究極の闇、『ン・クウガ・ゼバ』   作:ルシエド

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同盟

 旧・サンマルコ教会。現・マリアチャペル 柏玉姫殿。

 殺生院キアラ/ラ・バルバ・デが本拠としたそこが、人間側に発覚することはなかった。

 立香の意識は『意識を操り眠りを誘う薔薇の香り』に掌握されており、そもそも教会に引き寄せられたことを覚えていない。

 よって今回報告されたのは、沙条愛歌、ダグバ、そして撃破されたゴオマに関してのみ。

 

 未確認生命体二体目の撃破。

 現状打つ手なしの最悪の強敵。

 いいニュースと悪いニュースが同時に来たようなものであった。

 クウガと、クウガの説明を分かりやすく訳するカーマの説明を聞き、橙子はタバコを吸う量を地味に増やしていた。

 ()()()()()()()()()()()()()()……沙条愛歌。

 同期の荒耶宗蓮あたりなら、この"完成している太極"をどう結界に収めるか考えただろうか―――などと益体の無いことを考えている自分に、橙子は苦笑する。

 

「まったく。厄介事は増えるばかりだな。

 そうか、立香に危害を加えることもなく、クウガだけを探していた未確認が出たか……」

 

 橙子はタバコを灰皿に押し付けた。

 新たな敵の確認。

 そしてこれでまた一つ、『C群』のカウントが進むこととなった。

 

 未確認生命体は現在、三つの群に分けられカテゴライズされている。

 第一次第二次における未確認の怪人体を仕分けるためのA群。

 同上の未確認の人間体を仕分けるためのB群。

 そして、異世界の未確認生命体を仕分けるためのC群だ。

 これは第一次第二次の平行世界個体も存在するため、必要な仕分けだったと言われている。

 

 未確認生命体C群1号が、最初の通報に記録されたメ・ドゥサ・レ。

 情報が出て来たことで、後から"最初に確認されたC群"であると認定された0号がクウガ。

 2号がメ・ガルメ・レ。

 同日に確認されたため、3号に入れられたのがゴオマ。

 そして4号が沙条愛歌/ン・ダグバ・ゼバとなる。

 

 姿を確認した時点で登録されるため、立香に隷呪を刻んだ謎の未確認生命体も、姿を視認された時点でC群に登録される予定になっている。

 

 C群0号のクウガ。C群4号のダグバ。

 果たしてこの戦いの結末は、いかなるものとなるだろうか。

 誰もまだ、その部分に予測すらできていない。

 されど構図は変わるまい。

 

 グロンギ達は楽しむために。人間達は生き残るために。

 前者は自らの幸のためだけに愉快に、後者は生存のために懸命に、戦うだろう。

 

 そしてドゥサの最初の大暴れから12時間が経過し、クウガとゴオマが早朝とはいえ日の出ている時間帯に戦ったこと、警察が記者会見の予定を入れたこと。

 もう人々は気付いていた。

 新たなる戦いが、再び始まったことに。

 

 SNSを通して様々な写真や目撃情報が急速に広がっていく。

 第一次未確認生命体の時には無かったものが、情報を広げていく。

 時は2014年。

 "スマートフォン"という名の、手持ちパソコンとさえ言える最上級の情報媒体が一気に普及を始めた時代。

 twitterが生まれたのが2006年。

 twitterの日本法人が生まれたのが2011年。

 mixiなら2004年。

 未確認生命体が出現したという情報が入り、記者が情報を集めて記事やニュースにするよりも遥かに早く、SNSで爆発的に情報が広がる時代であった。

 

「また未確認生命体が出た」

「第三次?」

「大惨事やんけ」

「うそだろ」

「やだ、やだ」

「国外に逃げた方がいいかな」

「東京から逃げる?」

「ここ一ヶ月は都外の不審死結構出てるぞ、様子見ろ」

 

