鏡とヒーローアカデミア   作:華無月

16 / 24
情報交換

『情報交換』

 

「……えっと君は?」

 

「私は…雄英高校一年ヒーロー科B組拳藤一佳」

 

「同じ……えっと僕は雄英高校一年ヒーロー科A組、緑谷出久です」

 

出久は物造との話の前に爆豪達と合流し、海浜公園へと向かっていた。

先人切って歩いてるのが爆豪の為必然的に出久と拳藤があとを追う形になり軽く自己紹介を済ませる。

 

「えっと……それで拳藤さんは………知ってしまったの?」

 

「知ってしまったって………鏡の中から出てきた糸と巨大な脚を持った生物の事……だよね?それと彼が何かをつけて鏡に入って行った事も………だよね?」

 

(がっつり見られてんじゃん)

 

驚く出久だったが、自分も常に注意出来てるわけではないので強くは言えない。むしろモンスターを逃がさなかった事を喜ぶべきだ。と思うが故にどうしようかと悩み、どの道物造とそこも話すだろうしと結論を出す。

 

「なるほどね………拳藤さん、今ならまだ引き返せるけど………知りたい?」

 

「………(コクリ」

 

「そっか。分かった。彼らとする話は絶対に他言無用でお願い。補足は後でするからさ」

 

それから特に会話もなく海浜公園に到着する三人。海浜公園には既に先客がいて、物造の隣に青年が立っていた。

 

「この子達か?設計」

 

「……少なくともあの緑髪はあっちの事に詳しい」

 

出久は出会ったことのない青年に見覚えがあった。

 

「たた、探偵ヒーロー『木村』!?個性は『追憶』で死んだ人の死後一日以内なら死ぬ直前の記憶を見れるって言われていて、その個性で多くの事件を解決に導いてるって言われているあの!?あの!サインください!」

 

「なんだファンか………はい」

 

説明からサインくださいとノート出して礼をするまで手早く済ます出久に、説明のあった木村は呆れつつもサインをする。

 

「彼……いつもあんな感じなのか?」

 

「アイツと関わんなら慣れろ。」

 

「いいんだ………」

 

ほか三人もその光景に呆れつつ、終わるのを待つ。

 

「さてと、とりあえず分かってる事について話そうか」

 

「はいよ」

 

それから木村の指示で出久、爆豪、拳藤、物造、木村の五人は海浜公園の奥へと行き、物造が個性を使って向かい合うようにベンチを出す。片方には爆豪、出久、拳藤が座りもう片方には木村、物造が座る。少し息をついたあとお互いにまずはとデッキを掲げ改めて自己紹介を始める。

 

「まずは俺からした方がいいな。さっき紹介があった通り探偵ヒーロー『木村』で通ってる。歳は30。本名も木村だから気軽に木村と呼んでくれ。あっちではベルデって名乗ってる」

 

「えっと僕は緑谷出久。雄英高校一年ヒーロー科A組です。個性は無個性。ミラーワールドではデクって名乗ってます」

 

「…爆豪勝己。こいつと同じく雄英。個性は爆破。あっちじゃトラストって名乗ってる」

 

「物造設計。個性『設計』。設計図通りに身体ん中に溜め込んだ成分を作り上げることが出来る。設計図をみれば完璧なんだけど余裕がないから設計図は頭ん中に叩き込んである。あっちではオルタナティブかな」

 

とまぁライダー達がデッキを持って自己紹介すると事情を知らず残される彼女はやりにくい訳で

 

「えっと…雄英高校一年ヒーロー科B組の拳藤一佳です。えっと……その……何も知らない……です 」

 

申し訳無さそうにする。

 

「場違いと言いたいところだが……他言無用にしてくれるならここに居ていい。いろいろあるけど鏡の中からモンスターが現れてあまつさえ人を喰らってるって知られたらパニックは必須だからね」

 

「………はい」

 

出久にも釘は刺されているし言われている事が理解出来たので素直に頷く拳藤。それから木村を中心に情報を交換していく。

 

「あっちについて君達はどこまで?というか君達二人はどれだけ戦ってるんだ?」

 

「僕は………約一年半くらい」

 

「俺は七ヶ月くらいか?」

 

「マジか………って……君達中学生からあんな所で戦ってたのか?!」

 

思ってた以上に長い期間に木村は驚いたがすぐに会話を戻し、出久がそれに答える。

 

「と、先輩ヒーローとして言ってみたが俺達もそこまで詳しい訳じゃない、俺は二ヶ月前からだし……良ければ教えてくれないか?」

 

「ミラーワールドは昔一人の手によって、ある目的のために作られた世界です」

 

バトルロワイヤル。願いをかけた戦いについて端折って話をする出久。最後にミラーワールドは一度閉じられたと説明する。

 

「閉じられた?だがモンスター達は今人を襲っているだろ?」

 

「師匠曰く〝歪み〟を通ってらしいです。一度閉じられたミラーワールドに生きようとするモンスター達の想いが増幅して〝歪み〟が起きる。モンスター達はそこを通るか自ら〝歪み〟を発生させてこっちに干渉してくるかのどっちかみたいです」

 

「なるほど……」

 

「他言無用なのはそれも理由で、都市伝説と同じで肥大化してしまうものは収集が付かなくなり不安がはびこり〝歪み〟が広がり、ミラーワールドが膨張する可能性が高いと見てるからなんです」

 

「ほむほむほむ。なるほどなるほどそういう事か」

 

出久達が話してる横でメモをとっていた物造は一人何か掴んだ様子を見せる。注目が彼の所に行くと彼はメモに使っていたスケッチブックを一ページ一ページ見せていく。そこには遭遇したモンスターについて事細かく書かれている。

