オリジナル国家を日本国召喚に召喚してみた。   作:ATD-X

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前編で書き忘れました。ある小説とゲームのネタも混ぜています。ただ、分かりにくいです。
分かる人いるかな?

そして、いよいよ初戦闘!。
かなり前に書いたきりなのでやや不安です。

後編どうぞ。


第三話「アルタラス使節団、西へ(後編)」

 一行の目に写ったのは大きな地球の世界地図だった。

東南アジアのボルネオ島に赤い点。

ポーランドのダンツィヒ、中国の敦煌市、アメリカ合衆国のハワイとロサンゼルス、

ロシア帝国のモスクワ、スマトラ島中央、ニューギニア東部に青い点が記されており、そこを中心に黒く塗り広げられており外側へ向かうにつれ薄くなっている。

 

 

「事の始まりは我々の世界の暦で1939年9月1日。

世界中に宇宙からの落下物が落下したことでした。この赤と青で示された場所に落下しました」

 

 

地図を指し示しながら熊谷は語る。

 

 

「落下物の正体は地球外――――空から来た侵略者で彼らは、当時は物珍しい隕石と思い

見物に来ていた人々に無差別攻撃を開始し周辺地域を確保。侵略行動を開始しました。

確保された地域は老若男女区別なく殺戮が行われ、多数の死者が出ました」

 

「どれ程の死者が出たのですか?」

 

「最初の攻撃は終結までに三日かかりました。その間の犠牲者は推定になりますが最初の一日で五百万人程。後の二日で八百万で合計一千三百万人になります。当時は戦時では無かったために各国は奇襲を受ける形になり、有効な手を打てず大損害を被りました」

 

 

使節団側はたった三日の犠牲者数が自国の国民に匹敵することに戦慄した。一部のものは展示されている写真に写る文明の高さに興味を示し、その発展した文明に甚大な犠牲者を負わせた降り来るものに恐怖を覚えた。

写真にはそれぞれ不気味な三本脚の機械のような怪物が廃墟を歩いてる姿。空を飛ぶエイのような物体。羽を開いている虫のような怪物。

兵士から攻撃を受け、オレンジ色の体液が流れ出ている人間サイズの虫のような怪物、

黒い甲殻を纏った赤い龍が火を吹いて町を焼いている写真が確認できる

 

 

「この辺りに展示されている写真に写っているのが彼らの戦力です。当時の我々は占領された土地を奪い返そうとしましたが、圧倒的な技術力の前に次々と敗退し逆に占領地域を増やす結果になりました」

 

 

展示されている写真には博物館のエントランスに展示されていた兵器に似た兵器が燃やされたり破壊された様子で写されている。大半は溶かされた様な損傷を確認できる。

 

 

「この結果にこのままでは負けると判断した人類は今までの軋轢を捨て、

当時の国際調停機関である国際連盟を中心に超国家的軍隊、地球防衛軍を設立。

侵略者にはラヴェジャーという名前が名付けられました」

 

 

熊谷が指したボードには解説と共に各国の軍隊が集結している写真や訓練を行っている写真。

更にラヴェジャーと思しき不気味な怪物の死体や頭が削れて動かなくなった

三本脚の怪物が写されている写真。

鼻先に角の着いた白い甲殻を纏った巨龍の死体が写った写真がある。

 

 

「十二年の歳月と一億二千万人の犠牲を払い、我々は地球上からラヴェジャーの基地を殲滅することに成功します。ただ、残存した生物兵器は繁殖能力があるらしく人気(ひとけ)のない場所で巣を作り人類に対して攻撃を仕掛けています」

 

「しかし、ラヴェジャーの残骸を解析する事でもたらされたテクノロジーは我々地球社会に大きな発展をもたらしました」

 

 

写真には三本脚の機械のような怪物が戦車と行軍している姿や、光線を放つ巨大な構造物が写る。

 

 

「こうして問題を抱えつつも我々は復興を進めると共に次に侵略者が襲来した時に備えて軍隊の増強を進めましたが、その最中にこの世界に転移してきました。ここまでが我が国の今までの歴史になりますね」

 

 

猟全共和国の歴史を聞き終えた使節団は改めて彼らが異世界から転移した国家であることを実感した。

 

 

○●

14:15

共和国軍事博物館前

 

 

博物館の見学を終えた使節団は館内で昼食をとった後、博物館の門前に集合し、外務省に向かうバスに乗り込もうとしていた。

ふと、アルタラスの外交官の一人が何かを感じ、顔を上げた。

 

 

「ん?あの動物は何ですかな?」

 

「動物ですか?」

 

「ほら、群れでこちらに接近しているあれですよ」

 

 

猟全が派遣した人員の一人が外交官の指した方向に視線を向けた。そこにはそしてそれを見た瞬間顔が青ざめた。

 

 

ラ、ラヴェジャーだ!ラヴェジャーが来た!

