ちなみにあまりにしつこいマスゴミは
ピーー!!ガガガガガガガガガ!!!
「うわぁぁ!何!?」
マイクを持って校門をくぐろうとした所、校門のセンサーに触れてしまいセキュリティが発動。そのため開かれていた門は完璧に閉まっている。
「雄英バリアーだよ、俺らはそう呼んでいる」
「ネーミングセンスダサくない!?」
学生証とか通行許可証の持ってない者が学校のものでない限り入ることは許されなく、またセキュリティは門だけでなく所々に設置してあるとマスコミの対応していた相澤は説明する。
「なにそれーお高く止まっちゃって!!」
「一言くらいくれたっていいのにさ!」
「ったくこっちは二日も張ってんのにうんともすんとも言わねぇ!」
そんな対応にマスコミは満足してないのか、欲求不満がからか怒りの声を上げ初めた。
マスコミ怒り狂う嵐のブーイングの中、
「はぁ………」
どっからどう見てもマスコミではない者が記者達の後ろから歩み寄り_________。
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そんな事は露知らず、始業の時間が来てHRで相澤が昨日の結果を吟味しながら話をする。
「昨日の戦闘訓練は、まぁお疲れ様だったなと言っておこうか」
初めにくれたのは労いの言葉。それから相澤は「緑谷、爆豪」と前置きをして、
「お前らの意識の高さと判断力、戦闘能力は買ってやるし、実際プロになったら情報が食い違う場合が多い………が、特に爆豪、パートナーの他に仲間がいる可能性を考慮させる所まで考えたのなら事前にもう少しパートナーと相談しろ」
「……はい」「………うっす」
注意をいれる。二人は素直に頷いた。
「それじゃ今回のHRでの本題だが、急で悪いがお前らには……」
それで生徒達の表情が曇る。
個性把握テストでの一件があって、また除籍のかかった事をさせられるのではないかという不安から来るものであった。緊張に包まれるA組。
しかしそんな緊張とは裏腹に
「学級委員長を決めてもらいたいと思う」
『学校っぽいのキター!!』
緊張感が抜け落ちる事を言うものだから、テンションが上がり次々と手を上げる生徒達。
ヒーローを目指す者としてクラスメイトといえど、先導する経験をしたいと思うのは至極当然の事だった。そんな盛り上がる生徒の中に大声が轟いた。
「静粛にしたまえ!!」
飯田の声である。
「〝多〟を牽引する重大な仕事……やりたい者がやれるものではないだろう!周囲からの信頼あってこそ務まる責務。民主主義に則りこれは投票で決るべきだろう」
「そびえ立ってんじゃねーか!!何故発案した!!!」
飯田の言は周囲の信頼あってこその役目、だから等しく平等に決めるために多数決を取ろうという発案だった。
「日も浅いのに信頼もクソもないわ。飯田ちゃん」
「そんなん皆自分に入れらぁ!」
「だからこそここで複数票を獲った者こそが真にふさわしい人間ということにならないか?!」
とまぁそ飯田の意見が採用され投票が行われ
緑谷出久 三票
八百万百 二票
という結果になった。ちなみに発案者の飯田はゼロ票という何がしたかったのか分からない結果になり、
「僕他に入れたのに………マジでか」
「うーん、悔しい……」
委員長が緑谷。副委員長が八百万と決定したのだった。
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その日の昼。飯処。
「人すごいなぁ」
「ヒーローだけじゃなくてサポート科や経営科の生徒も一堂に会するからな」
雄英ではランチラッシュが安価で一流の料理を振舞ってくれているためか食堂は常に混雑している。
「お米がうまい」
そんな中麗日は白米を、飯田はカレーを、出久はカツ丼を食べながら先の委員長決めについて話していた。
「いざ委員長となると務まるか不安だよ……というか僕かっちゃんに入れたのに三票入ってるし……」
「ツトマル」
「大丈夫さ。緑谷君のここぞと言う時の判断力は〝多〟を牽引するのに値する。だから君に投票したのだ」
君だったのか。と心の中で突っ込む出久。
「でも飯田君、委員長やりたかったんじゃないの?メガネだし」
何気にざっくりいくよなぁ麗日さん。と再び突っ込む出久。
「〝やりたい〟と相応しいか否かは別の話……僕は僕の正しい判断をしたまでだ」
「「僕……!!」」
突然飯田が一人称を僕と言ったため二人は反応する。それから麗日が切り込んでいき、飯田がターボヒーローインゲニウムの弟であり、自分自身そんな兄に憧れてヒーローを志したと話した。その時に見せた笑み。
「なんか初めて笑ったかもね」
「え!?そうだったのか!?笑うぞ俺も!」
「………なれるよ、飯田君なら」
こうして三人親交を深めていく。と、いきなり雄英のベルが鳴り出した。
[セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに避難してください]
突然の事にパニックになる生徒達。
(耳鳴り!?こんな時に!?)
