太陽と月   作:黒死牟

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お久しぶりです!
お待たせしてすいませんでした…

最近色々忙しくてですね笑
バイトとかバイトとかバイトとか…

そして、私事ではあるんですが先日沼津で聖地巡礼をしてきました!
いやー、行ったらわかる、ええ所やん!でした笑

街の人も本当に優しくて暖かくて、あぁ、Aqoursはこんな空気の中で暮らしているんだなぁってしみじみ思いました笑

淡島神社の階段がきついのなんのって…笑
丸ちゃんがバテるのも納得です笑
あれを息一つ切らさず登れる果南ちゃんは果たして同じ人間なのだろうか?笑

特に感動したのは沼津の街がAqours一色だった事です!
至る所にタペストリーや写真が貼ってあって、本当に良かったです!


ご当地缶バッチに6000円も使ってしまったのはまた別の話…


今回も頑張って書きます!
それでは、どうぞ〜!


記憶とトラウマ

3年前

 

高いビルがそびえ立つ都会

そのビル群は、道を行き交う人間を見下しているかのように見えた

 

高いビルを見上げ、1つ息を吐く

少し目を横にやると、また新しいビルが建設されている途中だった

 

「人間って、同じこと繰り返して何がしたいんだろうな」

 

その時、携帯がメッセージの着信を知らせた

アプリを開くと、幼馴染の「あいつ」からのメッセージだった

 

「空港着いたよ!今どこ?」

 

今日、俺はイタリアに行っていた幼馴染を迎えに行くため、東京に来ている

 

なんでそんな面倒なことをするかって?

東京で1番人気の料理店で奢ってもらうのさ

丁度自分の誕生日も近いし

 

でなきゃこんなめんどくさい事、誰が引き受けるかよ

 

そんな事を思いながら歩く少年に、1台の車が迫って来ていた

少年はぼーっと歩くだけでその存在に気づきもしない

 

数秒後、生々しい音が周囲に響き渡った

 

 

目を覚ます

暖かな太陽に照らされ、体温が上がる

真治は重い体を無理やり起こし、1階へと向かった

 

トイレを済ませ、寝癖を軽く整える

そして、リビングの隅に置いてある仏壇に向かって手を合わせた

仏壇には微笑ましく笑う1人の女性と、その女性に腕を掴まれ緊張した表情の男性の写真が置いてある

 

真「父さん、母さん、おはよう」

 

無論、写真から返事は帰ってこない

優しく微笑む母の顔も、どこか寂しく感じた

 

朝ごはんを食べ、制服に着替えてバックを乱暴に担ぐ

 

真「じゃ、行ってきます」

 

自分の声が部屋に響き渡り、虚しさだけが帰ってくる

真治はなんとも言えない虚空感に支配された

 

真「まぁ、毎日がこんな感じだからな…」

 

そう自分で納得し、玄関の扉に手をかける

いつの間にか虚空感も消えていた

 

 

その時、インターホーンが機械的に来客の知らせをした

 

真「こんな時間に誰だ?宅急便にしちゃ早いし」

 

念の為、覗き穴から外の人物を伺う

ほら、最近世の中物騒じゃん?

 

しかし、外には誰もいない

 

真「新手のピンポンダッシュか?つったく最近のガキは手の込んだ嫌がらせを…」

そう思い、玄関の扉を開けた途端…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜「おはヨーソローぉー!」

大声と共に渡辺さんが飛び出してきた

 

思わずビビり上がり、おわっ、と情けない声を出してしまう

 

曜「えへへ、びっくりした?」

 

真「びっくり所じゃねーよ…死ぬかと思ったわ!隣の〇御飯でもこんな事しねーぞ!」

 

マシンガンのような反論をして、真治は肩で息をする

よく見ると、来ているのは渡辺さんだけでなく、月も一緒だった

 

と、いうことは…

 

真「月!お前俺の家教えやがったな?」

 

月「だってー曜ちゃんが行きたいって言うんだもん、しょーがないだろ?」

 

まったく悪びれた素振りを見せない

こいつはほんとに…

 

曜「えへへ、まぁ朝から元気なのはいい事だし…ねっ?」

上目遣いでこちらを除く

勘違いしてしまいそうだから辞めてくださいそれ

 

まぁ、渡辺さんの笑顔に免じて許してやろう

 

夏の暑い日差しに体温が上がる

真治の身体が熱いのは、太陽の温もりだけではないようだ

 

 

学校 昼休み

午前中の授業を消化し、待ちに待った昼休みがやってきた

バックから弁当を取り出し紐を解く

弁当のおかずはどれも簡単な物で、特別な物は入っていない

 

真治の母親は、自分の息子がいつ独り立ちしてもいいように家事や料理全般を教えていた

父親は息子のため、家族のため一生懸命に働き、かなり大きな蓄えを作ってくれている

そのお陰もあってか、生活にはそこまで苦労していない

 

真「俺が普通に生活出来ているのも2人のお陰だよ、父さん、母さん、ありがとう」

心の中で親に頭を下げる

 

その時、真治の机が乱暴に横に向けられ、隣の机とくっつけられた

目をやると5つの机が合体して、何だか小学校の給食みたいだ

 

真「渡辺さん、俺の机を誘拐しないでくれる?」

 

曜「いいじゃん、一緒にお弁当、食べよ!」

 

真治は仕方なく立ち上がり、連れ去られた自分の机の元へ向かう

 

千「あー!今日のお弁当、志満姉がみかん入れてくれてる!ラッキぃ〜」

 

梨「千歌ちゃんは本当にみかん好きなのね」

 

