太陽と月   作:黒死牟

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こんにちは!西鬼です!

投稿お待たせしました!
なんやらかんやら忙しがったもので笑

その変わり、
今回の話のラストにはお楽しみが…

それでは、どうぞ〜


光を掴め

十千万旅館 千歌の部屋

 

落ち着かない空気

落ち着かない体

落ち着かない心…

 

とにかく落ち着かない…

 

月「真治!なにボーッとしてるんだよ!」

バシバシと真治の背中を叩く

 

真「痛ってーな!しょうがないだろ?女の子の部屋に来るなんて…初めてなんだから…」

顔を赤らめ、下を向いた

 

今日は2週間後に迫った地区予選に向けて、歌詞合わせをするために千歌の家に集合したのだった

しかし、年頃の女子高生の部屋にズカズカと入れるほど俺は肝が据わってない

 

千「もしかして、照れてるの〜?」

千歌が小馬鹿にした様に言ってくる

 

真「このままおいとましようかな」

 

千「じょ、冗談だってばぁ!」

 

曜がまぁまぁと場を落ち着かせる

梨「2年生組には衣装を頼んでるのよね?」

 

曜「うん!それぞれで分担してやった方が、効率もいいしね!」

 

月「じゃあ早速、歌詞を見せてもらお〜う!」

おー!と黄色い声が飛ぶ

 

真「(ったく、先が思いやられるぜ…)」

体が縮んでしまうかのような深い深い、ため息をついたのだった

 

 

………

 

 

曜「凄い、とてもいい歌詞だよ!」

 

千「ま、まぁ、私ほどじゃないかなぁ…」

 

月「梨子ちゃんの曲とは合いそう?」

 

梨「うん、真治君からイメージはだいたい聞いてたから、ばっちりよ!」

 

千「でも真治君凄いなぁ…誰かに教えて貰ったの?」

 

真「いやぁ、まぁそんな所かな」

自慢そうに頭を掻きながら答える

 

あの時の情景が思い起こされてきた

 

偶然出会ったポニーテールの女性

目鼻立ちはとてもはっきりしていて、スタイルがよかった

できるなら、もう一度会いたいな…

 

 

夢見心地の真治の頬を月が引っ張る

真「いひゃいって、なひふんだよ!?(痛いって、何すんだよ!?)」

 

月「なんか隠してるだろ?」

 

図星だ

 

真「い、いやいやいや!」

抓られた頬を撫でながら後ずさる

曜「真治君、顔赤いよ?」

 

千「なになに?なにかあったの?」

千歌が食い気味に近づいてくる

距離が近い

 

それにドキッとしたのか、真治は逃げるように立ち上がった

しかし、床にあったぬいぐるみにつまづいて派手に転んでしまった

 

真「痛って…」

 

梨「ちょっと大丈夫?」

梨子が体を起こしてくれる

 

月「そんなに動揺してどうしたんだ?」

 

真「ななな、のでもねえよ…」

そっぽを向く

でも、昔から隠し事は苦手だった

 

曜「顔、赤いよ?」

 

真「お願いします、どうか聞かなかった事にして下さい…」

自分の両手で顔を覆いながら答える

その様子に観念したのか、話はここで終わる事になった

 

その時、窓の外からバスの汽笛が聞こえてきた

曜「やばい!終バスだぁ!」

 

月「急げ急げー!」

また明日、という捨て台詞を残して2人は帰って行った

 

梨「じゃあ私もそろそろ帰ろうかな」

梨子が立ち上がる

 

千「ところで、真治君の家ってこの辺だったっけ?」

のんびり構えていた真治の顔から血の気が引いた

 

次の瞬間、悲鳴のような声で叫んだ

真「やっべええ!バス乗り損ねたあ!」

 

ここ内浦から沼津までは結構距離がある

歩いて帰ろうとするのはかなり骨だ

 

悲痛の表情を浮かべる真治の肩を、千歌が優しく叩く

千「じゃあ、家に泊まっていかない?」

とても無垢な顔で言っている

 

真「いや…さすがにそれは迷惑じゃないか?」

真治の心配など聞こえていないかの様な笑顔で、千歌は大丈夫!と言う

本当に聞こえていないのかもしれない

 

梨「いいんじゃない?千歌ちゃんの家旅館だし、明日も学校休みだし、練習場所も明日は目の前の海岸でしょ?丁度いいんじゃない?」

 

 

なんだかんだありながらも、最終的に真治は観念してお世話になることにした

 

今は、旅館の自慢だという温泉に入っている

天然の露天風呂で、ゆっくり休めそうだ

 

真「ふぅ、たまには温泉も悪くないな」

魂が抜けそうになるくらい、ふっーっと息を吐く

 

夕飯もご馳走して貰ったし、本当に頭が下がる思いだった

その時、脱衣所の方から声が聞こえてきた

千「お湯加減はどーお?」

 

志「遠慮なく言ってね」

千歌と、そのお姉さんの志満さんの声だった

 

さっき知ったのだが、千歌は三人兄弟の末っ子なのだ

どうりでお気楽な…

外から千歌のくしゃみが聞こえてくる

 

真「大丈夫です、ありがとうございます〜」

 

そう軽く返事をした時、入口のドアが開く音が聞こえた

千「すごいでしょ?うちの露天風呂!」

 

