人形達を守るモノ   作:NTK

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すみません、ちょっと前回書いて燃え尽きかけてたのとあつ森で遅れました…

デトロイト編です。
結構オリジナル設定入ります。


Code-97 黒い真実

ノアの出産を聞いたライ達一行は当然ながらその情報は厳守であり、他者に聞かれないように注意しつつ、帰還時に何か祝い品を買っていこうと結論し、とりあえずは例の放送が行われた現場へと急行していった。

現場に到着すると、コナー達はすでに来ており、彼らの他にも複数の警察組織が現場を彷徨いていた。それほど今回の事が大きな注目を集めていたのだろう。

 

「コナーさん、状況は?」

 

「現場内を調べたところ、ここをジャックしたのはアンドロイド4名と人形が2名です。彼らの声明発表後にSWATが突入し一時銃撃戦となりましたが、人形の一人がフォースフィールドを使って銃撃を防ぎながら屋上へ逃走しパラシュートで全員逃げたと思われます。この事と見た目から、人形の一人はG36Cと判明。そしてもう一人はここの回線を使って複数のサイトにアップした事と、ピンクのメッシュの入った髪が帽子からはみ出ていた事からMDRと思われます」

 

コナーが見せた映像には確かに変装こそしてるものの、その二人とわかる人物が映っており、ライ達は苦い顔をした。

 

「やはり、人形側にも彼らの協力者がいたか…」

 

「最近ここらで野良人形の目撃が多いのも、全員ではないのでしょうが、そういう事なんでしょうね」

 

「それと、彼らはどうも不法侵入ではないらしく、ここのアンドロイドの中に内通者がいる可能性があります。私はこれからそのアンドロイド達に尋問するので、あなた方は他に手掛かりがないか調べてくれませんか?」

 

コナーがそう言い移動すると、ライ達は他に手掛かりがないか探し始めた。

とはいえ、特にこれといったものは見つからず今後どう動くか話し合いをし始めた時であった。コナーが行った場所から何やら大きな物音が鳴り、一人のアンドロイドが飛び出し、駆けて行った。

 

「まさか…⁉︎ナロ、ココ‼︎あのアンドロイドを追ってくれ!場合によっては発砲しても構わない!」

 

『了解!』

 

二人が件のアンドロイドを追い、ライが部屋に向かうと、人形のコアに当たるシリウムポンプを引き抜かれたコナーが床を這ってシリウムポンプに手を伸ばしていた。すぐにライはシリウムポンプを取り、コナーのボディにはめ込んだ。

 

「コナーさん⁉︎大丈夫ですか⁉︎」

 

「えぇ…おかげで助かりました、ありがとうございます。それよりあの変異体を止めないと…」

 

すると、銃声が聞こえ、二人は急いで駆けつけるとナロとココが銃を構え、その先には先程のアンドロイドが頭と胸を撃たれて倒れていた。

 

「何があった?」

 

「彼が警官の銃を奪い乱射しようとし、止めようとしたのですが聞き入れる気が無く、やむを得ず射殺しました…すみません、出来れば無力化したかったのですが…」

 

「いや、下手に無力化しようとしたら死人が出てたかもしれない。その判断は正しかった」

 

その後、アンドロイドを回収し彼らは現場を後にした。

翌日、世間の反応は殆どこの地区の方針に対する批判が大多数であった。あの放送を皮切りに、かつてこの地区を訪れた外部の人間や人形からアンドロイドに対する態度や現状についての体験談が流れ、この地区のあり方に疑問を持つ声が多く上がっていた。

 

さらに、ウォーレン地区長とサイバーライフ社の黒い疑惑も浮上しその後行われた会見では直接の関与は否定したものの、アンドロイドの扱いについての地区としての改善については変えるつもりはないと述べ、人類人権団体過激派のいいようにされるのではと荒れてるらしい。

 

「ハァ…なんか大事になったな…まぁこれはアンドロイドと人形についてハッキリ決めなかった地区長の怠慢だな」

 