出久はこのパニックの中、慣れた耳鳴りに反応して誰も見ていないと窓際に寄り、レオを呼んで引きずり込まれるように鏡の中に入る。
そんな中状況を掴もうと飯田が押しつぶされそうになるも窓際にたどり着いて外の様子を伺うとそこには雄英内部に侵入した報道陣の姿があった。
(みんなパニックに陥っている!!)
「飯田くーーん!!!」
「麗日君!!!………そうだ、俺を浮かせろ麗日君!」
飯田は麗日に浮かしてもらいエンジンで加速それから生徒の意識が集中してる出口にいき、まるで非常口のような姿をとって大声で状況を知らせ、パニックに陥っている生徒達を鎮めたのだった。
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食堂の騒ぎが落ち着く数分前、
「変身ッ!」
鏡の中に入った出久は同じく鏡の中に入っていた爆豪と合流する。
「トラスト!」
爆豪は既にメタルゲラス………爆豪曰くライノを召喚して複数体の同系統モンスター及び先日とはまた違ったライダーと交戦中だった。出久はすぐさまレオと共に爆豪の助力に向かう。
「おせぇぞ!!デク!!」
「お前、この前のやつか!なんだお前らつるんでたのかよ。そこのサイっぽいやつのこっちのカード無効化するカード実に厄介だし………まぁいい、目的は達した帰る」
「その声!?お前、まさかこの前の!?」
こうして再び逃げようとする謎のライダー。声からして中は同じだと出久は気づく。が、再び謎のライダーは逃げようとし、
「ッチ!!こいつらァ!!」
「くそっ!!また!!」
追おうとする出久、爆豪を前と同じように同系統の複数体のモンスターが邪魔をする。それから謎のライダーが見えなくなり、出久と爆豪は互いにモンスターを一匹残らず撃破した。それから
「……おい、デク。風さんから貰った資料覚えてるか?それにあいつこの前お前の遭遇した奴なのか?」
「うん……間違いなく〝インペラー〟だね。……間違いないと思うよ、声を変えてなければ」
「そうか………なら尚更ここで捕まえたかったんだが」
前回出久が鉢合わせた謎のライダーと同じ人物が変身しているということが分かり捕えられなかった事に落ち込む二人。
「……契約モンスターは司令塔一体とはいえ……あの数に対して何かいい方法考えなきゃね………それに……あのライダーの底はまだ未知数だし」
「あぁ………そうだな………戦ってみた感じ奴はまだ全力じゃなかった……お前が前戦ったモンスターの事もあって複数体契約してる可能性もある……くそっ!!…厄介な状況だッ」
落ち込みつつも冷静に分析する二人。仮面の下にある二人の表情は険しいものだと分かる。
未だ測れぬ敵の実力。捕えられなかった悔しさを噛み締め互いに拳を強く握りしめたのだった。
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その後、
「あれ?デク君どこ行っとったん?」
「あ、えっと、ちょっと人混みに飲まれて頭を壁に打っちゃって気絶してた」
「え!?大丈夫なん!?」
「大丈夫だよ。かっちゃんが起こしてくれたからさ。麗日さん……僕が気絶してる間に何があったか教えてくれない?」
鏡の中から戻ってきた出久は気絶したという事にして、麗日から食堂での顛末を聞いた。話を聞いた出久は他のクラス委員決めの時に
「委員長は飯田君がいいと思います!先の食堂での顛末を聞いて、有事の際気絶してた僕よりもみんなをかっこよく纏められた飯田君がやるのが僕は正しいと思う」
委員長は飯田がいいと提案。
「あ!良いんじゃね!!飯田食堂で超活躍してたし!!」
「非常口の標識みてぇになってたよな!」
「なんでもいいから早く進めろ……時間がもったいない」
「「ひっ」」
それが通って
「委員長の指名ならば仕方があるまい!!」
「任せたぜ非常口!!」
「非常口飯田!しっかりやれよー!!」
飯田天哉はA組の委員長となったのだった。
(それにしても……あのライダーの目的……それにマスコミはどうやって)
その様子を見ながら出久はそんな疑問を覚えたのだった。
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とあるバーにて。
「はいよ。これ、雄英のカリキュラム」
「ありがとうございます」
「ほんと有能だよな、お前」
「いや、俺は無能だよ。有能って言うのはそこにいるでかい奴とかそこの黒いのことをいうんだよ」
ある男性がバーにいる、顔に何者かの手首を引っつけた青年に何か紙切れを渡す。紙切れには特別カリキュラムと書かれていた。
「んじゃ、頑張ってなUSJ」
男性はエールを送ってすぐに、どこかへ消えていった。青年はそれを表情の読み取れない目で見送ったあと、男性から渡された紙切れをみて
「楽しみだなぁ。黒霧」
邪悪な笑みを浮かべたのだった。