元号が変わるその日に見た夢。

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この作品で出てくる視点は俺の見た夢なので作者本人の視点です。
こういった作品の場合のタグつけとかよくわかんないのでとりあえずタグなしで投稿。原作は「俺の書いた作品」としてますけどこれをオリジナルといってよいのか、何かの二次創作って言っていいのかってなったのでそうしただけで正解わかったら正解に合わせます。
しかも、ミスって俺の書いた作品って打った状態からそのまま投稿したんで今修正してます。


孤蝶の夢

「………きろ!!」

 

 肩を揺さぶられて目を覚ます。目を開けると見えたのは独り暮らしの自室ではなく、ビルの隙間から見える真っ赤に染まった空。

 

「……は?」

 

 意味も分からず、そう呟くと俺の肩を揺らしていた人物だろうか、それが横から声をかけてきた。

 

「起きたのなら動くぞ。ここは危ねぇ。」

 

「いや、何これ?わけわかんねぇ。」

 

 困惑を隠せず頭を抱えてそう呟いた俺に声をかけてきた男は俺の抱えた頭越しに

 

「そう困惑するのならそうしてればいい。ただ、それだけじゃ何も解決しないし、何も始まらないぞ。」

 

 そう言ってからその場から立ち去った。

 

「いや、せめて説明してくれよ……」

 

 そうぼやき、ストレスを感じて痒くなった首筋を引っ掻きながら顔を上げる。しかしそこには誰もおらず、そして先ほどまで真っ赤に染まっていたはずの空は漆黒に幾筋もの線が引かれたものへと様変わりしていた。

 

「時間経つの早すぎだろ……」

 

 あり得ないとしか思えない光景を目にしてつい動きが止まる。それがダメだったのかもしれない。

 

「危ない!!」

 

 そんな声とともに俺は横合いから突き飛ばされた。

 

「ッ!!」

 

 突き飛ばされたせいで生じた痛みを感じ、つい苦悶の声を漏らす。その時にやってようやく気付いたが、俺が今着ているのはいつも寝る時に着ているパジャマではなく、部屋着として来ている白のゆったりとしたシャツにジーパン、そして緑色のジャケットだった。

 そして突き飛ばされた際に擦れたのか、先ほど痛みを感じたところは小さく破けており、そこの中から血が出ていた。

 

 かなりの力で突き飛ばされたのか突き飛ばされてから数回ほどバウンドし、やっとの思いでバウンドを止めたと思うと目の前にあったのはどでかいハンマーのようなもの。

 

「なっ!」

 

 それしか言えなかった。それを言うだけしか時間がなかったともいえるかもしれない。その言葉を残して俺は顔面からハンマーに直撃し、鈍い音とともに後ろの壁にたたきつけられた。

 普通ならそれで死んでいる。だがしかし……

 

「……いてぇ……」

 

 俺は何故か生きていた。なぜ生きているのかわからない。だが、痛みでくらくらする視界の中にとらえたのは追撃しようと迫ってくるドでかい面だった。

 

「っ!」

 

 反射的に顔の前で手を交差し、目を瞑る。何もならないかもしれないが、何もないよりマシかと思ったからだった。その時

 

『死なせねぇって。まだ俺の物語を書き終わってないんだから。』

 

 そんな声が聞こえた気がした。

 

 その声と同時にガギンと質量があるものが固い壁にぶつかったかのような音がした。だが、痛みはない。不思議に思ってそっと目を開ける。

 

「マ?」

 

 目の前にはドでかい面が半透明の壁のようなものにぶつかっており、それを持つまっくろなフードを深く被った女?がじりじりと火花を散らしながら面をこちらにぶつけようと壁と押し合いへし合いしていた。

 

「なん……だこれ……」

 

 零すかのようにそう呟く。すると横合いから砲撃音が聞こえたとともに目の前でドでかい面をこちらにぶつけようとしていた女?が吹き飛ばされた。突然響いた轟音に身をすくませながらそちらの方を見るとそこには黒いフードを浅く被りながらも、こちらの方へ煙を燻ぶらせている尻尾を構える艦これのレ級の姿があった。

 

「っぁ…」

 

 突然わけのわからない状況に叩き込まれた挙句、目の前に突如現れたレ級。それを見て言葉にならない声で固まった俺にレ級は

 

「……」

 

 無言で指を突き刺した。その瞬間、

 

「此よりは地獄。」

 

 立ちすくむ俺のすぐ横からそんなあどけない声が聞こえた。反射的にその声がした方を見る。

 

「”わたしたち”は炎、雨、力--」

 

 そこに居たのは幼女だった。まぁ、幼女といってもただあどけない幼女というわけでなく、どちらかというと露出過多の幼女だったが。だが、その露出された肩に掛かれている赤い円。そしてさらさらとした銀髪を見た瞬間すべてを理解した俺は

 

「やっ…」

 

 そう呟かざるを得なかった。

 

「『解体聖母』!!」

 

 その瞬間、俺の後ろから迫ってきていた先ほどのハンマー女の首が飛んだ。首から下と上との間の距離が離れていき、そしてその間から赤いものが染み出していく。反射的に後ずさりした俺の前でその2つは地面に落ちた。

 

「”わたしたち”もちゃんと()()()()ね。」

 

()()()()ナイトユルサナイ。」

 