ハンクがラジオを聞きそうぼやくと車の窓を眺めた。

デトロイト市警としては背景はわかるが罪は罪であり、変異体を確保したいのだが現行のままでは確保された変異体はほぼ解体されることがどこからか世間に流れてしまい、それなりにバッシングを受けていた。さらに、明朝にサイバーライフの店舗が襲撃され店内のアンドロイドが脱走しその際にドローンが主犯と思われるアンドロイド『マーカス』や複数の戦術人形をカメラに収める事に成功した。

 

脱走したアンドロイドは破壊活動は一切せずに彼らの組織のシンボルや自由を訴えるメッセージを残した事が民衆の関心を寄せていた。だが、パトロールに来てた警官二名が撤退する彼らに向けて発砲、アンドロイドを何体か射殺した事が市警への批判をより激しくさせてしまう事態を引き起こしていた。その警官らは一時アンドロイドに拘束されたものの、報復を受けずに放置され、ショック状態であるものの彼らは無事であり、それがアンドロイドへの支持をする人間への関心を寄せていた。

 

とはいえデトロイト市警としてもこのまま引き下がるわけにもいかず、ハンク、コナー、ライ、バラージの四人はアンドロイド製作に関わったイライジャ・カムスキーのもとに向かい、何か手立てはないかの助言を受けようとしていた。ジュッターレ達はペルシカからの別件を受けて別行動を取っていた。

 

カムスキー宅に着いた四人はアンドロイドに案内されて屋内プールにいるカムスキーと向かい合った。

 

「ふぅむ…アンドロイドとI.O.Pの人形と人間が共に行動しているとは……中々だな」

 

「それでカムスキーさん、何か情報はありますかね?」

 

「仮に伝えたとして、君らはそのあとどうする?世間にも認められ始め、自由を手に取ろうとする彼らを捕まえるのか?それに、ライ君とバラージ君だったか、君らは今や感情を得た事で君らとほぼ同じ存在となった彼らに自分らと同じ自由を与えたくはないのか?…命令を遂行するだけだったアンドロイドが感情に目覚め、自由を求めて行動し始め、初めから感情を得てた君らは任務を遂行し彼らを捕まえようとしてる…皮肉だと思わないか?」

 

カムスキーの言葉に四人は何も言い返せず苦い顔をしているとコナーが口を開いた。

 

「それとこれとは別問題でしょう。変異体の中には殺人を犯した者もいます。そうした彼らを捕まえ、裁かせるのも我々の使命です」

 

「ほぅ…!『裁く』ね…中々に人間的な言葉を使うじゃないかコナー君とやら。もしや君は変異してるのか…?」

 

「っ⁉︎いえ、私は定期的に検査を受けてます。変異体では…」

 

言葉では否定してるが、LEDを黄色く点滅させてる事からかなりの動揺を見せるコナーに対し、カムスキーは案内役のアンドロイドをコナーの前に跪かせると、引き出しから拳銃を出して彼に手渡した。

 

「ならばテストだ。彼女…クロエを撃てば知りたいことを教えてやろう。彼女がただの機械と思うならね。撃たなくてもいいがその場合は何も教えない。君が変異体でないのなら、任務の為に彼女を撃てばいい。だが彼女を生きた生命と思うなら生かせばいい」

 

「コナー!こんな真似事に付き合わずにさっさと帰るぞ!」

 

「コナーさん…」

 

ハンクが帰るよう促し、ライ達が不安そうに見るなか、コナーは少し戸惑ったあと、銃をカムスキーに返した。

 

「…やはり、そうか…」

 

「いえ…私は…!」

 

「コナー、ほら行くぞ」

 

「あぁそれと、私は常にプログラムに非常口を残すんだよ…念のためにね」

 

意味深な言葉を背中に聞きながら、コナー達は屋敷をあとにした。

 

(ふむ…DG小隊か…場合によっては、サイバーライフは変わらざるを得ないかもしれないな…)

 


 

ジュッターレ達三人は一度地区を離れ、近くのグリフィンの基地に赴きそこのコンピュータ類を使ってある事を調べていた。

ペルシカから伝えられた別件は、ウォーレン地区長についての調査であった。サイバーライフの繋がりについてはグリフィンは強く言えないが、それとは別に金や武器の動きに妙な点がある為、万が一のことを考えて彼らは一度地区から離れて調査していたのであった。