桜内さんが愛おしそうな目で笑う

高海さんはみかんが好きなのか、今度都合が悪い時にみかん差し出したら何とかなるかな

 

そんな変な考えが頭をよぎる

この人達といると、不思議と退屈はしなかった

 

月「曜ちゃん、今日のお弁当自分で作ったの?」

 

曜「うん!ママが朝忙しそうだったからね、それに、私も起きるのちょっと早かったし」

 

何かを企むかのような目で真治を見る

 

千「なになに?なにかあったの?」

 

真「高海さん、今度みかん1箱上げるからその話は聞かないで」

 

みかん1箱、という単語に千歌は目を輝かせる

 

千「ほ、ほんとに!?じゃあいいかなぁ…」

 

梨「って、千歌ちゃん釣られるの早すぎ」

 

月「実はね!今朝、曜ちゃんと一緒に真治の家に行ったんだ!」

 

千「えー、私も誘って欲しかったなー」

 

真「俺の家はテーマパークかなにかか?ご近所の事も考えろ」

 

喝を入れたつもりだが、そんな物は耳に届かない

 

曜「すごく素敵なお家だったよ!千歌ちゃんも来てみる?」

 

すいません、俺の家の存在価値を教えてください

心の中でそう問うが、無論届く訳が無い

こうなりゃやけだ

 

真「わかったよ、来ればいいじゃん、朝だろうが夜中だろうが相手してやっから」

 

千「ほんと?やったぁ〜!曜ちゃん月ちゃん、案内よーろしくぅ〜」

 

曜&月「ヨーソロー!」

 

神さま、どうか俺のプライベートを返してください

 

その時、千歌が真治の弁当を見て目を輝かせた

千「わぁ〜真治君のお母さんも料理上手なんだね!」

 

「お母さん」という単語に、真治はピクリと反応した

 

真「どうして、そう思う?」

 

千「だって、そんなに素敵なお弁当作ってくれてるじゃん!」

 

陽気な千歌とは裏腹に、月はその光景を怯えるような目で見ていた

 

月「千歌ちゃん…実はね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真治の両親は……3年前に事故で亡くなってるんだ…」

 

衝撃の事実に、千歌は動きが止まってしまう

 

千「う、うそ…でも、そうだったらなんで真治君は…」

 

真「家事は母さんが殆ど教えてくれた、生活費も父さんが残してくれたんだ…だから俺は、普通に生活することができてる」

 

千「そんな…そんな事って…」

ふと気づくと、千歌の目元には涙が溢れていた

 

真「大丈夫、もう慣れてるから」

真治はできるだけ平静を装おうとする

 

授業参観や体育祭の時、他の生徒が自分の両親を見つけて手を振っているのを見て、真治はいつも拳を握り締めていた

 

しかし、そんな思いも時間が解決してくれる

そう信じて今まで生きてきた

 

 

俯いている真治を見て、千歌はいてもたっても居られなくなる

千「真治君!私達の、Aqoursの練習見に来ない?」

 

真「へ?なんで?」

 

千「私ね、スクールアイドルって元気が売りだと思うんだ、特に私達Aqoursは、なんていうか…私達の練習みて少しでも元気が出たらいいなって!」

 

真治は少し考え、千歌の方を向く

他の3人はその光景を心配そうに見つめる

 

真「わかった、行くよ」

 

千「ほ、ほんとに?」

 

真「元気が出るかは分からないけど、行くだけ行くよ、どうせ暇だし」

 

その言葉に、千歌は目を輝かせる

真治達の方を敵意がある目で見ている者がいた

 

 

放課後

千「じゃあ真治君、屋上で待ってるからね!」

 

おう、と軽く返事をして、真治は身支度を整える

どうやらAqoursには2年生があと3人いて、計6人で活動しているらしい

 

真「じゃ、そろそろ行くか」

 

そう思い、机から立ち上がったその時…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、周藤よぉ」

 

真「的場…なんだ?」

 

的場と言われた男子生徒は、八重歯をカチリと鳴らし真治を睨みつける

 

的「お前、なんで渡辺達とあんなに仲いいんだ?」

 

真「別に、仲買いわけじゃない、ただ…」

言いかけた時、的場の拳が真治の腹にめり込む

 

真治は顔を歪め、床に手をついた

的「お前、あいつらと仲良くすんじゃねぇって前に言わなかったか?気に食わねぇんだよ、陰キャのお前があんなに可愛い子達と…面白くねぇ」

 

真「そんなの…勝手だろうが…」

的場は更に真治の背中を蹴る

 

的「黙れよ、お前とじゃ釣り合わねぇんだよ」

 

真治は怒りに体を震わせ、拳を握り締めた

 

真「(舐めんじゃ…ねぇ…!)」

その時、師範の声が耳に響く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんなことがあっても、素人に手を挙げてはいかん

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉に真治は動きを止めてしまう

的場は真治の髪を掴み、自分の方へと向かせた

 

的「もうあいつらと仲良くしません、そう約束しろ」

 

真「わ、わかった…」

 

的「わかりゃいんだ、わかりゃな」

的場はそう吐き捨て、教室を後にした

 

がらんとした室内に、真っ赤な夕焼けが差し込んで来る

真治は拳を握りしめ、力の限り床を何度も殴った

 

何度も、何度も何度も

 

やがて拳からは鮮血が流れ、手を赤く染めた

 

無力な自分が情けない

あんな奴に屈してしまう自分がみっともない…

 

真「ちくしょうぉぉ!」

目からは一筋の涙が零れ落ちた




今回はここまでです!
次回もお楽しみに!
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