鏡とヒーローアカデミア   作:華無月

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ゲーム/ゾーンリザルト

 

―平和の象徴を殺せ―

 

黒い霧から現れた敵達は各々やるべき事をやろうとしている。そんな中で戦おうとしない三名。

 

黒いモヤの男・脳が剥き出しの男

・手を顔につけている死柄木弔という青年

 

その中で死柄木弔と呼ばれた青年が不気味と悪意の篭った声でそう言った。

 

「敵!?ウソだろオイ!?」

 

「ヒーローの学校に入り込んでくるなんて…いくら何でもアホだろ!?」

 

叫んだのは髪の毛が丸くなっている小柄な少年峰田と切島

 

「先生!ここの防犯センサーは!?」

 

「も、もちろん…ありますが…」

 

「おそらく敵の個性ッ!」

 

八百万が13号に確認をとるが、出久の読みが当たっているのか防犯センサーがあるのに対して警報が鳴らない。

 

「そいつの言う通り、現れたのがここだけか学校全体かは分からねぇが」

 

轟と爆豪は状況を整理してから

 

「ようはあのクソ共、昨日のマスゴミ集団を利用して、マスゴミの対応に追われる教師の隙を見てカリキュラム奪ったっつーことだろ!!」

 

「そうだな。俺たちがここに来ること、時間まで知ってる…おまけに警報も鳴らないということは…向こうには電波を妨害する個性があるからだ…」

 

一つ一つ丁寧まとめて、ため息をつく。

 

「バカだがアホじゃねえ…コイツらは、何らかの目的があってここにやって来てる用意周到の襲撃だ」

 

真剣になっていくその様子から生徒達が状況を掴んだと、判断した相澤は

 

「13号、生徒たちを守れ、俺がアイツらを食い止める。それと教師たちに連絡試してみたがダメだった…上鳴!お前も個性使って連絡試してみろ」

 

「ッス…!」

 

相澤がチャラそうな男子、上鳴に指示を飛ばすも上鳴はこの状況に動揺しているのか対応が遅れる。

 

「大丈夫だよ。落ち着いて上鳴君」

 

そんな上鳴を諭すような出久の声色。それで幾分か落ち着いたのか上鳴が連絡を試すが芳しくない。

 

その様子を見ずに敵へと向かおうとする相澤に

 

「た………多対一は先生として不向きなのではないですか!?」

 

不安そうに飯田がそう言うと

 

「…ヒーローは一芸だけじゃ務まらん」

 

そう言って敵の集団に真正面で飛びかかる。

 

 

「射撃隊!いくぞぉ!!」

 

噴水広場にて、ヘルメットを被った男が大声でそう叫ぶと三名が束になって相澤をみて構え

 

「情報じゃ13号とオールマイトじゃなかったか!?ありゃ誰だ!?」

 

「知らねえ!!が、突っ込んでくるとは」

 

三人同時に射撃の体制を取り

 

「「「おお間抜け!」」」

 

叫ぶが、構えた場所からは何も出ない。

 

「アレ?出ね……」

 

三人は不思議そうな顔をして個性を確認しようとするが、相澤がそんな隙を見逃すわけもなく捕縛用の布を巻きつけ一気に頭をカチ割るように三人の頭を頭突きさせる。

 

個性が発動しなかった理由は単純明快、相澤が個性を消したために、発動しなかったのだ。

 

「バカ野郎!アイツは他でもねぇ、個性を消すっつう…抹消ヒーロー、イレイザーヘッドだぞ!!」

 

それに気づいた敵がそう叫ぶと、腕が四本ある全身がガッチガチの異形型の男は眉をひそめる。

 

「消すぅ〜?へっへっへ…俺らみてぇな異形型のも消してくれんのかぁ!?」

 

「いや無理だ」

 

相澤は、即異形型の男の顔面を思っきしぶん殴り、そしてまた捕縛用の布で拘束してから他の敵にも投げつける。

 

「発動系や変形系に限る。だがお前らのみたいな奴の旨みは統計的にやつは近接戦闘で発揮される事が多い」

 

戦いながら解説する相澤。

 

「だからその辺の対策してる」

 

その様子を有象無象の敵とは違う死柄木は、静かに相澤、イレイザーヘッドについて分析を始める。

 

「…肉弾戦も強く…その上ゴーグルで目線を隠されていては誰を消しているのか分からない。集団戦においてはそのせいで連携が遅れを取るな……なるほど」

 

