ポケモントレーナー ハチマン 〜ぼーなすとらっく集〜 作:八橋夏目
この有識者会議もあと2、3話で終わるかと思います。そうするといよいよ当作品も終わりが見えてきました。
ただ、まだ次回作のタイトルが決まってないんですよね………。
有識者会議午後の部。
メガシンカやきずなへんげ、Z技といったバトル中に見られる現象の生分析。
なのはいいが、どうして俺がその演出者にならなきゃならないんだろうか。
いや、理由は分かってる。きずなへんげは俺たちにしかないものだからメガシンカも使える俺が選ばれたってのは分かってるさ。でもなー、さっきはああ言ったけどやりたくねー。
あ、しかもあのチンピラ擬きのゴールドさんはZリングを借りてるし。その横の女性ーークリスタルさんが三対一なのにZ技もなんて反則よ、とか言ってるけど別にいいんじゃないですかね。お披露目会みたいなものなんだし。
「ルールはどうします? ガチガチの公式ルールにします?」
「へっ、んな堅苦しいのは抜きにしようぜ! 堅いのはコイツだけで充分だっつの!」
おい、それ絶対言っちゃまずいセリフだろ。
「誰が堅苦しいですって?!」
「え、あ、いや………」
ほら、横から掴み掛かられてるじゃん。やっぱりバカだわ、コイツ。
「お前が細かいルール守れないだけだろ………」
ほーら、言われてる。仲間内でもそういう認識されてるんだから、俺がバカだと思うのも当然と言えよう。
「なっ?! 公式バトルをしたことがないダチ公を思っての提案だっつーのに!?」
「オレはやったことがないだけであって知識としては持っている。お前と一緒にするな」
「へっ、知識だけがポケモンバトルじゃねぇのはテメェも充分理解してるだろ」
「はあ………、なんでワタシまで……」
この三人、本当に大丈夫か?
よく、図鑑所有者に選ばれたな。運命ってのは時に理解しがたいものがある。
「な、なあグリーン。あれ、どっちが勝つと思う?」
「ルール無用のバトルになった時点で、ゴールドたちの負けは確定的だ」
「えっ……?」
「奴はリザードン一体でポケモンリーグを優勝した稀代のポケモントレーナーだ。つまり、レッド。お前の後輩でもある。しかもあいつは当時のチャンピオンと優勝争いをした上での勝利だ。その功績から次代のチャンピオンに選ばれている」
「チャンピオン!?」
「それを聞いておじいちゃんのところに来ていたあいつとバトルしたんだが、普通に勝ってしまった」
「………どういうことだ? それってつまり、グリーンの方が強いってことか?」
「それならあの三人が有利でしょ。アタシたちとも互角にやってのける子らよ?」
「事はそう単純な話じゃない。まあ、見てろ」
何やら見学側の方で嫌な記憶を思い出させる話が聞こえてきたんだが。あの黒歴史を蒸し返すような話をしないでくれ。あれは本当に周りが見えてない時期だったんだよ。グリーンに負けたのも燃え尽き症候群ってのがあったのも一因だろう。ただそれ以上にグリーンたちの方が上だったのは間違いないが。
「ルールを確認するよ。バトルは三対三。ハチマン君は三体。ゴールド君たちは一体ずつ。三体同時に命令する方がトレーナーの負担は大きいけど、いいんだね?」
と、こっちに集中しないとな。
審判はダイゴさんがやってくれるらしい。ホウエンの元チャンピオンに審判してもらうとかなんて贅沢なバトルだよ。
「ええ、構いませんよ。それとも相手は図鑑所有者だから一人ずつ相手した方がいいとでも?」
トレーナーが俺一人ということに少し心配しているようだが、それ以上に何か目に含みを感じる。あれは………これから見られるバトルにわくわくしているって感じだろうか。
って、おい。単なる期待じゃねぇか。一体何を期待しているというんだ、あの人は。
「ふっ、いや、そんな君に負けた場合のゴールド君たちが心配でね」
「いやいやいや、それこそ杞憂ってもんっスよ! オレたちが負けるなんてありえないっス! 何ならオレ一人で充分っスよ!」
目が合うと誤魔化すように目を閉じ、ゴールドたちの方を挑発し出した。
この人、絶対煽ってるだろ。しかもそれに反応してしまう単純な男もいるし。あー、まさかこれもあっちの士気を高めるためとか?
あり得なくもないから逆に怖い。
「そりゃ、心強いね。それじゃあ、他のルールだけど技の使用に制限はなし。ハチマン君はこのバトルでメガシンカやきずなへんげをなるべく見せてくれること。このバトルの本来の趣旨はメガシンカやきずなへんげ、Z技のお披露目だからね」
なるべく、か。
見せる間もなく倒したとしても文句は言わないということなのだろう。無理だろうけども。
そんなあっさり倒れてしまうような相手なら、端からバトルなんてしたくもない。ただでさえやりたくもないんだし。
「ゴールド君には対抗策としてククイ博士からZリングを渡してある。付け焼き刃ながら昼食後にZ技を習得したみたいだからね。大変だよ?」
あの短時間でZ技を習得しただと? 昼食後っていうと俺たちのところに来るまでの間にことだよな?
なるほど、バカではあるが能の無いバカではないようだ。そういうバカこそ恐ろしいものはない。ソースはユイ。あいつ、最初こそ右も左も分からないおバカさんだったが、ユキノからのスパルタ教育があった上でコルニのところで修行して以降、化けたからな。今ではカロス地方の全ジムリーダーよりも恐れられてるジムトレーナーだ。一年前のユイに今の姿を見せてやりたいってもんだ。
ゴールドはああいうタイプと見た。しっかりしてそうな他の二人よりも要注意だな。
「仕事だ、リザードン、ジュカイン」
さて、俺もそろそろ切り替えていこう。相手はなんだかんだ言っても図鑑所有者だ。運命を手繰り寄せるその不思議力は、バトルにおいても発揮する可能性がある。そうなると流石に俺たちでも対処し兼ねる事態に陥るかもしれない。それにメガシンカやらきずなへんげやらを見せなきゃならないんだ。出すポケモンなんて限られてしまっている。何なら連れて来ているポケモンがそもそもこいつらしかいないんですけどね。ヘルガーとボスゴドラには緊急事態に備えてカロスで留守番を頼んである。今頃、ボスゴドラはあっちに残ったイロハのコドラを鍛えていることだろう。帰ったらボスゴドラに進化してたりしてな。ヘルガーもユキノたちのポケモンとバトルしてるだろうし。
「ゴールド、相手を侮るなよ。交代はないんだ。最初から全力でいくぞ」
「何をいまさら! いくぞ、バクたろう!」
「ふっ、そうだな。オーダイル、お前も気を抜かなよ」
「メガぴょん、いくよ!」
バクフーン、オーダイル、メガニウム。
オリモト、ユキノ、サガミが相手って感じか。………あ、なるほど。そう考えるとしっくりくるわ。トレーナーの性格もそれぞれ似てるし。
「……おいおい、一体足りな……ッ!?」
「ゲッコウガ………、いつの間に…………っ?!」
うん、ですよね。
こいつ、いつの間にかいましたもんね。俺、まだ呼んだ覚えないんだけど。どうせ、昼飯の時にバトルするってのを聞いてたんだろうし、そのままこの空間のどこかに潜んでいたんだろう。
「盗み聞きしてたんだろうし状況は理解しているな?」
『ああ、だが』
「ん?」
一応確認をしてみると、ジュカインの方を指してきた。
「カイカイッ!」
『どうやらオレたちの出番は少し先になりそうだぞ』
どうやらジュカインは一人でやりたいらしい。
ものまねを習得して以降、よく前に出ようとするようになり、できるだけものまねを駆使して、例え複数体が相手でも一人で対処できるようにしていきたいみたいなのだ。
「ジュカイン、お前マジで一人やる気か………? 相手は図鑑所有者のポケモンだぞ? 運命力だけでいえば最強クラスだからな? 分かってるとは思うけど」
「カイッ!」
俺もさっきのダイゴさんではないが、確認だけはしてみた。まあ、承知の上でなのは知ってるけどね。
「へいへい、仰せのままにいたしますよ。お前が暴れられるようにこっちも頭フル回転させてやる」
「サナー!」
お、おおおっ?!
