ポケモントレーナー ハチマン 〜ぼーなすとらっく集〜   作:八橋夏目

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今回は続編のデオキシス襲来から二ヶ月後くらいの話です。

〜案内〜
目次のところに時系列順に並べようと思うので、アニポケ風のサブタイトルもつけていこうと思います。



ぼーなすとらっく2『シャラジムにイケメン御曹司』

 デオキシス襲来から二ヶ月。

 今日は久しぶりにシャラシティへと来ている。

 まあ俗に言うジムの視察である。

 たまに様子を見に行くようにしているのだ。ジムリーダーどもが見に来いって口々に言い寄るから。

 全員何なの? そこまでして俺に見てほしいわけ? 俺が見ても特に何かあるわけでもないのに?

 ユキノとハルノにはこれも仕事だからと、他の仕事は調整してもらっているのだが、いかんせんシャラシティは遠い。正直行くのが面倒。なのでどうせシャラに行くなら西側のジムを回ってしまおうという軽い旅行と化すのが常となっており、数日空けることになっている。

 それで先にショウヨウジムへザクロさんの様子を見に行ったのだが、イチャイチャしていやがった。何か勝ち誇ったような顔でりゅうのウロコを渡してきたので、遠慮なくもらってやったわ。

 そして今日シャラシティに来たのだが、なんかジム周りに人集りが出来ていた。

 何かあったのか?

 

「あ、あにょ」

 

 噛んだ………泣。

 こういうのはいつになってもやはり俺である。

 だって知らない人に声かけるとか無理でしょ。途端に口が回らなくなる。

 

「「「?!」」」

 

 えー、何で俺を見た途端に目を見開くのん?

 そんな驚くような顔だった?

 ああ、この目だな。不審者に思われたんだろう。

 

「え、なんで大魔王様が」

「し、知らないわよ。でも」

「ええ、こんなチャンスは二度とないわ」

 

 ねぇちょっと?

 今嬉しくない単語が聞こえたような気がするんですけど?

 誰が大魔王様だ。つーか様付きなのかよ。

 

「え、大魔王ってあの?」

「チャンピオンよりも強くてどんな敵も寄せ付けないカロスの支配者の?」

 

 それもはやフラダリレベルの悪党じゃね?

 

「しかも眼鏡をかけてるなんてレアよ」

「眼鏡のイケメン大魔王様………」

「お手とかしても大丈夫かな」

「大丈夫よ、きっと。だって忠犬ハチ公様なんだし」

「誰が犬っころだ」

 

 あ、思わずツッコミを入れてしまった。

 

「「「「「「……………………」」」」」」

 

 ほら固まってしまったじゃねぇか。

 これどうしたらいいんだよ。

 

「ちょっとー! ジムの前で何してるんですか!」

 

 あ、ジムリーダー様がお見えになった。

 

「ってハチマン?!」

「ハチマンですよ」

「アンタ何でここに!?」

「何でっていつもの視察だ。こんな仕事が増えたのも元はと言えばお前が発端なんだから覚えとけよ」

「あ、あーね」

 

 こいつ、絶対忘れてやがったな。

 

「で、この人集りは何なの?」

「………ユイさんがその………」

「なに? またやっちゃってんの?」

「う、うん………」

 

 ユイガハマユイ。誰かさんの「お団子頭は明るい茶髪がいい」発言により髪を染めてしまった通称アホの子。周りとのテンションの差について行けず距離を置くようになった俺をずっと気にかけてくれていた優しい女の子だ。

 先のリーグ大会に向けてコルニの元で修行していたこともあり、大会後はシャラジムのジムトレーナーをしている。

 そこまではいいのだ。ユキノに鍛えられてきたこともあり、この一年弱で随分と知識と経験を積んできた。それを発揮する場を用意してくれたコルニには感謝しているくらいだし。

 ただジムトレーナーになってからというもの負けなしなんだとか。今では東の関門エイセツジム、西の関門シャラジムとまで言われるほど。ただ前者は何とかジムリーダーまで辿りつけるらしいが、後者はジムトレーナーにすら勝てないという異例の事態となっているのだ。

 まあ別にそれが問題視されてるわけじゃないから、俺たちからは何もする気はない。ある意味ポケモントレーナーたちを活気付けてるし、大会後に沸き起こった謎のゲッコウガブームに感化されたガキどもの出鼻を挫くことが出来てるから大いに結構。なのだが、そのせいで観戦客が増えているというのも事実ということらしいな。可愛い系アホの子が豪快なバトルをしていれば、そりゃ誰だって見たくなるさ。

 

「取り敢えず入って」

「おう」

 

 今度はどこのどいつがユイの餌食になっているのかと思いながら、コルニに案内されジムの中へと入った。

 

「シュウ、はどうだん!」

 

 中ではユイのルカリオがゲコガシラとバトルしていた。

 チャレンジャーは………まさにブームに感化されたっぽい少年かよ。

 

「ゲコガシラ、みずのはどう!」

 

 ルカリオのはどうだんを相殺すべく、水を波導で操り受け止めた。

 

「ゲコガシラ!?」

 

 だが、威力・スピードに圧倒的な差があり、水の壁は貫通しゲコガシラにトドメを刺してしまった。

 

「ゲコガシラ、戦闘不能! よってジムトレーナーユイの勝利!」

 

 判定はルカリオの勝利。

 

「くそ、オレたちは最強だったのに、なんで勝てないんだ……!」

 

 その結果に少年は悪態を吐いている。

 最強、ね。

 

「………少年君はスクールで一番強かったの?」

「ああ、そうさ。オレたちは負けなしだったんだ。なのに……!」

 

 スクール内で最強だからと言ってジムリーダーに勝てるとは限らない。勝てると思うのは所詮世界を知らないガキの思い上がりだ。俺ですら、最初カントーのジム戦巡りで負けなしだったわけじゃないからな。エスパータイプ恐るべし。

 

「あたしと大違いだ。あたしはスクールでも成績悪い方だったし、卒業試験もギリギリ。それにあたしは一年前にようやくトレーナーになったばかりなんだよね」

「………なんだよそれ。オレよりも後にトレーナーになったやつに負けた弱いやつって笑ってんのかっ!」

「ええっ?! ち、ちがうよそうじゃなくて! あたしが言いたかったのはそんなあたしでも強くなれたってことだよ」

 

 どうやら励まそうとしてるみたいだが、逆に勘違いされてしまったみたいだ。

 

「あたしの周りには強い人がたくさんいてさ。ほら、ヒッキー……ヒキガヤハチマンって知らない?」

 

 おいこら、そこで俺を出すな。

 

「ヒキガヤハチマン?! それってあのゲッコウガ使いの!?」

 

 ほら、こうなるじゃん。

 俺はお前たちが憧れてるような奴じゃねぇんだよ、少年。だからそんな眩しい目をするな。あとゲッコウガ使いじゃない。今では使われてるようなもんだ。

 

「そうそう、最強って言ったらアレくらいじゃない? だからあたしも少年君もまだまだ弱いんだよ。でも今日はそれに気づけた。それだけでも大きな一歩だよ。自分の弱さを知ってる人と知らない人とでは大きくちがうって彼も言ってた」

「自分の弱さを知ってる人………」

 

 言ったっけ………?