 人の口に戸は立てられない。

 まだ確かな情報は無いにもかかわらず、情報は爆発的に広がっていく。

 動画で、画像で、目撃情報の伝聞で。

 警察は民衆のパニックを予感し、急速に対応を準備していく。

 

 時代は変わった。

 神秘の秘匿が不可能になるのも秒読みだろう、と目敏いものが気付きつつあるほどに。

 急激に。

 劇的に。

 良い意味でも悪い意味でも、未確認生命体第4号が戦っていた頃とは時代が変わったのだ。

 けれど、変わらないものもある。

 

 時を経てもなおずっと、皆が信じ続けるものがある。

 

「なあ。この紫と銀色の―――体の形全然違うけど、もしかして、4号なんじゃないか?」

 

 何故だか、人々は警察の予想以上に落ち着いていて。

 

「未確認を倒して人を助けてる……なあ、やっぱり、これって」

「ああ」

「そうかも」

「また、来てくれたのかな」

「マジか」

 

 日本で大パニックが発生するという事態には、発展していなかった。

 

 

 

 

 

【東京都文京区未確認生命体対策室 2014/08/01 00:30 p.m.】

 

 

 

 

 

 立香、カーマに連れられ、報告等々を終えて一休みしたクウガは、食堂にやって来ていた。

 お昼ご飯タイムである。

 さあ何を食べよう、とウキウキでクウガを食堂に連れてきた立香であった……が。

 

「おい、あれ」

「ああ」

「ちょっと挨拶しないとな」

 

 食堂に入った瞬間、食堂にいた警察の大人達に、取り囲まれてしまった。

 あれやこれやと話しかけてくる警察官。

 ドゥサとの戦いで名誉の戦死を遂げた警察官同様、4号に憧れた世代の警察官もいるようで、一部の警察官はやや興奮気味だった。

 

「よろしく。私は事務方だから、分からないことがあったら遠慮なく聞いてね」

 

「私達は所属はここだが、普段は派出所にいる。現地で連携するだろうから、その時はまた」

 

「私達は一応警備課だね。刑事課や組織犯罪対策課と組んでるから、情報面で役に立とう」

 

「出向の生活安全課です。分からないことがあったら聞いてください」

 

「衛宮さんや間桐警視と一緒にいたけど覚えてない? 戦闘時は何でも言ってくださいね」

 

「対策室の救急担当っす。怪我人の避難と、怪我した時の手当はこっちにどうぞっす」

 

「対策班の武装開発担当です。外部部署の小沢澄子さんや榎田ひかりさんがですね……」

 

 次から次へと話しかけられるクウガ。

 閉じた瞳で顔は覚えられないので、耳だけで話しかけてきた人を覚えていく。

 ……覚えていこうとしたのだが、流石に同時に話しかけられるとキツくなってくる。

 目と耳で情報を結び付けながら覚えるのが"人間の他人の覚え方"だが、目が使えないなら情報の洪水に溺れがちだ。

 

「待て待て。いくらなんでもちょっと皆一気に話しかけすぎだろ」

 

「うっ」

「確かに」

「衛宮さんの言う通りだ」

 

 そんな皆を、慎二と二人で昼飯を摂っていたらしい士郎が止めていた。

 慎二は"あほくさ"と言わんばかりの表情でラーメンを啜っている。

 慎二の方は助け舟を出す気は全く無い様子。

 

「空我は、何か聞いておきたいことあるか?

 今ならほら、どこの部署の人もいるから何でも応えて貰えると思うぞ」

 

「聞きたいこと…………ですか」

 

 クウガはうーん、と考え込む。

 

「では…………お昼を教えてください」

 

「え? お昼?」

 

「食文化…………素晴らしいと、思います。

 誰も傷付けない、喜びを、追求した、って感じで。

 栄養補給に…………別の意味を、見つけた文化、って感じで。

 ワタシは、日本の食べ物を、知らないので…………どれがいいか、教えて、ください」

 

 一気に、煩さが増した。

 一斉に、周りの人達がクウガとは別の人と話し始める。

 

