ポケモントレーナー ハチマン 〜ぼーなすとらっく集〜 作:八橋夏目
思った以上に長くてびっくりしました。当初は二、三話で終わらせる予定だったのに………。
「リザードン、かえんほうしゃ! ジュカイン、くさむすび!」
「マフォクシー、サイコキネシス! デンリュウ、エレキネット!」
俺たちを囲んでいたポケモンたちに先制攻撃。
これでいきなりリンチに遭うこともないだろう。
「き、君たちは何なんだ!?」
「はっ、標的の顔も忘れたってのかよ。そんなんでよく俺を倒すなんて言えたな」
何が何やらという顔で俺たちを睨んでくるが、こいつら本当にやる気あるのか?
「これは一体………」
「……何があったの?」
「恐らく彼奴らが原因じゃろう」
あちゃー、出てきてしまったか。
まあ、そりゃそうか。イロハが駆けつけてきたくらいだし。
「ダイゴさん、シロナさん、博士たちを頼みます!」
「わ、分かったわ! 任せて!」
チャンピオン二人に博士たちの安全は託すとして。
「マチス、市民に避難を促せ」
「テメェがオレ様に命令してんじゃねぇよ」
と言いながらもやるのがこの男だ。
こっちも問題ないだろう。
「さて、そっちから仕掛けて来た以上、ただで返すわけにもいかないんでな。徹底的に潰してやる」
「まさか、君が……?!」
ようやく気づいたのか?
さっきから半端な殺意を向けやがって。明確な殺意を持てないのなら歯向かってくるんじゃねぇよ。ただただ時間と労力の無駄だ。
「リザードン、ブラストバーン。ジュカイン、ハードプラント」
「ニドキング、ドダイトス、まもる!」
奴の手持ちと思われるニドキングとドダイトスが前に出て防壁を貼った。だが、究極技を前に完全な防御もままならず吹き飛ばされていく。
「モルフォン、サイコキネシス! マルマイン、かみなり!」
「ストライク、シザークロス! デリバード、つばめがえし!」
「スリーパー、サイケこうせん! ウツボット、タネばくだん!」
取り巻き三人も一気にポケモンを送り込んで来る。
「ーーボルケニオン、スチームバースト」
そこにイロハがボールを投げつけ、出てきたボルケニオンが水蒸気爆発を起こした。衝撃で各々が四方八方に吹き飛ばされていく。
「あれは…………!」
「ボルケニオンじゃと!?」
「博士、ボルケニオンって?」
「ボルケニオンはほのお・みずタイプという珍しい組み合わせのタイプを持つポケモンじゃ。世界のどこかにいると文献にはあったが、まさか彼女が連れているとは………」
「伝説のポケモン、といって差し支えないようですね」
「うむ」
さて、敵はまだまだいる。数だけは用意したという感じだろう。しかし、この四人にそれ程のポケモンを集めることができるとは考えられない。敵の顔もしっかりと把握してないような輩が、そこまでの動きを取れるのか? こう言ってはなんだが、サカキはもの凄いぞ? あの男は対象の顔なんか当たり前で、性格や生活環境などあらゆる面を抑えた上で接触してくる。そうなったらこっちは終わりとまで言える。そんな経験がある俺からしてみればこいつらは浅はかである。悪を舐めんじゃねぇぞ。
「カポエラー、インファイト! ゴローニャ、いわなだれ! ドンカラス、ブレイブバード! クロバット、ヘドロばくだん!」
邪魔をするなと言うように、タマナワとかいう男のポケモンがリザードンとジュカインに対して攻撃を仕掛けてきた。
ただ、他にもポケモンはおり、一体一体相手してもいられない。全体攻撃ができる技が必要だな。
「リザードン、翼を激しく動かせ。身体を回転させてもいい。とにかく風を起こすんだ」
「シャア!」
リザードンも俺の意図に気づいたのか、翼を激しく羽搏き始めた。それと同時に纏っていた竜の気も回転し始め、二重で渦ができていく。
「ジュカイン、お前もすぐにやってもらうからな」
「カイ」
一枚でも充分強いが二枚に増えれば、この数を手っ取り早く一掃できるだろう。ものまねが優秀すぎるわ。
既にタマナワのポケモンは近づけていない。そろそろだな。
「リザードン、ぼうふう!」
俺の一声で取り囲んでいたポケモン諸共、暴風の渦で呑み込んでいった。
「ドンカラス、クロバット! ねっぷう! ゴローニャ、ドダイトス! あなをほる!」
「モルフォン、サイコキネシス!」
「ドードリオ、ブレイブバード!」
「スリーパー、サイコキネシス!」
暴風の向こう側ではどうにか対策を取ろうとしているようだな。地中から来たり、正面を突っ切って来たりか。
「ジュカイン、技はいけるな?」
「カイ」
「よし、それなら後は気配を伺え。タイミングはお前に任せる」
さて、迫り来るポケモンたちはジュカインに任せて、あとはイロハか。
「イロハ、そっちは………」
「マフォクシー、マジックルーム!」
既に何かやろうとしてたわ。
え、ほんとに何やる気なのん? 自分たちが閉じこもっちゃったよ?
「アアーッ!」
うわ、ドードリオの奴強引に暴風の中を突破してきちゃったよ。
「カイ!」
ジュカインは一拍手して目を開き、両腕を大きく開いた。すると足元から渦が巻き上がり、徐々にだが風になっていく。
「ゴローニャ、ドダイトス、今だ!」
「ラッタ、すてみタックル!」
地面からはゴローニャとドダイトスが、ドードリオの嘴からはラッタが飛び出してきた。
「カイ!」
風は暴風へと変わり、飛び出した三体及び突撃兵一体を軽く呑み込んでいく。
「雨………?」
はっ?
雨だと?
「おいおい、いつの間に積乱雲が発生してたんだよ」
「ぼうふうに対してねっぷうを送り込んだことで上昇気流が発生したんだと思います!」
えー………、まさかあいつらそれを狙ってたとか?