 覚えてねぇや。

 

「シャラジムはね、そういうところも見てるんだよ。メガシンカを使いこなすジムリーダーだからこそ、トレーナーとポケモンの絆を重要視してるんだ。少年君はどこまでゲコガシラのこと知ってる? 強いところはどこ? 弱いところはどこ?」

「それは………」

 

 急に問い詰められた少年は何も返せず俯いてしまった。

 

「答えられないよね。あたしもそうだった。何となく描いているバトルのビジョンはある。でもそれを成功させられない。それはね、お互いのことをまだまだ知らないからなんだよ。あたしのやりたいこととポケモンたちができることに差があったりしてさ。それが原因で上手くバトルを組み立てられなかった。だからあたしはポケモンたちのことを知ることにした。好きなものは何か。嫌いなものは何か。得意なことは何か。苦手なことは何か。色々知らないことだらけだったよ」

 

 これは俺たちと旅をし出した頃の話だな。初めてのバトルでコマチたちに全敗し、その後俺があいつがやりたかったことをあいつのポケモンで成功させて見せた。

 その出来事がユイをここまで成長させてくれたみたいだ。

 ユキノにも強く言われて来たんだろうな。

 

「少年君もまずはゲコガシラのこと、他のポケモンたちのことをもっと知っていって。そして自分はこんなバトルをしてみたい、こんな夢があるんだって知ってもらうんだよ。そうすれば、少年君たちは今よりももっと強くなれるから」

「姉ちゃん………」

 

 ユイはやはり言葉が巧みだ。

 別に難しい言葉を連発するわけじゃない。何ならアホの子の名において擬音語を持ち出したりすることもある。だが、俺やユキノのように回りくどいこともしない。直球で思ったことをそのまま言葉にするからこそ、伝わることもあるのだ。

 

「みんなのこといっぱい知れたらまたおいで。そしてあたしに色々聞かせてほしいな。その時はあたしもシュウのこと、もっと君たちに教えてあげるから」

「うん!」

 

 落ち込んでいたはずの少年は、いつの間にかその目に闘志を取り戻していた。

 

「姉ちゃん、オレもっともーっと強くなってくるから! 姉ちゃんなんか瞬殺にしちゃうくらい強くなってくるから!」

「うん、がんばれ!」

 

 そして、ユイに次来た時の勝利宣言までして飛び出ていっちまったよ…………。

 これはアレだな………。

 

「なあ、コルニ。お前の仕事取られてね?」

「あ、やっぱりそう思う?」

 

 コルニが暇な理由がよく分かった。

 アフターケアまでユイがやってしまっていては、そりゃ暇にもなるだろう。

 

「天然は恐ろしいのう」

「おじいちゃん、ジムに来るなんてどうかしたの?」

 

 天然か。

 じじいの言う通りだな。

 あいつはただ普通に思ったことを口にしているだけ。役割分担だなんて言葉は一切頭にないはずだ。

 

「いや、これから客が来ることになってるんよ」

「え、アタシ聞いてないんだけど」

「言っとらんよ?」

「「………………」」

 

 つか、なんだこのじじい。

 孫にくらい伝えてやれよ。

 

「あ、ヒッキー!」

「おう、ユイ。元気にしてたか?」

「うん! 今34連勝中!」

 

 お、おう。

 いつの間にこんな戦闘狂になってしまったんだろうか。まさかそんな数字になってしまっていたとは。

 

「あれ? キルリアに進化したんだ」

「ああ、こっちに来る前にな」

「大きくなったねー、キルリアー」

「リーア!」

 

 キルリアはあまりボールに入りたがらない。

 恐らく親と逸れた身なのだろう。それが原因なのか一人になるのは嫌がっている。

 だがボールに入ってしまえば一人になってしまうので、極力入りたがらないのだ。その分、歩く時は手を繋ぎたがる。何なら抱っこまでせがまれる時があるくらいだ。可愛いから全部しちゃうけど。

 ゲッコウガももうボールに入る気は全くないから、別にいいんだけどね。あ、こいつは元々か。

 

「バトルはさせないの?」

「技を使い熟せるように特訓はしてるけど、バトルはまだ苦手だからな。無理強いするつもりはない」

「過保護だね………」

「バトルが嫌いってわけじゃないし、やりたいって言い出したらやってるよ」

 

 過保護だなんて失敬な。

 俺は至って普通だっつの。自分がやりたくもないことを強要されるのが嫌なのに、それをポケモンたちに強要するのは間違ってるだろ。俺は自分に甘いからな。ポケモンにも甘いのだ。

 あ、これが過保護って奴だったな…………。

 

「ヒッキーって結構放任主義だよね。ゲッコウガの時もそうだったし」

「そりゃポケモンたちもやりたいようにやるのが一番だからな。何かあればゲッコウガがいるし、何かなくてもゲッコウガがいる」

『おい、オレの仕事を増やすな』

「冗談だっつの。まあ、要は適材適所。キルリアは俺の疲れを癒してくれるだけで今は十分だ」

「リーア」

 

 今はこいつがやりたいことをやらせてあげたい。傷心を気遣ってってのもあるが、なんかこいつには笑っててほしいのだ。

 

「こんにちは、ジム戦できるかな?」

「あ、いらっしゃいませー! ジム戦できますよ! ただし、ジムトレーナーを倒すことができたら、ですけど」

 

 と、また挑戦者が来たみたいだ。

 ユイがさっさとそいつのところへと行ってしまった。また新たな犠牲者が出るのかね。

 

「ジムトレーナーか。構わないよ。ジムトレーナーからもジムリーダーの強さが分かるからね」

「なら、あたしとバトルしましょー!」

 

 ん?

 んん?!

 おいちょっと待て。

 何でホウエンのイケメン御曹司がいるんだ?

 

「おい、じじい。何故イケメン御曹司が来てるんだよ」

「そりゃ、わしの客だし」

「「…………………」」

 

 マジかよ…………。

 博士の客ってツワブキダイゴなのかよ。

 

「ユイさん、気づいてないよね?」

「多分、知らないと思う」

 

 うーん、本人を前にして何の反応もないし恐らく知らないと思われる。取り敢えず後で本人確認しなきゃな。

 

「これはこれで面白いのう。終わるまで観戦しよう」

「…………絶対負けるよな」

「うん、無理だと思う」

 

 じじいはニヤニヤしている。

 そんなにユイが負けるところ見たいのかよ。

 

「止めるか?」

「いいんじゃない? ハチマンも見たいでしょ?」

「そりゃあな。あの人から言い出したことなんだし」

 

 まあ俺も見たいけど。

 ほら、あんなに連勝してると止めたくなってくるじゃん?

 今あれと同じ心境なんだと思う。

 

「それではルール説明をします。使用ポケモンは一体。先に戦闘不能になった方を負けとします。なお、技の使用は四つまでとなります」

「一本勝負か。メタグロス」

「いくよ、シュウ!」

 

 はい来ました切り札。

 こりゃさすがに無理だろ。

 

「ルカリオか。ここのジムリーダーと同じ種族を連れてるんだね」

「はい、ジムリーダー攻略のヒントをあたしから掴んでもらえるようにしてるんです」

「それは面白いね。君に勝てればジムリーダーにも勝てる確率が上がるようになっているシステムか。今度あっちのみんなにも話してみようかな」

 

 ホウエン地方にはジムトレーナー制ってまだなかったんだな。既にあるもんだと思ってたわ。

 

「それでは、バトル始め!」

「一応挑戦者の身だからこっちからいかせてもらうよ。メタグロス、コメットパンチ!」

 

 おおう、最初からその技かよ。

 メタグロスはサイコパワーで自身を浮かすと前脚を突き出し、ルカリオに向けて一気に加速した。

 

「シュウ、引きつけて!」

 

 あれ?

