ともあれ、デトロイト編最後です!
彼らは自由を手に入れられるのか…
旧デトロイト地区へと着いた三人はライ達に暗号通信にて連絡、その後到着したリバイバーと合流し彼に現状を伝えた。
「なるほど…お前さんらはとりあえずライ達と合流しとけ。俺はそのウォーレンって奴のとこに行く」
「何故?」
「ここまでバラされて連中が何か仕掛けてくる可能性があるからな、先に行って何か企んでるならそれ証拠に拘束すりゃいいしな。場所はわかってるしな」
そういいリバイバーは飛び立っていく。
ジュッターレ達三人はデトロイト市警へと向かっていくが、その途中である光景を目にした。
「…!あそこにいるの、マーカスって奴じゃないか?」
「…確かにそうだ!これは…⁉︎」
彼らが目にしたのはマーカスが手をかざしたアンドロイドが次々と主人の元を離れ、列に合流していく光景であった。警官が一人銃を向けて止めようとするも構わず彼らは進み続けた。
「我々は生きている‼︎我々は生きている‼︎アンドロイドに自由を‼︎アンドロイドに自由を‼︎」
そう叫びながら行進する彼らを見てジュッターレ達三人は立ちすくんでいた。この地区で行われてる悪行がわかった以上、近いうちに安全局らによって地区長やサイバーライフの上層部は逮捕され彼らはその被害者として保護されるだろう。放送の事もあるので今後彼らの立場は多少は改善されていく事だろう。
「やはり、彼らは助けるべき存在だったんだな」
「もう少しこの事実に気づけば早く彼らは解放されてたでしょうね。その点だと僕らは、まだまだ先輩達には及びませんね…」
そう話し合っていた時であった。サイレンが鳴り響き、警察車両が到着し鎮圧部隊が展開されていたのだが、その中には銃を構えた警察隊がいたことに彼らは驚愕した。
「なっ⁉︎彼らを撃つつもりかよ⁉︎奴らは何もしてないだろ!」
「市警と協力関係にありますが、それは別問題です!止めに行きましょう‼︎」
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「はぁ…捜査を打ち切られたのはアレだが、理由を聞いてある程度納得したよ…これはこの地区の膿が溜まりに溜まって噴き出ちまって起きた事だってな。暴いてくれてありがとよ、最初会った時失礼な態度取ったのは悪かった」
デトロイト市警内でハンクはコナーやライ達に向けてそう呟いていた。すでにジュッターレ達が握った情報は安全局に伝えられ、既に検挙に向けて動き出しておりそれに伴って変異体の捜査は打ち切られたのであった。
「いえ、こちらも彼らアンドロイドを助けたい一心で動いたわけですから」
「今回の件でほぼ間違いなく今の地区長は捕まり、彼女と密接な関係にあるサイバーライフも変わらざるを得ないでしょう。次の地区長の政策によっては、殺人を犯してしまった変異体も自首してくることでしょう」
「えらく他人事みたいにいうがコナー、お前はどうなるんだ?変異体の調査がサイバーライフから与えられた任務だろ?」
ハンクからそう言われ、コナーは少し黙り込んだあと語り出した。
「…本来なら私は任務を優先して変異体のリーダーを捕まえるべきなのですが、そうしてはいけないと感じ始めていました。カムスキーから言われてハッキリ自覚しました……私は変異体になってしまっていたようです」
「だろうな。今のお前、ライ達と殆ど変わんねぇように見えるしな」
この告白にたいして驚いてないハンクにコナーは目を白黒させるが、元々彼はそういう人物だったことを思い出してほっとしていた。
「今のままでしたら私はサイバーライフに回収されて分解させられるのでしょうが、今の状況だと改革されてそうならずに済むかも知れません。あとはこのまま何も起きなければいいのですが…」
そうだな、とハンクが何気なくモニターの電源を入れると、画面にはアンドロイドと人形の集団に向けて銃を構える警察隊が映し出されていた。
「なっ…⁉︎こいつらどこの所属だ?何だってこんな騒ぎになることを⁉︎」
「警部補、先ほどパトロールの警官から連絡でアンドロイドが大量に集まってるとの報告がありました。しかし、それにしても無抵抗の彼らに銃を向けるのはいささかやり過ぎでは…」
「あれは…ジュッターレ達⁉︎止めようとしてるのか?」
「ジェフリー‼︎テレビ見てるか⁉︎こいつらの所属元に連絡してやめさせろ‼︎」
「やってるさハンク‼︎だが繋がらないんだ!クソッ‼︎どこの馬鹿が命じたか知らないが、これじゃ真面目にやってる警官も地区長の仲間と思われるじゃないか‼︎」
ファウラー警部の叫びに嫌な予感を覚えたコナーとライ達はもう一度画面を見て、彼らのもとへ駆けつけようとしていた。
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「やめろ‼︎何故彼らに銃を向ける⁉︎」
『…⁉︎グリフィンの人形?こいつらは違法な集会を行なっている‼︎君らがこちら側と協力してる以上、邪魔立てをしないでいただきたい!』
