鏡とヒーローアカデミア   作:華無月

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戦闘訓練

出久が謎のライダーと交戦した次の日、午前中は普通の授業だったものの、雄英の授業ということもあり出久はしっかりと予習をしてから学んでいた。

 

「師匠に教わったけど、やっぱり英語は難しいな」

 

こういうところがしっかりと実力に出てくる辺りやはり努力家というのは出久に当てはまる言葉だろう。

 

「白米に落ち着くよね。最終的に!」

 

それから昼は大食堂で一流の料理を安価で頂ける。

 

(そして午後の授業。いよいよか)

 

それはヒーロー基礎学の時間だった。

 

「わーたーしーが―――!!」

 

「来っ」 

 

という猛々しい声が響いてくるとともにドアが開かれそこからオールマイトが姿を現し、

 

「普通にドアから来た―――!!」

 

「オールマイトだ!」

 

「銀時代のコスチュームだ……!」

 

オールマイトの登場に騒ぎ出すクラスメイト達。

出久もそれに漏れず喜びの眼差しを向ける。

 

「早速だが今日はコレ!戦闘訓練!!!」

 

そしてオールマイトがこれから行われる行事を言う。

 

「そしてそいつに伴って」

 

それから戦闘服の話をして盛り上がる生徒達。それから順次要望した戦闘服に着替えていき、グラウンド・βにヒーロー志望の卵達が集まった。皆が戦闘服で盛り上がる中、出久は緑色のジャンプスーツをベースに、黒い上着を纏い、腰に小物を詰められるバック、喉元にはチョーカーのようなものをつけ、手は素手で、入学前の事を思い出していた。

 

[入学祝い!]

 

[ジャンプスーツ!?]

 

[お母さんね………酷い事を言ってしまったって………ずっと引っかかってたの。……あの時私は諦めちゃった……なのに出久は諦めないで夢を追い続けていたんだよね]

 

[………うん]

 

[ごめんね出久。これからは全力で応援するからね!!]

 

母、引子からのエール。それを噛みしめ出久は気を引き締めた。

 

「始めようか、有精卵共!!」

 

皆が揃ったところでオールマイトからの説明が入る。その内容としては屋内での対人戦闘訓練。

 

(屋内………か)

 

ヒーロー組とヴィラン組に二人ずつ分かれて2vs2の屋内戦をするというものだ。

もちろん基礎学なのだから基礎訓練も必要だろうが、それも踏まえて初めに全員の戦い方を学ぼうと言うことである。

 

「勝敗のシステムはどうなるのですか?」

 

「ぶっ飛ばしてもいいんスか?」

 

「また除籍とかないですよね?」

 

「分かれるというのはどういう分かれ方でいいのですか!?」

 

「このマントかっこよくない?」

 

「んんん~~聖徳太子ぃぃぃ!!!???」

 

次から次へと質問をされるオールマイトは仕方がないのでカンペを見ながらも説明をしていった。

 

・屋内訓練 状況設定

敵がアジト核を隠している。ヒーローはそれを処理しようとしている。ヒーローは時間内に敵を捕まえるか核を回収する事。敵はその反対。

 

とすべての説明を終えて、

 

「コンビ及び対戦相手は、くじだ」

 

「適当なのですか!?」

 

「プロになると急増チームなんて日常茶飯事だし、そういう事じゃないかな……」

 

「そうか……!先を見据えた計らい……失礼致しました!!」

 

班分けに入り、AからJのチームが決まり

 

「デク君!一緒になれたね!」

 

「うん。頑張ろう、麗日さん!」

 

出久は麗日と組むことになった。

それから対戦相手を決める時くじをオールマイトが引いて

 

「Aがヒーロー、Dが敵だ!!」

 

最初の対戦カード出久&麗日VS爆豪&飯田の戦いが決定した。

 

――――――――――――――――――――

 

訓練開始五分前

 

爆豪&飯田

 

「おい、クソメガネ。デクは俺が足止めする。テメーは核を守ってろ」

 

「足止めってこの場合二人で核を防衛した方が良くないか?」

 

「脳ミソ付いてんのかクソメガネ。……使ってんのは核って設定なんだろ?俺が残って個性使って核が爆発したらどうすんだァ?爆発してヒーロー共々自爆ってかぁ?ンな選択肢はねぇ」

 

「それは………そうだな」

 

