太陽と月   作:黒死牟

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どーも!こんにちは!
今回より名前を西鬼改め、黒死牟(こくしぼう)にしました!
某アニメの某キャラです笑
これからもよろしくお願いします!

Twitterで自作のAqoursのイラストを投稿したのですが、
なななな、なんと!490ものいいねを頂きました(T▽T)
あーありがたい、ありがたや、ありがとう、笑
なんだが気持ちが届いた気がしました(´∇`)

そして、今回は少し長めです!
お付き合い下さい<(_ _)>
よろしくお願いします。


痩せ我慢

日もとっぷり暮れ、辺り一面が暗闇に包まれる

 

夜空に煌めく星たちが

雲の合間から顔を出している

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千「真治君…」

 

ベットに横たわる真治

彼が雪原で急に倒れ、眠り続けて約4時間が経過している

 

曜「千歌ちゃん、医務の先生が熱を出して倒れただけだって言ってたよ?だから大丈夫、」

 

千「で、でも…」

 

 

脳裏に焼き付いているのは、あの日の記憶…

 

笑い合い、喜び合い

一緒に頑張って来た毎日…

 

全部、夢のように消えてしまった

 

未だに、その事が信じられない

次の日に会えば、いつもと変わらない用に話せる

そう錯覚してしまう時が、時々あった

 

ベットに横たわる彼の顔を見る

額に汗をかいているが、スヤスヤと寝ているようだ

顔が紅潮しているのが目に見えてわかる程なので、どれだけ熱が高いのか予想がつかない

 

梨「千歌ちゃん、そろそろ夕食の時間だから…皆も待ってるよ?」

千歌の肩に手を置く

小刻みに震えていた

 

きっと、怖いんだろうな…

 

次に真治君が目覚めた時

また、記憶が無くなってるんじゃないのか

 

というより、二度と目覚めないのではないか…

 

そんな考えばかりが、

悪い思いばかりが脳裏を過る

 

月「心配ばかりしても、真治は戻ってこない…根気強く待とうよ?」

失った物を、取り戻すのは難しい

その気持ちはみんな同じだ

 

千歌は真治から目を逸らし、背中を向けた

目から溢れるものがある

 

彼に、絶交だと言われた日

私は家に帰るなり静かに泣いた

胸が締め付けられ、心が痛かった…

 

 

曜「私達がしんみりしてちゃ、意味が無いと思う…みんなで約束もしたし!」

 

少し、無理をした

 

空気を変えたかった

私だって怖い

 

 

涙が出そうになるのを、ぐっと堪える

溢れてきたものを片手で無理やり拭った

 

大丈夫

そう自分に言い聞かせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朧な空気が漂う

体が鉛のように重く感じる…

 

真治はゆっくりと目を開けた

目だけを動かして周りを確認する

自分の部屋ではない

 

朧気に手を上に上げる

体に力が全く入らない

 

真「ここは…どこだ?」

 

確か、スキーをしてて…

それで、急に頭がクラっときて…

 

あまり、詳しい事が思い出せない

 

そのまま自分の額に手を乗せた

かなりの熱を帯びており、そのまま深く目を閉じる

 

 

修学旅行先でさえ風邪をひく

なんて不幸なんだよまったく…

 

そう言えば序盤に俺は仮病を使おうとしたな

そのツケが回ってきたのか?

 

 

そんなくだらない事を考えていると

ガチャリとドアが開く音が聞こえた

 

女の人が入ってくる

あまり見覚えがないが、白衣を来ている事から医療関係者である事は確信した

 

先「大丈夫?気がついたんだね」

 

真「えと…あなたは?」

上手く口が動かない

声を出すだけで疲れた

 

先「私は保健係の先生です、須藤君、だったよね?君、雪の中で急に倒れたんだよ?もうみんな大騒ぎ、一緒の班の渡辺さん達がここに運んでくれなきゃ今頃危なかったかもしれない」

 

真「そうですか…渡辺達が俺を」

なんで助けてくれたのか

俺は理解が出来なかった

 

あんな酷い仕打ちをしたのに

言ってはいけないことを言ったのに

 

だが、よく考えてみると

急に目の前で人が倒れれば、その人が自分とどんな関係であれ助けるのが普通だろう

 

条件反射みたいなものだな

 

そういうことで勝手に頭の中のモヤモヤを消し去った

 

先「幸い、熱以外に特に症状は無いから、このままゆっくり休めば明後日の東京観光までには治ると思うから安心してね」

 