真「お、おい!何身軽に入ってきてんだよ!」

真治は慌ててお湯の中に体を隠す

千「へ?何って?」

 

志「ち、千歌ちゃん!」

慌てて千歌を連れ戻す

千歌はじたばたしながらも連れていかれる

 

呼吸を整え、心を落ち着かせる

真「無垢ほど怖いものって、無いんだろうな…」

身をもって体感した真治だった

 

 

深夜

真「ね、眠れねぇ…」

布団に包まりながら、真治は助けを求めるかのように枕を掴んでいた

 

それもそうだ

年頃の女子高生が、ベットと床だとはいえ隣に寝ているのだから

今の真治には、朝まで一睡もできる余裕もない

 

真「き、気にしなければいいんだよな?そうだよな?そうだろう…」

必死に自分に言い聞かせる

 

しかし、そんな思いも隣から聞こえてくる優しい寝息に掻き消された

深呼吸を繰り返し、心を落ち着かせる

 

多分、音が大きすぎたのだろう

 

千「…眠れないの?」

 

真「い、いや…なんというか、その…」

千歌は起き上がり、ベットに座る

 

千「ごめんね、私が泊まってなんてわがまま言ったから…」

部屋が暗くて分からないが、微かに瞳が濡れているように見えた

 

真「いや、謝るのは俺の方さ…俺がバスにのりわすれなかったら…」

 

千「私ね!私…」

真治の言葉を遮る

千「真治君に、ずっと聞きたいことがあったの」

 

千歌は真治の体にぴったりと寄り添う

千歌の体温で自分の体が熱くなるのを感じる

いや、熱くなってるのは自分かもしれない

 

千「真治君は…好きな人とかいないの?」

意外な質問に、真治は体を震わせる

真「千歌…もしかしてお前…」

 

千歌が真治の腕を掴む力が強くなる

千「わかってるよ、真治君が誰を好きかなんて……でも、私…」

 

真治は胸がはち切れそうだった

 

誰かを好きになったかなんて

考えた事もなかった

真「俺の、俺の好きなのは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言いかけた時、横で千歌が寝息たてていた

疲れていたのだろう

 

真「まったく、世話がやける…」

真治は千歌を抱え、ベットに寝かせた

 

いつか、いつかきっと…

 

翌日、起きた時にこの話をしても千歌が覚えていなかったのはまた別の話

 

 

早朝

冬の海風に吹かれ、体を身震いさせる

太陽も顔を出しかけているが、辺りはまだ薄暗い

 

真治は旅館のすぐ前にある砂浜で、1人海を見つめていた

ふと隣を見ると、千歌が立っている

柔らかな笑顔で語りかけてきた

千「どうしたの?こんな早くから」

 

真「なあ千歌、この空って…どこに繋がってるのかな」

少し意外そうな顔をした後、ゆっくりと海を見つめる

 

 

千「繋がってるよ、大切な人の所に」

 

その声はとても明るく、自分に言い聞かせているようにも見えた

辺りはまだ薄暗かったが、2人の心の中には暖かな太陽が輝いている

 

 

ライブ当日

それぞれの位置にスタンバイし、曲が始まるのを待つ

 

私達のために彼が書いてくれた歌詞

ひとつひとつ、大事に歌おう

私達の心はひとつだった

 

 

shining sun

 

夢に向かい歩いて行こう

描いた光を抱いて

それが私達の shining sun

 

いつか見たまぼろし

それが自分を惑わしていた

ゴールが見えない迷路みたいに

 

曇り空だって

暗い夜だって

いつか必ず光が差すよ

 

忘れないで shining sun

いつまでも笑顔絶やさないで

晴れない雨なんてないって知ってるでしょ?

 

泣いて笑って走って来た道

それは 決して消えないものだから

自分を信じて 皆を信じて 仲間を信じよう

 

夢に向かい走っていこう

後ろを振り向かずに

輝け太陽 世界を照らしながら

 

 

会場からは割れんばかりの歓声が鳴り響く

 

なぜだろう、涙が止まらなかった

たくさんの人に自分の歌を聞いて貰えたからか?

色々考えたが、答えは見つからない

 

ふと隣を見る

そこには曜が立っていた

彼女はとても優しげな瞳で真治を見ている

 

曜「真治君、みんなの声が聞こえる?みんな、私達の…真治君の歌を聴いて、ここまで歓声をくれてる」

 

真「歌って、いいもんだな」

その言葉に、嘘偽りは無かった

 

真「渡……曜、こんな俺だけど、これからもAqoursのマネージャーをさせてくれるか?」

 

曜は犬のようにぱっと笑顔になり、真治の手を取る

 

月「お?お熱いねえ」

ふときずくと、Aqoursの面々が目の前にいた

 

真治は自分の顔が赤くなるのを感じる

真「い、いや、これはあの…違うからな!?」

 

千「あ〜、もしかして、照れてる?」

 

顔から火が出そうになり、真治は思わず逃げ出す

会場の興奮は、未だなり止むことを忘れているかのようだった




いかがでしたか?
完全自作の歌を書いてみました(^^)

下手くそですが、皆さんの心に少しでも届いたらいいなと思っています!
これからもこの小説をよろしくお願いします!

歌について、感想など頂けたら嬉しいなと思っております(^O^)

さて、次回からは更なる急展開が…?

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