次回はもっと早く更新できるように頑張ります。
ランタビの町に着いた俺は大通りを真っ直ぐ歩いて、冒険者ギルドを目指している。
冒険者ギルドを目指して歩いていると、獣人やエルフ、アマゾネスといった色々な人達とすれ違っていく。確か多民族国家なんだっけ?
冒険者ギルドは三階建ての建物で、目立ったので迷わず着くことが出来た。
「これが冒険者ギルドか・・・・・・よし」
俺は覚悟を決めてギルドの扉を開けて、ギルドの中に入っていく。
ギルドに入ると中に人がたくさんいた。酒場のバーカウンターでお酒を飲んでいる人達、テーブルの上で食事をしている人達、難しい顔で何かを話し合っている人達は仕事についての相談かな?
そして掲示板の前でクエストを選んでいる人達がいる。ここが冒険者ギルドか・・・・・・受付はあの掲示板の隣のカウンターかな?
「取りあえず、行ってみるか」
俺は意を決してカウンターに近づく。カウンターには数人の女性が座っており、俺は緑色の髪の女性に話しかけた。
「あの、すいません。冒険者登録したいんですが」
「冒険者登録ですね。登録料として銀貨三枚いただきます」
「あ・・・・・・ええとこれでいいですか?」
俺は金貨の入った袋から金貨を一枚取り出して受付の女性に渡す。
「ええ、銀貨七枚のおつりです」
「ありがとうございます」
「ではこちらのカードにお名前を書いてください」
「分かりました」
受付の女性はおつりと一枚のカードを渡してきた。銀貨十枚で金貨一枚分か。
これに名前を書けば良いんだな。
俺は渡されたカードに名前を書いて受付の女性に渡す。エリスさんに教わってこの国の文字で書いたけどあってるかな?
「お願いします」
「確かに受け取りました。リョウマ・ミツルギ・・・・・・あっ、最薙の国の出身ですか?」
カードに書かれた名前を見て受付の女性は俺が最薙の国の出身と勘違いする。
「あっ、いえ違います。似た国の出身です」
「そうですか・・・・・・すいません、最薙の国の出身の方と似たような響きの名前だったので」
「いえ、気にしないでください」
勘違いだと知って謝ってくるが、そんなに気にしてないからいいかな。
「失礼しました。では、このカードに血を一滴、垂らしてください」
「ええと・・・・・・わ、分かりました」
針を渡されて、困惑しながらも針で指を指して血を一滴、カードに向けて垂らした。
すると、カードは光り出した。・・・・・・えっ、何コレ。
光が収まると、受付の女性はカードをじっくりと見て俺にカードを渡してきた。
「これで登録が完了しました。ミツルギさま、これであなたは冒険者ですが・・・・・・申し訳ありませんが、しばらくの間研修を受けて貰います」
「研修? 何でですか?」
「それは初心者は魔物の弱点や切り取る部位など採取できるアイテムなどを指導するためです。何も知らずに冒険に出て命を落とす初心者が多かったためにこのような措置を執りました」
「そうなんですか。では、よろしくお願いします」
受付の女性に言われて納得した。確かに右も左も分からない冒険者が冒険して死亡しても責任とれないしね。
俺も採れるアイテムとか分からないからな。そう言うのを教えてもらえるならありがたい。
「分かりました。ミツルギ様はこの国の文字は読めますか? 冒険者になる人の中には文字が読めない人達が居るので」
「あーすいません、少ししか読めません」
「そうですか。では文字の勉強もコースに入れますね」
馬車の中でエリスさんにこの国の文字を教わっていたが、全てを教わったわけではないので文字を学べるのはありがたい。
「ぜひお願いしま・・・・・・ひゃっ!?」
受付の女性に頼もうとしたら誰かに思いっきり尻を掴まれた。
だ、誰なんだ!? さっきまで気配を感じなかったのに・・・・・・しかも何で俺は尻を掴まれてるんだ!?
誰が俺の尻を掴んでいるのか、確認しようと後ろを振り返るとそこには・・・・・・
「あら~❤️あなた中々良い体してるじゃな~い❤️」
スキンヘッドの大男がいた。何故かオネエさん口調で。
「へっ?」
俺は思わず変な声を出してしまった。予想外なことが起きて思考が停止してしまったらしい。
「まだまだ鍛えたりないわね~でも、これから鍛えたら面白いことになりそうねぇ~❤️」
俺の尻をなでながら俺のことを見定めているオネエさん・・・・・・誰なんだいったい。
「あ、あの・・・・・・すいません、あなたは・・・・・・?」
「もう、ギルドマスター! ミツルギ様がお困りですからもうやめてください!」
ちょっと困っていると受付の女性が怒ってオネエさんに詰め寄る。
成る程、ギルドマスターね・・・・・・ギルドマスター!?
