鏡とヒーローアカデミア   作:華無月

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深める親交/謎のライダー

あの後大事をとった出久は保健室に行き、

 

「お前さん、喉に負荷が来てるね。自身の身につけた力を分かってるんだろうけど気をつけな」

 

「………分かってます」

 

簡単な治療を受け、帰路を辿る。

 

「はぁ………やっぱり最大音量だと動けなくなるなぁ。(裏技がある)とはいえ鍛えようがないからなぁ……」

 

「やぁ、緑谷君。喉の調子は大丈夫なのかい?」

 

「あっと、飯田君!」

 

雄英を少し離れた所で飯田が出久の元へと駆け寄ってくる。

 

「僕は大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」

 

「そうか………それなら良かった……それにしても、随分鍛えてるよな君は。個性把握テストでも個性を持ってる俺たちの中で負けずに七位という好成績を出していたし。本当に君は………っとすまない。疑ってはいけないな」

 

ハッと口元を抑えて謝罪する飯田。出久は何となくその後に続く言葉を察しながら

 

「いや、訝しむのも無理ないよ。僕の鍛え方が特殊なのは理解してるからね………それよりこれから同じクラス。よろしくお願いします」

 

「あぁ。よろしく」

 

言葉を濁して改めて飯田に手を出す。飯田はその手を受け取って握手を交わした。そんな男二人が友情を育んでいると

 

「あっ!お二人さん駅まで?待って〜!」

 

後ろから麗日が駆け寄って走ってきた。

 

「君は……無限女子!」

 

「無限女子!?」

 

麗日は個性把握テストのソフトボール投げで∞という数字を出した一位である。そのイメージが飯田には強かったのだろう。

 

「飯田君、流石にそれは酷いんじゃないかな……お疲れ様、麗日さん」

 

「お疲れ様、飯田君にデク君!」

 

「デク………ね」

 

「え、あれ?違うん?爆豪君がそう呼んでるからてっきり愛称かと思ってたんやけど」

 

不思議そうにする麗日に出久は以前デクという名前が蔑称で付けられていたことを明かして、中学時代ずっとその名で呼ばれていたことを明かした。

 

「今はかっちゃんから意味を変えてもらって、このデクって名前気に入ってるんだけどね」

 

「その意味、とは?」

 

「かっちゃん曰く、今の〝デク〟は頑張れって感じの〝デク〟だってさ」

 

「なるほど、言われてみれば確かに」

 

「私も、頑張れって感じで好きだな」

 

それからその蔑称が今は気に入ってる事を明かして、麗日からはデクと飯田からは緑谷君と呼ばれるようになったのだった。

 

そんな風にクラスメイトとの下校を楽しんでいると出久は急な耳鳴りに襲われる。

 

「あ、ご、ごめん。学校に忘れ物しちゃったから取りに行ってくるね!!また明日!!」

 

出久は誤魔化すようにカバンを見る振りをしてそれから二人の前から走り去っていく。出久の行動に疑問を浮かべた二人だったが

 

「余程大事な物を忘れたんだな」

 

「そうかもやね…」

 

その慌て具合から財布などといった貴重品または何か思い入れのある品ではないのかなと納得して、二人は電車に乗り込むのだった。

 

――――――――――――――――――――

 

「ここか!変身ッ」

 

麗日、飯田と別れたあと出久は付近の光が映る物にデッキをかざし変身して鏡の中へと入っていく。

 

「ッッ!遅かった」

 

入った先では既に蟹型モンスターが捕食を終えており、捕食された人物が持っていたであろうバックが消滅している様子が伺えた。

 

「っくそ。レオ!」

 

『STORIKE REO』

 

出久は間に合わなかった事を悔しがりながら、相棒を呼び出す。

 

二対一

 

「はぁっ!!」

 

端から見れば出久達の優性である。実際出久はレオとの連携を上手くとって確実に蟹型モンスターを追い詰めていく。

 

「ここだ」

 

『STRIKE VENT』

 

追い詰めて、右腕に着いたガントレットにカードを差し込み、ストライクベントを使って右腕に付いた『ストラバイザー』の口が開きそこから青い炎を出して、蟹型モンスターにトドメを刺そうとするも

 

『COPY VENT』

 

突如蟹型モンスターと左腕から放射された炎の間に何者かが現れ、青い炎と同じ威力の炎を出され相殺される。

 

「折角の契約モンスター倒されるの困るんだよね」

 

「なっ」

 

出久は煙が晴れ姿を確認して驚いた。蟹型モンスターににた装甲、色をした人間サイズの何か。見れば腰にベルトがついているのが分かる。

 

「まさか、そいつの契約者……!!」

 

ベルトを見て出久は今目の前に現れた奴が蟹型モンスターと契約していて、あろう事か人間を喰わせていたなどという最悪の想像をしてしまう。最悪だったのはその仮説が

 

「察しがいいな。そうだぜ、折角契約したのにこいつ弱っちくてな。仕方ねぇからこいつの強化のために適当な人間を食わせてた。ざっと30人くらいかな?みんないい悲鳴で泣いてくれたぜ?」