ということは絶対あれが来るよな。
「あれは私が消して来ますんで! マフォクシー、サイコキネシス!」
うえー………。
いろはすさん、部屋を超念力で浮かせて上昇して行っちゃったよ。ほんとに消しに行ったのね。
「マルマイン、かみなり!」
「デンリュウ、レールガン!」
雷撃には雷撃を。
突如自然発生した雨雲から雷撃が落ちてくるも、それをデンリュウがでんじほうで撃ち返した。
「ボルケニオン、にほんばれ!」
「させないよ! マグカルゴ、ねっぷう! ウツボット、リーフストーム!」
「ストライク、エアスラッシュ!」
「クロバット、ドンカラス、ねっぷうをもっと強くするんだ!」
今度は上に行ったイロハを集中的に狙うつもりか。
だが、あいつを舐めてると痛い目に遭うぞ。
「ニドキング、なげつける! カポエラー、とびひざげり!」
これはニドキングがカポエラーを投げ上げたとかか?
暴風の外の状況はいまいち掴めないのが辛いな。
「よし、一斉攻ーーー!?」
「デンリュウ、レールガン!」
ほれ見たことか。
下手に部屋を壊すから砕けた破片を利用されてプリズムによるレールガンの乱射が始まったじゃねぇか。
マフォクシーは超念力に集中させて、攻撃をボルケニオンとデンリュウにってやつだろ?
怖い女だわ………。
ちなみに俺たちは暴風によって助かりました。
「「「うあぁぁぁっ!?」」」
外から悲鳴が聞こえてくる。相当ヤバいことになってるんだろうな。
つーかこれ、意外と使えるな。ゾーンディフェンスとでも表すのが適当かな。外の敵は入られないし、中の敵もきっと逃げられないだろう。しかもイロハが上空を支配しているこの状況では無敵かもしれない。
「くっ、こうなったら………カラマネロ君!」
「カマカマ!」
ッ?!
「なっ………?!」
二枚重ねのぼうふうが一瞬で解除されただと!?
しかも今カラマネロって……………!
「あっちの方もお願いするよ!」
あっち?
一体何をする気だ?
「カラマネローーーッ!」
タマナワとかいう奴の方を見るとマジでカラマネロがいた。しかも何か大型の機械も用意してあるし………。
「ーー先輩!」
イロハか。
どうやらぼうふうが解けたことで戻ってきたみたいだな。
「イロハ、俺の勘が正しければ、あのカラマネロはヤバい」
「………上から見ましたけど、あの機械何か嫌な感じがします」
「やっぱりか………」
今邪魔をすればまだ間に合うかもしれない。だが、相手はカラマネロだ。俺の予想が正しければ、あのカラマネロはカロスの育て屋を襲撃してきたカラマネロだろう。でなければ、二枚重ねのぼうふうを一瞬で解除されるなんてことはない。ただ、そうなると下手に攻撃できない。あいつはリザードンでもゲッコウガでもジュカインでも相討ち覚悟の戦いになる。
「ーーいや、それでも今やるべきか」
「先輩?」
「リザードン、ジュカイン! カラマネロを狙え!」
俺たちが倒れてもまだここには図鑑所有者たちがいる。それにこいつらは俺の敵だ。俺は俺の敵だけでも倒して、その後に何かあれば丸投げしてやる。
「ブラストバーンにハードプラントだ!」
「させないよ! 全員でカラマネロ君を守るんだ!」
俺がリザードンとジュカインに究極技を指示すると、タマナワがゴローニャとニドキングとドダイトスを前に出し、防壁を張らせた。
でんきタイプの技が効果のないじめんタイプを有していたことで助かったのか。
………だが、まだいるんだよ。
「ゲッコウガ、ハイドロカノン!」
奴らの背後から現れたゲッコウガがカラマネロに水の究極技を直撃させた。
「ッ……!? 全員、戦えるポケモンを出せ! 奴らが来る!」
は?
奴らが来る?
「今の声………」
声のした方を見ると上半身裸に白衣を着たククイ博士がガオガエンを出して戦闘態勢に入っていた。続けてその視線の先を追うと………。
「ッ!?」
こ、れは………?!
マジ、かよ…………。
カントーにもやって来るのかーーー。
「ふぅ、完了したようだね」
こいつ、正気か?
俺を倒したいがためにカラマネロと手を組んで奴らを呼び寄せたってのかよ。
『カラマネロォォォッ!!』
うわっ、びっくりした。
いきなりゲッコウガが吠えたぞ。
普段絶対見せない本気の怒りだ。
「カマカマ」
当のカラマネロは御構い無しというかのように、しれっと水の手裏剣を躱している。
「ーーっ、来た」
空に裂けた穴。
そこから一体目のウルトラビーストが飛び出してきた。
「あれはマッシブーンだ!」
あの人、現役のトレーナーだろ。全然怯えてねぇ。
「リザードン、じわれ!」
これはもう非常事態だ。
一刻も早くこのゴミどもを拘束してUBの対処をしなければならない。
「うわぁぁぁっ?!」
拳を地面に叩きつけて地割れを起こし、その衝撃でできた瓦礫がタマナワたちを呑み込んでいく。その間、カラマネロは一切見向きもしなかった。
やはり黒幕はあいつだ。
そりゃそうか。大量のポケモンを投入できるのもカラマネロの催眠術があったればこその話だ。なんてことはない。こいつらはただの体のいい操り人形ってわけだ。
「ジュカイン、くさむすびで拘束だ!」
「カイ!」
姿を変えたゲッコウガが何とかカラマネロを抑えているが、カラマネロは余裕そうなのに対し、ゲッコウガは全力を出している。これでは時間の問題だろう。
「もう一個できたぞ! 全員、気を抜くなよ!」
いつの間にかククイ博士主導の対応になってるな。
既に飛び出して来たマッシブーンはガオガエンが受け止め、取っ組み合いをしている。
「次はフェローチェよ! それも二体、いえ三体だわ!」
おいおい、マジかよ。
フェローチェって確か一番素早いウルトラビーストだったんじゃないの? それが三体ってどう相手しろってんだよ。
「ハニー、オーキド博士たちを頼む!」
「ええ、分かってるわ!」
「メタグロス! フェローチェを追うんだ!」
「ガブリアス! あなたもフェローチェを追って!」
「次は二個できたぞ!」
ダイゴさんやシロナさんも動き出したか。
となるとグリーンたちもすぐに動くだろう。
「ハッサム、お前も追え! はがねのつばさ!」
「先輩、私たちはフェローチェを待ち構えます!」
「無理はするなよ」
「はい!」
驚きと戸惑いが滲み出てはいるものの、イロハも強くなったな。
「テッカグヤ、だと……っ!?」
げっ!
まだ新しいのが来るのか!?
くそっ、原因はあの機械だよな!