俺はオネエさんの正体を知って驚く。ギルドマスターってギルドで一番偉い人のこと・・・・・・この人が!?
「ぷはははっ! あの坊主、ギルドマスターの洗礼を受けてたやんの!」
「だけど、ギルドマスターに気に入られているってことはあいつは将来有望なんじゃねえのか?」
「面白そうなことになりそうだな」
酒場で酒を飲んでいる冒険者らしき人たちは、セクハラされているのを見て笑っている。
「も~堅いわね~エルネスちゃん。アロンダイトよりガッチガッチに堅すぎよ~。そんな堅すぎるから彼氏できないのよ~」
「か、彼氏がいないのは関係ないじゃないですか-! 私だって彼氏ほしいのに!」
受付の女性、ギルドマスターにはエルネスちゃんと呼ばれていた人は机をガンガンと悔しそうに殴っている。
彼氏いないんだ・・・・・・俺も彼女いない歴=年齢だけどな。
「ええと・・・・・・」
「あっ、名乗り忘れていたわねぇ~。あたしの名前はイキョウ・ドルリアン。何か困ったことがあったらあたしに言いなさ~い。手取り足取りナニ取り教えてあげるわよ~」
「イキョウ・ドルリアンさんですね。よろしくお願いします。俺の名前は御劔龍馬です。御劔が姓で名前が龍馬です。最薙の国の出身ではありません」
ギルドマスターのイキョウさんが名乗ってくれたので俺も自分の名前を名乗る。否定をするのが面倒くさいため、最薙の国の出身ではないことを告げておく。
「リョウマちゃんね~よろしく~。じゃあ、あたしがギルドの中を案内するわよ~」
そういって、イキョウさんは腰をくねらせながらギルドの中を案内してくれた。
「受付の隣にあるこのでっかいボードにクエストの依頼書が張ってあるのよ。ここにあるのは下級から中級ぐらいの仕事ね。リョウマちゃんが冒険者になったら受けるクエストはここにあるクエストね。二階にもクエストを受けられる場所はあるけど、そこは上級者向けだからリョウマちゃんにはまだ関係ないところね」
「成る程。だから三階建てなんですね。三階は職員さんたちの部屋ですか? ギルドマスター室とか」
「ええ、もちろんあるわよお~今度、部屋で朝まで語りましょうか。夜の冒険について・・・・・・」
冒険者ギルドの構造について教えてもらう。二階にもクエスト受付の場所があったんだ。
「ギルドマスター! もういい加減にしてください! セクハラしてはだめって毎日言っていますよね!」
いつの間にか復活していたエルネスさんがハリセンでイキョウさんの頭をひっぱたいていた。
この世界にもハリセンあるんだ・・・・・・
「んもう~痛いわねエルネスちゃん!」
「この程度、ギルドマスターじゃダメージにならないでしょ!」
「それもそうね~」
確かにひっぱたかれた頭を撫でるけど、そんなに痛くなさそうだ。
次は酒場に案内してくれた。そこには色々な人たちが楽しそうにしていた。
「ここは酒場。みんなでお酒を飲んだり、ごはんをたべたり情報交換できるすてきなよぉ~。ところでリョウマちゃんは何歳な~の~」
「ええと、十六歳ですけどもうすぐで十七歳になります」
「十六歳ね。ならお酒が飲めるわね~」
年齢について聞かれたため、答える。どうやらこの世界では十六歳ぐらいからお酒が飲めるらしい。
日本では二十歳からじゃないとお酒は飲んではだめだけど、この世界は十六歳ぐらいからはお酒は飲んで良いみたいだな。
うーん、俺はやっぱりまだお酒飲んじゃだめだよな。俺の世界では未成年だし。
「あーすいません。俺の国では二十歳になるまで酒が飲めない仕来りがありまして・・・・・・」
「あら? そうなの~? それなら仕方ないわね。じゃあ、最後はあそこを案内しようかしらぁ」
イキョウさんが最後に案内してくれたのは酒場の近くにあるカウンター。あそこは何だろ?