 躱さないのか?

 いくら効果いまひとつの技だとしても相手はメタグロス。しかも元チャンピオンの実力者が育てたポケモンだぞ。素の威力がまず桁違いのはずだ。当たればそれなりのダメージになるのは間違いない。

 

「今だよ! カウンター!」

 

 おお、そうきたか。

 いつの間にカウンターを習得してたんだよ。

 コルニの方を見ると横に首を振っていることから、こいつが教えたわけじゃなさそうだ。

 

「………初手からカウンターとは。さすがに予想出来なかったよ」

「バトルにおいて最も重要なのは威力でも弱点を突くことでもなく、意外性だって言われてきましたから」

「意外性か…………。なるほど、確かにそうだね。相手の不意を突くことで動揺が生まれ、大きな隙ができる。そうなるともはや威力や弱点なんか関係なしに展開をモノにできるからね。それを言っていた人はどんな人なんだい?」

「あまり人前に出るのは得意じゃない人だから、あたしに勝てたら教えてあげます!」

「そう言われると是非とも聞かせてもらいたいものだね。メタグロス、サイコキネシス!」

 

 メタグロスが目を光らせると、一発でルカリオを壁にまで突き飛ばしてしまった。

 

「シュウ!?」

 

 突然のことにユイも反応できていない、か。

 

「あんなキレイに、流れるように飛ばされるなんて…………」

 

 ユイのいう通り技の発動からヒットまで流麗で無駄がない。だからこその威力だと言わんばかりだ。

 

「どうだい、僕のメタグロスは」

「とても強いです。そして技がキレイです」

「ありがとう。僕の親友は魅せることが得意でね。色々と聞かされてる内に染み付いてしまったんだ」

 

 魅せること。

 そういえばホウエン地方はコンテスト発祥の地でもあったな。カロス民に比べれば魅せることに長けているということか。

 

「これなら全力を出してもよさそうですね」

「是非見せてもらいたいものだよ」

「それじゃ、シュウ!」

「ルガゥ!」

 

 相手が誰だか知らないからの発言だな。

 

「メガシンカ!」

 

 ユイに託したキーストーンがルカリオが首から下げているメガストーンと共鳴し、白い光に包まれたルカリオがみるみるうちに姿を変えていく。

 

「メガルカリオか。シャラジムならではの要素だね。それなら僕もお見せしよう」

 

 ツワブキさんも深く頷き、ジャケットの胸につけているラピンペルを手に取り、キスをした。

 

「メタグロス、メガシンカ!」

 

 するとメタグロスの右前脚から光り始め、ラピンペルと結び合っていく。

 

「………メガシンカ、使えたんですね」

「僕の趣味は石を集めることでね」

 

 白い光に包まれたメタグロスも姿を変えた。

 メタグロスのメガシンカ、一体どんな変化をしているのだろうか。

 

「そういうことですか。シュウ、いくよ! はどうだん!」

「メタグロス、サイコキネシス!」

 

 先手を仕掛けたのはユイ。

 ルカリオが波導を凝縮し、弾丸を放った。

 メタグロスは超念力で追尾機能を持った弾丸を強引に逸らし、さらに押し返す。

 

「ブレイズキック!」

 

 だが、はどうだんは囮だったようで、既にルカリオはメタグロスの背後頭上に移動しており、炎を纏った蹴りが振り下ろされた。

 

「メタルクローで弾け!」

 

 メタグロスは臆することなく、鉄の爪で蹴りをいなす。

 

「シュウ、回ってもう一回!」

 

 蹴りが外れたルカリオは右脚を軸に回し蹴りを繰り出した。

 

「メタグロス、サイコキネシス!」

 

 だが、これも当たる寸前に受け止められてしまった。

 跳ね返される勢いを使い、ユイのところまで戻るルカリオ。どうやらメタグロスは追わないようだ。

 

「隙がない…………」

「まさかはどうだんを囮にするとはね。動きに無駄がなくて素晴らしいよ」

 

 元チャンピオンの評価は良好らしい。まあ、三冠王なんて言われているユキノが一から指導してたんだ。これくらい出来て当然だろう。でなければ、あの完璧主義者がジムトレーナーとして送り出すわけがないからな。

 

「こうなったら………シュウ、あたしを使って!」

 

 ユイはそう言うとルカリオにその豊満な桃肉を差し出した。

 いつも思うがそのセリフ、なんか卑猥だぞ。

 

「?!」

 

 ルカリオはユイの胸から腕を引き、二本の太い骨を取り出した。色はシルバー。恐らく以前よりも性能が上がっているのだろう。

 コンコンブル博士によれば、これはユイとルカリオだからこそできる芸当らしい。どうやらユイが持つ波導(というのが正しいのかは分からないが)とルカリオの波導のパルスが一致するようで、それにより通常よりも強靭な骨を作り出すことが出来るんだとか。過程やプロセスはどうあれ、ゲッコウガが俺にアクセスしてきた事と似ているような気がする。

 つまるところ、ポケモンとトレーナーの可能性というのはメガシンカやZ技なるものだけに留まるものではないということだ。

 

「ボーンラッシュ!」

 

 二本の太い銀骨を携えてルカリオはメタグロスへと突っ込んでいった。

 

「コメットパンチ!」

 

 メタグロスは両腕を前に突き出し、突撃してくる。両者勢いよくぶつかれば押し負けるのはルカリオの方だ。

 

「バーチカル・スクエア!」

 

 だがそんなのは杞憂で、ユイは縦斬り四連撃でメタグロスの勢いを相殺し、逆に押し返した。

 

「なっ?!」

 

 これには元チャンピオンも驚いている。

 

「ヴォーパル・ストライク!」

 

 そしてそのまま踏み込み、突撃技を繰り出した。

 

「てっぺき!」

 

 ま、そこは元チャンピオン。

 すぐに冷静さを取り戻し、確実な対応を見せてきた。

 

「ブレイズキック!」

 

 銀壁に勢いを殺され攻撃を外したルカリオはもう一本の銀骨を地面に突き刺し、棒高跳びの要領で銀壁を超えていく。

 そして、炎を纏った踵落としが繰り出された。あれはライダーキックかな?

 

「メタグロス、サイコキネシス!」

 

 一発入ったのはいいが、その一撃では倒れず逆に攻撃のタイミングを与える形となってしまった。

 

「シュウ?!」

 

 目を光らせて超念力を発動し、ルカリオをフィールドの真ん中で固定した。どうやら身動きすら取れず、本当に固定されているようだ。

 

「勝たせてもらうよ。メタグロス、コメットパンチ!」

 

 完全に的になったルカリオはメタグロスの四本の前脚により、ユイの後ろの壁へと打ち付けられた。

 

「ルカリオ、戦闘不能! よって勝者は挑戦者とします!」

 

 いやはや何とも恐ろしい。

 最後、えげつなくないですかね。

 

「お疲れー、ユイさん」

「ごめん、コルニちゃん。負けちゃったよ」

「あー、それなんだけど………。最初から勝てないだろうなーとは思ってたんだ」

「へっ?」

 

 いち早く駆けつけたコルニの後ろからホロキャスターを操作して、とある人物のプロフィールを探し出した。

 

「ユイ、ツワブキダイゴって知ってるか?」

「ツワブキダイゴ…………?」

 

 見つけたプロフィールをユイの前に掲示してやると………。

 

「ほら、こんな人」

「………元ホウエンチャンピオンにしてデボンコーポレーションの御曹司っ!?」

 

 まあ、予想通りの反応をしてくれました。

 

「あ、え、あ………えと……………」

 

 ホログラムと対戦相手を何度も見返し、オロオロとしているユイはとても面白い。動画に撮りたかったな。

 

「改めまして。僕はツワブキダイゴ。元ホウエン地方のチャンピオンの今はしがない石マニアです」

 

 クスリと笑ったイケメンは超イケメンスマイルで自己紹介をしてくれた。

 

「コンコンブルさん、お久しぶりです。コルニちゃんも元気だったかな」

「よう、ダイゴ君。メガシンカを完全に使いこなしてるのう」

「師匠がよかったからですよ」

「またまた、世辞を言っても何も出んよ」

 

 ん?

