オリジナル国家を日本国召喚に召喚してみた。   作:ATD-X

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いよいよ待ちに待った日本との接触です。

後、話は変わりますが、
第五話で「蛙に似た巨人」の部分を蛙に似た人間に
戦闘機を追撃機に変更しました。

それではどうぞ。


第七話「日本国の謎を追え!」

中央歴1939年3月4日PM17:35

日本国海上自衛隊佐世保基地

応接室

 

 

 

巡視船あぐにから日本の同盟国と名乗る猟全共和国の出現の報告に日本政府は困惑しながら、

護衛艦を派遣。猟全共和国の艦隊を佐世保へ案内させ、同時に外交官を佐世保に派遣。

更に第三艦隊の戦闘機との接触の情報を入手していたアメリカが、

交渉に同席したい旨を日本に要望。最終的に日米の外交官と

自衛官と米軍人が接触することとなった。

 

一方の猟全側は、巡視船の案内の元に佐世保へ到着したが自分達の知る佐世保とは異なる光景に

困惑した。

艦上からみる佐世保は、地形はほとんど同じながら自分達の知る佐世保と比べ、

かなり発展しており、停泊している艦艇も砲が一門しかない重巡洋艦か空母か奇妙な形の

潜水艦しか存在しない。

 

両者共に不安を抱えながら望んだ会談で明らかになった互いの正体に一同は驚きを隠せなかった。

 

 

 

「六年程とはいえ第二次世界大戦が人類同士の凄惨な戦いとは・・・。

まるで架空戦記のような歴史ですな」

 

「我々から見ればあなた方の地球の歴史も空想科学映画のようにしか見えません」

 

 

深沢司令と外務省から派遣された古川外交官が言葉を交わす。

他の人間も困惑しながら資料や相手を見ている。

古川が深沢に向かって言った。

 

 

 

「取りあえず本格的な交渉はそちらの外交官が来た後になりますね。」

 

「我々も同盟国の状況の調査を目的としていましたから。まさか、一から国交を結ぶはめに

なるとは思いませんでした」

 

 

深沢は苦笑いしながら答えた。

元々第三艦隊に乗っていた外交官はクワ・トイネとクイラ交渉のために乗っており、

キリタチ率いる分遣隊には外交関係の人間は一人もいない。

 

日米と猟全の両者は現状では外交活動は行えないと互いに判断。

一先ずはその前準備として、会談を行うこととなった。

 

 

「しかし、平行世界と言えど流石に五十年も経てばかなり発達してますな」

 

「佐世保は九州で九番目に人口が多いですし、明治時代から造船と国防の街として

発展してきました。現在でも造船が盛んで海上自衛隊や在日米海軍が駐留しています」

 

 

アメリカ大使館から派遣された外交官のジョンソンの言葉に深沢は頷き、再度訪ねた。

 

 

「国防の街・・・やはり最新鋭の兵器が配備されているのでしょうか?」

 

「そうですね。国防上重要な拠点の一つですので優秀なものが揃っています」

 

 

ジョンソンの言葉に深沢がなるほどと呟きながら頷いた。

 

 

「やはり最新鋭のミサイルや電磁砲や怪力光線砲の配備を?。或いは携行可能な物を既に一般配備しているのでしょうか?。出来れば我が国にも欲しいですな」

 

「え?電磁砲に怪力光線ですか?」

 

 

ジョンソンが戸惑いながら聞き返した。

 

 

「はい。貴国ではレールガンやメーサーと呼んでいますが、我が国ではそれらの装備は専門の部隊にしか配備されておりません。もしや、そちらの時代でも未だに一般部隊への普及が

進んでいないのですか?」

 

 

日米側の人間に困惑した空気が流れる。古川が戸惑いながら猟全側の人間に言った。

 

 

「深沢司令の言った最新鋭の兵器はミサイル以外は全て特撮映画や小説にしか存在しません。我が国どころか我々の地球では未だ開発段階です」

 

「電磁砲や怪力光線はこちらの地球では三十年代に理論が組み立てられてるんですよ。配備されてないとはいくらなんでも・・・」

 

「嘘ではありません。本当です」

 

 

今度は猟全側に困惑した空気が流れる。並行世界とはいえ五十年も先の未来から来たのだから当然自分達の配備する兵器よりも高レベルの水準の物も配備されていると思ったからだ。

 

 

「そもそも、軍事兵器の類いは現在新世界技術流出防止法により

輸出禁止となってますので輸出は無理でしょう」

 

「そうですか」

 

 

深沢は残念そうに言った。自分達にとっては同盟国だが、日本側からしてみれば、

得体の知れない国だ。輸出に慎重になるのも無理はない。深沢は引き下がった。

 

 

「ところでさっき言っていたメーサーやレールガン運用の専門部隊なのですが、どのような部隊が存在するのですか?」

 

 

古川が訪ねた。随行している自衛官や米軍人も興味深そうだ。

 

「はい。ラヴェジャー由来の技術。我々はRavager Over Technology、略してROTと呼んでいます。それらに由来する技術を使った兵器を専門的に扱う部隊が運用しています。

まずは警察の科学特捜隊。それから陸軍のMATに地球防衛軍のウルトラ警備隊猟全支部の三つが

現在我が国に存在するROT運用部隊ですね」

 