「あ、お、おい、サーナイト? どったの急に。ボールから出てきちゃって」
ビビるから急に出てくるなよ。
しかも出てきたら俺に抱きついてきたし。可愛いからいいんだけどね。
一通り頭を撫でてやったら、俺の目を見て何かを訴えてきた。
「サナ!」
『バトルが見たいんだとよ』
「あ、そうなん?」
そうか、これから始まるバトルを生で見たいのか。そんなに兄貴分の活躍を見たいか。
……………お?
これは何かに使えそうだな………。それに俺の位置からバトルを見るというのもいい勉強になるはずだ。
「………あー、それならここで見てるといい」
『お前も大概性格悪いよな』
「うっせ。それを理解したお前も大概だろうが」
ゲッコウガも同じことを考えたようで鼻で笑ってきた。お前、ブーメランだってこと理解してる?
「サナ?」
「あー、何でもない。気にするな。ポケモンバトルは奥が深いなってだけの話だから」
サーナイトは何のこと? って顔でコテンと小首を傾げている。可愛い、超可愛い。写真に撮ってアルバムでも作ろうかな。
「ふっ、君たちは面白いね。双方、準備はいいかい?」
「うす」
「「「はいっ!」」」
…………ん? ダイゴさん? あなたもまさか気づいた感じで?
「では、バトル始め!」
あ、ちょ………怖いわー。他に誰が気づいてんだろう。シロナさんとかも怪しいだろうなー。
「……おい、それはどういう意味だ?」
向こうが三体並ぶ形で戦闘態勢に入るのに対し、こっちはリザードンもゲッコウガも下がり、ジュカインだけが前へと躍り出た。それに気づいたシルバーがいち早く睨みを利かせてくる。
「ジュカインが一人でやりたいみたいなんで」
「舐めるなよ!」
別に舐めてるわけじゃない。ポケモンたちがやりたいっていうからやらせてみるだけだ。ダメならダメでそれまでのこと。引き際だけをトレーナーが判断してやれば、被害は最小限に抑えられる。
「メガぴょん、つるのムチでジュカインを捉えて!」
そんなやり取りをしていたら、いつの間にかジュカインの左腕に蔓が巻きついていた。
バトル開始の合図は出されてたんだったな。
「よくやった、クリス! オーダイル、れいとうパンチ!」
すると右方向からオーダイルが左拳を氷を纏ってジャンプしてきている。
さて、どうするか。ものまねを使って対処するのは簡単だが、開始早々手口を見せるのもバトル全体を見た場合、悪手と言えよう。
ならば、ここはやはり普通に使える技で尚且つオーダイルを一撃で止められる技となるとーーー。
「くさむすび」
しかも本来の使い方で。
ジュカインに拳が届く前にオーダイルの足元から草が伸び、踏み込んだであろう右足に絡みついた。いきなり後ろへ引っ張られることになったオーダイルはバランスを崩して倒れ伏してしまう。顎大丈夫かな。
「後ろがガラ空きだぜ! バクたろう、かえんほうしゃ!」
今度は背後ーー俺の目前でバクフーンのかえんほうしゃが放たれた。
メガニウムで気を引き、オーダイルで本命を隠す、か。初手から何とも連携の取れたバトルである。
けど、バクフーンの配置が悪かったな。それだと俺から丸見えだ。いくらジュカインの気を逸らせたとしても俺の目がある。
「ぶんまわす」
丁度左腕にはメガニウムと繋がっている蔓がある。それを普通に引っ張ったのでは力負けするのは確実だが、技を使って引っ張れば話は別だ。
「メガぴょん!?」
ぐっと引っ張られたメガニウムはジュカインとバクフーンの間に入り込み、炎からジュカインを守る壁となった。おかげでジュカインの腕も解放されて万々歳だ。
「チッ」
「ギガドレイン」
オーダイルに絡ませた草は雁字搦めになっている。その草を媒体にオーダイルから体力を奪うことにした。
「オーダイル、その草をきりさけ!」
ようやく状況を理解したサカキの息子がオーダイルに命令を飛ばす。
「バクたろう、かえんぐるま!」
オーダイルから気を引こうという算段だろう。バクフーンが炎を纏って突進してきた。
さすがにバクフーン相手には草技は使えない。使ったところで燃やされるのが落ちだ。
「もう一度、れいとうパンチ!」
加えてオーダイルも草を切り裂いて一気に攻め上げてきている。
となるともう使うしかないだろう。
「ものまねでアクアテール。二体とも弾き飛ばせ」
先に届くであろうバクフーンに対し効果を抜群に発揮するアクアテールで対処させることにした。
振り回された水を纏う尾はバクフーンを横薙ぎし、そのまま氷の拳を振り上げて飛び込んできたオーダイルもまとめて三人の方へと払い除けた。
「バクたろう!?」
「オーダイル?!」
「メガぴょん、ソーラービーム発射!」
おっと、いつの間に用意してたんだ。こちらからは背中しか見えないから少々侮ってたわ。
だが遅い。
「ジュカイン、こうそくいどう」
こっちにはこれがあるからな。それにジュカインは元々素早いポケモン。届く前に躱してしまえば後はこちらのもんだ。
「シザークロス」
メガニウムの背後に回り込み、上からX字に斬りつけた。
「そのままつばめがえし」
そしてそのまま下から白い手刀でバクフーンたちの方へと突き飛ばした。
「メガぴょん?!」
突き飛ばしはしたが、いかんせん硬かったように思える。効果抜群の技を使っているおかげでダメージを与えられたとも言えるだろう。やはり伊達に図鑑所有者のポケモンではないということだ。
「………カイ」
ジュカインも思った程の手応えを感じていないのだろう。自分の手を開いては閉じて感触を振り返っている。
「強ぇ………」
と、ゴールドの口からそんな言葉が漏れた。
静まりかえっていただけにその声はジム一帯に響き渡る。
「こうなったら究極技だ。何としてでもジュカインを倒すぞ。そしてリザードンとゲッコウガを前に出させる!」
「おお!」
「わかったわ!」
そしてつられるようにサカキの息子の指示が飛び出した。
「メガぴょん、ハードプラント!」
「バクたろう、ブラストバーン!」
「オーダイル、ハイドロカノン!」
究極技か。
恐らくこれがあいつらの切り札なのだろう。そして、それは図鑑所有者にしか使えないという前提で語っているように見える。
なら、こっちにも考えがあるってもんだ。
「ジュカイン、かげぶんしん」
まずは影を増やして横並びにさせる。
「ものまねでそっくりそのまま返してやれ」
「カイ!」
そして同じように三位一体の究極技を放った。
一通りリザードンやゲッコウガの技を習得させといた甲斐があったな。
「やっぱり炎と水の究極技の威力は低いか。使えはするが切札とはなりそうにないな」
ただまあ、まだまだではあるみたいだが。
相殺というには威力が足りていない。撃ち出した角度が良かったのだ。斜め上から入角し、相手の究極技を地面に叩きつけることに成功したからジュカインにダメージが入っていないだけ。地面にクレーターを作ったのはあっちの技によるものだろう。
それでも上出来と言えよう。色々試し撃ちはしているものの当の本番で使い物にならなければ意味がない。方向を変えることができただけでも収穫だ。
「………ハチマン君、少しいいかな?」
「はい? どうしました?」
と、ダイゴさんが手を挙げた。
何でしょうかね、ダイゴさん。
一応今バトル中ですよ?