 この口振り………、まさか師匠って…………。

 

「随分とレベルの高いジムになりましたね」

「コルニが英才教育を受けたトレーナーを弟子にしたからのう」

 

 英才教育って………。

 まあ確かにそこら辺のトレーナーよりは英才教育になるかもしれんが。それを言ったらイロハなんか超英才教育だぞ。俺やユキノ以外にカロスの四天王三人から直々に鍛えられてるんだし。

 

「英才教育?」

「高度な教育を受けた奴のことだ。超エリートトレーナーとでも表現した方が分かりやすいか?」

「ば、バカにすんなし! 意味くらいちゃんと知ってるから! そうじゃなくて誰が英才教育受けてるのかって話だよ!」

「そりゃお前以外に誰がいるんだよ………」

「うぇ!? あたし?!」

 

 こいつ自覚なかったのかよ。

 そもそもコルニの弟子はお前だけだろうが。

 全く、このアホの子は。

 

「ユイからしてみれば友達に鍛えられたって感覚だろうが、周りからしてみれば元チャンピオンや三冠王やジムリーダーに鍛えられた超エリートなんだよ」

「マジ…………?」

「マジ」

 

 はあ…………、ユイがこれだとコマチ辺りも似たような感覚になってるんだろうな。実の兄が俺だし。

 

「すごい人たちに教えてもらってる自覚はあるけど、超エリートコースだったなんて…………」

「どこの世界に元チャンピオンや大会優勝経験者に鍛えられる奴がいるんだよ。そんなのばっかなら俺たちの仕事がバカにならんわ」

 

 それじゃただの貧乏くじでしかない。何が楽しくて奉仕活動しなきゃならんのだ。せめてこっちにも選ぶ権利を与えろって反対運動起こすまであるな、ユキノ辺りが。

 

「ところで君は?」

「ただのポケナビユーザーです」

「おや、こんなところにポケナビを使ってくれてる人がいるなんて驚きだな」

「………旅の同中は世話になってました。ただカロスでは使えないって言われた時には目の前真っ暗になりましたけど」

「あははは、そりゃ済まないね。カロスには既にホロキャスターが出回っていたから市場開拓の場がなかったんだ」

 

 これはあれだな。フラダリのせいだな。あいつはこんなところでも俺の邪魔をしてたのかよ。

 

「ダイゴ君、騙されちゃいかんよ。此奴は今じゃカロスのトップに君臨する男だからな」

「カロスポケモン協会理事………元はカントー本部理事の懐刀だった忠犬ハチ公。ユキノシタ建設が投資している相手」

「………詳しいですね」

 

 というか最初から分かってたみたいですね。

 まあそりゃそうか。

 リーグ大会後にハルノが公表しちゃってるし。そのおかげで協会のピンチがチャラになったようなもんだしな。

 …………一部のおっさんたちは独裁支配だなんだと言ってそうだが知らん。あいつらは口だけで肝心な時に全く動こうとしない奴らばかりのクズ連中だし。

 

「ハルノちゃんとは付き合いがあってね。彼女がカロスポケモン協会の人間として来た時には驚いたよ。束縛を嫌う彼女がそんなところに身を置くなんて」

「あー、想像は出来ますね。でもあの人結構楽しそうですよ。俺の知らないうちに色んなこと企ててますし」

 

 ハルノのおかげでデボン・コーポレーションとも繋がりを持ててるからね。というか知り合いだったのかよ。さすがユキノシタ家だな。

 

「だろうね。でも彼女の手綱を握れる人間は母親だけだと思っていたから、君がすごいことは重々承知しているよ」

「そりゃどうも」

 

 ママのん、既に手綱を完全俺に譲渡してるけどね。ハルノが俺に逆らわないとでも思ったのかね。まあ、気負うなって言っても負い目が無くなるとは思えないからな。そんな相手に掌を返そうなどとはいくらハルノでもそう簡単にはやるまい。ましてや今のハルノは活き活きとしてるし、これでよかったんだと思っている。

 逆に可哀想なのがパパのんだ。ハルノの手綱がない分、パパのんの手綱がぎゅっと締まっていっているようで、今でこそ縛られてそうなのにこれ以上とかマジで勘弁してあげてっ!

 

「取り敢えず、一人分かっていなかったアホには紹介できたみたいなんで聞きますけど、一体何の用なんですか? 聞くところによるとじじいの今日の客らしいですけど」

 

 心の中でパパのんに合掌しつつ、ダイゴさんに用件を聞いてみた。

 

「実はカロスを襲撃したというデオキシスについて、コンコンブルさんに話を聞きに来たんだ」

「デオキシス?」

 

 まさかのデオキシスについてだった。それならじじいよりハルノのところに来た方が良かったんじゃねぇの?

 

「ああ、僕たちはホウエン地方でデオキシスとやり合ったことがあってね。巨大な隕石を落とされそうになったんだ」

 

 ユイが聞き返したのに対し、ダイゴさんはそう答えた。

 

「グラン・メテオΔ、ですか」

「知ってくれていたんだね」

「そりゃまあ、カントーポケモン協会理事の懐刀とか言われてましたし。情報だけはありますよ」

 

 そりゃもう、無駄に。

 俺いなかったんだからいいじゃんって情報までくれるから、やっぱり興味本位で資料見ちゃうじゃん?

 

「そもそもデオキシスは宇宙に生息するポケモン。それが隕石とともにホウエン地方に落ちて来たんだ。しかも複数体がコアとして。つまりは宇宙はデオキシスの世界であり、何体も生息するってことだ。んで、あいつらの食はこれまた隕石。結局隕石とデオキシスは表裏一体の存在ってわけですよね」

「ああ、僕もそう考えている」

「そんな奴がカロスに来た理由は一つでしょ」

「というと?」

「カロスにはデッカいのがあるでしょうに。宇宙から来たというオーパーツ、ヒャッコクの日時計が」

「っ?!」

 

 おー、ようやく合点がいったみたいだな。

 まあ、これも俺たちの憶測でしかないけど、ネオ・フレア団とやらが日時計を重要視して、尚且つ実際に変化があったんだからそう考えざるを得ないだろう。

 

「日時計………! そうか、確かにアレは宇宙からの飛来物とされている。その仮説が正しければ、いや逆にデオキシスが飛びついたということは仮説がより信憑性を増してきたってことか」

 

 確かにダイゴさんの言う通り日時計の言い伝えはただの言い伝えだ。まだよく分からないことばかりである。日時計について研究している者もいるだろうが、成果を上げているのはプラターヌ博士以外めぼしい者はいない。だから何が真で何が偽なのか、それすらもはっきりしていないと言えよう。だからこそ、デオキシスが飛びついたことは手っ取り早い証明となったのだ。

 