俺が迷ってなかったら間に合っていたかもしれないってのに。
「サーナイト、お前の力も貸してくれ」
「サナ!」
まだまだ子供であるサーナイトに参戦させるのは躊躇われるが、これはそうも言ってられない大惨事だ。デオキシスよりもヤバいかもしれない。
「さっきのバトルみたいに、いのちのしずくで回復に徹してほしいんだ」
「サナ!」
さっきゴールドたちとバトルをやっておいて正解かも。これでサーナイトも自分の役割がはっきりと理解できるはずだ。
「ブルー! 後ろ!?」
「えっ………?」
「カイッ!」
はっ?
ジュカイン………?
「きゃあっ………?」
振り向くと俺たちを横切ったジュカインがブルーさんを突き飛ばして何かに喰われていた。
「あ、ああ、……ああああああっ!!」
それを見たブルーさんが発狂している。
え、なに、何が起きた………?
『ジュカイン!?』
ジュカイン………?
お前、何して…………はっ?
「アクジキングだと!? それも三体っ?!」
「ブルー!」
「姉さん!?」
「ブルーさん!」
待てよ、待ってくれよ…………何でお前が…………。
『チッ、クソったれ! あのクソイカ野郎、逃げやがって!』
冗談はやめてくれよ。
さすがにそれはないだろ………。
いくら俺でも怒るぞ。
「シルバー、お前たちは食い止めててくれ! ブルーはオレたちが何とかする!」
なあ、ジュカイン………!
「ぁ、ぁぁ………」
「ブルー、しっかりしろ!」
「くそっ、フッシー、メガシンカ!」
「リザードン、オレたちも、っと? お前………?」
痛っ………。
あれ………、グリーン? なんでグリーンが目の前に?
………いつの間にかここまで歩いてきてたのか?
カラマネロに襲撃されてウルトラビーストを呼び出されて、ジュカインが食われたこんな非常事態だってのに、無意識で何かをしようとしてたんだろうか。俺の身体、非常事態に慣れすぎだろ。
っ、そうだっ!
「………待ってくれ、グリーン」
これなら何とか今の状況を打破できるかもしれない。
でも、本当は使いたくない。次使ったら本当にどうなるか分からない。
いや、そもそも成功するかも分からない。あれはXの方で作用していたのであってYの方ではできたりするのか?
………もういい。あれこれ考えるのは無しだ。それでこの状況になったんだ。そしてジュカインが………。
「お、おい! お前もしっかりしろ! 目の焦点が合ってーー」
「リザードナイトを貸してくれ」
「ーーはっ?」
「奴らを倒す」
「お前………、何か策でもあるのか?」
「これは賭けだ。成功すればどうにかできる、と思う。ただ、その後はどうなるか分からん。その時は俺を殺せ」
「…………分かった。その時は、オレを道連れにしてでもお前を殺してやる」
「ちょ、おい、グリーン! くっ、フッシー、ソーラービーム!」
「レッド、お前にこの状況を打破する策はあるのか?」
「うっ………」
道連れか。それはちょっと困るな。さすがにブルーさんを悲しませるわけにはいくまい。
「リザードン!」
グリーンはボールからリザードンを出して交渉している。
「………こっちがメガシンカできなくなるっていうのも考慮しろよ」
「分かってる。リザードン!」
グリーンがメガストーンを投げつけてきたため、空中で遊撃として加わっていたリザードンを呼び寄せた。既にダメージを負っているみたいだな。
「悪いな、またあの力を使わせちまうことになると思う。けど、ジュカインが……」
「シャア」
「すまん………」
分かってる、とでも言ってくれたのだろう。状況はリザードンも理解してくれているようで、リザードナイトYを受け取ってくれた。
サーナイトが雫を放ちリザードンが回復し終わるのを合図にキーストーンを取り出した。
「リザードン、メガシンカ」
久しぶりのリザードンのメガシンカ。感覚的には特に変わりはない。
いつも通りキーストーンとメガストーンが共鳴し合い、リザードンが白い光に包まれて姿を変えていく。
「先輩!?」
イロハは、分かってしまったんだろうな。
ごめんな、でもこうするしか俺の怒りも収まらないんだ。
「ダメです! それは、それだけは………!」
「リミットブレイク」
黒くないメガリザードンの姿を確認してから、キーコードを発した。
「だめぇぇぇえええええええええっっ!!」
イロハの絶叫を聴きながらリザードンはさらに姿を変えていく。それと同時に俺の鼓動も早くなり、息切れや頭痛を感じるようになってきた。
そうだ、この感覚だ。
「ホウオウ……!?」
「リザードンがホウオウに姿を変えただと?!」
なる、ほど………。
何となく、仕組みを理解できた。
要はメガシンカに影響されるのだろう。Xならば同じタイプを持つレシラムに、Yならホウオウにってところか。ファイヤーではなかったのは元となるホウオウとファイヤーの力関係が作用しているのかもしれない。
「く、あ………! リザードン、せいなるほのお!」
まあ、どちらにせよ、あいつはホウオウに見えるリザードンだ。だが、恐らくはレシラム時同様原本の技も使えるようになっているはずである。
『あのクソイカ野郎が逃げた以上、オレも付き合ってやる』
そう言いながら急にゲッコウガも接続してきた。こいつもこいつで怒りが収まらないのだろう。
あの時と同じようにスッと頭痛が軽くなっていく。
『ヤツを使え。同じUBなら対抗できるはずだ。サーナイトはキリキザンたちに任せておけばいい』
…………ヤツを導入しろってか。
確かにそれが妥当かもしれないが、どうなっても知らないからな。
「………そういえば、アクジキング………ドラゴンタイプだったな。リザードン、くっ………げきりん!」
三体同時に相手するのならば、効果の薄い技では意味がない。技のタイプを変更して竜の気を活性化させて突っ込ませた。
「出てこい、ウツロイド」
そして、とうとうヤツをボールから出した。
「はっ? お、あ、ちょ………?!」
すると取り憑かれた。
同時に頭痛も息切れもなくなっていく。
え……?
どゆこと?
まさか毒を毒で制した的なやつか?