「分かったら核守ってろ。俺が足止め出来んのはデクだけだ。丸顔が来たらそっちは上手くやれ」

 

不安そうな飯田だが、理にはかなっていたし正直な所今の出久に勝てる気もしないので素直に核を守る敵の動きを考え始めたのだった。

 

 

一方 出久&麗日

 

「麗日さん。おそらくかっちゃんは僕を狙いに来る。かっちゃんの個性じゃ、核がある部屋で満足に戦えないからね。ぜったい単独行動してくる。だから僕がかっちゃんの相手をする」

 

「そうなんや……でも大丈夫なん?」

 

「大丈夫と言いたいとこだけど………麗日さんに頼みたい事があるんだけどいいかな?」

 

「………?」

 

「それはね_____」

 

出久と麗日もまた、二人に勝つための作戦を練っていくのだった。

 

――――――――――――――――――――

 

準備に入っから五分が経ち訓練開始。

ヒーロー側である出久が先に窓から侵入する。

 

「〝あんっ!!〟」

 

潜入直後出久が音を使い、耳に手を当てる。

「よし………と言いたいとこだけど一人が向かってきてる。おそらくかっちゃ………麗日さん手筈通りに!」

 

窓の外にいる麗日に指示を出したと同時に爆豪が奇襲をかける。

 

「まぁ分かってる奇襲なら避けるよな、おめェは」

 

「それがわかってて、かき消さずに来る辺り流石だね」

 

「ったりめェだ」

 

対峙してからの動きは早く、爆豪が右の大振りを使って爆破する。出久はそれを左手でわざと受けて

 

「麗日さん!!」

 

先程別れた麗日を呼ぶ。麗日はタイミング良く出久に拘束されている爆豪の背後を取るが

 

「させないっ!!」

 

脅威的なスピードで間に入った飯田に邪魔をされる。その一瞬の隙を爆豪は見逃さず爆破を使って出久の拘束を破る。

 

「麗日さん大丈夫?」

 

「うん、ごめん失敗した」

 

「大丈夫。それよりこれでやりにくくなった」

 

「?」

 

「飯田君が来たことによって相手はこっちに更に仲間がいるって可能性を示唆させたって事」

 

「!?え、でもこれって」

 

「確かに二対二でもだからって伏兵がいる可能性を度外視していい訳じゃない」

 

出久は爆破の瞬間わざと拘束を緩め爆豪の背後に動き爆風を利用して麗日と合流し、

 

「おい眼鏡ェ!?核はどうしたァ!!?」

 

「この場合、どのみちやり合うなら麗日君の浮かすものがないこの場で戦った方がいいと判断したまでだ!」

 

「……ッチ……そーゆー事かよ。てめぇ見た目通り頭使うじゃねぇか」

 

二対二の状況を作る。じりじりと詰め寄る二組。

 

(麗日さん一人行かせようにも……かっちゃんに加え飯田君の機動力「麗日さんごめん。ここで戦うしかない」

 

「わ、分かった」

 

一瞬触発の状況。

先に動いたのは爆豪。爆破で距離を詰める爆豪に対して出久が体制を低く保ち当たるか当たらないかギリギリのタイミングで爆豪の顎めがけて拳を上げるが

 

「ここ!!」

 

「なっ、早い!?〝爆ッッッ〟」

 

「ぐっ」

 

突然加速した飯田の右蹴りに驚いてしまい対応し切れず、咄嗟の判断で弱めの音を使って飯田を硬直させるが

 

「デク君!?」

 

「大丈夫!っ!!麗日さん!!右!!」

 

「なっ!?」

 

爆豪には当らず、爆破をモロに受け右膝をつく。出久を見ずに爆豪は即座に切り返して麗日へと爆破をする。出久心配した麗日の対応が少し遅れてしまい

 

「うぐ…………でもこれで」

 

「なっ、てめぇ!!」

 

爆破が直撃した麗日だったが不意に爆豪の身体の自由が効かなくなる。爆豪はそれが麗日の個性だと分析し、

 

「閃光弾!!」

 

「わっ!?」

 

爆破を応用した閃光弾を使って視界を奪い、麗日の個性で動きが難しいながらも麗日を掴み爆破からテープを巻いた。爆豪の一連の動きの中出久は動きが鈍い飯田に詰め寄られ、動きが鈍ってることを利用して飯田の初撃を見切り、テープを巻き付けた。