「ま、あとは本人に聞いてみたらどうですか? 聞けるならの話ですけど」

『………オレ、一度も出したことないぞ』

「なら、一応警戒だけはしておいてくれ」

『はあ…………どうなっても知らないからな』

 

 捕まえたはいいが、結局一度も出さなかったのね。

 そりゃそうか。やっとこさ鎮静させたのに、また暴れ出したらやるせないからな。ダークライにもクレセリアにも申し訳が立たなくなる。

 

「っ?! これは………?」

 

 まあ、取り敢えずは暴れそうな気配はないな。

 草でぐるぐる巻きになったままだし。

 

「あの時のまんまかよ…………」

『出したことないからな』

 

 つか、無理だな。これでは聞きようがない。というかそもそも普通の状態でも会話ってできるのだろうか。ゲッコウガを始め、俺の周りにはディアンシーとかボルケニオンっていうテレパスで会話ができる奴がいるからな。何なら暴君様も入れてもいい。そうでなくてもリザードンとかダークライはおにびを使って意思表示して来たし。

 おかげで俺の感覚が麻痺しきってるわ。

 

「…………無理だな」

『無理だろうな』

「諦めるか」

『しかないだろうな』

 

 無理なもんは無理だ。

 命がかかってるわけでもないし、必死になる必要はない。だから諦めるのが吉だ。

 

「えっと、これって結局何なんだい?」

「デオキシスです」

「はっ?」

『デオキシスだ』

 

 あ、元チャンピオンの頭がフラつき始めたぞ。

 

「え、なに、捕まえたの?」

「俺じゃなくこいつがですけど」

『………放置しておくわけにもいかんからな。ボール投げたら入った』

「あははは…………」

 

 その場にいたユイは空笑いをしている。

 もうね、ほんと笑うしかないもんな。

 あの時ほど表情ってどうやって動かすんだっけって思っちゃったくらいだし。

 

「ポケモンがポケモンを捕まえるなんて前代未聞の話だよ。実は君は元人間だったとかそういうわけではないのかい?」

『オレはオレだ』

「こいつはケロマツから進化したポケモンですよ」

「それにしては随分と人間らしいというか………」

 

 人間らしい、か。

 確かにそういう風に見えるが、それは俺たちの視点から見た場合だ。逆の視点、ポケモン側から見れば人間の方がポケモンたちの真似事をしているように見えているかもしれない。

 結局、目に見えるものだけに囚われてるようじゃ何も変化は生まれないらしい。

 

「………ツワブキさんはポケモンたちの限界って何だと思います?」

「ダイゴでいいよ。ポケモンたちの限界………? そうだね、最終進化を超えるメガシンカ。或いは図鑑所有者たちが使う究極技。或いは一撃必殺。色々あるんじゃないかい?」

「そうすか………。俺はポケモンたちが求め続ける限り限界なんてないと思ってますよ」

「!? それは、どういうことだい?」

「簡単な話ですよ。限界なんてものを自分で決めてる内はそれが限界になってしまう。逆に限界なんて決めずに自分のやりたいようにやってる奴は限界なんてものがないってだけです」

 

 限界。

 これも一種の目に見えているものだ。

 これが限界、あれが限界、限界限界。そうやって自分で限界を作ってしまうから、普通で終わってしまう。

 別にそれを否定するつもりはない。出来ないことは出来ないんだからどうしようもない。無駄に時間を浪費するくらいならば、他のことに割り当てた方が効率的だし、満足度も高い。

 だが、それは自分の中だけでの話だ。相手に限界を押し付けるのはまた別の話になってくる。

 トレーナーとポケモンの関係はずっと主人と召使いのような状態だ。ポケモンはトレーナーの言うことに従う。従ってしまうのだ。それは限界にも当てはまること。ポケモンの限界をトレーナーが決めつけてしまっては、ポケモンはそれに従い、トレーナーの言う限界ラインを作ってしまう。それではポケモンたちの可能性を、相手の可能性を否定し潰しているに過ぎない。それはもはやただの欺瞞である。

 

「ダイゴさんはポケモンの限界は最終進化を超えるメガシンカと言いましたけど、本当にそれはメガシンカだけだと思いますか?」

「………他にあるとでも言うのかい?」

 

 何を言ってるんだって目だな。

 ま、常識しか知らなければそういう反応にもなるか。

 

「ええ、なんせこのゲッコウガにはもう一つ上の進化がありますからね」

「………ゲッコウガのメガシンカはまだ見つかっていない。なのにそれを超える進化、だって?」

 

 今度はわけが分からないといった目だな。

 ダイゴさんは自分の知識を搾り出して何とか理屈を立てようとしている。

 

「いや変化とすると………フォルムチェンジかい?」

「近からず遠からずってところですね。正確にはメガシンカシステムを特性に置き換えて発動させるフォルムチェンジです。本人曰く」

「………ちょっと待ってくれるかい。まだ理解が追いついてないんだ」

 

 口にしてみたはいいが、ただ単にピースを当てはめていただけだったのだろう。右手で頭を抑えている。

 こんな時でもやはりイケメンはイケメンである。

 

「ゲッコウガは最終進化のポケモン。特性はげきりゅう。稀にへんげんじさいという特性を持っていることがある。現段階でメガシンカも発見されてないし、フォルムチェンジがあるという話も聞いたことがない。……………そこにメガシンカシステムを特性に置き換えて発動するフォルムチェンジ……つまりフォルムチェンジする。そしてそれを可能とさせるのが特性…………いや待て、待ってくれ。そんなことってあり得るのか……………?」

 

 不可能というピースが残ったようだな。

 だが、それは不可能ではないんだよなー。

 

「整理出来ましたか?」

「あ、ああ。いや憶測に過ぎないがちょっと確認させてくれるかい?」

「何なりと」

「君のゲッコウガの特性はもしかしてへんげんじざいだったりするかい?」

「今は違いますけどね」

「………正直あり得ないことが起きたということは理解出来たよ。僕の憶測が正しければ、君のゲッコウガは確かに限界なんてものを微塵も決めてなさそうだね」

 

 ようやく頭がついて来たようだ。

 冷静に、不可能ですら可能性として視野に入れて来た。

 

「聞かせて欲しい。どうやってその姿を手に入れることが出来たのか」

 

 その上での穴埋作業か。

 

『断る』

「だそうです」

 

 ユイとコルニはズコッとコケた。

 ダイゴさんも唖然としてるし。

 

「じゃあ、僕と勝負しよう。それで僕が勝ったら聞かせてほしい」

 

 と、再起したダイゴさんがそう提案してきた。

 

『………オレが勝った場合はどうするつもりだ?』

「話してくれなくていいよ」

『話にならんな。それならまず受ける必要性がない』

 

 戦うのお前だもんな。

 

「………なら、僕のポケモンのダンバルを一体、君に託そう」

『………乗った』

 

 あ、釣られやがった。

 おまえ、元チャンピオンとは言え、ホウエン地方の超有名人になんて対価を示してるんだよ。ダイゴさんもダイゴさんだ。自分のポケモンをレイズするなよ。

 

「はあ………、お前って奴は………」

『元だろうがチャンピオンのポケモンならば、素質を見込める。勝てばいいだけの話だ』

「へいへい」

 

 ほんと前向きで羨ましい。

 負けるなんて一切考えていない。まさに限界を作ってないと言えよう。

 

『それとルールは技の使用制限をなしとする。やるからには全力を見せろ』

「いいよ、やろうか」

 

 ダイゴさーん、それゲッコウガがガチであなたのポケモンを奪いに来てるだけですからね!