まあいい。思考も普通に働く。腕がちょっと触手になったくらいどうってことない。
『サーナイト、お前しんぴのまもりを使えるようになったのか?!』
「サナ!」
あの様子だと全部あっちに行ったというわけでもなさそうだ。さすがに全部肩代わりされてはゲッコウガの身が保たないだろう。
「なっ?! ウツロイドだと!?」
「しかもハチマン君が呑み込まれたわ!?」
ククイ博士、バーネット博士、一応意識はしっかりしてるんで大丈夫だと思いますよ。
身体への負担がなくなったためか、ようやく状況を把握することができた。
イロハとダイゴさん、それにシロナさんがフェローチェの対応。一人一体を担っているようだが、あの三人でようやくといった感じだ。
グリーンは未だ心にダメージを受けたブルーさんを庇いながら流れ弾を防ぎ、ジョウトの図鑑所有者三人がマッシブーンの相手か。レッドさんはそのままアクジキングへと立ち向かっている。リザードン とゲッコウガは全体の遊撃をしており、二体のおかげで何とか分担分が上手く行ってると言ってもいい。
『「ウツロイド、オマエラノセカイジャナクテイイカラ、ウルトラホールヲアケロ」』
ん? あれ?
なんか声が変わってる。
俺が変な声でそう言うと、身体が勝手に動き出した。
この操られてる感、すげぇ違和感を感じるわ。
『「リザードン、ウルトラホールニオシコメ」』
ホウオウとなったリザードンが一体のアクジキングを鳳を纏って開いたウルトラホールへと押し込んだ。
ゴッドバードもいけるのか。
「デンリュウ、メガシンカ!」
「フッシー、ハードプラント!」
「リザードン、ブラストバーン!」
「カメちゃん、ハイドロカノン!」
初代図鑑所有者三人がもう一体のアクジキングをウルトラホールへと押し込んでいる。何とかブルーさんも立ち上がれたんだな。さすがはグリーン。
「エレキネット!」
イロハがフェローチェを電気網で捕らえた。メガシンカしたことで特性がせいでんきからかたやぶりに変化したことでどんな相手でも対面しやすくなっている。未知数のウルトラビースト相手にもそれは効果を発揮しているようだ。
だが、そう簡単にいく相手でもないようで網が破られるのも時間の問題だろう。
「ライコウ、かみなり!」
ッ?!
ライ、コウ………!?
「国際警察です!」
「ホウオウ……!? 何故ここに?!」
国際警察?
何故そんな奴らが二人も………ああ、ハンダさんか。
となるともう一人の黒のパンツスーツの女性は?
「キュィィァァァアアアアアアッ!!」
「ウツロイド、ブットバセ」
俺の背後から三体目のアクジキングが襲いかかってきたため、自ら光ることで弾き飛ばした。
今のはマジカルシャインか?
いざ自分の身で行うとなるとさっぱり分からんな。
「リラ殿! どうか無茶だけは!」
「大丈夫です、ハンサムさん! 私がここにいる以上、他への被害は減りますから! ボーマンダ、だいもんじ!」
リラ、だと?!
ハンダさん、その人のこと今リラって言ったか!?
「ウツロイド?! しかも人を呑み込んで………!? ハンサムさん、私は彼の救出に向かいます!」
「リラ殿、ご武運を!」
え、なに?
リラさん、こっちに向かってきてません?
「ムウマージ、ゴーストダイブ!」
あ、敵と認識されている。
くそっ、こんな時に邪魔するなよ。こっちは色々手一杯なんだよ。
『「ウツロイド、オレニオマエノチカラヲオシエテクレ」』
ーーーしゅるるるぷ、しゅるるるぷ。
『「ア、マジデ? イケチャウノネ。ナラ、チカラヲカリルゾ」』
まさかの脳に直接ウツロイドについての情報を送り込んできた。この子、技範囲思いの外広いのね。
「ボーマンダ、りゅうのいぶき!」
『「ミラーコート」』
正面から赤と青の息吹を放つボーマンダに対して、反射する壁を張る。
「ムウマージ!」
『「ハタキオトセ」』
それが囮なのは分かっているので、こちらも触手を複雑に動かして、背後から姿を現したムウマージを叩き落とした。
「くっ、やはり手強い!」
『「アー、ヒトツイッテオキマスケド、イチオウイシキハハッキリトシテルンデ。ノットラレテルトカハナイデスシ。ソレヨリモ、ホカノウルトラビーストヲカタヅケテクレルトタスカリマス」』
「喋った?! あなた、意識はあるのね?!」
『「エエ、マア」』
「ウツロイドのことも制御できているの!?」
『「セイギョデキテイルノカドウカハ、ワカリマセンケド、イチオウイシソツウマデデキチャッテマス」』
「……………、分かりました。では、まずはあちらを片付けることと致しましょう。ですが、終わった後はキッチリと説明していただきます」
『「ゼンショシマス」』
ふぅ、これで一先ずは戦力をウルトラビーストへと回せたかな。けどまあ、ライコウねぇ………。シャドーに捕まらなかったのも彼女が先に捕獲していたからで、その後もバトルフロンティアで対峙した以外、エンカウントすることもなかったんだよな。カロスにだってエンテイやスイクンも偶然にも居合わせることとなったってのに、ライコウだけは彼女とともに駆けつけることはなかった。
それが今になって、それもどこかあの時からは急成長し過ぎている彼女がライコウを引き連れてここにやって来たというのは、何か彼女の身にもあったってことなのだろう。国際警察になってたりだとか、マジで話が急過ぎるわ。
「ライコウ、かみなり!」
ーーーしゅるるるるるぷぷ、しゅるるるるるぷぷ。
『「オマエ、ボールノナカカラズットミテタノカヨ。ワカッタヨ、イリョクハオトルガ、オマエノチカラデカバースルゾ」』
ウツロイドに呑み込まれているからか、段々と冷静になっていっている。リラの名前が出たのには驚いたが、すぐに彼女の現状を分析するくらいだ。案外、ウツロイドはジュカインが喰われたことで取り乱していた俺を冷静にさせようとしていたのかもしれない。
ただまあ、今は戦闘中だ。状況の再確認が必要だろう。
まずはイロハたちだが、ボルケニオンが思いの外火力を伴っており、奴を中心にフェローチェ三体を弱らせようとしているらしい。だが、そこにゴールドたちが取り逃した二体のマッシブーンが加わっており、難航している。恐らく、リザードンとゲッコウガがアクジキングの対応に移ったため、マッシブーン二体に逃げられたのだろう。一応、ゴールドたちもイロハたちの方へと加勢している。グリーンたちはアクジキングの侵略を抑え込むのに必死で、今し方リラさんがフォローに入っていった。リザードンとゲッコウガもそっちで戦闘している。ククイ博士はガオガエンだったか? ほのおタイプのポケモンでテッカグヤを押さえつけていた。いやマジで現役トレーナーだわ。それも四天王に及ぶが及ばないかの。サーナイトがキリキザンとアギルダーの援護を受けて回復に回っているのが功を奏しているのだろう。
取り敢えず、俺はアクジキングの背後にウルトラホールを開き、触手を伸ばした。その先端には電気が集まり出し、放電していく。
『「レールガン!」』
正確には10まんボルトではあるが、こいつが持つ能力に倒せば倒す程強くなるようなものがあり、それで威力も高まっているため、遜色ないレールガンを撃ち放つことができた。
「アアーッ!!」
一発ぶっ放すとスッキリするな。
んで、他の奴らは………?