「このままだときずなへんげが見られないと思うんだよ」
「まあ確かに。本来の目的は達成されないかもしれないですね」
「そこでだ。もっとポケモンを増やさないかい?」
「はっ?」
はっ?
この人何言ってんの?
「六対十八ってのはどうだい?」
「………またぶっ飛んだことを思いつきますね」
審判直々にルール変更ってどういうことだってばよ。
「そうでもしないと君を倒せないと思ったからね」
「いやいや、そこまでされたら流石にやられますって」
第一、六体も今いないから。
ヘルガーとボスゴドラはお留守番してるからね?
残ってるのはサーナイトとウツロイドだし………って、あの人絶対サーナイトも参加させようとしてるだろ。だからさっきあんな反応を示してたんだな。これはやはりバレていると見た方がいいのだろう。
「でも三体でこれなら、手持ち全員でかかってこないと到底この二体の出番はなさそうですよねー」
ちょっとー? いろはすー? 何言ってくれちゃってんのー?
身内からこんな言葉が出たんじゃ相手方の受け取り方なんて決まったも当然じゃねぇか。
「ゴールド、クリス。ここは誘いに乗るしかなさそうだ。本来の目的であるメガシンカやきずなへんげといった現象を引き出すためにもあの三体を前に出させるしかない。そのためには数で勝負するしかないだろう」
「でもそれって………」
「ハッ! 相手はオレたちのチームを舐めてんだ。情けなんてかけねぇ。不意打ちだろうが何だろうがやってやるよ!」
あーあ、承諾しちゃったじゃねぇか。
これどうするよ。
サーナイトも前線に出るのは無理だし、結局この三体だけで図鑑所有者のポケモンを十八体相手しなければいけないんだろ? フレア団の下っ端を相手にしているのとは訳が違うんだ。無茶が過ぎるだろ………。数は少なくとも実力は遥かに上なんだし。
「オレとクリスでリザードンとゲッコウガを抑えておく。その間にジュカインを片付けろ」
「へっ、上等だコノヤロ!」
「フッ、ギャラドス 、ドンカラス!」
「いくぜ、エーたろう、ニョたろう!」
「パラぴょん、バリぴょん! いくわよ!」
追加でギャラドス 、ドンカラス、エテボース、ニョロトノ、パラセクト、バリヤードの投入か。一気に全員を出してくるのかと思っていたが、そこはちゃんと考えているらしい。ただそれが正解かどうかはやってみないことにはお互いに分からない。
つか、ギャラドスが赤いんですけど。まさかの色違いかよ。
『お手並み拝見だな』
そう言って前に出たゲッコウガもほくそ笑んでいる。
現在、配置はゲッコウガが中央を陣取り、ジュカインが右へとずれた。そしてリザードンが左側を陣取っている。それに合わせて三人の立ち位置も動き、ゲッコウガの前にはクリスタルさん、ジュカインの前にはゴールド、リザードンの前にはサカキの息子となった。
さて、まずは三倍の数で押し切ろうというつもりかな。
恐らくギャラドスとドンカラスは対リザードンが目的だろう。そこにオーダイルもいれてリザードン包囲網は完成だ。かみなりパンチを主軸に接触技ならカウンターやらで対処すれば大丈夫だろう。飛行術を駆使した同士撃ちをさせるのも手か。
次にパラセクトとバリヤードだが、これも対ゲッコウガを考えてのもの。タイプ相性からの選択だと思う。ただメガニウムもそこに加わるとなるとゲッコウガの相手はくさタイプが二枚。まあ、今のあいつなら問題はないだろうな。勝手にやってくれるだろう。
最後、エテボースとニョロトノだが、よく分からん。エテボースはいいとしてもニョロトノはジュカイン相手に分が悪すぎないか? トレーナーがトレーナーなだけに予測もつかない。やはり俺がメインで見るのはジュカインになるだろう。
「エーたろう、こうそくいどう! ニョたろうはさいみんじゅつだ!」
「ギャラドス 、たつまき!」
「パラぴょん、キノコのほうし!」
なるほど、ニョロトノは一歩下がった配置か。それならまあ出した意味も分からなくもない。
「リザードン、ソニックブーストからの竜巻とは逆回転でのトルネード。ジュカインは目を閉じろ」
リザードンは竜巻からの脱出。ジュカインはさいみんじゅつに掛からないように目を閉じさせた。ゲッコウガは知らん。多分、みずのはどうを駆使して胞子を落としていると見た。
「ドンカラス、追いかけろ! そらをとぶ!」
「へっ、後ろがガラ空きだぜ! ダブルアタック!」
そうすると背後からエテボースがきますよね。分かってましたよ。
「メガぴょん、つるのムチ! パラぴょん、あまいかおり!」
「ジュカイン、いやなおと」
二本に分かれた尻尾を振り上げて飛び込んでくるエテボースであろうと、耳障りな音を近距離で耳にしてしまえば、顔をしかめて勢いがゼロになる。
「バクたろう、かえんほうしゃ!」
咄嗟にフォローに入ったのか炎が正面から迫ってきた。
「でんこうせっかで躱して詰めろ」
ジュカインはその炎を躱してニョロトノの前へと躍り出る。
「リーフブレード」
『うぷ………クソ甘ぇ………リザードン、こいつらを焼いてくれ』
ゲッコウガは天井付近を旋回しているリザードンに注文を出した。あまいかおりを嫌うポケモンは初めて見たわ。あいつ、本当に研究者泣かせだよな。
「オーダイル、アクアテール!」
リザードンがメガニウムとパラセクトに向けてかえんほうしゃを放つと、その間に割り込んでオーダイルが水を纏った尻尾で弾き返した。そのおかげか、甘い香りも消え失せ、ゲッコウガの目的は果たされている。
「ニョたろう?! チッ、バクたろう、かえんぐるま! エーたろう、こうそくいどう!」
ジュカインの方はニョロトノに腕の葉の刃で斬りかかり、後方へと弾き飛ばした。そこへバクフーンとエテボースが突っ込んできている。
「今だ、ギャラドス! ハイドロポンプ!」
リザードンの方もカバーに入られているか。
なら、両者とも躱すのが先決だな。
「ジュカイン、あなをほる。リザードン、ローヨーヨー」
ジュカインはその場で穴を掘って一難を凌ぎ、リザードンは急降下することで水砲撃を躱した。
「パラぴょん、ヘドロばくだん!」
『おっと』
注意が晒されていたゲッコウガにはヘドロが飛ばされてくるが、これもゲッコウガはあるポケモンを出し、壁にすることで防いだ。出す必要もなかったとは思うんですけどね………いいけどよ。
「効果がない?!」
『フン!』
驚いている隙にゲッコウガはパラセクトへと詰め寄り、両の手に持つ鋼の双剣で十六連撃を叩き込んでいく。
「パラぴょん?!」
剣が白く光っていたし、つばめがえしの連撃だったのだろう。
「チッ、エーたろう、ゲッコウガにダブルアタック!」
「させねぇよ。ジュカイン」
まあ、そう動くとは思っていたさ。
でもこっちにはジュカインというカードがある。
「ドンカラス、ブレイブバード! ギャラドスは下から追いかけろ!」
反転して急上昇するリザードンに対して、ドンカラスが全速力で下降してくる。
「リザードン、カウンター」
それを直撃の寸前に翻り、右の裏拳でドンカラスを叩き落とした。下にはギャラドスがおり、バランスを崩して勢いだけを残したドンカラスが見事に直撃している。