 

「んで、どうする気だ? 相手はメガシンカしたメタグロスだぞ」

『見たところ全体的に能力が高い。生半可な攻撃は効かないと考えた方がいいだろうな』

「だろうな。しかもスパコンよりも試算が早い」

『なら視覚を奪う。防御力は技の相性で高めるしかないな』

「ま、今のお前ならトレーナー的視点からも見ることが出来るし、俺は適度に口を挟むようにするわ」

 

 ま、やるのはゲッコウガだし。

 一応トレーナーとしてタイミングは見てやろう。

 

「では、準備をお願いします」

 

 ジム内で審判を勤めている子が、再び立ってくれた。それを皮切りに俺もダイゴさんもフィールドへと向かった。ユイたちも観客席へと移動している。

 

「いくよ、メタグロス。相手はさっきのルカリオよりも強いと思う。心してくれ」

 

 ダイゴさんはメタグロスを出して、オボンの実を食べさせながらそう注意を促した。

 

「………それでは、バトル始め!」

「メタグロス、まずはバレットパンチ!」

『甘い』

 

 あれはたたみがえしか。使うとこ見たことなかったがしっかり習得してやがったな。

 高速のガトリングパンチを畳の壁で全て受け止めた。その隙にメタグロスの背後に回り込み、けたぐりで足下を引っ掛けて転倒させていく。

 

「てっぺき!」

 

 態勢を立て直すまでに時間が掛かることを見越してのてっぺきか。まもるじゃないのがミソだな。あっちは防壁の維持に集中しなければならない。だが、鉄壁ならば特に維持する必要もない。

 ゲッコウガはグロウパンチを繰り出したが、完全に読まれていた。

 

「ゲッコウガ、一旦影に潜れ」

 

 今ここで攻撃したところでそれ程ダメージにはならず、反撃されるのがオチだ。ならば、影の中から様子を見るのが妥当だろう。

 

「影………? メタグロス、どこから来るか分からないぞ」

 

 態勢を立て直したメタグロスは辺りを見渡し、ゲッコウガの気配を探っている。

 …………よし、後ろに気がいった!

 

「ゲッコウガ!」

『真下がガラ空きだ!』

 

 考えていることは同じようで、俺の合図とともにメタグロスの真下から殴り上げた。

 

「アームハンマー!」

 

 だが、やはりそこはチャンピオン。

 すぐに指令を出し離れる前に四本の脚をゲッコウガに当て逃げしていった。

 

『くっ………!』

 

 まさかあの態勢から腕を振り下ろしてくるとは。見かけによらず柔軟性があるな。

 

「どうだい? そろそろお互い本気でいかないかい?」

『いいだろう』

 

 今までのはお互い小手調べといったところか。それだけでも充分にレベルの高いバトルになっているが。

 

「メタグロス、メガシンカ!」

 

 ダイゴさんが胸に刺したラピンペルを取り出しキスをすると、メタグロスと共鳴し出した。

 その間にこっちも水のベールに包まれて姿を変えていく。以前よりも早く、水の流れもスマートになってやがる。それだけ扱い慣れた証なのだろう。

 

「………それがフォルムチェンジした姿ってやつかい?」

『ああ、だがただのフォルムチェンジではない』

「消えた?!」

 

 メガシンカ同様、能力が飛躍的に上がっている。それがただのフォルムチェンジとは異なる点である。しかも本人曰く、手順を間違えれば暴走一途らしい。そういうところはメガシンカにも似ているところである。

 

「メタグロス、こうそくいどうで動き回るんだ!」

 

 メガシンカしたことでサイコパワーが溢れ出ているのか、常に浮いている。それが高速で動き回っているのだから、もう手のつけようがない。

 やはりユイの時よりもハイレベルのバトルを描いているようだ。

 ならばそれに応えるのみだな。

 

「やれ、ゲッコウガ」

 

 ゲッコウガが一瞬で移動したのはメタグロスの身体の下部分。浮いているからこそ出来た新たな隙である。

 そこにへばり付くいるゲッコウガは水を波導で操作し、動き回るメタグロスの全身を覆い尽くした。

 

「下に張り付いていたのかっ?!」

 

 さすがの元チャンピオンもこれは予想外だったらしい。となると今までこういうバトルをする相手とは戦ってきてないということか。

 

「ジャイロボール!」

『甘い!』

 

 高速でジャイロ回転し出したメタグロスに、ゲッコウガは水を黒い波導でさらに包み込み段々圧縮し始めた。

 おかげで水は弾き飛ばされていない。

 つか、何で目を回さないのあいつ。

 

「剥がれない!?」

『うぅ、気持ち悪い………』

 

 あ、酔ってる…………。かっこわる………。

 

「のしかかり!」

『よっ、と!』

 

 なのに舌をメタグロスの身体に巻きつけて綺麗に脱出してるし。

 ドシンと落ちたメタグロスはフィールドに衝撃波を生み出した。ゲッコウガにダメージないけど、俺が転けそうになったわ。

 

『やっぱり硬さも上がってるな』

「なに、お前。それ確かめてたの?」

『見ているだけのと実際やるのとでは勝手が違うからな。情報はあって困らんだろ』

「そりゃそうだが、ちょっと身を削りすぎじゃね?」

『それだけ厄介な相手だってことだ。ああ、気持ち悪い………』

「なりふり構ってられないか。なら、そろそろ準備するか」

『ああ』

 

 メタグロスはやはり硬い。ちょっとやそっとの荒技では芸が足りないようだ。入念に練り込んだ技を作り出すしかないらしい。

 

「ゲッコウガ、まずは背中の手裏剣をグロウパンチで割れ」

「………何を始める気だい?」

 

 何ってそりゃメタグロスを倒すための技作りですよ。

 ゲッコウガは背中の手裏剣を上に投げて、拳で叩き割った。割れた水は宙を漂っている。

 

「波導で操れ」

 

 漂う水はみずのはどうにより制御下に置いていく。

 

「メタグロス、何かされる前に倒すぞ。コメットパンチ!」

「かげぶんしん」

 

 ゲッコウガの動きに警戒しているようだが、こいつは攻撃だけでは止められないぞ。

 

「ハイドロポンプ」

 

 メタグロスは目標が増えたことで攻撃の的を絞れずに戸惑っている。

 そんなメタグロスに、また数が増えている影が一斉に水砲撃を放った。

 

「くっ、まもる!」

 

 ふむ、これは妥当な判断だな。どれが当たるか分からないこの状況。下手に動くより守りに徹した方が生存率が高い。

 

「どろあそび」

 

 まあ、俺たちとしては動かないでいてくれるから準備しやすいんだけどね。

 

「………なぜここでどろあそび………? ますます分からない」

 

 おーおー、元チャンピオンをしても何がしたいのか分かってないようだな。案外ザイモクザはチャンピオンクラスにも初見殺しになれるかもしれないな。どうでもいい話だけど。

 

「結構貯まったな」

 

 上を見上げると水の塊が待機している。みずのはどうにより手裏剣及び水砲撃に使われた水を集めて作ったものだ。

 

「弾け」

 

 それを一気に解放し局所的豪雨を降らせる。

 

「メタグロス、サイコキネシス!」

 

 防壁の連続使用を避けるため、メタグロスに降り注ぐ豪雨を超念力で逸らして躱したか。でもこれ別に攻撃じゃないんだけどね。

 

「くさむすび」

 