それから喉元をガリガリ掻きながら

 

「嫌だなプロヒーロー。有象無象じゃ歯が立たない」

 

そう呟く。そんな相澤の戦闘を見ながら

 

「かっちゃん!あの五人こっちに来る可能性高い!!」

 

「わあってらぁ!!気抜くんじゃねぇぞクソデク!!」

 

出久と爆豪は静かに息を整えこちらに来る可能性のある敵の分析に入る。

 

「緑谷君!爆豪君!早く13号先生に従って避難するんだ!」

 

そんな出久に飯田は早く避難するように声をかける。が、生徒達の逃げた先にそれを邪魔するかのように黒いモヤの男が立ち塞がる。

 

「させませんよ」

 

(しまった。一瞬の瞬きの隙に……!一番厄介そうな奴を!)

 

「初めまして、我々は敵連合。せんえつなが」

 

「うっせぇ!!死ね!!」

 

男が現れた瞬間、ほぼ反射的に問答無用の爆破を食らわす爆豪。

 

「危ない危ない……そう平和の………ッッ」

 

「(すぅぅぅぅ)………ハッ!!」

 

「危ないですね(この少年ほとんど気配なく背後に………厄介ですね)」

 

「わざわざ避けた、って事は」

 

それを回避した黒いモヤの男だったが不意に背後に迫る気配を察知し間一髪と言った感じに背後にいた出久の一撃を避け、

 

「散らして嬲り殺す」

 

モヤを一気に拡大して生徒達を飲み込み、

 

「ッッ!おい!その黒いヤツには実体があらぁ!!」

 

それぞれ別の場所に飛ばした。

 

――――――――――――――――――――――

 

~水難ゾーン~

 

飲み込まれた後咄嗟に閉じてしまった眼を開けた出久。その瞳には水面が映る。

 

「水!?」

 

出久は重力に従い水の中に落ちる。するとそこに

 

「おっ!キタキタ」

 

顔がピラニアのような敵がいて、待ちきれ無かったと言わんばかりの様子で殺す気満々に突っ込んでくる。

 

(分かりやすく水対応の個性………って事は他の敵も各々得意な所に分けられてる………?)

 

水の中で敵の分析をする出久。そんな出久を狙ってピラニア敵は口を大きく開けて

 

「オメェに恨みはねーけど…サイナラ!」

 

突撃してくる。

 

(…周りは気になるけどこいつは今一人。水中で一番動けるからかな?……避けるなら………ここ…………いやあれは)

 

出久が水の中にてカウンターのタイミングを測っていると、なにかに気づいたと同時にその体を思いっきり引っ張られる。

 

(なんで彼女が、この水の場所に………そうか)

 

出久の気づいた姿は、足で敵の横顔面を蹴ってる蛙吹の姿。現在は出久との身体を舌を伸ばしてグルグル巻きつけて、物凄いスピードで水中を泳ぎ去っていく。その脇についでに回収したのか峰田を抱えている。

 

……ジャパーン!

 

それから勢いよく水中から出た出久と蛙吹に峰田の三人。出久を蛙吹が水難ゾーンにある救出用の船に置くようにすると、横で気絶している峰田が呟いた。

 

「クッ…カエルの割になかなかどして…オッパイが…」

 

「…!!」

 

頬を赤らむ蛙吹は峰田を思いっきり船に叩きつけるように投げ捨てる。

 

「つぁ!!?」

 

船に思いっきり背中を打ったために、峰田は起きて正気に戻ったようだ。

 

「あ、ありがとう…蛙吹さん…!」

 

「梅雨ちゃんと呼んで、しかし大変なことになったわね」

 

蛙吹梅雨 の個性は〝蛙〟見たまんま。カエルっぽいことは大体出来る。A組の中で彼女以上に水中戦が得意な者はいない。

 

「…カリキュラムが割れてた。単純に考えると先日のマスコミ騒動。おそらく彼らが仕組んだものだ………それにかっちゃんが遮ったけどおそらく奴らの狙い……いや殺す目的はオールマイトだ」

 

「オールマイトを殺すって!?そんな事出来っこないって!!」

 

「落ち着いて峰田ちゃん。………私も緑谷ちゃんと同じ意見だわ。私達をバラバラにしたのも、無茶してきたのもおそらく殺す算段が整ってるからだわ」

 