 

謎のライダーのこの言葉、当たっていたと理解出来てしまった事だった。

 

「ッ!!レオ、そいつは任せた!!」

 

出久はその謎のライダーを放置するのはマズいと考え蟹型モンスターをレオに任せて敵を倒すべく動いた。動くと決めたら早く、出久は謎のライダーとの距離を一気に詰めて背後を取る。

 

「甘い!!」

 

謎のライダーは出久の動きを読んだのか背後にいる出久に肘を使って鳩尾を決めようとするが出久は気づいて回避する。

 

「はっ」

 

「ちっ」

 

謎のライダーは武術でもやっているのか出久の攻撃を捌いてカウンターを狙ってくる。がそれを許す出久でも無く、お互いに決定打の出ない戦いが続く。

 

戦い始めて三分くらい経った頃、謎のライダーの身体に異変が訪れる。

 

「時間切れか。やっぱこっちに居られるのは十分が限度だな。折角強化したのに勿体無いが仕方ないそいつはお前にやるよ」

 

時間切れ。と呟いた後、謎のライダーは蟹型モンスターを置いて逃走を図る。するとどうだろうか彼の逃走を助けるように同系統モンスターが五体のモンスターが現れる。

 

「まっ…………くそっ、こいつらなんで」

 

出久は謎のライダーを追いかけようとするが、モンスターに邪魔をされ、謎のライダーの姿は直ぐに見えなくなる。出久は歯を噛みながら乱入してきたモンスター達をレオと交戦中の蟹型モンスターの場所へと蹴り飛ばし、蟹型モンスター達に対して

 

『FINAL VENT』

 

飛び上がり蹴りの形をとる。そしてその後ろに着たレオの咆哮で加速させた蹴り技

 

「キシャァァァ」

 

『レオライダーキック』を蟹型モンスターと三体のモンスターへと当て見事蟹型モンスター及び乱入してきたモンスターを撃破した。撃ち漏らしたモンスターは弱った身体に爆風を受けて、ダメージがオーバーしたのかその場で倒れ込んで爆散した。

 

「あのライダーは一体……」

 

出久は謎のライダーが去った方向を見て疑問を浮かべながら

 

「…………ごめんなさい」

 

助けられなかった者達に謝りの言葉を漏らしたのだった。

 

――――――――――――――――――――

 

その日の夜、出久は海浜公園にて、爆豪及びオールマイトに謎のライダーの事について話す。

 

「契約モンスター使って捕食だと?デク、テメェそれを分かっててみすみす見逃したのか!?あァ!?」

 

「お、落ち着け爆豪少年。話を聞く限り一番悔しいのは緑谷少年だろ?」

 

「ッ」

 

爆豪は冷静になり出久の表情を見るとその表情はとても暗い。爆豪も心中がわからない訳では無いためそれ以上何も言えなくなる。

 

「それで緑谷少年。神崎君には確認取れたのか?」

 

「えっと………さっき師匠から」

 

そう言って自分の携帯に送られてきた文を二人に見せる。

 

[仮説として、歪みが活発化してる原因にそのライダーが関係あるかもしれない。話を聞く限りそのライダーは過去のバトルロワイヤルでボルキャンサーと契約していた仮面ライダー、シザースに酷似してるみたいだからね。ボルキャンサーを倒せたとはいえ、乱入してきたモンスター。逃走を手助けしたところ聞くともしかするとそのライダー複数のモンスターと契約してる可能性がある。また遭遇したら撤退も考えて!本当に気をつけて。僕もできる限り情報を集めてみる。……必要かもしれないから過去のライダーの能力と特徴についてわかる範囲で載せておくよ]

 

文の後に龍騎、ナイト、ゾルダ、シザース、ライア、王蛇、ベルデ、タイガ、インペラー、リュウガ、ファム、アビス、オーディンの情報が記されている。(ガイについては爆豪と似ているため意図的に書かなかった)

 

「…………過去のバトルロワイヤルか」

 

「ンで今更そんなもんが」

 

「分からない………でもかっちゃん」

 

「わァってる。もし一人の時に遭遇しても深追いはしねぇ………ぶち殺すかもしれないけどな」

 

爆豪のいつもと違う殺すの発音。

 

「爆豪少年………それは」

 

「オールマイト先生、敵もライダーである以上、ここから先は殺し合いです。ライダーであることを降りても契約モンスターを倒してデッキを回収するか破壊しない限り喰われてしまう。ヒーローを目指すものとして言ってはならないことだとは重々分かっていますが、場合によっては覚悟しなきゃ行けません」

 

「デクの言う通りだオールマイト。心配すんな。俺達は人の………ヒーローの道を踏み外す気はねぇよ」

 

「…………すまない(……この二人は)」

 

オールマイト心配そうに、そして苦渋を噛み締めながら自身の力届かぬ場所で、背負う必要のない物を背負う覚悟をしてしまっている少年達にただ拳を握って力なく謝った。

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