鏡とヒーローアカデミア   作:華無月

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物造VS八百万

「デク、おめぇ止めたな?完成してんのか?」

 

「ほぼ。後は戻る時のラグが安定すれば大丈夫」

 

「2~5分だったか?」

 

「うん」

 

「せいぜい死なねぇように完成させろ」

 

耳郎と共に応援席に戻った出久は早速爆豪に声をかけられ、先程のことについて聞かれ応対する。それが終わったと同じくらいに二回戦が始まった為出久は

 

「なるほど。ツルは確かに強力な個性。伸縮自在だけでなく…………ブツブツ」

 

いつものようにノートに向かって観察し結果をまとめる。

 

(緑谷………)

 

そんな出久の事を心配そうに見る耳郎に対して爆豪が話しかける。

 

「おい耳郎。あの馬鹿から聞いたんだな」

 

「……う、うん」

 

「そう心配しねぇでも大丈夫だ。あいつは」

 

耳郎にそう言う爆豪の言葉には不思議と強い説得力があり、不本意ながらも納得してしまう。それだけ言ってとっとと応援席から出ていく爆豪。残された耳郎は気持ちを切り替え

 

「緑谷、怖いよ。で何書いてんのさ」

 

「それ私も気になる」

 

近くにいた麗日と共に出久のノートを覗くのだった。

 

――――――――――――――――――――

 

そんな話をしてる間、飯田対発目戦が始まった。

飯田はサポートアイテムをフル装備しているが、これは発目の提案であり、真面目である飯田は彼女の熱意ある頼みに断れずアイテムを着用したようだ。

 

飯田曰く「ここまで来た以上 対等だと思うし対等に戦いたい」という理由でアイテムを渡して来たそうだ。

 

(いや、それ騙されてる)

 

「あー、ありゃ利用されたな……」

 

応援席の出久と、物造を初めとしたサポート科の人達はこれから起こるであろうことに対して顔を引き攣らせている。

そんなこととはつゆ知らず主審のミッドナイトは青くさいのが好みだから許可したようだ。

 

「あーうん。知ってた」

 

結果は予想通り、発目は個性〝ズーム〟を使ってサポート会社を見つけては、飯田に装備させたアイテムを使いまくり解説していく。

 

「全く売り上げ根性凄まじいな」

 

飯田は訳が分からず彼女の思うがままに利用され。その光景を目撃していた会場全体が言葉を失っている。

 

「あのアイテム………機動性を確保するだけじゃなく………いや、それよりももっと汎用性を上げ………んー、改良点、改善点について話したい」

 

「デク君凄!?」

 

そんなアイテム解説付きの鬼ごっこはその後、10分もの間繰り広げられ、そして

 

「ふう!全て余すことなく見て頂けました……もう思い残すことはありません!飯田さんありがとう御座います!」

 

「騙したな!?!」

 

発目は汗を拭い、自身のアイテムを売り込むために利用した飯田にぺこりと頭を下げるが、自分が彼女の思うがままに利用されていたことにようやく気付いた飯田は怒りを見せる。が、そんな事をお構い無しに発目は自分からわざと場外にいき、その結果飯田の二回戦進出決定した。

 

―――――――――――――――――――――

 

「さーて、発目の奴はあぁだったけど俺はそんなに甘くはねぇぞ」

 

『おっと!サポート科物造設計、サポートアイテムを一つも装備してないぞ!?』

 

「宜しいのでしょうか?サポート科の皆さんはサポートアイテムを装備出来ると伺っておりますが。それとも私では力不足との事なのでしょうか?」

 

「別に舐めプしてる訳じゃねぇし俺はこれでいいんだよ。それよりマイクせっかく似てる個性なんだ紹介してくれよ!!」

 

続く第五回戦。物造対八百万の試合。先程の事もあり会場全体が不安になるが、誰が見ても物造はサポートアイテムを装備せず八百万もまた装備してなかった。

 

『お、おう………気を取り直して、方や設計!方や創造!互いに万物を作り出す個性。形は違えど物を生み出す個性には変わりない!その手から生み出されるのは勝利か敗北か!個性被り対決その1、サポート科物造設計対ヒーロー科八百万百!!』

 

「つーわけだ。俺の個性は設計図が頭ん中にあればあるほど強くなる。自分で作ればいいんだからサポートアイテムは必要ねぇ。そもそも俺がサポート科にいんのは自分の個性の幅を広げるためだしな」