「ラーメン?」

「カレー?」

「チャーハンだろ」

「ハンバーグでよくね」

「お前外見子供だからって」

「何出せるんだっけ? 冷凍にあるものは全部?」

「そうそう。食堂のおばちゃんに頼めばすぐね」

 

「デザートの方が選びにくいですよね」

「ああー、デザートの方が幅広いのか。冷蔵庫に作り置きして入れとくだけだから」

「飲み物ってどうすんです?」

「未確認生命体ってコーラとか飲んだことあるんすかね」

「ここはバニラアイス浮かべたメロンソーダでフロートを見せてやりましょうよ」

 

「日本の心を教えてやらないか、焼き魚の定食で」

「は? 衛宮、ラーメンだってここまで改造すれば立派な日本の心だよ」

「慎二……そんなだからお前はダメなんだ。ワカメの味噌汁でも飲んでろ」

「なんだよ! おかしいこと言ってないだろ! 和風パスタも日本の心だよ!」

 

「あの…………ええっと…………」

 

 わいわいがやがやと騒がしくなってきたところで、我関せずといった風に席に座った立香とカーマに食堂のおばちゃんが元気よく語りかけた。

 

「あら可愛いお嬢ちゃん達! 何が食べたい? メニューを見て言って頂戴!」

 

「立香さん、今日の日替わりランチAとB見てくださいよ。

 なんでしょうこの、アメリカスペシャルカレーとフランススペシャルカレーって」

 

「気になるね……あ、私とカーマちゃんでそれぞれ選んで、ちょっとずつ分け合う?」

 

「いいですねそれ。その発想に花丸上げます、花丸立香さん」

 

「藤丸だよ藤丸」

 

 そしてクウガは。

 なんか選べなかったので大体全部頼んだ。

 

「おかわりください…………」

 

「信じらんねえ……こいつ、ラーメンとカレーとステーキとチャーハンとパスタを全部……!」

 

「サラダと漬物と焼き魚と明太子と納豆と生卵で白米食いながらだぞ……!?」

 

「美味しかった…………です。ありがとう、ございます」

 

 どこにそんな入ってるんだ、どこにそんな溜め込んでるんだ、と皆は思いつつ。

 

 素直に感情が顔に出るクウガが「美味しい、美味しい」と言いながら食べているのは、見ていて心のどこかが和むようで、微笑ましそうにクウガを茶化さず見守っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第一次、第二次の未確認生命体災害で得られた教訓は、『未確認生命体の残した物を軽視しない』ということであった。

 グロンギは異端の生命体である。

 人間とは違う倫理、論理で動いている。

 だが逆に言えば、理の無い獣ではない。

 グロンギが残したものを分析すれば、少しずつでも確実に真実には近付ける。

 

「じゃあ次のチェックしましょうか」

 

「はい」

 

 そのため、それらしいものは片っ端から未確認生命体対策室の鑑識に回されていた。

 怪しい形の石やら、落書きにしか見えない絵やら、ごく普通の水筒に、ただの鉛筆。

 ちょっとでも怪しいかな? と思われた物は片っ端から運び込まれていた。

 

 そのせいで数が多すぎる。

 未確認生命体対策室の鑑識はその中から怪しいもの、怪しくないものを軽く選り分け、それから専門的な調査を始めるというスタンスを確立していた。

 ただのゴミや落とし物は最初に分けておこう、ということである。

 

「なんかこの水筒カラカラ鳴ってますね」

 

「中に石でも入ってるんでしょうか?」

 

「水筒の外側に子供の字で名前が書いてありますね。

 多分子供の落とし物です。中に入ってるのが何かだけ確認しておきましょうか」

 

「はい」

 

 その記名が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ための、誘導するための小細工だったと、彼らは終ぞ気付くことなく。

 

 彼らが開いた水筒の中から、無色透明の『何か』が吹き出し、その部屋の全ての者が倒れた。

 

 

 

 

 

 軽やかな足取りで、メ・ガルメ・レは未確認生命体対策室の署に足を踏み入れる。

 

「おやおや、皆さんお休みのようで。疲れているのかな?」

 

 動いている者は誰も居ない、と言うべきか?