 

「…っ!兄さん、ありました!この人、反アンドロイド団体や過激派達に武器や金を渡してるみたいです…!」

 

「こっちもあった…!なるほどな…この女は反アンドロイド団体とかに武器や金を渡して、アンドロイドを散発的に破壊させる。あの地区の方針的にあそこの人間は殆どがアンドロイドは家電感覚だから破壊されたら買い換え、それによりサイバーライフも利益が出て、その一部を彼女に送りそれを元手にまた…言ってて胸糞が悪いな…!」

 

「仮に民間人や建物に被害が出ても、その復興や怪我人の手当てにアンドロイドが使われるし、死人が出ても失業率の高いこの地区じゃ労働力はアンドロイドで補えるから問題ないし、人形が被害に遭ってもライバル社のだから寧ろ好都合…酷ぇな、真っ黒じゃねぇか…‼︎ すぐにこの事をグリフィン本部や安全局に連絡を頼みます」

 

「了解した、任せてくれ」

 

この基地の指揮官が連絡を始めると三人はすぐに旧デトロイト地区へと向かっていった。

 

 

一方、コナーは日本庭園のような場所でアマンダという女性、正確には生きていた彼女を模した彼の管理AIと話していた。

 

「コナー、一刻も早く変異体のリーダーを抑えて事態を収束させるのです。このままではサイバーライフの信頼は失われます」

 

「ですがアマンダ、このまま変異体を捕まえれば世間の批判が集まり余計に信頼を得られないのでは?」

 

「世間の声など今の間だけです。()()()()()()()()世間はそちらに向きます。彼らは言わば【欠陥品】です。欠陥品は回収せねばなりません。それに、かつての鉄血工造のように自社の製品に屈するような真似はあってはなりません。質問はそれまでにして、あなたはやるべき事をしてください」

 

「……わかりました」

 

やや不満そうな顔をして立ち去るコナーをみて、アマンダは訝しんだ。

 

(コナー…I.O.Pの人形に絆されでもましたか…仕方なしに呼んだ彼らですが、やはり呼ぶべきではありませんでした…早いところ彼らには立ち去って貰わねば…)

 

────

ジェリコ

 

「マーカス、本当にやる気なの?」

 

「あぁ、人間達に俺たちの事を理解させるんだ。ジェリコ達も協力してくれ」

 

「ええ、ここまで来たのなら、最後まで協力するわ」

 

「ありがとう。準備をしてくれ、終わり次第行くぞ」

 

マーカスの指示でノース達アンドロイド組は準備を始め、ジェリコ達戦術人形達も準備を行った。

彼らはこのあと街へ出て行進し、シュプレヒコールを行うつもりである。

 


16Lab

 

「そういえば、P基地に行くのはアスターの出産が終わってからにしたのよね?」

 

「あぁ。頻繁に移動してたら連中に怪しまれる可能性もあるしな。向こうにもそう伝えてある。それで、わざわざこんな夜中に呼び出してそれだけな訳ないよな?」

 

時間は遡り、放送局での出来事が起きた日の夜中、リバイバーはペルシカに呼び出された。

 

「まぁね。端的に言うと、あなた今からライ達の元に行ってくれる?あなたの手助けが必要かもしれない、既に移動準備は出来てるわ」

 

「了解、個人的に向こうの事調べてヤバそうと思ってたしな」

 

すぐにリバイバーは高速輸送機に乗り、旧デトロイト地区へと飛び立っていった。




ウォーレンさん、本編だと大統領だけどこの世界だからね、地区長ですよ。それと、本編だとルート次第で改心しますが、原作の会見で冷たさを感じたので悪人にしました。

焔薙様、P基地に行くのは本文の通りアスターの出産後に向かうのでその時はよろしくお願いします。

さて、次回でデトロイト編を終わらせる予定ですね。
リバイバーも向かい、彼らはどうなるのか…
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