『いわなだれ』
「ジュカイン、リーフブレード」
うわ、容赦ねぇ。
でもトドメはゲッコウガが両の手に持つ双剣ーーニダンギルに任せよう。
今度はジュカインの方だ。
「メガぴょん、ソーラービーム!」
ドンカラスとギャラドスの頭上から岩々が降り注ぐが、それをメガニウムが一掃。
ジュカインはエテボースの正面に飛び出し、斜めに斬り飛ばした。
「バリ!」
あ、そういやバリヤードはさっきから攻撃してこないな。でも、ただ出したとは考えにくい。
『チッ、かわらわり』
ゲッコウガが目の前を上から叩き斬るとパリンという音とともに何かが割れた。
なるほど、ひかりのかべか。バリヤードの仕掛けだろう。
「エビぴょん、マッハパンチ!」
その一瞬をついてエビワラーが召喚された。飛び出した勢いをさらに加速させて拳を前に突き出してくる。
『つばめがえし』
そう言うとゲッコウガはニダンギルを残して消えた。
「頼むぜ、トゲたろう! エーたろう、バトンタッチだ!」
斬られて飛ばされたエテボースはゴールドの元へと戻っており、入れ替わるようにトゲキッスが飛び出してきている。それにしても目つき悪いな。トツカのトゲキッスに比べたら………いや比べるべくもないな。ただ親近感は沸くわ。
「リザードン、かみなりパンチ。ドンカラスを落とせ」
「ゴッドバード!」
態勢を取り戻そうと飛び上がったドンカラスを落とすように命令。
その間にボールの中で溜めていたのであろうトゲキッスの鳳を纏った突撃がジュカインを一閃した。
バトンタッチの効果か。エテボースがこうそくいどうを連発してたせいで目で追えなかった。
「ジュカイン………一気に削られたか」
技が技なので一撃で戦闘不能も考えられたが、そこはジュカイン。咄嗟にリフレクターを貼り威力を抑えたようだ。
「ドンカラス!? チッ、オーダイル、おんがえし!」
『フン!』
消えていたゲッコウガが起き上がったギャラドス目掛けて何かを投げつけた。至近距離からだったためかギャラドスに直撃。
「ギャオス……!?」
と、ギャラドスが呻き声を上げた。
「あれは………?!」
「毒をもらったか………!」
毒状態。つまり今の技はどくタイプの技だったということか。しかも投げつける系の。となるとあれか。
「お前がダストシュート使うとこ初めてみたわ」
『フン、使う相手がいなかったからな』
なるほど。
確かにお互いに暴れているせいで、いい感じに埃が舞っている。それを一瞬で凝縮して投げつけたのか。一度消えたのも動作を隠すため。よく組み立てられたバトルだよ。
『それにしてもあのオーダイル、あいつを思い出させるな』
あいつ、とはユキノのオーダイルのことだろう。
ゲッコウガはオーダイルの突進を諸に受けて俺のところまで戻ってきた。
「とりあえず! パラセクト、ドンカラスは戦闘不能!」
こんな混戦の中、いつ判定を下そうか悩んでたんだろうな。今だ! って勢いを感じましたよ。
『よっと』
「なっ………?!」
ゲッコウガがこっちに来たためか、ニダンギルもゲッコウガの元へと戻って来た。それを見たクリスタルさんが驚きの表情を見せている。
「あれは…………?」
「ニダンギルだ。まさかポケモンがポケモンを使って手数を増やしてくるとはな」
ゴールドの問いにサカキの息子が答える。
リザードンを相手にしていたのによく見ているな。
「シャア」
「カイ」
2ラウンド目が終了といったところか。
あっちはカードを二枚失う痛手を受けている。次をどう攻めようか考えているところだろう。
「サナ」
「ん? どした、サーナイト」
「サーナ」
「………お前もやりたいのか?」
ちょんちょんと横から引っ張られたため見やると、サーナイトが難しい顔をして何かを訴えてきていた。
うーん、この表情は………。
「やりたいというよりは参加しないと兄貴分たちに申し訳ないって感じか」
「サナ………!」
どうやら合ってたみたいだな。いや、合ってたら合ってたで驚きなんだけど。まさかサーナイトがそんなことを考えているとは………。
「なあ、お前の父ちゃんーーエルレイドとのバトルは覚えてるか?」
「サナ?」
「あの時、お前はどんなことを思ってどんなことを感じた? 端から見ていた俺には焦りや恐怖、意地なんかを感じた。それがお前が父ちゃんに勝てた要因だとも思ってる。だが、見たろ? ゲッコウガたちのバトルを。あの時のバトルとは比べものにならない激しさだとは思わないか? はっきり言って、今のお前ではあいつらと肩を並べてあそこでバトルをするのは無理だ。危険すぎる」
「………サナ」
あ、やっぱ落ち込んじゃうよね。
でも悪いな。そこは自覚を持ってもらわないとお前のためにならないんだ。
だからここからは俺がトレーナーとしてお前も参加できる案を出してやるよ。
「まあ、そう落ち込むなって。何もこのバトルに参加できないと言ってるんじゃない。今のお前は知識も技術も経験も乏しいってことを理解しておいてほしいだけなんだ。それを踏まえた上で提案してやる。お前もこのバトルに後衛職として参加するか?」
「サナ………サナ!」
「ふっ、了解だ。お前に欠けているものは俺の知識と経験で補ってやる」
バトルにおいて、何も攻撃職が全てではない。事複数体が混戦するバトルにおいては後衛職も重要な役割となる。いい例があっちのバリヤードだろう。さっきの動きを見るにここぞってところで後ろから邪魔を入れる役割だと考えられる。ならば、こっちにもその役割を作ったって反則ではない。ルールに則った正当な役割だ。
「やることは単純だ。お前の母ちゃんに教わったあの技であいつらを回復し続けるんだ。あとは俺が指示を出すからそれに従ってほしい」
「サナ!」
「んじゃ、頼むぞサーナイト。これが本当のお前の初陣だ」
一週間前、サーナイトは父親であるエルレイドとの一騎打ちで進化までして勝利してくれた。それは俺と一緒に来ることを選んでくれたからだ。だから俺もサーナイトをもっと上へと連れて行くと決めた。その第一歩がこのバトルになるとは思っていなかったが、これはこれでいい教材となり得よう。
『最後の一枠もオレがもらうぞ』
「ああ、そのつもりだ。さすがにあいつは出せないからな」
ゲッコウガにはニダンギルの他にもポケモンはいる。あと一体はウツロイドが控えているだけに、ゲッコウガの方から選出してもらうしかない。
「悔しいが認めるしかないだろう」
「ワタシはやる前から強い人だって思ってたんだけど………。それを二人が乗り気だったから………」
「へっ、強いなら強いで上等じゃねぇか! クリスも堅いこと言ってないで、あいつらをどう攻略するか考えろよ!」
「いったーい! 何するのよ!」
「元気づけてやろうと思っただけじゃねぇか! んな怒るなよ!」
「加減ってものがあるでしょうが!」
「はあ………」
あいつら、どうでもいいことで揉めてるんだけど。喧嘩するほど仲がいいとかよく言うが、あいつらはそれに当てはまるのか? 割とガチでクリスタルさんは怒ってるぞ?
