鏡とヒーローアカデミア   作:華無月

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雄英体育祭 開幕

出久が木村達と合流してから出久は物造をオールマイトに合わせ事情を説明。

 

「オールマイト!?……いやトップヒーロー、事情くらいは知ってるのか……」

 

オールマイトは一年にもう一人、ライダーがいた事に驚き、物造はオールマイトがミラーワールドを知っていたことに驚いた。それから軽く挨拶をした後オールマイトが注意と謝罪をし、物造が緊張しながらもうなづいて彼等の自己紹介は終わった。ちなみに出久と爆豪はオールマイトに木村の事はまだ伝えていない。

 

 

それから一週間は早いもので、雄英体育祭当日。

 

「群がれマスメディア!今年もおまえらが大好きな高校生たちの青春暴れ馬……雄英体育祭が始まディエビバディアァユレディ!!??」

 

今か今かと観客やプロヒーロー達が会場内へと入り込んでいた。会場に人が入っていく中マスコミの検査は特に厳しく行われていた。

 

「例年メインは三年ステージだけど」

 

「今年に限っちゃ一年ステージ大注目だな」

 

そんな彼らの目的は一年生。例年通りなら経験も実力も高くなっている三年生に集中するのだが今年は敵襲撃を耐えきったという経験が箔となり注目を集めている。

 

ザワつく会場前と打って変わって1A控え室。

体育祭を楽しみにする観客、マスコミと違って静かに燃える生徒達。各々が気合いを入れたり、緊張をほぐしている中で出久もまた精神統一を行っていた。

 

「緑谷、爆豪」

 

そんな出久と近くにいた爆豪に轟が話しかけてくる。何かと思って出久が身構えていると轟が歩み寄ってくる。

 

「爆豪はともかく緑谷より俺の方が実力が上だと思ってる」

 

「喧嘩売ってんのかァ?テメェコラ」

 

「落ち着いて、かっちゃん」

 

売り言葉に買い言葉今にもブチ切れそうな爆豪を出久が宥める。

 

「お前ら、オールマイトに目掛けてもらってんだろ。別にそこを詮索するつもりはねぇが、お前らには勝つぞ」

 

分かりやすい宣戦布告。出久はともかく爆豪と轟の間に迸る火花。一瞬触発の雰囲気になったと感じた切島が止めに入ろうとするがそんな切島の頭をがしって掴んだ後

 

「テメェこそせいぜい油断しねぇこったな。それと………舐めプしながら勝てる程俺もこいつも甘くねぇぞ」

 

「……ッ」

 

吐き捨てるように控え室を出ていった。言葉を入れ替えるように

 

「……確かに君は僕より強いよ。……でもね……だからって僕が全力を出さない理由にはならない。……僕も獲りに行くよ、全力で」

 

「……あぁ」

 

出久が強い口調でそういった。そんな出久に轟は感心したように声を漏らしてロッカーに持たれる。出久は見届けたあと再び呼吸を整えて気持ちを落ち着かせる。

 

ちなみに切島は困惑したままである。

 

 

そして

 

「一年ステージ!生徒の入場だ!!」

 

生徒たちは、一本道に繋がってる門へと駆け寄る。そんな中緑谷の心の中にオールマイトと神崎から貰った言葉が湧いてくる。

 

『君達が来たこと世に知らしめて欲しい』

 

『大層な夢、いいじゃねぇか。頑張れよ出久』

 

出久は言葉を噛み締め一歩を踏み出した。

 

 

 

そんな出久の想いを知ってか知らずかその光景を見ている者達がいる。

 

「出久〜…」

 

家の中で心配そうに体育祭が映し出されてるテレビを観ている緑谷の母、緑谷引子。

 

 

更には……

 

「………」

 

「静かだな」

 

「彼も彼で思うところがあるのでしょう」

 

「……そういうもんかね」

 

雄英体育祭が映し出されているパソコン画面を、まさかの敵連合の死柄木弔がじっと見つめていた。

 

――――――――――――――――――――――

 