「!!?」

 

恐怖からかパニックに陥る峰田。そんな峰田とは違い冷静に状況を分析する二人。

 

「どうして殺したいのか。どうやって殺すのかはひとまず置いておいて………」

 

「まずはこの状況を何とかしないと駄目そうね」

 

三人が船周りを見渡すと、

 

「大漁だぁぁぁ!!」

 

先のピラニア敵を筆頭にいかにも水場が得意そうな個性を持った者達が船を囲っている。

 

「落ち着いて峰田君。少なくとも現状下にいる奴らに僕達の個性は割れてない」

 

断言する出久。

 

「どうしてそう言いきれるんだよぉぉぉ!?」

 

「それは…蛙す…梅雨ちゃんがこの水難ゾーンに移動させられてるから。下の連中見た感じピラニア含めて水中戦意識してるのに」

 

「蛙の私がいるのはおかしいわね。私の個性を知ってたらあっちの火災ゾーンに放り込むわ」

蛙吹も出久の言いたいことに気がつく。峰田はまだ慌てている様子だ。そんな峰田に出久は予測される敵の作戦が『個性が分からないからバラバラにして数で攻める』で、『生徒の個性が相手にとって未知』である事を説明する。

 

それから互いの個性に改めて認識を始める。

 

「私は跳躍と壁に貼り付けるのと舌を最長で20m伸ばせるわ。後は胃袋を外に出して洗ったり、多少ピリッとする粘液をだせる」

 

蛙吹は自分の個性に後半二つはほぼ役に立たないし忘れていいかもと付け加える。

 

「やっぱり強いね。…………僕は知っての通り無個性。水中で一ヶ月息を止めても大丈夫なくらいに鍛えた肺活量で〝声帯砲〟を打てる。一応武術も学んでるかな。水中でも少しは動ける」

 

「…一ヶ月…凄いわね」

 

それから出久が説明し、次に峰田が頭の丸いのをもぎ取って壁にくっつける。

 

「超くっつく。体調によっちゃ一日経ってもくっついたまま。モギったそばから生えてくるけどモギりすぎると血が出る。オイラ自身にはくっつかずプニプニ跳ねる」

 

峰田の解説になんとも言えない空気が流れ耐えきれなくなったのか

 

「だから言ってんだろぉぉぉぉ」

 

「違うよ………凄い個性だから活用方法を組み立ててて」

 

うわぁぁぁと叫び声を上げる峰田。

 

THOOM

 

個性を把握した所で船が急に揺れ割れる。

 

「じれったいだけだ、ちゃっちゃと終わらそう」

 

よろけながらも下を見ると敵の一人が待ちくたびれたようにして、他の敵も同じ様子だった。

 

「うわああ!!!」

 

船が割れてパニックになる峰田が号泣しながら自分の頭の個性を勢いよくもぎって投げる。

 

(………やっぱり………警戒して触らない)

 

峰田の投げた個性に警戒して触らない敵達。

 

「峰田ちゃんと本当にヒーロー志望で雄英に来たの?」

 

「うっせー!!怖くない方がおかしいだろーがよ!!ついこないだまで中学生だったんだぞ!!入学してすぐ殺されそうになるなんて誰が思うかよ!!」

 

「落ち着いて峰田君。それとありがとう、おかげで勝利の方程式が決まった鍵は君だ」

 

「なんだよ緑谷!!………へ?」

 

泣きわめきながら出久に何か言おうとして急にポカンとなる峰田。

 

「蛙す………梅雨ちゃん、峰田君これを」

 

「何かしら?」

 

「耳栓。………って感じ…任せるよ」

 

それから出久は峰田と梅雨に思いついた作戦を話して、

 

「でもそれだと緑谷ちゃん動けなくなるんじゃないの?」

 

「大丈夫。その辺は考えてある」

 

「そうなのね……乗ったわ、峰田ちゃんはどうするの?」

 

「ややや、やってやろうじゃねぇか!!」

 

二人から了承を貰いヤケになった感じの声を出して船から一気に飛び出る。

 

「やっぱガキだ」

 

「着水してから」

 

「わーってら」

 

出久がガキだと舐める敵達。先程油断するなと注意してた敵ですら勝利を確信していた。が

 

〝わッッッッ!!!〟

 