「こっちはドンカラスとパラセクトを失った。それにさっき出したばかりのエビワラー以外は結構なダメージを受けている者もいる。それに対して、あっちはリザードンに未だに攻撃が届いていないのが現実だ。ジュカインにはゴールドが上手くトゲキッスの攻撃を入れることに成功しているが、それでも倒しきれていない」
「だから何だよ。交代か?」
「いや、それはいい。取り敢えず、オレの案を聞いてくれ」
と思ったら作戦会議か。
忙しいやつらだな。
「ね、ねぇ、ちょっとコレ見て」
「なっ?! レベル91!?」
「それだけじゃないわ。ゲッコウガはレベル88、ジュカインでもレベル85よ」
え?
そうなの?
そんな高いの?
てか、レベルって何ぞ?
「オレのポケモンたちよりも上………」
ふぁ?!
レッドさんのポケモンより上!?
マジかー………。
「ちなみにあのサーナイトはレベル40みたいよ」
あ、うん、それは妥当? なのかも。リザードンたちが高すぎるらしいからサーナイトで高いのかよく分からん。
「なんか落差激しくないか?」
「恐らく後から捕まえたポケモンなのだろう。あの三体と同じように戦わせようとしていないところを見るに、実践経験も浅いはずだ」
「だから後衛ってわけね」
「これを吉と見るか凶と見るか………」
「どうだろうな。ゴールドたちのポケモンとのレベル差も小さいとは言えない。油断すれば一発という可能性もある」
で、結局レベルってのは何なんすかね。そのポケモンの力量みたいなもんか?
それとポケモン図鑑って優秀すぎない? 俺も欲しくなってきたわ。
「そんじゃ、いくぜ!」
「ああ」
「分かったわ」
どうやら作戦会議は終わったみたいだな。落ち着きを取り戻し、目に戦意が宿っている。
「バクたろう、ブラストバーン!」
「オーダイル、ハイドロカノン!」
「メガぴょん、ハードプラント!」
おいおい、またかよ。また究極技の同時撃ちなのかよ。
「お前ら、今度は押し返せ」
でもこっちだってさっきとは違うぞ?
全員オリジナルで出すんだからな。
今度は真正面から押し返し、バクフーンたちの目の前で爆発させた。まあ、爆発させたのはあっちだろうけど。自分たちに当たる前にってやつだな。
「そっちはオトリだ! 反動で動けないうちにやっちまえ!」
なるほど、そう来たか。
これは数の暴力と言わざるを得ないだろう。反動でお互い動けない間に他のポケモンで集団リンチとか、さすがサカキの息子だわ。血筋なのかね。
まあ、それはさておきこれは不味いな。ゲッコウガはニダンギルがいるからいいものの、リザードンとジュカインは完全にフリーだ。口から出す技と自然に直接アクセスした技以外は使えない。しかも背後から狙われたら終わりだ。
んで、リザードンにはギャラドス、キングドラ、ウソッキーが。ゲッコウガにはエビワラー、ニョロトノ、バリヤード。ジュカインにはトゲキッス、エテボース、ウインディがそれぞれ迫ってきている。
「ウーたろう、がんせきふうじでリザードンの動きを止めろ! ニョたろうはゲッコウガにばくれつパンチ! トゲたろう、すてみタックル! エーたろうはダブルアタック!」
「ギャラドス、うずしお! キングドラ、たきのぼり!」
「エビぴょん、スカイアッパー! ウインぴょん、ジュカインにかえんほうしゃ!」
「サーナイト、一瞬だけでもいい。サイコキネシスで相手の全攻撃を遅らせてくれ」
「サナ!」
一瞬でも動きを止められれば、それだけ硬直時間を稼ぐことができる。
『メタング、サイコキネシス』
それはゲッコウガも同じ考えなようで、最後の一体としてメタングをニダンギルに出させた。そして同じように超念力を重ねがけして、さらに攻撃までの時間を稼いでくれている。
『ニダンギル、つばめがえし』
それでもやはり届く攻撃はあり、リザードンはウソッキーのがんせきふうじからのギャラドスのうずしおを、ジュカインはウインディのかえんほうしゃを立て続けに受けてしまった。
「サーナイト、回復だ」
「サナ」
手筈通りにサーナイトにはリザードンとジュカインの回復させた。サーナイトはこっちに来る前に母親のサーナイトからいのちのしずくという技を教わっている。この技は雫を浴びたポケモンが回復する効果があり、サーナイトでもこのバトルに携われるうってつけの技である。
「ゴールド、閉じ込めたわよ!」
「へっ、真の狙いはこっちだぜ! ピチュ、ボルテッカー!」
ゴールド?!
チラッと見えたバカはビリヤードよろしくボールを棒で弾き飛ばした。その先には………ゲッコウガか。不意をついた攻撃、しかもクリスタルさんの言葉が本当ならば、ゲッコウガは閉じ込められて動けなくなっている。だが、周りにはそんなものが存在しない。ということはさっき見せた見えない壁ーーひかりのかべの応用かもしれない。それならさっきの要領でニダンギルにかわらわりを使わせればいいのだろうが、もはやその猶予もない、か………。
ーーー使うなら、ここだな。
「ジュカイン、ゲッコウガとものまねでサイドチェンジ」
これまでジュカインには色々な技を試させている。それはもう使うかどうか怪しい技まで。あいつも面白半分でやってみたがるため、それなりに楽しめたのだが、それがここで活かせることになるとは………。
「メガシンカ」
一瞬でゲッコウガと入れ替わったジュカインが、俺が持つキーストーンと反応し白い光に包まれていく。
その間にもボールからピチューが飛び出し、激しい雷撃を纏いながら突っ込んで来ている。
「いっけぇぇぇ!」
姿が変わると同時にピチューがジュカインに直撃した。
「「「なっ………!?」」」
三人は目の前の光景に何が起きたのかと、口を大きく開けて驚いている。言葉を失うとはこのことだろう。
「ゲッコウガとジュカインが入れ替わってるだと?!」
「いつの間に!?」
だが、これが現実だ。ゲッコウガとジュカインは入れ替わり、メガシンカしたことで特性がひらいしんに変わってボルテッカーを無効化した。しかもピチューの小さい身体ではジュカインを弾くこともできていない。
「エナジーボール」
全員が驚愕で止まっているからといって容赦はしない。特性の効果で威力増し増しのゼロ距離からのエナジーボールで、ピチューを弾き飛ばした。
「ピチュ!?」
ゴールドの右側を一閃し壁に激突。一瞬遅れて振り向いた先には戦闘不能になったピチューが地面に倒れ伏している。
「ピチュー、戦闘不能!」
これで三体目。
あと十五体はいるんだろうが、こうなってしまってはもはや関係ないだろう。
「何がどうなって………」
「起きたことを考えるのは後だ。今は目の前の敵をどう倒すか考えろ。マニューラ、つじぎり!」
おっと、ついにサーナイトの仕掛けに気づかれたか?
あろうことかサーナイトに向けてボールが投げられ、マニューラが飛び出してきた。素早さは一級品。サーナイトにとっては十二分に速いと言えよう。ここは賭けだがやってみるか。
「サーナイト、トリックルーム」
サーナイトの力量では全員を巻き込んでというのは難しい。だが、それが却って武器になる。
『ニダンギル、せいなるつるぎ! メタング、メタルクロー!』
トリックルームは素早さがあべこべになる部屋だ。そこにサーナイトと他二体とともに閉じ込められたマニューラは一番動きが遅くなる。
全く………、ゲッコウガも大したものだ。あの一瞬でニダンギルとメタングを送り込んでくるとは。もうトレーナーとしてもトップレベルってことでいいんじゃないか?