 

「スターズリーダーよりロングアーチ!一号侵略生物を確認!」

 

 

猟全の外交官が指を指しながら叫び、それに反応した護衛の警察官がそれぞれ拳銃――ウェブリー=フォスベリー・オートマチック・リボルバーやモーゼルC96を抜き、パトカーを盾に戦闘態勢に入る。拳銃以外にある者はピストルカービン化した物を、ある者はパトカーに積載してあったサブマシンガンPPSh-41や小銃程の大きさの光線銃を構えている者もいる。

 

 

『ロングアーチよりスターズリーダー、ライトニングリーダー。スターズは前方に展開してラヴェジャーの足止め。ライトニングは来賓を待避させろ』

 

「スターズ了解。みんな!後退しながら前にいる個体から確実に処理して!」

 

「ライトニング了解。使節団の皆さん。我々に着いてきてください!」

 

 

無線でのやり取りを終え指示を出し終えた直後。不気味な声が聞こえた。一号侵略生物と呼ばれたラヴェジャーの咆哮だ。数は十数体程。一号侵略生物の一体が体の後部を、前方に振って糸を放ち、バスに糸を絡めて、思い切り引っ張りひっくり返す。

 

 

「撃て!」

 

 

ダダダァーン、ダダダァーン

 

ダァーン、ダァーン、ダァーン

 

タタタタタタタタタタタタタタタ

 

ピィ゛ーーーー

 

 

隊長の号令で一斉に射撃を行う。狙うは前方にいる一号侵略生物達だ。

45口径の拳銃弾や7.62mm拳銃弾の集中攻撃を、或いは光線を喰らった個体から断末魔を上げ倒れるが、他の個体は気にせず前進し糸を飛ばしてくる。発射を察知した隊員がパトカーから離れて回避し、パトカーが糸に絡めとられ、横転する。

 

 

「装填する!援護を!」

 

「了解」

 

 

スターズが時間を稼ぐ間にライトニングは使節団を博物館に避難させようとしていた。

 

「博物館に立て込もって増援の到着を待ちます。速く!」

 

「わ、わかりました。」

 

 

ライトニングチームが使節団を博物館に誘導する。既に前庭にいた民間人は博物館内に避難している。入り口には二人、リー・エンフィールドとPPSh-41をそれぞれ携行している警備員がこちらに手招きをしている。

しかし、博物館までの道を途中まで進んだときに、一号侵略生物がライトニングチームの右手に見えた塀を破壊し、侵入した。一部の個体がライトニングに気づいてライトニングに接近していた。接近されないように銃撃を行うも徐々に接近されつつある。博物館から警備員が出てきて小銃やサブマシンガンを構えてライトニングチームを援護する。何体か倒しているようだが効果は低いようだ。

 

 

 

「不味い。これじゃ押し負ける」

 

「攻撃力が足りませんよ」

 

 

手持ちの武器に対して敵の数が多すぎる。

死人が出るのを覚悟で突撃するか逡巡するライトニングリーダーに使節団の軍人の中で階級が一番上の人物がライトニングリーダーに声をかけた。

 

 

「我々も手伝いましょう」

 

「待ってください。危険です!」

 

「大丈夫です。皆の者。よく狙え!」

 

 

既に使節団の人間は戦闘準備を整えている。ライトニングリーダーが困惑するなか軍人が叫んだ。

 

 

「放てぇ!」

 

「「「ファイアボール!」」」

 

 

詠唱と共に一斉に放たれた火球が一号侵略生物の群れにに殺到。次々と甲殻虫を倒した。ライトニングチームの隊員が信じられない様子で使節団を見つめる。

 

 

「す、すごい。これが魔法・・・」

 

「スターズチーム。突破口が出来た。早くこっちに!」

 

『了解。みんな!、着いてきて!』

 

 

ライトニングリーダーがスターズチームに撤退を促し、それに反応したスターズリーダーが指示を出し、撤退する。門の方向からスターズチームとスターズチームを追跡する一号侵略生物が見えてきた。

 

 

「スターズの皆さんを左右に分けてください。大きいのを放ちます」

 

「わかりました」

 

 

ライトニングリーダーがルミエス王女の指示に従い、スターズに無線を送る。スターズリーダーは困惑するものの指示に従い部隊を左右に分けた。

それを見届けたルミエス王女は深呼吸をして詠唱を開始した。見つめているのは一号侵略生物と

スターズチームの間の空間だ。

 

 

「英雄を見守りし火よ、我を覆う闇を燃やす紅蓮の(ほむら)となれ。ファイアストーム!