 

「そういう事でしたか、早とちりして申し訳ありません」

 

先程の発言に対してしっかり謝罪をする八百万。それを素直に受け取ってから八百万と顔を見合わせた物造はお互い頷いてからマイクの掛け声を呼び水に互いに距離をとる。

 

(物造さんの個性が私と似ているのであればまずは出方を見極める)

 

「設計 トランプ!!」

 

八百万が相手の出方を伺う為距離を置こうとする。そんな八百万の周りに大量のトランプが投げつけられその場で停滞する。

 

「何を………きゃっ!?」

 

何をされたかと不思議に思う間もなく停滞していたトランプが一斉に爆発し、爆煙が辺りを覆う。爆破そのものを咄嗟に創造した盾で防ぐ八百万。

 

「さーて、やりますか永劫鞭」

 

「おいデク」

 

「うん。しっかり見ておこう」

 

その隙に武器を設計し装備する物造。

 

「鞭………ですか」

 

八百万が見た武器の印象は鞭。

 

『サポート科物造設計………なんだあの武器!!』

 

「鞭………というかあんなもの操れるのか?」

 

彼はひとつのもち手から十本の枝分かれした先端に刃物の付いている鞭を器用に扱い総計二十本の鞭で頭上に結界を生み出している。

 

「んだあれ、器用なんてレベルじゃねぇぞ!?」

 

普通の人間が同じ事をやろうとするとまず間違いなく絡まるであろう鞭を一本も絡まらせずに振り回している物造。

 

(とにかく間合いに入るための武器を)

 

これに対し八百万は飛んでくる刃物を見極めかわしつつ武器を作るも、

 

「ッ」

 

作った所から一本の鞭に絡め取られ投げ飛ばされる。

 

「生半可な武器じゃ距離を詰めることすら出来ねぇぞ」

 

「でした………ッ」

 

再び武器を創造しようとする八百万だったがそんな隙は許されず八百万のいる位置に鞭が一本飛んでくる。

 

「悪いな、こいつを許した時点であんたに勝ち目は無くなった。これは鞭の結界『防御こそ最大の攻撃』ってのを体現した武器なのさ」

 

物造の言葉を体現するかのように連続して飛んでくる鞭。八百万は全く創造させてもらえないだけでなく物造はその場所からほとんど動いていないのに八百万はフィールドの端へ端へと追いやられていき、ついに

 

『八百万さん場外!!物造君二回戦進出!!』

 

八百万はフィールドから出てしまい、この勝負物造の勝利で幕を閉じた。

 

「お前、自分に自信がないように見える。折角の個性なのに勿体無い」

 

「ッ、なにを」

 

「何でもないよ。次やる時楽しみにしてる」

 

対戦後物造からそんな事を言われ驚いた表情をする八百万。そんな表情を見てから物造はそんな言葉を残して去っていくのだった。

 

(自信がない、ですか)

 

八百万は心にもやっとしたものを抱えたのだった。

 

 

「永劫鞭。おそらく背後をとっても対応される。どう詰めるべきかな」

 

「んなもん。最初ぶちかますか設計させる間を取らせず攻撃すりゃいいだけだろ」

 

「それが出来るのはかっちゃんくらいだよ………」

 

「俺も爆豪に賛成だぜ!特攻上等!」

 

「それが出来るの切島ちゃんくらいよ」

 

二人の対戦を見ていた出久と爆豪は切島と蛙吹を交えて互いに攻略手段について話していた。その様子をみていた麗日は

 

「どうした?麗日」

 

「私そろそろだし控え室行ってくるね」

 

と、一人控え室へと足を進め、出久はそんな麗日をいつもと違う様子だと感じたのだった。

 

 

 

第六回戦となる芦戸VS常闇はというと

 

「闇影!」

 

闇影の容赦ない攻撃を持ち前の運動神経で何とかかわしていた芦戸だったが、中々距離を詰めさせてもらえず、最後の最後まで粘るも闇影相手に消耗していたのも相まってフィールドから出てしまい、第六回戦は常闇踏陰の勝利に終わったのだった。

 

 

一回戦

第四試合 勝者 飯田天哉

第五試合 勝者 物造設計

第六試合 勝者 常闇踏陰

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