出久は油断した敵を無視して水の中心に強い衝撃が来るように自身の最大音量を出した。

音の反動で身体が空中で浮いて、硬直する出久を蛙吹が舌を使って回収し、その蛙吹に抱えられている峰田がものすごい勢いでモギって投げる。

 

「引きずりこまれる………!」

 

「これはあのガキの」

 

「んだこれとれねぇ!」

 

出久の音によって空いた穴に引きずり込まれていく敵達。彼らにはくっついて取れない峰田の個性がくっついて行き

 

(水面に強い衝撃を与えたら、広がってまた中心に収束する)

 

やがて見えていた敵全員がくっついて、

 

「一網打尽」

 

ザパァンと言う音とともに上がる水飛沫が勝利を祝うようにまとまった敵達を打ち上げた。

 

「とりあえず第一関門突破。って感じね、凄いわ二人とも………緑谷ちゃん大丈夫?」

 

「…………じょう゛ぶ」

 

出久と峰田は蛙吹に引っ張られ敵達から離れ水辺に来ていた。水辺にもたれかかって休む出久は震える手で腰のバックのポケットから飴玉のようなものを取り出してそれを口に含む。

 

「………緑谷ちゃん、それは何?」

 

「……特殊な配合をして作った飴。最大音量はリスクが高すぎるから有事の際の為に作ってあるんだ………最も服用は一回までだけどね」

 

説明する出久の声は既に治っているが、身体の方は治りきっていないのか動きが少し鈍い。

 

「相澤先生が無理してるのは見てわかるから………峰田君たちは広間に向かって」

 

「流石に今の緑谷ちゃん一人を残していけないわ」

 

「そそそ、そうだ」

 

「………ありがとう、でも大丈夫それに」

 

「それに?」

 

言い終わる前に出久は水辺から飛び出し、こちらに迫っていた

 

「ぶべっ!?」

 

「さっき大声出したせいでこっちに敵が集まってくるだろうからさ」

 

「緑谷!?何してる!?」

 

「出来る範囲で手伝います!!」

 

異形型の個性の男を蹴り飛ばした。その直後相澤の個性から逃れた三人程が接近して出久を狙うが、懐に潜り込まれ正拳突きを鳩尾に喰らい屈むようにしてお腹を抑える。

 

「隙だらけだ!!」

「誰が隙があるってかァ?アァン?」

 

出久の背後を狙う敵。異形型なのか足がタイヤになっている敵が超スピードで突っ込んでくるが、その突如頭を捕まれ爆破され、地面に叩きつけられる。

 

「かっちゃん!!」

 

「気張れ!デク!!それと蛙女ァ!不用意に動くな!!!あの手の奴はやべぇ」

 

相澤は敵の対応に追われつつ、自身の個性よりはぐれた三人に対応した出久。突如割って入った爆豪を見て

 

「(……どの道この状況じゃそこまで見てられねぇか)…ダメだと思ったらすぐ逃げろ!!」

 

「はいっ!!」

 

そう指示を飛ばしたのだった。

 

 

 

一方で

水難ゾーンの出久達の様子を見る影が一つ。

 

「さてと、大漁の餌だが」

 

影の持ち主は怪しげなカードデッキを持って水面に映る異形を見る。異形の表情は読み解きづらいが影の持ち主は何を言いたいのかを理解し

 

「ちょっと待とうぜ。ちゃんと毎日飯はやってるだろ?まぁ……お前もたくさんの部下に食わせなきゃいけないってのは分かるが、どうせなら一番美味そうな奴食いたいよな?」

 

そう異形に言葉をかける。異形はその言葉を理解していないだろうが飛ばした視線の先に映る黒い大柄な大男を確認すると小さくうなづいた。

影の持ち主はその様子を見ながら

 

「ま、その前に少しぐらい摘み食いしても大丈夫だよな?どうせ使い捨てだしな?死柄木」

 

邪悪な笑を浮かべたのだった。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

『USJ他ゾーンリザルト』

 

~土砂ゾーン~

 

「散らして殺す……か。言っちゃ悪いがあんたらどう見ても」

 

個性を持て余してる輩以上には見受けられないと断言する轟の前には土砂ゾーンにて生徒を待っていたであろう敵達が氷漬けにされていた。

 

「こいつ……!!移動してきた途端に……本当にガキかよ………」

 

凍ったまま動けない敵達。轟はそんな彼らを見て数で圧倒する理由ではなく、生徒用の寄せ集めと判断する。

 