 

 

詠唱を唱え終えた直後、一号侵略生物の前に巨大な炎のうねりが現れ、

一号侵略生物の群れを呑み込み断末魔を上げさせずに焼き付くした。

炎が収まるとそこにあったのは

地面の僅かな焦げ目と一号侵略生物の体液で変色した地面だけだった。

護衛の科学特捜隊や猟全の外交官、博物館の中から様子を伺っていた警備員と市民が絶句する。

スターズリーダーが指令部に連絡を取る。

 

「スターズリーダーよりロングアーチ。一号侵略生物は殲滅。繰り返す。一号侵略生物は殲滅しました」

 

『ロングアーチ了解。やけに増援の到着早いけど何処の部隊?。陸軍?、それとも猟師会?』

 

「使節団の人が魔法で殲滅しました」

 

『は?何やて?魔法?』

 

 

無線で指令部が困惑し素の口調をうっかり出すなか熊谷がポツリと呟いた。

 

 

「ま、魔法ってスゲー」

 

 

遠くからサイレン音と飛行機のプロペラ音が聞こえてきた。

 

 

○●

 

 

同日19:00

猟全共和国、共和国政府第一直轄区宮都市

首相官邸

 

 

あの後、増援が到着し、後始末を行うなか、アルタラス王国使節団は宿泊先の共和国ホテルに移動し、本日の予定を明日に持ち越すことを決定。ホテルにて休息を取った。

 

そして、首相官邸では猟全共和国の国家元首である高野共和国首相が閣僚と閣議を行っていた。

 

 

「つまり、今回のラヴェジャーの巣は完全に破壊されたのだな」

 

 

高野首相の問に強面(こわもて)の国防大臣が答えた。

 

 

「はい。陸軍の対怪獣強襲戦術部隊(マット)(Monster Attack Tactical troopの略)及び地球防衛軍のウルトラ警備隊により完全に破壊しました」

 

「そうか。これで宮都市にラヴェジャーが来ることは当分ないだろう」

 

 

国防大臣の報告に満足そうに高野首相はうなずき、女性の外務大臣の方へ向い訪ねた。

 

 

「使節団はどうか?」

 

「先程申し上げた通り死傷者はいません。彼らが特に興味を示していたのは軍事関連と鉱山の採掘技術や重機でした」

 

「採掘技術に重機?」

 

 

外務大臣の言葉に閣僚の中で一番年を取っている国土交通大臣が反応する。鉱山の管轄は国土交通省が担っている。自分の担当はアルタラスのインフラのみと思っていたために疑問の声を上げた。

 

 

「国内に魔石と呼ばれる鉱物資源の採れる鉱山があるらしく、我が国の炭坑及びタングステンやニッケル等の鉱山の採掘技術に関心を示していました」

 

「なるほど」

 

 

国土交通大臣は合点がいったようで、うなずいた。

次に一番若い経済産業大臣の質問が国土交通大臣に飛ぶ。

 

 

「アルタラスが求める重機や戦車は輸出については可能ですか?」

 

「アルタラス王国のインフラがどれ程の物か判断できないので何とも・・・。技術レベルは地球の16世紀相当。だが魔法という物があるから文明は同時期の地球より、発展しているはずだ。かといって下手に高性能なものを輸出すれば運用できないだろう」

 

 

高野首相が国土交通大臣の言葉に頷きながら答える。

 

 

「そこはアルタラス王国を調査しなければわからないが、恐らく予備兵器やスクラップから輸出になるだろう。話しは変わるが資源はどうなっている?」

 

「資源に関しては、朱鷺舞(ときまい)海底油田がようやく稼働しました」

 

 

眼鏡を掛けた戦災復興大臣の言葉に安堵の声が上がる。

朱鷺舞油田とは猟全共和国本土の北西に位置する朱鷺舞州の土師(はし)島に位置する油田で戦前から開発が進められていた油田の一つだ。ラヴェジャーの襲来で一時開発が中断されていたものの、戦後に開発が再開された油田だ。

 

 

「これで石油資源に関しては一息つけたか」

 

「はい。これで木炭車とおさらばです」

 

 

安堵の声を遮るように国土交通大臣が諌めた。

 

 

「まだこれからだ。油の供給源が一つ増えただけだ」

 

「南東部の五十(いそ)島州の油田が稼働していないですしね」

 

国防大臣が国土交通大臣の言葉に同意する。

 

 

「原油の供給源について一つ気になることを使節団の方から聞けました」

 

「気になること?」

 

「はい。外交官の一人が原油に関してさりげなく聞いたところ、東の文明圏外にあるクイラ王国

という国では燃える水が自然に沸きだし、それをムー帝国という列強国が利用していると」

 

 

外務大臣の報告に静まり返った。直ぐに高野首相が脳内で今後の方針を決めた。

 

 

「外務大臣。アルタラス王国との国交を結んだら

直ぐにクイラ王国とムー帝国への仲介を依頼しろ」

 

「分かりました」

 

 

閣僚会議は一時間後に終了した。猟全共和国は一先ずクイラ王国とムー帝国との国交締結を目指して動き出した。

 

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