「ここはクエストで手に入れた素材を売ったり買ったりすることができる所よ~。リョウマちゃんも冒険者になったらどんどん素材を集めて、じゃんじゃん売ってね~。期待してるわよぉ~」
「は、はい。期待に応えられるように頑張ります。
説明しながらイキョウさんは何故かウィンクしてくる。
ここで素材を売るのか。なら、リザードマンの素材を売っておこう。
「あの、すいません。来る中に倒した魔物の素材を買い取っていただきたいのですが、いいですか?」
「良いわよ~どんな素材かしら」
「これなんですけど・・・・・・どうですか?」
俺はカウンターにリザードマンの素材をおいていく。リザードマンの鱗、リザードマンの牙、魔法石を素材の鑑定をする鑑定士に渡す。
魔法石の一つ、リザードマンのリーダーのログの魔法石は、必殺技の威力が高すぎたのか、真っ二つに切れてしまっている。
「うーん、中々良い素材だ。これはおそらく凶暴化したリザードマンの素材だな。凶暴化したモンスターから取れる素材は良い素材が多いんだ。君は凶暴化したリザードマンと戦ったのか?」
「はい。初めて戦ったのでかなり苦戦してしまいましたが何とか倒せました」
戦い方を知らなかったからかなり苦戦してしまった・・・・・・俺は強くならないとな。
もう、後悔しないためにも、
「初めて戦った・・・・・・それは本当か? お前さん、見た感じ、籠手以外武器を持ってないがお前さんが倒したのか?」
「え、ええ・・・・・・ちょっと籠手が魔道具なのでそこに武器を収納しているので。最後、気絶してしまいましたが、俺が全部倒しました」
「そうか・・・・・・とりあえず鑑定額だが、鱗は普段なら一枚、銀貨三枚だがこれは質が良い。だから、銀貨五枚でどうだ? 牙も普段は銀貨二枚だが、質がいいから銀貨四枚。これでどうだ?」
ええと、鱗は数が二十だから銀貨百枚・・・・・・牙は数が五十個だから銀貨二百枚か・・・・・・
十分すぎるかな。
「ええ、お願いします」
「よし、魔法石だが普段は銀貨五枚だが、これも質が良いから銀貨七枚でどうだ? 最後に割れたこの魔法石だが・・・・・・」
大体決まって、あとは真っ二つになった魔法石をつまんでいる鑑定士さん。
うーん、真っ二つだから安くなるのかな?
「こいつは状態がよかったら金貨三枚で買い取るんだが、真っ二つに切れてるから金貨一枚と銀貨五枚でどうだ?」
金貨一枚と銀貨五枚か・・・・・・悪くないと思う。
「この額でお願いします」
「じゃあ、銀貨五百八枚と金貨一枚だ。受け取れ」
「ありがとうございます」
俺は銀貨と金貨の入った袋を受け取った。うーむかなりの量だな。ドラゴンナックラーの中に保管しとこうかな。
「リョウマちゃ~ん、そんなにお金を持ってるとガラの悪い人たちに狙われちゃうわよ? このギルドには銀行があるからそこに預けましょうか」
「あっ、銀行があるんですか。なら、そこに預けます」
銀行があることを知らなかったから、ドラゴンナックラーで保管しようかなと思ったけどぎんこうがあるあるならそっちの方が良いな。
イキョウさんに銀行の場所を教わって、銀行にお金を預けた。
さてと、今度は泊まる場所を探さないと・・・・・・どの宿屋が良いかな。
「ところで、リョウマちゃんは宿は決まってるの? 決まってないんだったらおすすめの宿があるんだけど、どうかしら?」
「おすすめの宿ですか・・・・・・ぜひっ、お願いします!」
イキョウさんのお薦めの宿ならきっと良い宿だろう。何か、そんな気がする。
「じゃあ、教えるわよ。宿の名前は鋼月亭。安くてご飯が美味しいところよ~。ギルドを出て少しまっすぐ歩いて服屋さんの角を曲がったところにあるから。仕事が終わったら朝まで・・・・・・」
「だからセクハラはやめなさいって言ってますよね! このお馬鹿マスター!」
宿屋の名前を聞いた後、イキョウさんはエルネスさんにまたひっぱたかれてる。懲りないな・・・・・・
「ええと、ありがとうございました。また明日、よろしくお願いします」
「はい、リョウマ様、また明日!」
俺は頭を下げてギルドを後にして、ギルドマスターの勧めてくれた宿屋に向かう。
今回の話はいかがだったでしょうか?
キャラが濃い人が出ましたが・・・・・・
次回予告です。
ギルドマスターに勧められた宿屋に向かう途中に龍馬はある店が気になったそこは・・・・・・宝石屋?
次回、「宝石屋と鋼月亭」
今日はジオウの最終回ですね・・・・・・平成ライダーの最後、どうなるでしょうか?