『ジュカインがメガシンカしたならオレもやるしかないな』
涼しくそう言うゲッコウガは既にこっちに意識を向けていない。あとは俺が料理しろということだろう。
あ、一瞬で姿変えやがった。お前、早着替え大賞取れるぞ。
「リザードン、ジュカイン。りゅうのまい」
なら、リザードンとジュカインはあいつに任せることにしよう。最後にパワーアップだけはしといてやるよ。
「ニダンギル、もう一度せいなるつるぎ」
さて、さっさと片付けるか。
恐らくこの三体は誰一人としてマニューラよりレベルなるものが高くない。何なら大幅な差があると言ってもいいだろう。それを数とフィールドを活かして乗り切るしかない。
幸い、全員マニューラの弱点をつける技を持ち合わせている。それを上手く組み合わせて反撃を許さない展開にする必要があるな。
「マニューラ、つじぎりだ!」
まあ、まずは受け止めてくるだろう。
だが、それは誘いだ。
「メタング、そのままメタルクロー」
長く伸ばされた二本の剣を受け止めているため、そう易々とは躱せないはずだ。躱せたとしても上に動くのが精一杯だろう。
「躱せ!」
ふっ、やはりそう動くよな。
「サーナイト、マジカルシャイン」
後ろに下がればサーナイトがいる。前にはニダンギルがギチギチと双剣を振り下ろして動けない。そこに右横からメタングが突撃してきてるのだから左に躱してもトリックルーム内ではすぐに追いつかれる。だから上。
「マニャ!?」
やはり数の暴力は恐ろしいな。
サーナイトから迸る光を受けたマニューラが苦しさを露わにした。
「メタルクロー」
だが、これバトルなんでな。容赦はしない。
すぐに方向転換したメタングが鋼の爪で引っ掻いた。
「っ?! おいおい、ここに来て進化かよ」
すると、いきなりメタングが白い光に包まれてしまった。
進化だ。ここにきて進化が始まったのだ。
まさかダイゴさんからもらったポケモンがダイゴが見ているバトルで進化することになるとは。
「マニューラ、まとめて凍らせろ! ふぶき!」
「ニダンギル、ラスターカノン」
地面に落ちそうだったマニューラを、ニダンギルが下に潜り込み鋼の光線で撃ち上げた。それと同時にマニューラも吹雪を起こし、直近にいたニダンギルが凍らされてしまい、サーナイトたちも巻き込まれてしまっている。何なら俺も若干巻き込まれてるんですけどね。寒すぎだろ。凍るっつの。
さて、トドメは………進化したけど使えるのか?
「メタグロス、コメットパンチ」
試しにコメットパンチを命令してみると両前脚を前に突き出してマニューラへと突撃していった。
思いの外、威力があったらしくトリックルームまで壊れちゃったが、まあいいだろう。
「マニャ?!」
うわ、痛そう………。
だが、あれは倒しきれていないな。
「ニダンギル、戦闘不能!」
まさかニダンギルを持っていかれるとは。ちょっとマニューラを相手するには痛手だ。
「マニューラ、先にサーナイトを倒せ! でんこうせっか!」
やはりサーナイト狙いか。
実力差はサーナイトが圧倒的に劣っている。故に攻撃はニダンギルやメタグロスに任せていたのだが、その一角が戦闘不能に追い込まれてしまった。だから、先にサポートに徹しているサーナイトを狙うというのも分からなくもない。
「まもる」
なら、こっちはとことん守ってみせよう。
「メタグロス、メタルクロー」
防壁に弾かれたところを背後からメタグロスが鋼の爪で切り裂いた。
「だましうち!」
と思ったら、まさかのだましうちというね。
性格悪いわー。
「サーナイト、トリックルーム」
仕方がない。
もう一度あの部屋に閉じ込めるしかなさそうだ。
サーナイトは再び動く速さがあべこべになる部屋へと自分共々閉じ込めた。そのおかげでサーナイトにはマニューラの攻撃が届いていない。
「サーナイト、マジカルシャイン。メタグロス、コメットパンチ」
こうなったら躱せまい。
「マニューラ、まもる!」
「なら、連続で攻撃し続けるまでだ」
悪あがきとも取れる防壁で二体の攻撃を防いでいくマニューラ。しかし、それも時間の問題だろう。
「マニャ?!」
二度、三度と繰り返している内に防壁が割れ、メタグロスの両前脚がマニューラへと突き刺さった。そして、大きく突き飛ばしていく。
「マニューラ、戦闘不能!」
ふぅ、実力差がありすぎるのに挑むのは無理があるな。数の暴力で何とか乗り越えた感じだわ。
まあ、ニダンギルはやられたとはいえ、よくやった。マニューラもあの中でよく一体を持っていけたわ。そこは素直にすごいと思う。それだけの手練れだったというわけだ。
「お疲れ、サーナイト」
「サナ!」
「おーよしよしよし」
勝ったー! とアピールしてくるサーナイトの頭を撫でまくる。うん可愛い。
メタグロスがニダンギルを拾って俺のところまで戻ってきた。
さて、あっちはどうなって…………ファッ!?
「なんじゃ、この地獄絵図………」
突然ですが、問題です。
ここはどこでしょう。
ーーー答えはクチバジムです。
なのに、何でグラードンとカイオーガとレックウザがいるように見えちゃってるんですかね…………。
「エテボース、ウインディ、エビワラー、バリヤード、ギャラドス、ウソッキー、戦闘不能!」
ギャラドスとウソッキーをフレアドライブで強引に片付けるリザードンさん。自分の周りに水の渦を四つも作り出してエビワラーとバリヤードを呑み込んだゲッコウガさん。これでもかってくらいにものまねを使ったりゅうせいぐんを撃ち込むジュカインさん。
御三方は揃いも揃って修羅と化していた。よくこの状況でメガニウムとバクフーンとオーダイルは生き残ったな。褒めてやりたいわ。
「つかもう、俺いらなくね?」
放っておいても時間の問題だろう。というか楽しそうだね、君たち。
今対峙しているのはリザードンに対してオーダイルとキングドラ、ゲッコウガに対してメガニウムとニョロトノとカラカラ、ジュカイン対してバクフーンとトゲキッスである。
「カラカラ、ホネブーメラン!」
え?
ゲッコウガにカラカラ?
カラカラって骨投げてるけど………あーあ、呑まれた。効果抜群で一発退場だろ、あれ。
「カラカラ、戦闘不能!」
「そんなぁ………?!」
気持ちは分かるが、俺にももう手の出しようがない。
こんな地獄絵図になってるなんて誰が想像したよ。
「カイカイ!」
『はっ? お前が?』
なんかジュカインがゲッコウガに申し立てしてるみたいだが、取り敢えずあっちを終わらせるか。
「リザードン、二体にじわれ。トドメをさせ」
「シャア!」
何その待ってましたと言わんばかりのもうかの発動。じわれには効果ないでしょうに。
と思ったらまたしても炎を纏い始めたよ………。しかも脚にも炎がいってるし。アレ、まさかとは思うけど、ブレイズキックのチャージとか?
「オーダイル、アクアテール! キングドラ、たきのぼり!」
オーダイルは水を尾に纏い上から、キングドラは水を全身に纏って下から登りつめてくる。
それをリザードンはキックでキングドラを地面に落とし、そのまま地割れを起こした。
残ったオーダイルも当然上から尻尾を振り下ろしてくるわけだが、これもブラスタロールで背後に回り込み地面に叩きつけた。そのまま地割れを起こして呑み込んでいく。
圧迫によって飛び出したオーダイルとキングドラは白目を剥いていた。
「オーダイル、キングドラ、戦闘不能!」
「今のは大地の奥義の一つ………!! ーーまさかっ!?」
「リザードンにじわれを教えたのはサカキですよ」
じわれを見たサカキの息子が過剰に反応を示した。じわれなんて他にも使う奴はいるだろうに。ただの一撃必殺の技だろ?