「(カリキュラム割れてたって事は来ている教師陣も分かってたって事。ということは敵の狙いはおそらくオールマイト)なぁ」

 

故に轟は次に取るべき行動を考え

 

「オールマイトがいる可能性のあった場所に攻めてきたって事はそれ用の対策も打ってあるって事だよな?それは何だ?」

 

動けない敵に対して脅迫混じりにそんな質問を投げたのだった。

 

ちなみにこの時俗にいう透明人間の少女、葉隠透がこの場にいたのだが、透明であるため轟は気づかなかった。

 

 

 

 

~火災ゾーン~

火災ゾーンにて背に尻尾のある少年尾白猿尾は

 

「どこいったクソガキ!」

 

「こっち………ぐぁっ」

 

火災ゾーンの建物、信号機などの突起を利用して敵を一人一人確実に仕留めていく。

 

(まずは敵に捕まらない事)

 

 

 

 

~暴風大雨ゾーン~

「いたぞ!!」

 

敵に見つかったのはとんがった頭が特徴的な口田 甲司。奇声をあげて驚く口田に襲いかかる敵だったが

 

「ぐべっ」

 

「これで六人」

 

鳥のような風貌の少年常闇 踏陰の個性によって出された影のモンスター、黒影によって地面に叩きつけられた。常闇は倒したあと口田に親指をグッと立てて口田もまた親指をたてたのだった。

 

 

 

 

~山岳ゾーン~

山岳ゾーンにて、上鳴・耳郎・八百万三人は十数名の敵に囲われていた。

 

「コエー!!マジ!!三途見えた!!何なんだよこいつらは!!どうなってんだよォ!!」

 

「そういうの後にしよ。つーかあんた電気男じゃんバリバリっとやっちゃってよ」

 

無理だと叫ぶ上鳴は自身の個性が電気を纏うだけで放電は出来るけど操れないと説明する。そんなウダウダもの言ってる上鳴の背中を耳郎が蹴飛ばして

 

「じゃあさ人間スタンガン」

 

上鳴は敵の一人にピタッとくっついて敵がぐわぁぁぁとなる。自身の個性が通用した事で調子に乗る上鳴。だが、上鳴に向かう影二つ。

 

「ふざてんなよ、ガキィ!!」

 

一人は石を手に固めて一人はナイフを持って。最もその二人は耳郎と八百万のサポートによって無力化された訳なのだが。

 

「お二人共真剣に!!!」

 

「実際いい案だと思ったんだけど」

 

それから耳郎が足元のスピーカーに個性であるプラグをさして音で敵を一気に制圧するも、数の暴力があるのか押され気味になる。とそこに

 

「出来た!!時間がかかってしまいますの。大きなものを創造るのは」

 

八百万が現れ巨大なシートを出す。敵達は盾のつもりかと慌てるが、八百万が絶縁体シートと説明した事により、上鳴が理解、それから一気に放電して敵達を制圧したのだった。

 

「他の方々が心配……」

 

「つか服が超パンクに」

 

「また創りますわ」

 

その際、八百万の服がとんでもないことになったり上鳴がアホになったりした。

 

 

 

大人数相手の勝利、他の人達との合流を急ごうと油断した彼ら。その為その影で地面から這い出た手には気づかなかった。

 

 

 

 

 

~倒壊ゾーン~

 

「これで全部か、弱いな」

 

ビルの倒壊する倒壊ゾーンに飛ばされた爆豪と切島は倒壊ゾーンで待っていた敵を一人残らず倒していた。

 

「っし!早く皆を助けに行こうぜ!」

 

「ならお前、山岳ゾーンに行け」

 

そこは出口じゃないのかと首を傾げる切島に対し、爆豪は背後から迫るカメレオンのような個性の敵の頭をがしって掴んで爆破した後

 

(うわ、すげぇ反応速度)

 

「さっきちと音が聞こえた。方角からして水難ゾーン、そこにデクがいる。それに隣のゾーンちらっと見えたが凍ってたからあの半分野郎がいる。で、俺の予想がただしけりゃセンサー妨害した奴出口と真反対に陣取ってるだろうから」

 

「なるほどつまりそこを叩けって事か!」

 

「そういうこった、気張れよ?」

 

「へ?」

 