 動いていない者は誰も居ない、と言うべきか?

 警察官の中で、まともに動いている者は誰もいなかった。

 警察官の中で、痙攣していない者は誰もいなかった。

 

妄想毒身(ザバーニーヤ)だ」

 

 水筒から吹き出した『毒』は、大きな建物一つを満たしてなお余りある。

 

 ガルメは施設内を練り歩き、やがて建物の端にある食堂へと辿り着いた。

 

 ドアを開いた向こうには、床いっぱいに倒れた人達。

 食事の直後、あるいは途中だった人もいたからか、誰も彼もが嘔吐していて、一部の人は気管支に吐瀉物が詰まり窒息しかけていた。

 命を吐き出すような嘔吐。

 一部の人間の吐瀉物には、血さえ混じっている。

 呻き声が耳に優しく、痙攣する人間は見ていて楽しく、肌で感じられる苦しみが良い。

 ガルメは上機嫌だった。

 

 そして、そんな人間達の中心に一人だけ立っている戦士がいた。

 既に変身を終えた騎士が、震える体と震える足に鞭打ちながら、剣を杖にして立っている。

 

「よう、クウガ」

 

「ガルメ…………!」

 

「流石に欠片入れると抵抗力が上がるか。

 とはいえ、お前でも膝を折れないなら、他のプレイヤーには効かないだろうな……」

 

「行動権は…………まだないはずだ! これは、立派な、ルール違反! 『ラ』が動く!」

 

「行動権? はっ」

 

 小馬鹿にするように、ガルメは笑う。

 

「オイオイ。俺が落とした落とし物を勝手に拾って、勝手に届けて、勝手に開けたのは誰だ?」

 

「…………なっ」

 

「お前達リントだろ。()()()()()()()()()

 

 それは、文字通りの詭弁であった。

 

「何か勘違いしてるようだが、これは事故だ。

 たまたま、俺が強い毒を溜め込んだ水筒を落とした。

 たまたま、拾った人間が落とし物としてこの署に届けそうな所でだ。

 たまたま、俺は以前この署を見に来た時、鑑識のやり方を知ってたかもしれないがな?

 全部全部、たまたまさ。

 全ては偶然だ。魂喰いもしていない。俺は何の得もしてないんだから、偶然ってもんだ」

 

「よく回る舌で…………詭弁を…………!」

 

「これは確実性なんてない、偶然としか言えないものだ。

 流れた毒性も低い。

 かつ、"俺は二度同じやらかしをしない"。初めての失態、ってやつだ。

 故意性なんてどこにも見当たらないし、俺は一切得をしてないだろ?

 『ラ』はこんくらいなら許すのさ。他のグロンギはやらないがな、こういうの」

 

 バレなければいい、故意性はなかった、の理論。

 ガルメにとっての得が一切無いのと、厳しい『ラ』ならガルメを処罰しにくるというリスクと、一度しかこの手を使えないという点を揃えて、ルール違反ギリギリのラインを攻めてきた。

 グロンギが蛮族の一種だからこそ、通るラインであるとも言える。

 これは人間の感覚では読み切れない境界線だ。

 

「リントは大変だなあ。

 グロンギはそういうことがなくてな。

 落とし物を届けて当然……なんて常識を持ってるグロンギは、一体もいない」

 

 逆にガルメは、ある程度人間のことを理解していた。

 クウガのことも理解していた。

 クウガの中でふつふつと沸く怒りがあることをガルメは察し、やぶれかぶれに攻撃される前に、話を次に進める。

 

「俺はなぁ、俺のせいで不幸にも苦しんでいるリントに、心を痛めてるんだ」

 

「どの口が、言う…………!」

 

「この舌が言ってるのさ。解毒してやろうか?」

 

「!」

 

「俺は、解毒する方法を持っている。

 というより、元々すぐには死なない毒で、解毒が可能な毒を選んだんだ」

 

 これは、取引だ。

 クウガが断れないようにした上での、取引。

 先日のドゥサ戦のどさくさに紛れて"クウガと人間を分断してクウガを味方に引き込む"という作戦をしようとして、立香に邪魔されたガルメの次なる一手だ。

 

「解毒もしてやろう。

「そうだ、俺のステータス情報もやろうか?

