ーー朝日が昇るとともに目が覚める。窓から入ってくる陽の光に目を細め、今日はどういうことをして子供達と過ごすかを考えながら、パジャマから普段着である、白を基調として所々に金の刺繍が施された美しい神父服に着替える。
俺が経営しているここ、孤児院“ハピネスハウス“は二階作りのこじんまりとした白い一軒家の様な外観をしている。一階は子供達の寝室やトイレなどの居住空間が広がっており、二階は俺の寝室やたまに来る客人用の応接室などがあって、普段は一日の大半を一階で子供達と過ごしている。
そして、着替えを終わらせた今向かっているのが一階にある子供達の寝室だ。ここは男の子用の大部屋と女の子用の大部屋の二つを作ってあるのだが、今のところは女の子しか孤児院にいない為、自然と向かう先は女の子用の大部屋となる。
階段を下り、大きなホールを通って左にあるのが子供達の寝室だ。
まずは一度扉をノックし、声を掛ける。
ーーコンコン。
「朝だよ。今からご飯を作るから、準備ができた子からリビングにおいで。今日は新鮮な卵を使ったオムライスだよ」
なるべく優しく、声が通るように話しかける。
こういう、子供達を考えた行動を取れるようになったのも孤児院を開いてから随分と時間が経った後だった。
ーーそういえばあの子、まだ元気に冒険者活動できているだろうか?
などと、そういった気配りなどを学んだりなど、共に二人で成長してきた自分の初めての子供のことを思い出していると、部屋の中からもぞもぞと動く気配を感じる。
「ーーーうう、はーい。いまおきまぁーす」
ーーこの声はミーナかな?
「うん。じゃあ、しっかりと顔を洗ってくるんだよ」
少し甘えたような声に返事を返し、宣言通り朝食を作りにキッチンへと向かう。
ちなみに、ここの家の家具などは全て俺や子供達の手作りであり、現代日本のような機能を持ったものも少なくない。というのも、キッチンもまた俺の子供達が作ってくれた家具であり、とても便利なのだ。
トントンと包丁で具材を切り、栄養バランスを考えてサラダなども作ろうかなーなどと思いながら調理をしていると、トタトタと小さな足音が近づいてきた。
「ーーーわっ」
背中に軽い衝撃が走る。思わず少しふらついて声を漏らしてしまう。
「せんせぇ、おはよぅー!」
ゆっくりと体ごと振り返って朝っぱらから体当たりなんてぶちかましてきたおバカさんの顔を見る。
ーー美しくサラサラとした銀髪をたなびかせてやってきたのはやはりというべきか、今さっき俺の声に返事を返してくれたミーナであった。
いつも通りの口調で、優しく語り掛ける。
「はい、おはようございます。ところでミーナ、先生に挨拶以外にももう一つ、言わないといけないことがあるでしょう?」
「ぇう?うーんとねぇ…あっ、分かった!」
ーー本当だろうか。
「せんせぃ、大好きぃー!」
そう言って胸に思いっきり頭をグリグリと押し付けてくるミーナに、驚きで少し声が詰まった。
「ーーーそっか、ありがとう、ミーナ。先生嬉しいな」
ーーけど、言うべきことは言わねば!
「…でも違います。急に体当たりして御免なさい、でしょう?包丁を持っている時にそう言うことをしたら危ないって何度言ったら分かるのかな?」
ゆっくりとミーナを手で押し返すと、ミーナが大きな青い目でこちらの顔を下からぐっと覗き込んでくる。その表情は、やはりと言うかキョトンとしていた。
「でも、どうせ包丁なんてわたしには刺さらないよ?」
ホラーみたいになっちゃった…
途中で力尽きちゃったんです。次こそは長いのを頑張って投稿します。