別に観光なんていいからこのまま永久に寝ておきたい

これ以上迷惑をかけたくもないし、関わりたくもない

 

自分には…この修学旅行を楽しむ資格なんてない

 

 

どうせ、ひとりぼっちだし

もう、何も考えたくなかった

深く寝返りをうち俺は目を瞑った

 

 

2日目 朝

晴天の朝だった

カーテンの隙間から差し込んで来た太陽の光が頬にあたる

少し熱を持った頬を手で抑え、軽くあくびをした

 

ゆっくりと体を起こす

少しだるく感じたが、昨日よりはマシだ

 

ドアが開き、保健係の先生が入ってくる

心配そうな顔をしていたが、真治が起きている姿を見て胸を撫で下ろす

 

先「おはよう、どう?体の調子は」

 

真「おはようございます、少しダルいですけど昨日に比べれば全然平気です」

その言葉を聞くなり、先生はまた胸を撫で下ろした

 

先「熱も大丈夫見たいだけど、大事をとって今日は大人しくしていた方がいいと思うけど…大丈夫?」

申し訳なさそうに真治の顔を覗き込む

 

せっかくの修学旅行

先生からすれば、存分に楽しんで貰いたいが故にやるせない気持ちなのだろう

 

俺は表情を変えることなく口を開く

真「いえ、まだちょっと体が重いですし、そうしてもらった方が逆にありがたいですよ」

 

というか願ったり叶ったりだ

もうこれ以上あいつらと同じ班なんてごめんだよ

 

帰りの分の体力まで持っていかれそうだ…まったく

俺がこうなったのも、元はと言えばあいつらから死ぬ程連れ回された事が原因だろうしな

 

班に入れてもらってこんな事を言うのは気の毒だが

正直、ありがた迷惑だった

 

最近いつもこんな気持ちになる

頭がぼーっとしてなんの感情も無くなり、そこには何も残らない

見ていたはずの夢でさえ、思い出せない

 

心がどこかに行ってしまったようだ

 

 

俺はその後、先生と一緒に食堂に降りた

勿論、他の生徒に風邪を移さないようにするため少し離れた位置で食事をとる

 

心持ちはあまり良くないが、このホテルの料理は結構美味しいと感じる

昨日の昼のカレーだって、割と本格的な味を出していた

 

ある意味それだけが、この修学旅行で唯一感動したことだな

 

ふと何気なく辺りを見回すと、渡辺達のグループが目に入った

何やら楽しそうに男子生徒と話している

 

あれは確か…

うちのクラスの評議員、だったか

 

頭はキレるし運動抜群

おまけに陸上部のエースでキャプテンだ

それなりにモテるだろうと前々から感じている

 

ふと、彼と話している曜の顔に目が止まった

弾けるような笑顔

 

やっぱりああいう人の方が好きなんだろうな

 

最近のクラス事情が頭に浮かぶ

思い返すと、彼はいつもみんなの人気者

俺は隅っこの方でひとりぼっち

 

オマケに彼女達はスクールアイドル…

 

どっちを取れば天秤が釣り合うのか

猿にでもわかるだろう

 

 

そう考えていた時

急に、胸が締め付けられる感じがした

 

なんだ?

なんでこんなに、胸が痛む?

あいつが誰と関わろうが、誰と付き合おうが俺には関係ない

 

それなのに

そう思っているはずなのに

 

なんだ?この胸の痛みは…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は

ひょっとしてあいつの事が………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は我に返り、頭を強く降る

なに考えてるんだ…

 

勘違いするな

あいつらは俺に同情していただけ

 

そう、人間なんて殆どが偽善者だ

自分を良く見せようと、必死に正義という名の羽織を着飾る

 

俺は、同情されているだけなんだ

くだらない

結局は俺の事なんて…どうでもよいと思ってるに違いない

 

必死に心に言い聞かせ、真治は自身の胸を掴む

気がつくと、胸の痛みは消えていた

 

荒い呼吸を繰り返す

大きく息を吸い、気持ちを必死に落ち着けようとする

心臓の鼓動が体の中で響き、耳たぶが熱を持った

 

 

俺は急いで食事を済ませ、部屋に戻る

 

忘れよう

それがいい

 

辛い事、悲しい事、苦しい事

全てを背負い込む必要は無い

思い出したくないことは、無理に思い出す必要なんてない

 

自分の中でそう解決し、俺は布団を頭まで被った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、部屋の外から慌ただしい声が聞こえてきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やるせない気持ちだった

 

私達のせいなのかな?