「ハンサムさん、ウルトラボールを!」
「了解であります!」
ウルトラボール?
何それ、俺知らない。国際警察に伝わるボールなのか?
ん? てか捕獲するつもりなのか!?
「バクだろう、かえんほうしゃ!」
せっせとフェローチェを誘導しているゴールド。意外とサポート役に徹することもできるんだな。絶対主役でいたそうなキャラなのに。
『「リザードン、トドメヲサセ」』
捕獲をするならできるだけ消耗させておいた方がいいだろう。だが、相手はウルトラビースト。単なる攻撃では致命傷にはならない。トドメを刺すくらいの気持ちで技を出さなければ、反撃されるのがオチだ。
『「ウツロイド、サイコキネシス」』
あとは逃げる敵を止めてしまえばいいか。
何気にこの子優秀すぎるわ。これが敵だったらと思うと状況は一転していただろうな。
アクジキングはあく・ドラゴンタイプ。普通ならエスパータイプの技であるサイコキネシスは効かないのだが、割れた地面の破片や狩られた草を合わせて即席の拘束具とし、アクジキングの腕? を押さえつけたのだ。
「燃え上がれ、ガオガエン! 勝利の炎でリングを焼き尽くせ! ハイパーダーククラッシャー!」
「メタグロス、コメットパンチ!」
「ガブリアス、ドラゴンダイブ!」
「ボルケニオン、スチームバースト!」
各々が動きを止めたウルトラビーストたちへと攻撃していく。その脇からはリラと名乗る女性が迫っていった。
「いきます!」
ポイポイと投げられた青黒いボールはマッシブーンたちへと当たり、吸い込んでいく。そして、通常のボールと同じようにコロコロと転がり、開閉スイッチがポン! という音とともに閉まった。
「これで一件落着、ですな」
「ええ、そうですね」
見渡せば既に戦いは終わっていた。
リザードンもホウオウの姿から元の姿に戻り、地面に伏している。その横ではゲッコウガを甲斐甲斐しく世話するマフォクシーの姿が。
「ッ?! ヤバい、カミツルギだ!?」
「あ、ちょ、おま………っ?!」
おいおいおい!
今俺を離すんじゃねぇよ!
ここ、空中だぞ!? 建物の三階四階に相当するところにいるっての理解してるか!? いや、してないから離したんだな。そもそもそういうことを理解できるとも思えんし。
「ピーすけ、いとをはく! ゴロすけ、受け止めて!」
「スピアー、どくづき!」
うおっ?!
お、おおおおおっ!?
なんか急に白い糸でぐるぐる巻きにされてるんですけど!?
あ、ついに目隠しまで?!
え、なに? どゆこと?
「レッドさん、皆さん、ご無事ですか?!」
ほとんど何言ってるのか聞き取れない。
レッドさんの知り合い?
「「「イエロー!」」」
エロー………?
え、変質者でも現れたのん?
こんな時に?
「………国際警察である私たちの前にのこのこ顔を出すとは随分と余裕ですね」
「フン、マイペースなガキを拾ったついでに届けに来ただけだ。それとも、ここでやり合うか?」
あ、声が近くなったからか聞こえるようになってる。
つか、この声。
「フゴヒ!?」
口まで抑え付けられてるんだった………。
え、てことは鼻も?
……………。
「フゴフゴフゴ!」
「あ、今解きます」
ふぅ、あっぶね………。
「死ぬ、かと、思っ、た…………はぁ、はぁ…………」
「フン、それくらいで死んでいるようならお前は既に死んでいるだろ」
「………いや、ほんと何でいるんだよ、サカキ」
「最近、オレの視界に不快な動きを見せる奴らの調査に当たっているところでイエローを発見したのだ。マチスからもこのクチバの事態の報告を受けて来てやったんだ。感謝しろよ」
「嬉しくねー」
しかも結局終わってからじゃん?
ほんと何しに来たのよ。
「父さん!?」
「シルバー、オレはもうお前の父親ではない。お前たちの敵であるロケット団の、いや今はレインボーロケット団の首領、サカキだ。だから驚きこそはすれ、敵意を失くすな。いいな!」
「………よし、ゲッコウガ。この男殺すか」
『ああ、そうだな。と言いたいところだが、身体が動かん』
デスヨネー。俺もだもん。ついでにリザードンも無理だ。
でもこの面倒な男は始末してもいいんじゃないかと思う。
「フン、できるものならやってみろ。お前も道連れにしてやる」
「………なんか先輩を見てるみたいですね」
「やめろ、俺はこんな男にはなりたくない」
いろはすー。
開口一番がそれって………。
トテトテと駆けつけてきたイロハが倒れている俺を見下ろしてきた。一瞬ピンクの何かが見えたけど気のせいだろう。気のせいということにしておこう。脳内保存と。
「まったく………、勝手にまたやらかしてくれちゃって。心配したんですからね!」
「あ、はい、すんません…………あっ……」
ヤバい、起き上がる力も出ない。
あれ?
まさか代償が寝たきり生活とかそういうのだったりする?
「それにしても別のメガストーンではホウオウの姿になるのか。これは興味深い………ん? これはリザードナイトYか?」
「オレのものだ、サカキ」
「なるほど、確かお前もリザードンを連れていたのだったな」
「………お前、一体あいつの何を知っている? 関わりがあるのは聞いている。だが、それにしてもあの変化を遂げたリザードンに対してその反応は異常だ」
「ふっ、さすがはグリーンと言ったところか。だが、話は後だ。まずはこいつらの状態を確認する必要がある」
「確認って何を………」
「…………ゲッコウガ、それにウツロイドはオレの予想外の奴らではあったが、支障どころか力の安定化へと繋がったという感じだな。おい、ハチマン。ウツロイドに呑まれて何をされた」
何かグリーンとやり取りしてると思ったら、いきなり話振られたんだけど。俺、今結構ヤバい状態なんだから話しかけるなよ。
「………はっ? いや、普通に痛みがなくなっただけだが。その反動がこれだけどな」
「毒か………。毒には毒を以って制すというところか? まあ、データとしては一考の余地はありそうだな」
まあ、多分?