 他の参加者のステータス情報も欲しいなら一部だけはやろう。

 ああ嘘はないぞ? 『ラ』を通してゲームルールとして正式に情報を提供するからな」

 

「それで、何を…………ワタシに求める?」

 

 内なるランスロットの声を聞きながら、クウガは慎重に、慎重に、交渉を重ねる。

 

「俺が求めることは一つだ。明日、行動権を使う奴を俺達と共に迎撃、できれば抹殺しろ」

 

「『俺達』…………?」

 

「お前を入れて三人だ。

 三人がかりで『奴』を潰す。

 でなければ、他の誰もグセギス・ゲゲルで勝ち残れねえ」

 

「! 手を組んで、ゲゲルを…………? そんな発想を…………こんな序盤に」

 

「そのレベルの相手だ。あんなのダグバでもなきゃ絶対に倒せない、断言できる」

 

 ガルメの要求は分かりやすい。

 この毒を全部消してやるから、自分の情報も他の奴の情報もくれてやるから、一回だけの乾坤一擲の奇襲に加われ、という攻撃参加要求。

 敵が行動権を使ったタイミングで殴り込み、自分達の行動権を使わず潰す。

 迎撃型の奇襲戦。

 

「たった一戦で良い。お前も加われ、『グロンギ連合』に」

 

 身も蓋もないことを言えば、"優勝候補の排除"であった。

 

「なぜ…………そんなに多くを、知っている?」

 

「グセギス・ゲゲルは情報戦だ。

 情報があればあるほど強く、情報を隠せば隠すほど強い。

 『奴』が現段階でほぼ優勝確定の最強であることも。

 『奴』が明日行動権を何時にどこで使用するかの予定も。

 今の所の全参加者のステータスや融合対象もほぼ特定は終わった」

 

「!」

 

 まだ、グセギス・ゲゲルの正式開始から24時間も経っていないというのに。

 ガルメの能力は透明化。融合前から使えるスキルである。

 それを駆使して、最序盤を情報集めのみに使い切ったらしい。

 まだ『ラ』から情報を得る行動権使用すらしていないのに、これだ。

 "情報戦概念が加わったゲゲル"において、考える頭と隠密能力を併せ持つガルメは、かなり危険な脅威であるのかもしれない。

 

 ならそのガルメのステータス等の情報は重要か、とランスロットは考える。

 同時に、"簡単に渡す情報なら価値がないということだ"とも、ランスロットは考える。

 軍師にはなれずとも暗殺は成功させる、()()()()()()()()を持つタイプをランスロットは何人も見てきて、それらと同じ気配をガルメに感じていた。

 

「お前が最も活躍したなら……俺が奪ったお前の『眼』、返してやってもいいぞ?」

 

「―――」

 

「ただし覚悟はしておけ。敵は……明日、リントの戦士を狙い行動権を使う『奴』は」

 

 ガルメの要求を受けるしかない、とクウガは思う。

 足元に転がり今も苦しむ人達を救うにはそれしかないなら、ガルメの味方になるしかない。

 ガルメの味方になって、その敵を倒して、敵を減らす。そうすればいいだけ。

 勝てばいいだけだと、クウガは考えて。

 

 

 

「―――『ゴ・ガドル・バ』。クラスはバーサーカー。融合対象は『ヘラクレス』だ」

 

 

 

 勝てるわけがない、とクウガの思考は断言した。

 

 

 




 次回交渉終了と同時、自動でガルメが提供した情報がマテリアルに反映されます
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