 

私達が真治君を無理に連れ回したから…

 

曜「はあっ…」

ため息をつく

最近、こういう事がよくある

 

彼が倒れた時、

心臓が高鳴り、胸が苦しくなった

 

あの時、彼に絶交だと言われた時…

それと似たような感情に支配された

 

何か黒い錆のような物がこびり付いた様な

とても、嫌な感じ

 

 

私って、結構重たい女なのかもしれない

割とお節介だし

 

昔にも、そんなことがあったっけ

千歌ちゃんと梨子ちゃんの関係に嫉妬して、自分なんて必要ないって思っている時期もあった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

考え事をしていると、周りが見えなくなる

夢中になっている事があると、それに熱中してしまって人の声なんてさっぱり聞こえない

 

そんな事があると、たまに凄く後悔する時がある

 

 

私は、道に迷ってしまった見たいだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千「曜ちゃーん!」

 

月「どこー?」

必死に呼びかける

返事は帰って来ない

 

迂闊だった

真治が倒れてから、ずっと曜ちゃんの状態がおかしかったのに、私はそこまで気にも止めていなかった…

 

月は拳を握り、更に声を張り上げる

月「曜ちゃーん!聞こえたら返事をしてー!」

 

その時、梨子が荒い息をしながら戻ってきた

千「梨子ちゃん、どうだった?」

 

梨「部屋にはもどってなかつた…先生も、見てないって…」

呼吸を整えながら言葉を出す

上手く声が出せないのは疲れているだけでは無い

 

時刻は午後5時、辺りが少しづつ闇に包まれていく

千「どうしよう…もうすぐ日が暮れちゃうよ…」

半泣きのまま、千歌は拳を握り締める

 

月「まだ希望はある…私達が諦めちゃダメだよ!」

月は千歌の肩に手を当て、涙を流しながら言った

 

千「月ちゃん…」

溢れてきた涙を乱暴に拭い、千歌は大きく頷く

 

絶対に見つける…

私達は諦めない!

 

吹雪は更に強さを増していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「はあっ、はあっ…」

息が荒くなってきた

体は凍え、どんどん体温が失われていく

手足の感覚も無い

 

皆とはぐれ、吹雪の中を彷徨い続けてかなりの時間が経つ

 

 

自業自得、なのかな

真治君の気持ちも考えず、自分勝手な考えで彼を更に傷つけ、挙句の果てに体調を崩させてしまった…

 

私のせいだ

私のせいで真治君は…

 

下半身の力が無くなり、その場に膝を着く

どれくらい歩いたのか分からない

辺りは既に真っ暗で、人の気配などこれっぽっちもない

 

吹雪が更に強くなり、体の体温を更に奪ってゆく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バカだな私、バカ曜、だよ…

 

 

あの時、こうしていればよかった

もっと他の言葉を掛けてあげればよかった

 

でも、それは後の祭り

過ぎた時間は絶対に戻らない

そんな事考えても意味なんて無いかもしれない…

 

薄らと涙が浮かび、雪の中へと消えてゆく

呼吸もしずらくなり、体はピクリとも動いてくれない

 

曜「み、んな……し、ん…じ、く……ご、め………」

 

 

私はその場に倒れ込み、静かに目を瞑った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「だめだ、見つからない…」

 

時刻は午後6時を回った所

吹雪はなり病むことを知らないようだ

 

あれから小一時間、血なまこになって曜ちゃんを探したが一向にみつかる気配がない…

 

体力の事を考えると、そろそろ危険な状態だ

 

感覚が無くなりつつある手を無理に握り締める

 

千「曜ちゃん…いやだ、いやだよ…」

 

梨「千歌ちゃん、まだ希望はある…だから…」

梨子の声は震えている

 

月「最後まで…諦めない」

昔、どこかの誰かが教えてくれた事

 

月はホテルの方を見つめ、一筋の涙を流した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朦朧とする意識の中

私はこっちへ近づいてくる人影を見た

 

背が高く見える、荒い呼吸で私を見ている

 

その人は、私を抱き上げると必死そうに走り出した

首筋に頬が当たる

 

あったかい

 

小さいけど、とても頼もしく思える背中

もしかして、クラスの評議員の…?

 

 

 

 

 

 

いや、違う

微妙に気配が違った

 

 

どこか、懐かしい匂いだ

 

 

曜「だ………れ…」

 

 

 

 

私の意識は、そこで途絶えた




今回はここまでです!
次回もよろしくお願いします。
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