 降り注ぐ豪雨はメタグロスの足下から伸びる草を急成長させていく。それはメタグロスの全身を覆う程までに、あっという間に。

 

「っ?! メタグロス、こうそくいどう!」

『遅い!』

 

 最後は俺が言うまでもなく、めざめるパワーにより草ごとメタグロスを発火した。草がより炎の勢いを増す材料となり、みるみるうちにキャンプファイヤーの出来上がりである。

 ゲッコウガのめざめるパワーは炎を生み出すからこそ出来る技の組み合わせによる相乗効果。追加効果では生み出せない連携である。

 

「まだだ。メタグロス、ギガインパクト!」

 

 さすがだ。

 だいもんじにも引けを取らないこの連携技から抜け出すなんて、さすがとしかいいようがない。

 

「けど、別にあれが決め技じゃないんだよな」

 

 だが、今のは全て相手を焦られるための演出でしかない。引けを取らないと言ったって、だいもんじには劣るしメガシンカしたメタグロスが耐えることも想定済みだ。

 

「つじぎりの縦斬り四連撃」

 

 高速で突撃してきたメタグロスを当たる寸前に、まず俺たちから見て右上から左下に向けての斬撃で勢いを殺した。続けて左下から右上に向けての斬撃で態勢を立て直そうと動き出したメタグロスを右へと回し、そのまま一回転して今度は左上からメタグロスの右側面を斬りつけた。そして再度右上から斬りつけると、どうやら急所に入ったらしい。

 

「メタグロス?!」

 

 バーチカル・スクエア。

 縦斬り四連撃の剣技。

 

「ゲッコウガ、トドメだ」

 

 背中から水の手裏剣を抜き頭上に掲げると回転を始める。局所的豪雨によりフィールドに出来た水溜りを吸い上げ、手裏剣は大きくなっていった。

 

『これで最後だ』

 

 四連撃を受けて尚、何とか立ち上がろうとしているメタグロスに巨大な水手裏剣が放たれた。

 熱を帯びていたのか爆発を生み出している。

 

「メタグロス!?」

 

 黒煙が晴れるとメタグロスは元の姿に戻り気を失っていた。

 

「メタグロス、戦闘不能! よって勝者、ヒキガヤハチマン!」

 

 いやー、勝っちゃったよ。

 どうしようか、マジで。

 そろそろこいつを伝説のポケモンに認定した方がいいような気がしてきたわ。

 

「負けたよ。すごいな、君たちは」

「………すごいのはゲッコウガであって俺は別にただのトレーナーですよ」

「いやいや何を言ってるんだい。君の戦略は全く読めなかったよ」

「俺の戦略っていうかこいつの戦略っていうか。最初にあれやるぞって決めてあっただけですよ」

 

 これが公式戦ならばどうなっていたかは分からない。勝っている可能性は高いと思うが苦戦させられるのも事実。防御力を突破出来ず敗北なんて未来もあったのかもしれない。

 

「それじゃ約束通り、こいつを君に託すよ」

『ああ』

 

 ゲッコウガはダイゴさんから一つのモンスターボールを受け取った。

 

『出てこい、ダンバル』

「バール」

 

 あ、このダンバル銀色だ。色違いじゃん。

 

『今日からオレがお前のトレーナーだ』

「ダンバル、ゲッコウガを手助けしてやってほしいんだ」

「バール」

「色違いだ………」

「ゲッコウガに渡しちゃってもいいんですか?」

「ああ、こいつは元々誰かに託そうと思ってたんだ。それがゲッコウガってことになったのも何かの運命だろうね。新たな伝説を創り出したトレーナーのポケモンなんて、願ったり叶ったりだよ」

 

 名誉職ってか。

 別にそんな大層なもんでもなさそうなのに。

 

「新しい仲間ができてよかったねっ」

『………新しい仲間、か』

 

 何を思ったのか、ゲッコウガは銀色のダンバルとダイゴさんを交互に見返している。

 やがて、ゲッコウガが口を開いた。

 

『………オレは元々一人で強くなる気だった。だが、それを分かってくれないアホ研究者どもがオレを新人トレーナーのポケモンになどと推しやがった。そのせいで右も左も分かっていない奴のお守りをさせられ、オレはそれが嫌でトレーナーには従わずにいたら研究所に戻された。そんなことを何回も繰り返している内にハチと出会った。一目でこいつは他のトレーナーどもとは違うと感じ、自分からついていくことにしたが、正直驚かされてばかりだった。オレは三つの技だけしか使わないようにしたり、進化すら拒んだりしているというのに、オレの力を最大限に活かすんだからな。そんな時にフレア団との戦いで速さと手数に限界を感じた。ハチはそれを見抜いていて尚、好きにしろと言いやがった。だからオレはハチに賭けてみることにした。ハチならオレの進化した力でも使いこなせると。けど、ハチはオレの想像を遥かに超えていた。だから進化以上の力を求めていた時、メガシンカに着目してみた。そもそもオレとハチでは根本的にメガシンカが出来ない。それならとメガシンカをフォルムチェンジと仮定した場合のシステムを構築してみた。幸いオレの特性は変化することに特化したものだったから、システムの応用は出来た。だが、そこで足りないピースを見つけた。恐らくそれがなければ何も始まらないと悟り、試しにハチにアクセスしてみたら成功してしまった。もうそこからはゴミを省くだけの処理だ。ただ一つだけ書き換えられないものがあった。それが特性だ。書き換えられない特性が邪魔して完成形に至らなかった。そこにハチから特性を変える薬をもらい、完全に特性を書き換えてあの力を手に入れた。あの時のハチの用意周到さには度肝を抜かされたな。………オレもそれで満足はしていたがハチのトラブルに愛されている体質を考えるとどうしてもハチの横に立つ必要性も考えられた。だからオレはテレパスを取得して会話もできるようにしただけだ』

 

 本人からこういう話を聞かされるのって実にむず痒い気分だ。悪くはないが超恥ずい。

 

「…………相当、彼のこと気に入っているようだね」

『………後にも先にも、オレを使いこなせるのはハチだけだからな』

 

 俺もこんなポケモンはお前だけで充分だわ。

 

「いやはや恐れ入ったよ。まさかポケモンの方から踏み込んでいくとは。ただこれは君たちだからこそ成し得たものかもしれない」

「ある意味メガシンカ以上のものだからのう。本来の絆のあり方かもしれんよ」

『フン、そうでもねぇよ。オレより凄い奴がいる。そいつは人工的とは言えメガシンカから伝説に進化したんだからな。それに比べたらフツーだフツー』

「普通の奴はまずそこで比べたりすらしないと思うぞ」

 

 リザードンと比べたがる奴なんてお前くらいだぞ。

 あいつ、多分メガシンカポケモン相手に素で勝てそうな勢いだし。今ゲッコウガとやり合ったらどうなることやら。主に周りが。

 

「………この話の上をいく話もあるのかい?」

「それはまた後でってことで。色々俺たちにもあるんすよ。説明しづらいやつってのが」

「………聞かない方が身のためってやつかい?」

「そうですね。知ったら抹殺されるかもしれませんよ」

「それはとても物騒だね。聞かなかったことにしておくよ」

 

 元チャンピオンというだけあって、黒い部分というのもそれなりに見てきてるみたいだな。

 

「…………少年君に見せたかったなー」

「多分挫折するから見なかったのが正解だと思うよ」

 

 ………少年よ、強くあれ。

 

