テスト期間で滅殺されていました笑
結構暑くなってきましたね!
熱中症にお気をつけください〜
それでは、どうぞ〜!
その日の授業を全て消化し、帰路につく
いつものようにシートに深く腰掛け、その日の疲れを癒すように脱力する
年季の入ったシートのほつれた箇所が、首筋をいやらしく擽った
真「はぁーーっ…」
これ以上ないってくらいのため息を吐く
息と一緒に生気まで抜けそうだった
曜「疲れてる?」
俺の隣には渡辺さんが座っている
どうやら、今日の出来事によると俺と渡辺さんは友達になったらしい
月「あー、真治ニヤけてる?」
真「違わい」
思わずツッコミを入れた
そりゃ、誰だってこんな可愛い子に隣に座られたら嬉しい
でも恋愛感情がある訳でもない
千「私も疲れたぁ」
横に座っていた千歌が声を上げる
真「そういや、高海さんと桜内さんも渡辺さんと一緒にスクールアイドルしてたんだ?」
千「そうだよ!これでもリーダーだったんだから!」
大きく胸を張る
梨「私は作曲ね」
曜「私は衣装作り!」
月「真治も見たでしょ?浦の星の子達があの校舎でライブしたやつ、私も手伝ってたんだよ〜」
そう言いながらブイサインをする
真「う〜ん、実はあれ見てないんだよね」
月「嘘でしょ?絶対来てって言ったじゃーん!」
月はわかりやすく拗ねる
真「悪かったって、用事だったんだからしょうがないだろ?」
千「でも、そんな事を聞くって真治君、私達に興味を持ってくれたってこと〜?」
真「まぁ、そういう事にしとくよ」
まるで選挙に当選したかのようにはしゃぐ元気な女子高生達
真治は鼓膜が破れるかと思い、耳を塞いだ
風呂上がり、しっとりと濡れた髪の毛をタオルで拭きながら家の廊下を歩く
真「ふぅぅ〜〜」
魂まで抜けそうになるくらいの長い溜息をする
ポケットからスマホを取り出し、動画サイトを開いた
検索欄に「Aqours」と打ち込み、検索をかけた
そこには、沢山のライブ映像が並んでいる
自分の部屋の扉を開け、身体を布団に預ける
ドスン、と鈍い音がして背中に衝撃を感じた
真「こんなに沢山あるのか…」
親指で画面をスクロールし、1つの楽曲をクリックした
第3回ラブライブ!Aqours地区予選
「未来チケット」
なぜこの曲かを選んだかといえば大した理由はない
でも、画面の中でキラキラと輝く彼女達の姿に少し、ほんの少しだけ魅力を感じたのだ
静かなイントロが流れ始め、歌詞に入る
光になろう 未来を照らしたい
輝きは心から 溢れ出すよ
真「これは…」
気づけば、俺は次々に動画を再生していた
自分と歳も変わらない人が、こんなにもキラキラと輝いている
すごい、の一言だった
文字通り、Aqoursの虜になっていたのだ
結局、俺が布団に入って本格的に目を閉じたのは、時計の短針が右下へ傾き始めた頃だった
次の日の朝、俺はいつもより早くバス停に着いた
結局、昨日の夜のせいで完全に寝不足だ
でも、心はどこかウキウキとしている
彼女達に会いたい、不甲斐なくも、そう思って疑わない自分かいた
バスが停留所に止まり、車内が一気に騒がしくなる
真治はなるべく平静を装うと、シートに深く腰掛けた
曜「おっはヨーソロー!」
千「おはよー!」
梨「おはよう」
月「おっはよー!」
いつもの様に敬礼をしてくる
真「おはよー」
何気なく返したつもりだった、ただやはり、いつもと違う事を簡単にするものでは無い
真治は後悔をする事になる
月「…うそ、あのぶっきらぼうな真治が、おはよーって返してくれた!」
千「き、奇跡だよ!」
梨「そ、そこまで言う?」
曜「あはは…ありがと!」
三人衆が漫才を決め込む中、渡辺さんは爽やかに返事をしてくれる
真「まぁ、あれだよ、気まぐれってやつだ」
月「おー?照れてるなぁ〜?こ〜いつぅ〜」
月が指先でちょんちょんと肩を叩く