「え?」

 

 

部隊名を聞いた一部の日米の人員が驚いたようすで深沢を見つめた。

見つめられている深沢や他の日米の人員は深沢をなぜ見つめているか分からず困惑している。

 

 

「もしかしてジェットビートルやウルトラホークが飛んでいるのか」

 

「バカ。今話すことじゃないだろ」

 

 

部隊名を聞いた米軍人の呟きを自衛官が小声で諌めた。それを聞いた深沢が米軍人を興味深そうに見つめ、米軍人が居心地悪そうに目をそらす。深沢が古川に訪ねた。

 

 

「なぜそちらの軍人は地球防衛軍の汎用輸送機と戦闘爆撃機の名前を知っているのですか?」

 

「それもあるのか。っと失礼」

 

 

古川が目を輝かせながら思わず声に出してしまった。

直後、うっかり声に出してしまったことに気付いて、咳き込んだ後に深沢の質問に答えた。

 

 

「深沢司令が言った部隊名と先ほど聞こえた航空機の名称は我が国で有名な特撮ドラマに登場するものなのです。そのドラマの舞台となった年代も1960年代だったので先に話された宇宙からの

侵略者の話も相まって驚いたのです」

 

「なるほど。時間があれば私も見てみたいです。こう見えて私はSFが好きで、昔はよく少年雑誌にかじりついていました。今でもウェルズやヴェルヌの小説を愛読してます。

しかし、まさか宇宙戦争や異世界転移が実際に起きるとは思っていませんでしたよ・・・」

 

 

深沢は苦笑しながらそう言った。

 

 

その後は日米と猟全は幾つかのやり取りをした後に、会談は終了した。

この後猟全側は一晩佐世保で過ごした後に、翌朝ロデニウス大陸へ向かい本隊と合流するために出港する予定だ。

 

 

 

○●

 

会談が終わった後に、外交官である古川とジョンソンは基地内の喫煙所で話し合っていた。

 

 

「私は猟全のいた世界がウルトラシリーズの世界ではないかと疑ってます」

 

「私はそうは思いません。少なくとも宇宙人との戦争と名前が合ってただけで判断するのは時期尚早だと思いますが・・・」

 

 

二人とも難しい顔をしながら喫煙していた。

二人は万が一猟全がウルトラマンと同じ世界から来ていて且つラヴェジャーが投下した怪獣や生物兵器の残存個体、或いは猟全の存在を察知して次元を越えて此方に攻撃を仕掛けた場合、

日本を始めこの世界に存在する戦力で対応できるかどうか話し合っていた。

 

二人とも最低限の軍事知識はあるものの古川はウルトラシリーズのファンであるため

知識は揃っているが、ジョンソンは有名な特撮であることしか知らない。

 

 

「対艦ミサイルを空中や地上に当てれるように改造するのは必須として

他に何かやれそうなことは・・・」

 

「猟全から実用化されたレールガンやレーザーにメーサーを輸入。各種NBCの防護。

後は市街地に送り込まれる場合の対処」

 

「送り込まれる前に円盤や基地を叩けば解決するのでは?」

 

「いや、超獣と呼ばれる怪獣より強力な能力を持つ敵が存在するのですが、そいつらは空間を割りながら突然現れていきなり暴れるので・・・」

 

「そんなのがいるのですか?」

 

古川はジョンソンに頷きながら、厄介な怪獣にも言及した。

 

「後、四次元怪獣のプルトンは怪獣も呼び出します。それと、個人的に厄介なのがヤメタランスとモエタランガですね」

 

 

「そのダサいネーミングの怪獣はどんな性質を?」

 

「前者は特殊な放射能で労働意欲を徹底的に減退させて社会的危機を。後者は人間の生体エネルギーを強制的に燃焼させることで、一時的な高揚状態にした後、燃え尽き症候群を誘発して、最悪死に至る。後、前者は食べれば食べるほど質量と大きさが大きくなってましたね。

地盤沈下もしてたような・・・」

 

 

ジョンソンは古川の解説に顔をしかめながらタバコを吸い殻入れに入れた。

 

「取りあえず、上に報告して対策を練る。これくらいしか出来ることはないですね」

 

 

ジョンソンの言葉に同意した古川が言葉を発した。

 

「そうですね。そろそろ戻りますか?」

 

「そうします」

 

 

二人の外交官は喫煙所を後にした。

 

この(のち)ジョンソンと古川は互いの上層部にこの会談の内容を報告。日本政府は新たな国家を迎え入れる準備と共に米軍と合同で彼らが懸念していた、

ウルトラシリーズの存在についても調査することを決定した。

後に北方領土に存在していたロシアも巻き込んだ調査は最終的に

猟全の詳細を知るだけに終わった。

 

 




サブタイトルの元ネタは
ウルトラマンA第六話「変身超獣の謎を追え!」
ゲストのムラマツ・・・ではなく宇宙飛行士小山隊員が超獣に乗っ取られて
TACと戦う話です。


猟全共和国の設定は後は海軍を残すのみ。
作品全体だとエクリプセとインベーダー、ラヴェジャーのみ。
とても多い・・・。

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