「………そういえば、デオキシスはどうするつもりなんだい?」

『扱いに困っているところだ』

「なら僕に預けてくれないかい? ホウエン地方には元々デオキシスのコアを研究していた施設があるんだ。ロケット団に狙われてデオキシスたちは世に放たれた。その一体がこのデオキシスなんだ。だから、管理体制だけは今も残ったままなんだよ」

『ハチ………』

 

 どうする? って顔だな。

 

「適材適所。自分には荷が重いってんならさっさと手放すのも一つの手だ。餅は餅屋。専門家に任せた方が確実だと思うぞ」

『分かった。だったら頼む。オレには荷が重い』

「了解。責任持ってこっちで管理するよ」

 

 ゲッコウガは草でぐるぐる巻きになっているデオキシスをボールへと戻し、そのボールをダイゴさんに託した。

 結局、ダンバルとデオキシスの交換で終わったが、ゲッコウガの肩の荷が降りたのは間違いない。

 少なからず責任を感じていたようだし。

 

「ジム戦お願いします!」

 

 こうして新たな挑戦者が来たことで、この話は幕を閉じた。

 つか、ほんと大盛況だな。




行間

ヒキガヤハチマン 持ち物:キーストーン 菱形の黒いクリスタル etc………
・リザードン(ヒトカゲ→リザード→リザードン) ♂ 
 特性:もうか
 覚えてる技:かえんほうしゃ、メタルクロー、かみつく、おにび、えんまく、はがねのつばさ、かみなりパンチ、ドラゴンクロー、シャドークロー、つばめがえし、りゅうのまい、かみくだく、カウンター、じしん、フレアドライブ、ブラストバーン、げきりん、じわれ、だいもんじ、ソーラービーム、リフレクター、はらだいこ
 飛行術
 ・ハイヨーヨー:上昇から下降
 ・ローヨーヨー:下降から上昇
 ・トルネード:高速回転
 ・エアキックターン:空中でターン
 ・スイシーダ:地面に叩きつける
 ・シザーズ:左右に移動して撹乱
 ・ソニックブースト:ゼロからトップに急加速
 ・コブラ:急停止・急加速
 ・ブラスターロール:翻って背後を取る
 ・グリーンスリーブス:連続で攻撃して空中に釣り上げる
 ・デルタフォース:空中で大きな三角形を描くように連続攻撃
 ・ペンタグラムフォース:空中で五芒星を描くように連続攻撃
 ・バードゲージ:スピードを活かして相手の動きをコントロールしていく

・ゲッコウガ(ケロマツ→ゲコガシラ→ゲッコウガ) ♂
 特性:きずなへんげ(へんげんじざい→きずなへんげ)
 覚えてる技:みずのはどう、あなをほる、かげぶんしん、れいとうパンチ、れいとうビーム、つばめがえし、ハイドロポンプ、くさむすび、グロウパンチ、えんまく、がんせきふうじ、いわなだれ、まもる、かげうち、みずしゅりけん、どろぼう、つじぎり、ハイドロカノン、めざめるパワー(炎)、とんぼがえり、とびはねる、ほごしょく、けたぐり、ぶんまわす、あくのはどう、どろあそび、たたみがえし

・ジュカイン(キモリ→ジュプトル→ジュカイン) ♂
 持ち物:ジュカインナイト
 特性:しんりょく←→ひらいしん
 覚えてる技:でんこうせっか、リーフストーム、リーフブレード、ドラゴンクロー、タネマシンガン、ギガドレイン、かみなりパンチ、スピードスター、くさむすび、ソーラービーム、エナジーボール、シザークロス、くさのちかい、マジカルリーフ、タネばくだん、こうそくいどう、つめとぎ、いやなおと、こうごうせい、くさぶえ、やどりぎのタネ、グラスフィールド、なやみのタネ、ハードプラント、つばめがえし、ものまね

・ヘルガー ♂
 持ち物:ヘルガナイト
 特性:もらいび←→サンパワー
 覚えてる技:かみつく、ほのおのキバ、ふいうち、おにび、かえんほうしゃ、かみくだく、れんごく、ほえる、はかいこうせん、アイアンテール、あくのはどう、みちづれ、だいもんじ、ハイパーボイス、ヘドロばくだん、ちょうはつ

・ボスゴドラ ♂
 持ち物:ボスゴドラナイト
 特性:がんじょう
 覚えてる技:ロックブラスト、あなをほる、なげつける、メタルクロー、アイアンヘッド、アイアンテール、てっぺき、メタルバースト、ボディパージ、ヘビーボンバー、ロックカット、ほのおのパンチ、もろはのずつき

・キルリア(ラルトス→キルリア) ♀
 特性:シンクロ
 覚えてる技:リフレクター、ねんりき、まもる、テレポート


ゲッコウガ
・ニダンギル(ヒトツキ→ニダンギル)
 特性:ノーガード
 覚えてる技:ラスターカノン、せいなるつるぎ、つばめがえし、かげうち、つじぎり、シャドークロー

・キリキザン
 特性:まけんき
 覚えてる技:つじぎり、くろいまなざし、ロックカット

・アギルダー
 特性:うるおいボディ
 覚えてる技:スピードスター、むしのさざめき、ギガドレイン、みずしゅりけん、こうそくいどう、かげぶんしん、こころのめ、はたきおとす、バトンタッチ

・ダンバル(色違い)


ユイガハマユイ 持ち物:キーストーン
・グラエナ(ポチエナ→グラエナ) ♂ サブレ
 持ち物:きあいのハチマキ
 特性:いかく(にげあし→いかく)
 覚えてる技:こおりのキバ、かみなりのキバ、アイアンテール、とっしん、ふいうち、じゃれつく、どろかけ、カウンター、はかいこうせん

・ブリガロン(ハリマロン→ハリボーグ→ブリガロン) ♂ マロン
 持ち物:かいがらのすず
 覚えてる技:タネマシンガン、つるのムチ、やどりぎのタネ、ころがる、ドレインパンチ、まるくなる、ミサイルばり、ニードルガード、ウッドハンマー

・ドーブル ♀ マーブル
 持ち物:きあいのタスキ
 覚えてる技:スケッチ、おにび、ハードプラント、ダークホール、こらえる、がむしゃら、いわなだれ、ハイドロポンプ、ほごしょく、ハイドロカノン、へんしん、サイコブースト、ふういん

・ウインディ ♂ クッキー
 持ち物:ひかりのこな
 特性:もらいび
 覚えてる技:ほのおのキバ、バークアウト、ニトロチャージ、りゅうのいぶき、かみなりのキバ、しんそく、にほんばれ、だいもんじ、りゅうのはどう、インファイト

・ルカリオ(リオル→ルカリオ) ♂ シュウ
 持ち物:ルカリオナイト
 覚えてる技:ブレイズキック、でんこうせっか、けたぐり、はどうだん、ボーンラッシュ、りゅうのはどう、しんそく、カウンター

・グランブル(ブルー→グランブル) ♀ ショコラ
 持ち物:たつじんのおび
 覚えてる技:たいあたり、しっぽをふる、かみつく、じゃれつく、インファイト、ストーンエッジ、マジカルシャイン、こわいかお


ツワブキダイゴ
・メタグロス
 持ち物:メタグロスナイト
 特性:クリアボディ←→かたいツメ
 覚えてる技:コメットパンチ、サイコキネシス、メタルクロー、バレットパンチ、アームハンマー、ジャイロボール、のしかかり、ギガインパクト、てっぺき、こうそくいどう、まもる


少年君
・ゲコガシラ
 覚えてる技:みずのはどう

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