考えても分からん。取り敢えず、誤解という解が導き出される前に訂正しておこう。
「ただ、勘違いされても困るんで言っておきますけど、俺はロケット団に所属したことは一度もないんで。あの男は俺たちに裏社会との戦い方を叩き込んできたにすぎませんよ」
「それで大地の奥義を教えるのか? あの父さんが?」
「訳ありのリザードンしか連れてなかったからじゃないですかね」
「意味が分からない」
「そこには激しく同意しますよ」
言いたいことは分かるからな。
だってあのサカキだぞ? 暴虐を形にしたサカキさんだぞ?
そんな男が誰かに何かを教えるなんて想像つかないだろう。逆を言えば、それほどまでにあの時の俺は見るに見兼ねる屍のような姿をしていたのだろう。
『ほらよ。外すんじゃねぇぞ』
「カイ!」
ゲッコウガがそう言うとジュカインは分身を数体作り、帯電し始めた。そして右腕を前に突き出してーーー。
「って、レールガンかよ」
まさかのレールガンでした。
しかもバクフーンとメガニウムが辛うじて残っただけで、後は全員戦闘不能。
『くさタイプには効きが悪いのは織り込み済みだ』
あ、ちゃんと最後までフォローに入るのね。なんて優しいゲッコウガさん。
「メガぴょん!?」
「メガニウム、ニョロトノ、トゲキッス、戦闘不能!」
メガニウムたちの背後から現れたゲッコウガが次々と襲い掛かり、戦闘不能へと追い込んでいた。
これで残すはあと一体。
『まさかジュカインまでアレをやるとは』
「俺も驚きだわ」
まあ、ものまねを得たことで散々見てきた戦い方が全部再現できるようになったというのも大きな要因なのだろう。
「え? あれ? もうバクたろうだけ?」
「ああ、すまんな」
「ごめんね、ゴールド」
ポケモンの数をちゃんと数えてなかったのか?
気づけば周りには誰もいなくなったことに慌てふためくゴールド。多分だが、Z技をまだ使ってないから残されたのではと思っている。誰に、とは愚問だろう。
「だぁー、もう! こうなったら! いくぜ、バクたろう!」
もう最後、ということで一発デカイのを撃って一矢報いたいって顔をしている。
「オレたちはもっともっと激しく燃えるぜ! くらいやがれ! ダイナミックフルフレイム!!」
相変わらず変な動きだよな。
「あ………」
ゲッコウガが手裏剣を頭上に掲げやがった。Z技に対してアレやるつもりだ。それと俺の身体も乗っ取るのやめようや。恥ずかしいじゃねぇか。
「よし、取り敢えずみんなで守ろうか」
「サナ!」
もはやこの建物すら危うくなりそうなことになるのは目に見えている。なので、自分たちだけでも難を逃れるためにサーナイトたちに防壁を貼らせた。いっそ綺麗さっぱり記憶を飛ばしてくれるとありがたいんですけどねー。何もないのにただ手を掲げて振り下ろすとか超恥ずいわ。
『フン!』
そんなことはお構い無しに巨大な獄炎を巨大な水の手裏剣で消し去った。
「マジかよ………」
まさかのZ技の相殺に腰を抜かすゴールド。
『トドメだ』
ほんと容赦ねぇ。
波導で水を操り、弓矢の形にしてバクフーンを射抜いた。
これ、何気に新しいパターンだな。
「バクフーン戦闘不能! よって勝者、ハチマン君!」
あーあ、勝っちゃったよ。図鑑所有者を三人相手取って勝っちゃったよ。
やだなー。また何かお小言もらいそうな予感がするわ。かと言って負けられないし。
「プラターヌ博士、ククイ博士。あれはZ技ではないのか?」
「今のところ何とも。ただ、僕もZ技に近いものだと考えています」
「オレにもさっぱりですね。ただ、やはりというか石を必要としないメガシンカがある以上、リングを必要としないZ技があったとしてもおかしくはないでしょう」
「ふむ、なるほどな」
ナナカマド博士の問いに若手研究者二人がそれぞれの見解を示した。どちらもあれをZ技の可能性大と見ているようだ。
まあ、ゲッコウガの場合、強ち間違いでもないからな。余った力で技を昇華させてみたって言ってたし。
「勝っちゃった………」
「勝っちゃったな………」
「なるほど………ポケモン側もトレーナーとしての素質を持つとここまで劇的に変わるのか。下手に他人と組むより余程息が合う」
「ちょ、何分析してるのよ……」
「一年前、オレはあいつと会っているが、その時はまだゲッコウガが今の領域に達していなかった」
「それって………」
「ああ、この一年であそこまで変わったということだ。全てはきずなへんげを会得したからだろう」
「石を必要としないメガシンカ、か」
何やら図鑑所有者たちの方で色々感想が出ているみたいだな。
「くぅぅ! オレもやりてぇーっ!!」
うおっ!?
びっくりした………。
いきなり叫ばないで下さいよ、レッドさん。驚いてちびっちゃうでしょうが。
「………このバトル脳が」
「しょうがないわよ、レッドだもの」
それで片付けていいんすか………。
あ、というかブルーさんに一応感想聞いといた方がいいかな。
「おい」
「え? あ………」
と、ブルーさんを見てたら急に声をかけられた。しかもそれがサカキの息子だった。
これはまずい。姉さんを変な目で見るなとか絶対怒られるやつだ。ハチマン知ってる。
「お前は父さんにじわれを教わったと言っていたな」
「まあ、そうっすね。教わったというか強制的に覚えさせられたというか」
「これは父さんがトキワのジムリーダーだった頃に作った『大地の奥義書』だ」
「はあ………。えっ? これを俺にどうしろと?」
「ざっとでいい。目を通しておけ」
「お、おう、あ、はい………ども」
え? なに? どゆこと?
ブルーさん関係で怒られないどころか、サカキが作ったとかいう『大地の奥義書』とやらを渡されたんだけど………。
「おい、シル公。何渡してたんだよ!」
「何でもない。今から反省会をするぞ」
「ええー!」
「ゴールドに拒否権はないわよ。アンタたちは特に彼を侮っていたんだから」
「あ、ちょ、クリス?! 引っ張るなよ!」
ふっ、仲がよろしいことで。
ん?
「んん?」
シルバーが俺を見たかと思うと右手をある方向へと動かした。その先にはさっきからずっとバトルしたいバトルしたいと連呼しているレッドさんが。
えっ? なに? 俺にアレをどうにかしろと?