そう言って建物内なのに切島の首根っこ掴む爆豪。切島もいきなりの事に素っ頓狂な声を上げるが、何されるか読めたので慌てふためくも

 

「待て、まてまてまて」

 

「死ねぇぇぇぇぇぇぇ」

 

「うっそだろぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 

容赦なく切島を爆破と共にぶっ飛ばす爆豪。爆破の衝撃で建物の壁は崩れる。

切島は咄嗟に硬化して、爆風に乗ったまま空高く飛んでいったのだった。

 

 

 

 

~出口近辺~

 

出口付近では13号を初めに、飯田、麗日、障子、瀬呂、砂糖、芦戸の六人がワープゲートと交戦していた。彼らの作戦はわかり易く飯田を外に出して助けを呼ぶというもの。その為に13号が前に出てワープゲートである黒霧と呼ばれた男を抑えていたのだが

 

「13号。災害救助で活躍するヒーローはやはり」

 

黒霧のワープゲートでブラックホールを背中に送られやられてしまう。

 

「飯田ァ走れって!!!」

 

騒然として動きを止めてしまう飯田に砂糖が呼びかけ、飯田は顔を歪めつつも駆け出した。当然黒霧がそれを許すわけないのだが

 

「行け!!」

 

眼前に来た黒霧を障子が多い被せるようにして妨害、飯田は皆の事を思いながら走る。

 

「くっ……!!」

 

「ちょこざいな!外には出させない」

 

それを追う黒霧。

 

「麗日どうしたの!!」

 

合わせるように麗日が駆け出して、黒霧が飯田の目の前に来て飲み込もうとするが

 

「なまいきなだぞメガネ!消えろ!!」

 

不意に浮遊感に襲われる。

 

「爆豪君が言ってたんや。それにこんなん着とるなら実体あるやろ…!!」

 

やったのは麗日。黒霧のモヤでは無い部分に触れ個性を発動黒霧の身体が宙に浮く。

 

「行けええ!!」

 

浮いた黒霧の身体を逃がさないと言わんばかりに瀬呂がテープをくっつけて固定。黒霧の身動きが取りづらい状況で生まれた隙に飯田は自動ドアをこじ開けて外に出て応援を呼びに行った。

 

「…………応援を呼ばれる………ゲームオーバーだ」

 

その様子を空中から見ていた黒霧はそんなことを呟いて、ワープゲートを開くのだった。

 

 

 

 

~山岳ゾーン 2~

 

多くの敵を無力化した上鳴達は電撃系の個性を使う大男に上鳴を人質に取られ動けない状況にいた。

 

「手ぇ上げろ。個性は禁止だ!使えばこいつを殺す」

 

脅しではない本気の殺意。耳郎がノーモーションで攻撃しようと試みるが敵に気づかれ使えなくなる。すると不意に

 

「…………………ぇ」

 

「今………何か」

 

耳郎の耳に何か聞こえてくる。最初は気のせいかと思った耳郎だったが

 

「……………ぇぇぇぇ」

 

次第に近づいてくる声。

 

「な、なんだ?」

 

その声に敵も気づいたようで声のする方向を振り向くと

 

「上鳴を離せぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

上空からすごい勢いで飛んでくる切島の姿があった。

 

「な、何だってこんな所に!!?」

 

焦った敵は上鳴を掴んでいない方の手から放電するが、硬化した切島はなんてことないように突っ込んでくる(というより止まれない)。その様子に更に焦る敵。

 

「ガキ………ぐっ」

 

「ウェ……」

 

当然隙が生まれ耳郎による音響攻撃を許してしまい上鳴諸共身動きが取れなくなる。敵が動けなくなっている隙に音響攻撃の範囲外から八百万が創造した伸縮自在のワイヤーを上鳴に巻き付け見事上鳴を奪取。それを見てからかあるいは止まれなかっただけなのか切島の頭と敵の頭がぶつかって

 

「ぐ、が」

 

敵の被っていた骸骨のようなマスクにヒビが入り、割れたと思うと敵が倒れる。

 

「みんな大丈夫か!?」

 

「切島さん!!おかげで助かりましたわ!!」

 

「ってかどうやって来たの!?」

 

「…………爆豪に吹っ飛ばされた……」

 

あぁ、となる全員(上鳴はアホになっているため除外)だったがすぐハッとなった八百万が敵をロープで巻き付けて、やっと山岳ゾーンにいた全ての敵が無力化されたのだった。

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