あの頭痛が引いたのはウツロイドの毒のおかけで麻痺したからだろうけども。
それを考慮した今後の計画、とか言い出したらはっ倒してやる。絶対に乗らないし、未知数すぎるわ。何ならサカキの計画自体ぶっ潰してやりたい。まあ、無理だけど。
「今回はメガストーンが壊れなかった。その点が一番大きいと思うんだけど?」
「………なるほど、確かにそこは重要かもしれん」
「へい、ボス! 取り敢えず、中入ろうぜ! オレたちの敵とはいえクチバを守った男だ。ポケモンたちも休ませねぇと」
「フッ、いいだろう。国際警察もいることだ。丁重にご挨拶といこうじゃないか」
丁重にご挨拶ってどういうことだってばよ。
お願いだからこれ以上問題を起こすんじゃねぇぞ。さすがの俺でももう今日は対処しきれないからな。何なら早く寝たいまである。つか寝かせてくれ。割とガチで身体がしんどい。
「ほら、手を出せ」
「それすらも無理………」
「ったく………」
グリーンが手を出して俺のことを起こそうとしてくれたが、それすらも無理な状況。これマジでピンチだわ。いつ意識が遠のいてもおかしくないレベル。
「車椅子用意してきてやるよ」
「車椅子があることに驚きだわ………」
いや、もうほんと介護される側だな。いつから俺は年寄りになったんだか。
「イロハ、取り敢えずリザードンたちを一度ボールに戻してもらえるか?」
「あ、はい、分かりました」
隣でずっと手を握っているイロハにグリーンが戻ってくるまでの間、リザードンたちをボールに戻してもらった。あのゲッコウガですら。久々のボールの中である。あいつのポケモンであるニダンギルたちのボールはイロハに持たせてあるし、大丈夫だろう。
「悪いな」
「悪いと思うなら無茶しないでください」
「そりゃそうだ。自業自得だわな」
でも無茶しなきゃいけない時ってのもあるからな。ただ、最近はそれが多過ぎる気もする。特にカロスに行ってからというもの、追いかけ回されている気分だ。
「あ、そうだ」
何かに気づいたらしいポニーテールの少女? が俺のところへとやってきた。
「えい!」
「え………?」
そして右手を両手で覆われるというね。
え、なにこれ。どゆこと?
「せ〜ん〜ぱ〜い〜?!」
「い、いや、俺に言うなよ。俺も何がなんだか分かっちゃいないんだから」
「そう怒ってやらないでくれよ。イエローには不思議な力があるんだ。その力なら多少動けるようになるかもしれないぜ」
「はい………?」
それを見ていたレッドさんが説明してくれたが、全く以って意味が分からん。不思議な力? その力で多少動けるようになる? いやもうそれ人間じゃないでしょ。ポケモンと言われた方がしっくりくるわ。
「あ………」
「今度は何ですか」
「マジだわ」
「はっ?」
ちょ、怖いから。怖いからね、いろはすさん!
声のトーンがガチなやつ。決して乙女が出していい声じゃなかったぞ!
「いや、だからマジでちょっと身体が軽くなったような気がする」
「マジですか………。信じられませんよ」
「イエロー、力の使いすぎには注意しろよ。さすがに今寝られては困る」
「は、はい、グリーンさん!」
戻ってきたグリーンが力の使いすぎを注意しているが、使いすぎると寝ちゃうんだな。これ、俺が寝るかこの子が寝るかのどっちかだったりするんじゃね?
「ほら、今度こそ手を出せるだろ」
「………いけるな」
「なら、せーの!」
俺の手をガッシリと掴んだかと思うと、掛け声とともに俺を引っ張り上げた。そしてまた押された。
え、何故押されたのん?
「お、おおおおおっ?!」
後ろに倒れると思った矢先、ボフン! と尻から着地した。どうやら車椅子を滑り込ませていたようだ。それならそうと言ってくれればいいものを。無駄に驚いたじゃねぇか。
「あとは任せる」
「はい! イエローさんもありがとうございます!」
「いえいえー」
「ゴールド、犯人は確保してあるな!」
「うす! ばっちりッスよ!」
事後処理はグリーンたちに任せよう。俺はもはや使い物にならない。大人しくイロハに車椅子を押してもらっているとするか。
というかゴールドのやつ、いつの間にタマナワたちを回収してたんだよ。俺ですら存在を忘れかけてたってのに。しれっと仕事しやがって。
「もしや、どこかでお会いしましたかな?」
「あー、ハンダさん、お久しぶりですね」
「む?! ………どこでその名を?」
ちょ、いきなり距離詰めないでもらえますかね。ドキッとしちゃったじゃん。それが中年のおっさんとか悲しいだけなんだぞ?