「アイツ、せめてもの意趣返しってか………」
はあ………。
多分、ゴールドと同じで一度言い出したらキリがないんだろうな。しかもゴールド以上のバトル脳らしいし。
「ガス抜きするしかないのか…………」
「せんぱーい、お疲れさまでーす!」
何となく次が決定してしまったような気がして項垂れていると、きゅるんとした声音でイロハがトテトテとやってきた。手にはタオルとお茶。
「あざとい」
「ええー、なんでですかー。先輩の可愛い後輩がこうして大活躍だった先輩を労ってるっていうのにー」
「はいはい、可愛い可愛いー」
「ぶぅー」
だからあざといっつの。
その膨らませた頰をプニプニしちゃいたくなるだろうが。
…………そうだ。この際だし、イロハもバトルしてみた方がいいんじゃないか? 四天王を目指してるんだし。
「なあ、イロハ。お前、バトルしてみないか?」
「バトル? 誰と?」
「そりゃ、決まってるだろ。あそこにいるバトル脳の人」
「………本気で言ってます?」
「ああ、本気も本気。本気と書いてマジと読むくらい本気だな」
「でもなんで急に私が?」
「図鑑所有者たちとバトルできる機会なんて早々ない。折角だし、お前もどうかなと。俺やユキノたちとはまた違った経験になるだろうし。それに四天王になるならああいう人たちのバトルも味わっておくべきだと思うぞ」
「………勝てると思います?」
「正直分からん。だが、一方的になることはないとだけは保証してやる」
「はあ………、しょうがないですねー。先輩に乗せられて上げますよ」
たまに目にする憎たらしい笑みで口角を上げたイロハが答えた。ユキノ曰く、こういう時の彼女はどこか俺に似ているところがあるらしい。ご丁寧にヒキガヤ菌に感染した証ね、と言い出すほどにはそっくりなんだとか。
ヒキガヤ菌の感染力半端ねぇな。
「勝ったらご褒美下さいね?」
ハハ……、俺がやった方が安上がりだったかな………。
可愛いものほど怖いものはないと改めて思ってしまったわ。
行間
ヒキガヤハチマン 持ち物:キーストーン 菱形の黒いクリスタル ソウルハートetc………
・リザードン(ヒトカゲ→リザード→リザードン) ♂
特性:もうか
覚えてる技:かえんほうしゃ、メタルクロー、かみつく、おにび、えんまく、はがねのつばさ、かみなりパンチ、ドラゴンクロー、シャドークロー、つばめがえし、りゅうのまい、かみくだく、カウンター、じしん、フレアドライブ、ブラストバーン、げきりん、じわれ、だいもんじ、ソーラービーム、リフレクター、はらだいこ、ぼうふう、ねっぷう、あなをほる、れんごく、かげぶんしん、ブレイズキック
飛行術
・ハイヨーヨー:上昇から下降
・ローヨーヨー:下降から上昇
・トルネード:高速回転
・エアキックターン:空中でターン
・スイシーダ:地面に叩きつける
・シザーズ:左右に移動して撹乱
・ソニックブースト:ゼロからトップに急加速
・コブラ:急停止・急加速
・ブラスターロール:翻って背後を取る
・グリーンスリーブス:連続で攻撃して空中に釣り上げる
・デルタフォース:空中で大きな三角形を描くように連続攻撃
・ペンタグラムフォース:空中で五芒星を描くように連続攻撃
・バードゲージ:スピードを活かして相手の動きをコントロールしていく
・スモール・パッケージ・ホールド:背面飛行で相手の下を飛行する
・ゲッコウガ(ケロマツ→ゲコガシラ→ゲッコウガ) ♂
特性:きずなへんげ(へんげんじざい→きずなへんげ)
覚えてる技:みずのはどう、あなをほる、かげぶんしん、れいとうパンチ、れいとうビーム、つばめがえし、ハイドロポンプ、くさむすび、グロウパンチ、えんまく、がんせきふうじ、いわなだれ、まもる、かげうち、みずしゅりけん、どろぼう、つじぎり、ハイドロカノン、めざめるパワー(炎)、とんぼがえり、とびはねる、ほごしょく、けたぐり、ぶんまわす、あくのはどう、どろあそび、ふぶき、たたみがえし、ダストシュート
・ジュカイン(キモリ→ジュプトル→ジュカイン) ♂
持ち物:ジュカインナイト
特性:しんりょく←→ひらいしん
覚えてる技:でんこうせっか、リーフストーム、リーフブレード、ドラゴンクロー、タネマシンガン、ギガドレイン、かみなりパンチ、スピードスター、くさむすび、ソーラービーム、エナジーボール、シザークロス、くさのちかい、マジカルリーフ、タネばくだん、こうそくいどう、つめとぎ、いやなおと、こうごうせい、くさぶえ、やどりぎのタネ、グラスフィールド、なやみのタネ、ハードプラント、つばめがえし、ものまね、みがわり、じならし、アイアンテール、けたぐり、つじぎり、グロウパンチ、まもる、ぶんまわす、あなをほる
・サーナイト(ラルトス→キルリア→サーナイト) ♀
特性:シンクロ
覚えてる技:リフレクター、ねんりき、まもる、テレポート、マジカルリーフ、シャドーボール、マジカルシャイン、トリックルーム、シンクロノイズ、サイコキネシス、いのちのしずく
・ウツロイド
覚えてる技:ようかいえき
控え
・ヘルガー ♂
持ち物:ヘルガナイト
特性:もらいび←→サンパワー
覚えてる技:かみつく、ほのおのキバ、ふいうち、おにび、かえんほうしゃ、かみくだく、れんごく、ほえる、はかいこうせん、アイアンテール、あくのはどう、みちづれ、だいもんじ、ハイパーボイス、ヘドロばくだん、ちょうはつ、ほのおのうず、まもる
・ボスゴドラ ♂
持ち物:ボスゴドラナイト
特性:がんじょう
覚えてる技:ロックブラスト、あなをほる、なげつける、メタルクロー、アイアンヘッド、アイアンテール、てっぺき、メタルバースト、ボディパージ、ヘビーボンバー、ロックカット、ほのおのパンチ、もろはのずつき、ラスターカノン、ドラゴンダイブ、でんじふゆう、だいちのちから、カウンター、ばかぢから
ゲッコウガ
・ニダンギル(ヒトツキ→ニダンギル)
特性:ノーガード
覚えてる技:ラスターカノン、せいなるつるぎ、つばめがえし、かげうち、つじぎり、シャドークロー、きんぞくおん、いわなだれ、かわらわり、まもる
・キリキザン
特性:まけんき
覚えてる技:つじぎり、くろいまなざし、ロックカット、メタルクロー
・アギルダー
特性:うるおいボディ
覚えてる技:スピードスター、むしのさざめき、ギガドレイン、みずしゅりけん、こうそくいどう、かげぶんしん、こころのめ、はたきおとす、バトンタッチ
・メタグロス(ダンバル→メタング→メタグロス)(色違い)
覚えてる技:ラスターカノン、じならし、ひかりのかべ、サイコキネシス、メタルクロー、コメットパンチ、まもる
ゴールド
・バクフーン バクたろう
特性:もうか
使った技:かえんほうしゃ、かえんぐるま、ブラストバーン
・エテボース エーたろう
特性:テクニシャン
使った技:ダブルアタック、こうそくいどう、バトンタッチ
・ニョロトノ ニョたろう
特性:ちょすい
使った技:ばくれつパンチ、さいみんじゅつ
・ウソッキー ウーたろう
特性:がんじょう
使った技:がんせきふうじ
・トゲキッス トゲたろう
特性:はりきり
使った技:ゴッドバード、すてみタックル
・ピチュー ピチュ
特性:せいでんき
使った技:ボルテッカー
シルバー
・オーダイル
特性:げきりゅう
使った技:れいとうパンチ、きりさく、ハイドロカノン、アクアテール、おんがえし
・マニューラ
特性:プレッシャー
使った技:つじぎり、ふぶき、でんこうせっか、だましうち
・キングトラ
特性:すいすい
使った技:たきのぼり
・ドンカラス
特性:ふみん
使った技:そらをとぶ、ブレイブバード
・ギャラドス
特性:いかく
使った技:たつまき、ハイドロポンプ、うずしお
クリスタル
・メガニウム メガぴょん
特性:しんりょく
使った技:つるのムチ、ソーラービーム、ハードプラント
・カラカラ カラぴょん
特性:ひらいしん
使った技:ホネブーメラン
・パラセクト パラぴょん
特性:かんそうはだ
使った技:ヘドロばくだん、キノコのほうし、あまいかおり
・エビワラー エビぴょん
特性:てつのこぶし
使った技:マッハパンチ、スカイアッパー
・ウインディ ウインぴょん
特性:いかく
使った技:かえんほうしゃ
・バリヤード バリぴょん
特性:ぼうおん
使った技:サイケこうせん、ひかりのかべ