いつもなら素早く避ける所だが、なぜだか今日はそんな感じがしない
まぁ、よしとするか
今日もいつもの様に渡辺さんに教科書を見せてあげる
教科書の到着にあと一週間はかかるみたいだ
昨日まではあんまり良い心地がしなかったのだが、今日は不思議とそんな感覚は薄かった
真「渡辺さん」
何気もなく話しかける
曜「なーに?」
真「Aqoursのライブ、見たんだ、本当に凄いって思う、あんなにキラキラ輝けて自分達の信念を貫き通して、しかも大会で優勝するなんて…俺、感度したよ」
そこまで言って、自分で思い止まる
俺はいつも、彼女達の話を殆ど聞かずに適当にあしらっていた
そんな俺が、こんな一方的に話す事なんて許されるのか
渡辺さんは凄く不思議そうな顔をしている
あぁ、やっぱり迷惑だったか…言わなきゃよかっ…
そう思った矢先
曜「本当?嬉しい!ありがとう!」
俺の密かな思いも、彼女はその元気でどこかにすっ飛ばしてしまった
いつの間にか、罪悪感も消えていた
呆気に取られ、渡辺さんを見る
あまりの大声に、クラス中の視線が渡辺さんに集中していた
いつもの不良連中というと、何故か俺を睨みつけている
先「どうした渡辺?授業中は静かにするように」
先生から喝を入れられ、彼女は申し訳なさそうに縮こまった
しかし、その顔はどこか嬉しそうだった
渡辺さんはまた俺の方を見る
曜「本当に嬉しいよ!そうか〜感動したか〜」
彼女はニシシと笑っている
いっつも笑顔だなこの人
曜「ねぇねぇ、真治君はどの曲が気に入った?」
真「そうだな、未熟DREAMER…かな、衣装も着物みたいで綺麗だし、皆の歌声とバックの花火がマッチしていて、本当に凄いと思うよ」
曜「未熟DREAMER!懐かしいなぁ〜あの曲はね!果南ちゃん達がAqoursに入ってすぐのライブだったんだ!あ、果南ちゃんって言うのは…」
話に熱が入り過ぎたのだろうか
先生が再びジト目でこちらを見ていた
渡辺さんは申し訳なさそうに頭をかく
先生も回れ右をして、再び黒板と対面する
曜「ちょっと盛り上がりすぎたね」
真「でも、それだけスクールアイドルが好きだったってことだろ?」
渡辺さんは、今度は静かに微笑んだ
優しい瞳でこちらを見ている
曜「うん、本当にあの時は楽しかった、皆と練習するのが楽しくて、衣装作りも好きだったし…それに、学校も楽しくて、毎日がキラキラしてた」
彼女の瞳が水面のように揺れ、一筋の涙がこぼれ落ちた
慌ててその雫を拭う
真「本当に一生懸命だったんだな…俺さ、昔から熱中出来るものがなくて、普通に生活して…気づいたら高3になってた、だから、誰かと熱中出来るものがあるなんて、本当に羨ましいよ」
渡辺さんは、またニコリと笑う
曜「大丈夫!いつか必ず、真治君にも何か夢中になるものが見つかると思うよ!」
真「まぁ、そうかもしれないな、でもやっぱり…」
曜「ん?どうしたの?」
キョトンとした顔でこちらを見つめる
真「あんまり大声で喋るもんじゃないな」
曜が周りを見渡すと、クラス全員の視線が注がれていた
無論、先生がこちらを見ていたのは言うまでもない
先「渡辺、そんなに宿題が欲しいのか?」
曜「いえ…すいません…」
渡辺さんはまた申し訳なさそうな顔をした
そんな2人を、千歌と月は微笑ましい目で見ていた
千「なんだか、いい感じ…?」
月「真治も隅に置けないなぁ」
千「でも、月ちゃんと真治君って幼馴染なんだよね?曜ちゃんと会ってても覚えてそうな気がするんだけど」
月は少し気難しい顔をする
月「…うん、でも、すれ違いってやつなのかな…」
千「ふ〜ん、そんな事もあるんだね」
千歌はそう言って流したが、月は悲しそうな顔で仲良さげに話す2人を見つめる
真治…まだ、思い出せない?
今回はここまでです!
次回もお楽しみに!