 

「デクと同じタイプかよ。情報なんざ集めなくても勝ちゃ関係ねぇだろ」

 

「いや、時に情報は最大の武器になる」

 

「で、その〝歪み〟ってのはこの黒い霧みたいなものであってるか?モンスターを倒すと消えたから気になってた」

 

「うん。……それにしても良くかけてるね。僕がまとめたのもあるから情報の結合頼める?」

 

「おう、そこは腕の見せどころ!」

 

出久からモンスターについてまとめたノートを貰い自身のノートと見比べで情報を修正、補正していく物造。

 

「そいや、あんたらはデッキを何処で入手した?俺らは……師匠から貰ったんだが」

 

「拾った……と言うには出来すぎてる気がするが、モンスターに襲われてた人を助けたはいいものの逆に俺はあっちに引き込まれた。偶然にもそこにデッキが落ちて何故か使い方が分かってたから使ってみるしかないと」

 

「拾った、ですか。モンスターとの契約はされてたんですか?」

 

「契約……とは」

 

出久はモンスターとの契約のルールについて説明する。

 

「待ってそれじゃあんた達は」

 

「………一度ライダーになったら死ぬまで餌の面倒を見なくちゃいけないのか………あの時こいつが怒ってた理由はそれか」

 

どうやら木村には思い当たる節があったみたいだ。

 

「設計君も拾ったの?」

 

「いや、俺は自分で作った」

 

「「はぁ!?」」

 

さらっと言う物造。話の流れでてっきり拾ったと思っていたし、なにより作れるなんて思わなかった二人は当然驚く。

 

「俺の個性『設計』は身体に右で触れた物質の成分を溜め込むことが出来る。ガラスだったらガラスの成分を木なら木の成分を。パーセントで感覚的に分かるそれを組み合わせて左手で作るのが俺の個性。貯めるまでに時間がかかるのが難点。一応物質そのものを設計し直すことも可能」

「こいつは一ヶ月前偶然俺のデッキに触れて個性が発動、デッキが完成していたって事」

 

「だが、その為には設計図が必要何じゃねーのか?それとも頭ん中にあらかじめあったんか?」

 

「それは………俺にもよく分からなくてな。ただデッキに触れた時記憶の中で、白衣を来た誰かが俺にミラーワールドを閉じろって言ってた気がする」

 

それ以外は全然と話す物造。

ここから先は仮説と憶測混じりにお互いに情報を整理していく。

 

「とりあえず今わかってる事はこれくらいか。こっちはこっちで探ってみるとするよ」

 

「他のライダーの情報は慎重にお願いします。少なくともインペラーは敵側ですし、敵連合にも一人はいる可能性があります。それとこの戦いからは」

 

「分かってるさ。俺だってヒーロー誤りはしない。それと……気をつけるよ」

 

こうしてひとしきり情報交換を終えた五人。木村は急な仕事が入ったらしく慌てて帰る。

 

「個体名称……確かに決めとくとわかりやすくなるね」

 

「そそ。それにしても緑谷のこれ事細かに記してあんな」

 

出久と物造は互いにモンスターの情報整理にハマってしまって行き戻ってきそうにない。故に

 

「あークソっ………なんだ。送ってくわ」

 

「………い、いいよ」

 

「良くねーよ。もう十時回って夜おせぇ。下手に関わっちまった事を抜きにしても最低限はやるわ。それに………まだ聞きてぇことあんだろ?」

 

「……………うん」

 

爆豪が拳藤を送っていくことになったのだった。

 

――――――――――――――――――――

 

「あのさ」

 

「どした?」

 

爆豪が拳藤を送っている道中。爆豪の裾を掴んで拳藤が聞いてくる。

 

「どうして……戦えるの?ここと違って怪我しても治せない、はてに死んでしまうかもしれない世界でどうして」

 

当然だろうと爆豪は思う。

結局出久や自分がおかしいのだと。デッキ自体はおそらく継承可能だろうから大人に任せればいいんだと。実際それを思いつかなかったほど爆豪も出久も馬鹿じゃない。

 

「悪い奴がいたらぶっ殺す。それだけだ」

 

「そう………なんだ」

 

「逆におめーはどうなんだ?全てを知って何か得られたか?」

 

「何も………ただ、私の知らないところで命懸けで戦ってたんだって悔しさが強い………かな」

 

拳を強く握る彼女の表情は暗く、これ以上会話なく拳藤の家に着く。礼を言う彼女に

 

「おい。おめーがどんな結論を出すかは知らねえが、自分だけは曲げるなよ」

 

「…………」

 

爆豪はそんな言葉を投げつけたのだった。

 

次の日の放課後

 

「爆豪!特訓付き合って!」

 

「あぁ!?なんで俺が!!」

 

「いいの?あっちの事」

 

「ッテメ。ッチ!全力で来ねぇと殺すぞッ」

 

A組に入って爆豪に壁ドンして爆豪と訓練場に行く拳藤の姿が確認された。

 

 

 

 

 

 

[ミラーワールド滞在時間]

緑谷出久 変身前<一ヶ月>

変身後<二ヶ月>

 

爆豪勝己 変身前<三十分>

変身後<一時間>

 

八木俊典 <五分>

 

物造設計 変身前<三分>

変身後<八分四十五秒>

 

探偵ヒーロー木村 変身前<五分>

変身後<九分五十五秒>

 

拳藤一佳 <九分>

 

神崎 風 <ミラーワールドの住人>

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。