体育祭は個性ありきで数々の種目を競っていくものだ。が、雄英の体育祭は相澤が言っていたように規模が大きく全国ネットの中継もされる大イベントだ。この大イベントで生徒たちの個性を見て、サイドキックとして雇いたいと言うプロも多いと聞く。

 

『どーせテメェらあれだろ!!こいつらだろ!!敵の襲撃を受けたにも拘らず鋼の精神で乗り越えた奇跡の生徒達!ヒーロー科!1ーA登場だあぁーー!!』

 

「観るならやっぱA組でしょお!!!」

 

という歓喜の声が挙げるなか、1ーA組がゲートから歩んで行き登場してくる。

 

「落ち着いて、落ち着いて」

 

ドキドキと心臓の音が鳴る出久、確かにこの中で大勢の人たちが観に来るのは流石に緊張する。

 

「大勢の人たちが来てヒーローになるために何をどう見られるのかも、今後のヒーローとしての役割…なるほど!!ヒーローにとって必要なことだな!」

 

(それもあるけど……いや、今は考えなくていい)

 

飯田は納得した様子で頷く。出久も同調し深く考える仕草をとった。

 

「めっちゃ持ち上げられてんな…スゲェ緊張すんな、なあ爆豪!」

 

「しねぇよ。ワクワクだボケ!それに……今は考えることじゃねぇな」

 

切島は半分緊張の顔、半分がワクワクな様子だ。爆豪はそう言うと、轟を睨みつける。

 

「……体育祭、か」

 

睨みつけられた轟はと言うと歓声をあげる観客達を見渡す。

 

「これほどの数となると…『アイツ』も来てるな…」

 

誰かを探すその瞳には少なからず憎悪の様な何かが宿っていた。

 

A組が緊張しながら、楽しみにしながら列を作っているとB組、普通科と言った具合に入場してくる。とはいえA組を見る者達の反応を見て自分達が引き立て役だと落ち込むものしばしば見える。

 

ピシャァァァン

 

ザワつく生徒達を黙らせるための音が一つ。音の方向を見ると全身タイツでメガネをしてる女性、〝18禁ヒーロー ミッドナイト〟が教壇に立っていた。

 

「18禁なのに高校にいていいのか?」

 

「いい!」

 

18禁ヒーローと名乗っているくらいなので当然そんな疑問も出てくるわけだが、そんな声を一括し、選手代表の名前を呼ぶミッドナイト。呼ばれた爆豪は先程までミッドナイトが立っていた場所に立ち

 

「せんせー………つっても何か言うつもりもねぇが…………」

 

轟の方をチラッと見てから

 

「勝つために〝全力〟出せ。AとかBとか普通とかそんな御託並べる前に〝全力〟出して生き残れ!!じゃねぇと………ここに立つ資格すらねぇ!!」

 

力強くそう宣言した。

 

「ま、一位になるのは俺だがな!!」

 

……最後の一言が余計でかなりブーイングの嵐が飛び交ってる訳なのだが、当の本人は気にせず悠然に教壇から下りて戻ってくる。

 

(かっちゃん…………)

 

出久は教壇から降りてくる爆豪を見てなんとも言えない気持ちになったのだった。

 

「それじゃぁ早速第一種目始めましょうか」

 

「雄英って何でも早速だね」

 

爆豪が列に戻ったのを確認したミッドナイトが小型モニターを見るとルーレットのように回転を始めていた。

 

「いわゆる予選よ!さて、運命の第一種目、今年は……コレ!!」

 

【障害物競走】

 

ミッドナイトの声とともにルーレットが止まり種目の名前をモニターに残す。

 

「計11クラスでの総当たりレースよ!コースはこのスタジアムの外周約4km!」

 

それからミッドナイトからルールの説明が入る。と言ってもコースさえ守れば何をしても構わないってだけなのだが。

 

「さぁさぁ位置に付きまくりなさい」

 

ぞろぞろと生徒達がスタート位置に溜まっていき、全員が集まったくらいで入口の三つのボタンが点滅し始める。

 

(ふぅ……頑張らないと)

 

三つ目のボタンが点滅し

 

『スタートォォォォ』

 

スタートの掛け声と共に、生徒達が思い思いに駆け出して、ようやく雄英体育祭一年の部が幕を開けた。

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