「………国際警察、コードネームはハンサム。潜入時にはハンダサムロウという名で潜り込む元組織犯罪捜査官。ロケット団残党の殲滅からギンガ団の追跡、イッシュ地方でも何かやってたみたいですけど」
「なぜ私の経歴を?!」
まあ、そりゃ驚くか。これだけ知ってたら俺だって警戒するし。
「忠犬ハチ公といえば伝わりますかね」
「むむむ!? もしやあのロケット団殲滅作戦の時の!」
やはり忠犬ハチ公という名前は最強だな。しかもハンダさんはロケット団殲滅作戦の時には同じ班にいたのだ。接点がないわけではない。
「どうやら思い出してもらえたみたいですね」
「うむ。だが、まさか君があの時の少年だとは思いもしなかったな」
「そりゃあの頃は本名を隠して活動してましたから」
「それで忠犬ハチ公であるか」
「名前だけが一人歩きしてくれたおかげで俺に近寄る者がいなくて助かりましたよ」
「………先輩、相変わらず一人を満喫しようとしてたんですね」
「それが一人いたんだよなー、俺のストーカーが」
「ああ、ユキノ先輩ですか」
そう、あいつだけは俺を追いかけ回してきたストーカーだ。俺も完全に突き放そうとまではしていなかったのもあるだろうが、早々に諦めてもいたんだと思う。ザイモクザは簡単に巻けたのに。しぶとかったんだなー。
「あいつ、俺のこと好きすぎるだろ」
「当時のことは知り得ませんから何とも言えませんけど、先輩の無自覚さが原因なんですよ」
「はいはい、すみませんね」
「では、この後今回のことについて中でお話し願いたい」
「そうっすね。俺の私見でよければ」
多分、カラマネロのこととか話さないといけないのだろう。だが、俺にも分かっていないことは多いし、そこははっきりさせておきたいところだ。
操り人形と化していたであろうタマナワたちも、叩き起こして尋問するってのも手段として挙げておく必要があるかもしれないな。
行間
ヒキガヤハチマン 持ち物:キーストーンetc………
・リザードン(ヒトカゲ→リザード→リザードン) ♂
特性:もうか
覚えてる技:かえんほうしゃ、メタルクロー、かみつく、おにび、えんまく、はがねのつばさ、かみなりパンチ、ドラゴンクロー、シャドークロー、つばめがえし、りゅうのまい、かみくだく、カウンター、じしん、フレアドライブ、ブラストバーン、げきりん、じわれ、だいもんじ、ソーラービーム、リフレクター、はらだいこ、ぼうふう、ねっぷう、あなをほる、れんごく、かげぶんしん、ブレイズキック
特別な技:せいなるほのお、ゴッドバード
飛行術
・ハイヨーヨー:上昇から下降
・ローヨーヨー:下降から上昇
・トルネード:高速回転
・エアキックターン:空中でターン
・スイシーダ:地面に叩きつける
・シザーズ:左右に移動して撹乱
・ソニックブースト:ゼロからトップに急加速
・コブラ:急停止・急加速
・ブラスターロール:翻って背後を取る
・グリーンスリーブス:連続で攻撃して空中に釣り上げる
・デルタフォース:空中で大きな三角形を描くように連続攻撃
・ペンタグラムフォース:空中で五芒星を描くように連続攻撃
・バードゲージ:スピードを活かして相手の動きをコントロールしていく
・スモール・パッケージ・ホールド:背面飛行で相手の下を飛行する
・ゲッコウガ(ケロマツ→ゲコガシラ→ゲッコウガ) ♂
特性:きずなへんげ(へんげんじざい→きずなへんげ)
覚えてる技:みずのはどう、あなをほる、かげぶんしん、れいとうパンチ、れいとうビーム、つばめがえし、ハイドロポンプ、くさむすび、グロウパンチ、えんまく、がんせきふうじ、いわなだれ、まもる、かげうち、みずしゅりけん、どろぼう、つじぎり、ハイドロカノン、めざめるパワー(炎)、とんぼがえり、とびはねる、ほごしょく、けたぐり、ぶんまわす、あくのはどう、どろあそび、ふぶき、たたみがえし、ダストシュート
・ジュカイン(キモリ→ジュプトル→ジュカイン) ♂
持ち物:ジュカインナイト
特性:しんりょく←→ひらいしん
覚えてる技:でんこうせっか、リーフストーム、リーフブレード、ドラゴンクロー、タネマシンガン、ギガドレイン、かみなりパンチ、スピードスター、くさむすび、ソーラービーム、エナジーボール、シザークロス、くさのちかい、マジカルリーフ、タネばくだん、こうそくいどう、つめとぎ、いやなおと、こうごうせい、くさぶえ、やどりぎのタネ、グラスフィールド、なやみのタネ、ハードプラント、つばめがえし、ものまね、みがわり、じならし、アイアンテール、けたぐり、つじぎり、グロウパンチ、まもる、ぶんまわす、あなをほる
・サーナイト(ラルトス→キルリア→サーナイト) ♀
特性:シンクロ
覚えてる技:リフレクター、ねんりき、まもる、テレポート、マジカルリーフ、シャドーボール、マジカルシャイン、トリックルーム、シンクロノイズ、サイコキネシス、いのちのしずく、しんぴのまもり
・ウツロイド
覚えてる技:ようかいえき、マジカルシャイン、はたきおとす、10まんボルト、サイコキネシス、ミラーコート
控え
・ヘルガー ♂
持ち物:ヘルガナイト
特性:もらいび←→サンパワー
覚えてる技:かみつく、ほのおのキバ、ふいうち、おにび、かえんほうしゃ、かみくだく、れんごく、ほえる、はかいこうせん、アイアンテール、あくのはどう、みちづれ、だいもんじ、ハイパーボイス、ヘドロばくだん、ちょうはつ、ほのおのうず、まもる
・ボスゴドラ ♂
持ち物:ボスゴドラナイト
特性:がんじょう
覚えてる技:ロックブラスト、あなをほる、なげつける、メタルクロー、アイアンヘッド、アイアンテール、てっぺき、メタルバースト、ボディパージ、ヘビーボンバー、ロックカット、ほのおのパンチ、もろはのずつき、ラスターカノン、ドラゴンダイブ、でんじふゆう、だいちのちから、カウンター、ばかぢから
ゲッコウガ
・ニダンギル(ヒトツキ→ニダンギル)
特性:ノーガード
覚えてる技:ラスターカノン、せいなるつるぎ、つばめがえし、かげうち、つじぎり、シャドークロー、きんぞくおん、いわなだれ、かわらわり、まもる
・キリキザン
特性:まけんき
覚えてる技:つじぎり、くろいまなざし、ロックカット、メタルクロー
・アギルダー
特性:うるおいボディ
覚えてる技:スピードスター、むしのさざめき、ギガドレイン、みずしゅりけん、こうそくいどう、かげぶんしん、こころのめ、はたきおとす、バトンタッチ
・メタグロス(ダンバル→メタング→メタグロス)(色違い)