 光の粒となって消える2つの物体を呆然と眺める俺の両耳にそんな囁くような声が響いた。

 

「!!?」

 

 反射的に耳を庇うかのように両手でこすりながら周りを見るも、そこには誰もいない。

 

「一体何なんだよこれは……」

 

 周囲を注意深く観察しながら寝る前までのことを思い出す。昨日は幸いなことに定時よりも少し遅めに売り場から退社し、翌日が休みだし、年号が明後日から変わるからと食べて帰った。

 それで家に帰ってからは何もする気が起きずにぐったりしながら事前予約していた魔女兵器をちょこちょことやり、FGOやってないことを思い出すも何故かログインできなかったのでやる気が失せてそのままスマホを充電器に刺して風呂に入って日が変わってから寝たはずだ。

 それまで何も変わったことはなかったし、何か変なことを知覚えもない。じゃあ一体なんでこんなことに?

 

 そう思いながらふと空を見た。そして呟いた。

 

「……なんだよこれ……」

 

 空には俺が一時期ウィザードを視ていた時の影響で考えるだけ考えていて、オリジナル作品を作ろうとしたときに引っ張り出した魔法陣が星によって書かれていた。

 

「じゃあさっき聞こえた終わらせるって…」

 

 そう呟いた瞬間、頭の中で全てがつながった気がした。

 ジャックザリッパーも、レ級も俺が少し書いただけで続きが思い浮かばずに止まっている作品の主役だった。

 そして襲ってきた黒コートのハンマー女は大学時代にオリジナルの中編を書いた際、俺が作ってその時も首を落とされた魔法少女ものの作品の敵役として出したキャラクターだった。

 

「そこまで気づいたのなら話ははえーな。」

 

 そこまで考えたとき、後ろからそんな声を掛けられた。

 

「……お前も俺の書きかけの中の誰かか。」

 

 そう問いかけながら振り返るとそこに立っていたのは

 

「いや、むしろまだ世に出てない奴のだよ俺は。」

 

 俺がふと思い立って書きかけているGRIDMANの二次創作の主役と思わしき影がそこに立っていた。影と称したのはそこに立っていた男の声を発する何かがもやのようなものに包まれていたからだ。

 では、その何かを何で俺がそのキャラクターだと判断したのかというとその影がスパナのようなものを持っていたことと、まだ世に出ていないという言葉からだった。俺はまだそのキャラクターの立ち位置こそ決めてはいるが、容姿をはっきりと決めていない。だが、簡単に決めた情報の中にスパナを持たせたシルエット程度は考えていた。

 

「お前はなんでこんなことになってるのか、わかるのか?」

 

 その影に問いかける。影はゆったりとした様子で肩をすくめて

 

「元号が変わる。平成は終わる。」

 

 そう始めた。

 

「まだ作りかけの俺はいい。だが、作るだけ作って放置された彼女たちはそれでもお前を慕っている。原型として本来のキャラクターがいるとはいえ、一応創造主だからな。創造主って概念ぐらいはわかるだろ。お前もRe:CREATORS見てたんだから。」

 

「あぁ……」

 

 その問いかけに俺はそう答える。家族用のものを親が新しくBlue-rayレコーダーを買う際に譲ってもらったDVDレコーダーの中に2クール全部取ったのを残しているあの作品のことを思い出して俺は何か引っかかるようなことを感じた。

 

「結局のところ、元号と一緒に置いてけぼりにされるのが嫌なんだよ彼女たちは。俺みたいにまだ作りかけの奴らはともかくな。」

 

「忘れるな。一度世界を作り、始めたお前にはそれをしっかりと閉じて終わらせる責務がある。」

 

「もう一度言う。お前には責務がある。始めたからには終わらせろ。」

 

「……」

 

 その言葉に俺は何も答えられなかった。仕事が忙しい(実際サービス業なので土日とか休みじゃないし10連休なのに2日しか休みがない)のは予想できていたが、その予想をはるかに上回る忙しさのせいでぶっちゃけ辞めたいと願っている。

 だが、それでも家に一応ほぼ定時で(その定時の終わるのが遅すぎる日もあるが)帰ることができる今は物語に真摯に向かう合うべきではなかったのだろうか。

 まさか彼らはそんな俺に対して抗議をするためにこんなことをしているのだろうか。

 

 そう思いながら影の方を見るとどこか満足げに影はしており、

 

『もう二度と足を止めんなよ。俺みたいな作品を作るな。』

 

 そんな声が聞こえて反射的に振り返ると、そこには俺がこれまで作って放置して投げてエタって続き書きかけで投げ捨てたりした作品のキャラクターたちが俺が大学に入って生まれて初めて書いて、設定調整ミスって怒涛のアンチ感想に嫌になって投げた長編オリジナル作品のDragKnightの主人公大崎享を筆頭に並んでいた。

 

「……善処は……するさ……」

 

 その突き刺すような視線たちにいたたまれなくなって呟いたところで目を覚ました。

 テレビ台の上に置いた時計を見ると時刻は12時。完全にお昼だった。

 

「……朝飯……っつーか昼飯食うか…」

 

 そう呟いてから窓から日を取り入れるためにカーテンを俺は掴む。




 まぁ、こんな俺ですけどどうにか頑張って作品終わらせます。
 それが筋ってもんでしょうし。

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