 

こうして出久と爆豪の戦いになり_____

 

――――――――――――――――――――――――

 

戦いが終わりモニタールームへと戻ってくる四人。結果をいえば時間切れで敵側の勝利だった。その後の講評では最初の奇襲からヒーローをその場から離れさせなかった爆豪がMVPになった。その中で

 

「そう言えば緑谷、お前最初に何か叫んでからの耳に手を当てて、すぐ爆豪の奇襲を読んでたみたいだけどあれって何したんだ?」

 

「あ、それウチも気になってた」

 

ふとそんな疑問を赤髪の生徒、切島鋭児郎が口に出した。その疑問に耳がイヤホンのようになっている少女耳郎響香が頷き、他にもポニーテールの少女、八百万百や触手の先端に目を作ってる少年、障子目蔵も頷いた。

 

「あぁ、それはあれは音の応用で、音を反射させてフロアの様子を把握したんだ」

 

「………?」

 

「音って壁に反射するからそれを利用して反射した音を聞きとってフロアがどの程度の広さなのか敵は何人いるのかを把握したんだ。普通の技術だよ」

 

なんてことのないように言う出久。だが自身の出した音を反射させるならともかく、音の反射から状況把握するなど決して普通などではない。

 

「………敵の人数?これって二対二って分かってる訓練よね?」

 

そんな出久の回答に驚く生徒達。そんな中で蛙っぽい少女、蛙吹梅雨が人差し指を口元に置いて首を傾げて聞いてくる。

 

「……確かに形式は二対二の戦闘訓練。でもオールマイトが最初に説明してくれた設定の中に人数は含まれてなかったよね?」

 

「現場に出ると敵の正確な人数がわかんねぇなんてざらだ。だから俺はそこの眼鏡が来てから『今頃核は持ち出されてるかもなぁ?』とかいってヒーローを挑発してたんだろうが」

 

「………そっか。だからデク君は最初『戦いながらでいいから、逃げれる隙があったら逃げて他のヒーローと合流して!!』って言ってたんか……」

 

「それだけじゃありませんわ。緑谷さんは周囲を警戒する素振りを見せながら麗日さんを助けるために、爆豪さんは飯田さんを解放させるために動いてるように見受けられました」

 

「え?……って事は緑谷は麗日を解放させて他のヒーローと合流。爆豪は機動力の優れた飯田を逃がして核を回収及び交戦してるであろうヒーローへの援助を任せようとしてたって事かよ!?」

 

出久と爆豪はお互いに引かない戦いをしながら、伏兵がいる可能性を考え、敵に示唆させた上で最善策をとろうと模索してたのだ。その事に飯田や麗日を含めて意識の違いを思い知らされる。

 

(複数との戦いを経験してる影響かそれとも、急な乱入を予想してる影響か)

 

いずれにせよ、あっちの世界でかなりの経験をしてると感じるオールマイト。

 

それから

 

顔に火傷の跡がある少年轟焦凍が、ヒーロー側を氷漬けにしたり、手からテープを伸ばす少年瀬呂範太と硬くなる個性の切島鋭児郎が優れた近遠を見せたりと、戦闘訓練初日はつつがなく終了した。

その日の放課後、

 

「ねぇ緑谷。さっき言ってた反射した音を聞き取る技術ウチにも教えてくんない?」

 

「え、耳郎さんの場合、既にかなりの索敵能力があると思うんですけど…それに僕みたいな音を使える人が居ないと特に必要のない技術ですし」

 

「いーの。覚えていて損は無いでしょ?それにかしこまらなくても同い年なんだからタメでいいよ!」

 

 

「おい爆豪!お前の戦闘能力凄いな!今度組み手付き合ってくれよ!」

 

「やるからには死ぬ気でこいや」

 

クラスメイトと出久は好意的に爆豪はうっとおし気味に親交を深めていく。そんな二人に突然耳鳴りが響き鏡に相棒が映る。

 

「あ、ご、ごめん!急用思い出した!!」

 

「ッチ」

二人はクラスから離れ監視カメラのない位置で変身し鏡の中へと入っていったのだった。

 

そしてこの二日後

 

[どうなると思う?平和の象徴が……敵に殺されたら]

 

A組は真に賢しい敵に出会う事となる。

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