覚えてる技:ラスターカノン、じならし、ひかりのかべ、サイコキネシス、メタルクロー、コメットパンチ、まもる
イッシキイロハ 持ち物:キーストーン、りゅうのウロコ
・マフォクシー(フォッコ→テールナー→マフォクシー) ♀
特性:もうか
覚えている技:かえんほうしゃ、ほのおのうず、ソーラービーム、にほんばれ、ワンダールーム、スキルスワップ、メロメロ、ニトロチャージ、マジカルフレイム、シャドーボール、ブラストバーン、だいもんじ、サイコキネシス、トリックルーム、まもる
・フライゴン(ナックラー→ビブラーバ→フライゴン) ♂
特性:ふゆう(ちからずく→ふゆう)
覚えている技:ギガドレイン、かみくだく、むしくい、じならし、すなじごく、がんせきふうじ、りゅうのいぶき、ばくおんぱ、だいちのちから、りゅうせいぐん、ドラゴンダイブ、ストーンエッジ、じわれ、げきりん、ソーラービーム、はかいこうせん、にほんばれ
・デンリュウ(モココ→デンリュウ) ♀
持ち物:デンリュウナイト
特性:せいでんき←→かたやぶり
覚えてる技:ほうでん、シグナルビーム、わたほうし、コットンガード、エレキネット、でんじは、パワージェム、でんじほう、アイアンテール、りゅうのはどう、こうそくいどう、じゅうでん、げきりん
・ガブリアス(フカマル→ガバイド→ガブリアス) ♂
特性:さめはだ
覚えてる技:あなをほる、りゅうのいかり、ドラゴンクロー、りゅうせいぐん、ステルスロック、ドラゴンダイブ、げきりん、アイアンヘッド、アイアンテール、メタルクロー、がんせきふうじ
・ラプラス ♀
特性:ちょすい
覚えてる技:れいとうビーム、フリーズドライ、あられ、ぜったいれいど、でんじほう、げきりん、みずのはどう、ほろびのうた
・ボルケニオン
覚えてる技:スチームバースト、ハイドロポンプ、オーバーヒート
控え
・ヤドキング ♂(校長からの贈り物)
覚えてる技:サイコキネシス、みずでっぽう、パワージェム、まもる、うずしお、ずつき、トリックルーム、シャドーボール、でんじほう、かえんほうしゃ、きあいだま、いやしのはどう、ふぶき
・ガチゴラス(チゴラス→ガチゴラス) ♂
特性:がんじょうあご
覚えてる技:げきりん、かみくだく、ドラゴンテール、ふみつけ、いわなだれ、アイアンテール、ストーンエッジ、りゅうのまい
・シードラ(タッツー→シードラ) ♀
持ち物:ピントレンズ
特性:スナイパー
覚えてる技:げきりん、シグナルビーム、ハイドロポンプ、ラスターカノン、こうそくいどう、えんまく、きあいだめ
・コドラ(ココドラ→コドラ) ♂
特性:いしあたま
覚えてる技:ドラゴンダイブ、じならし、メタルクロー、みずのはどう、がんせきふうじ、アイアンヘッド、ロックカット
レッド 持ち物:キーストーン
・フシギバナ フッシー
持ち物:フシギバナイト
特性:しんりょく←→あついしぼう
使った技:ソーラービーム、ハードプラント
・ピカチュウ ピカ
特性:せいでんき
覚えてる技:かみなり、ボルテッカー、アイアンテール、でんこうせっか、でんじは、かげぶんしん
・ニョロボン ニョロ
特性:しめりけ
覚えてる技:れいとうパンチ、れいとうビーム、かげぶんしん
・プテラ プテ
特性:いしあたま
覚えてる技:ドラゴンクロー、はかいこうせん、そらをとぶ、ゴッドバード、ちょうおんぱ
・ギャラドス ギャラ
特性:いかく
覚えてる技:ハイドロポンプ、げきりん
・カビゴン ゴン
特性:めんえき
覚えてる技:じしん
グリーン 持ち物:キーストーン
・リザードン
持ち物:リザードナイトY
特性:もうか←→ひでり
使った技:ブラストバーン
・ハッサム
特性:むしのしらせ
使った技:はがねのつばさ
ブルー
・カメックス カメちゃん
使った技:ハイドロカノン
イエロー
・バタフリー ピーすけ
特性:ふんがく
使った技:いとをはく
・ゴローニャ ゴロすけ
特性:がんじょう
ゴールド
・バクフーン バクたろう
特性:もうか
覚えてる技:かえんほうしゃ、かえんぐるま、ブラストバーン
・エテボース エーたろう
特性:テクニシャン
覚えてる技:ダブルアタック、こうそくいどう、バトンタッチ
・ニョロトノ ニョたろう
特性:ちょすい
覚えてる技:ばくれつパンチ、さいみんじゅつ
・ウソッキー ウーたろう
特性:がんじょう
覚えてる技:がんせきふうじ
・トゲキッス トゲたろう
特性:はりきり
覚えてる技:ゴッドバード、すてみタックル
・ピチュー ピチュ
特性:せいでんき
覚えてる技:ボルテッカー
ツワブキダイゴ
・メタグロス
持ち物:メタグロスナイト
特性:クリアボディ←→かたいツメ
覚えてる技:コメットパンチ、サイコキネシス、メタルクロー、バレットパンチ、アームハンマー、ジャイロボール、のしかかり、ギガインパクト、てっぺき、こうそくいどう、まもる
シロナ
・ガブリアス ♀
特性:すながくれ
覚えてる技:ドラゴンダイブ、りゅうせいぐん、はかいこうせん、ストーンエッジ、すなあらし
・ミカルゲ ♀
特性:プレッシャー
覚えてる技:サイコキネシス、でんげきは
リラ
・ライコウ
使った技:かみなり
・ボーマンダ
使った技:だいもんじ、りゅうのいぶき
・ムウマージ
使った技:ゴーストダイブ
ククイ博士
・ガオガエン
使った技:DDラリアット→ハイパーダーククラッシャー
サカキ
・スピアー
特性:むしのしらせ
使った技:どくづき
チームタマナワ
タマナワ
・カポエラー
覚えてる技:トリプルキック、インファイト、とびひざげり
・ゴローニャ
覚えてる技:ころがる、いわなだれ、あなをほる、まもる
・ドンカラス(ヤミカラス→ドンカラス)
覚えてる技:ブレイブバード、ねっぷう
・クロバット
覚えてる技:ヘドロばくだん、ねっぷう
・ニドキング
覚えてる技:なげつける、まもる
・ドダイトス
覚えてる技:あなをほる、まもる
メガネ
・ラッタ
覚えてる技:すてみタックル
・モルフォン
覚えてる技:サイコキネシス
・マルマイン
覚えてる技:かみなり
黒短髪
・ドードリオ
覚えてる技:ブレイブバード
・ストライク
覚えてる技:シザークロス、エアスラッシュ
・デリバード
覚えてる技:つばめがえし
茶髪
・マグカルゴ(マグマッグ→マグカルゴ)
覚えてる技:ねっぷう
・スリーパー
覚えてる技:サイケこうせん、サイコキネシス
・ウツボット
覚えてる技:タネばくだん、リーフストーム