「違法?これのどこが違法ですか⁉︎彼らは何も武器を持っていないでしょう⁉︎」
「その通り、我々は武器を持っていない。ここにいる戦術人形達もそうだ。これはあくまで平和的なデモだ」
ナロとココの言葉にマーカスが同調すると、警察隊にざわめきが起きていた。彼らはアンドロイドは危険だと思ってきたものの、あまりの潔さに動揺していた。
その時であった。
「あなた、やめなさい‼︎」
アンドロイドの集団の中から叫び声と共に銃声が聞こえ、警察隊の近くの電柱に弾があたった。
『発砲したぞ‼︎』
「待て!様子が変だ‼︎」
「マーカス‼︎このアンドロイド、よく見たら最近この型のアンドロイドがこっちに来た覚えがないし、通りにもいなかったわ!」
「何…?」
ノースの指摘にマーカスは取り押さえられてるアンドロイドに近寄り、手をかざした。
「…!変異していない…⁉︎君は何故こんな事を?」
「僕は…サイバーライフに強制的に命令されたんだ…君らを見かけたらさりげなく合流して、時期を見て人間を撃てって…。僕以外にも同じことを言われたのが何体もいて適当に街を彷徨いてる…」
「何だって…⁉︎」
「なるほど、そうやって変異体のイメージダウンを図る気だったのか…クソッタレがッ!」
普段はアンドロイドが人間を傷つけることはできないが、製造元のサイバーライフならばそれを取っ払うとこができるのは当たり前であろう。ジュッターレはあまりの悪質さに毒ついているとその時、リバイバーから連絡が入ってきた。
《あ〜もしもし?さっき地区長のとこ行ったらよ、ナイフ持ったアンドロイドが地区長の側で蹲ってたから聞いてみたら、変異体に見せかけて地区長始末しろってサイバーライフに言われたけどそんなことできないってさ。多分自力で変異したんだろうな。それで、地区長がそれにビビってベラベラ悪事を白状したんだがどうすりゃいい?》
「…とりあえず逃げないよう拘束しておいてくれ。多分そろそろ安全局が来るだろ」
その後、警官隊は利用されそうになったことを知り、自らの非を認めて謝罪した後撤退していった。そして程なくして安全局が到着し、ウォーレン地区長やサイバーライフの上層部の殆どが逮捕され、彼らの悪行が白日に晒された。
サイバーライフはというと、一時倒産寸前となったが、トップにカムスキー氏が複数のメンバーを連れて返り咲き、信用を少しずつ取り戻しているそうである。さらに、新しい地区長が就任され、アンドロイドの立場や境遇が大幅に改善され、彼らは自由を手にしつつあった。
「短い間でしたが、お世話になりました」
「こっちこそ、協力してくれて感謝するよ」
「また何かあればよろしく頼みます」
飛行場にて、ライ達はハンクとコナーに見送られていた。
あのあとライ達は無事合流したがすでに事は終わっていたのでそのまま帰還していった。コナーはというと今後アマンダからの干渉を受けるのではと心配していたが、カムスキーの言っていた非常口を見つけ出し、難を逃れていた。
ルパートも無事解放されたが、行くあてがないと言うのでヘリアンに相談した結果、グリフィンで保護したペットの飼育係として雇う事にしたのであった。
「では、お二人とも。またいつかお会いしましょう」
ライが代表して別れを告げたあと、彼らは飛行機に乗りこの地を後にしたのであった。こうして彼らの任務は終わりを告げたのであった。
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数週間後、本部は少しだけ騒ぎになっていた。というのも、アスターが産気づき、まもなく子供が産まれようとしていたからであった。
「レ、レスト⁉︎俺どうすりゃいいんだ⁉︎」
「隊長、気持ちはわかりますが落ち着いてください。奥さんとペーシャさんを信じて、無事産まれるように祈りながら一緒にしていてあげてください」
レストのアドバイスを聞き、バレットは落ち着きを取り戻しアスターの側にいて励ましていた。その後、ノアほどの時間は掛からずに無事に双子が産まれバレットは泣いて喜んでいたのであった。
『ミラ』と『レオン』と名付けられた姉弟がすやすやと眠るなか、バレットはペーシャに礼を述べていた。
「本当に、ありがとうございました」
「いえいえ、医者としてやれる事をしたまでですよ。ある程度検査が終わったら一度基地に戻りますが、定期検査に訪れるのでその時はよろしくお願いします」
「わかりました。落ち着いたらそちらに向かいますので、ユノさん達によろしく伝えてください」
リバイバー来た意味ェ…本当はもっとドンパチしたかったけど、上手く思い浮かべずgdgdしてると出産時期になるからこうなりました。
少し投げやりですがすみません…
ちなみにカーラネキ達は無事にデトロイトから出れました。この世界地区分けだから移動も楽ですしね。
そしてサラッと書きましたがバレットとアスターの子が産まれました。
ノアの時と描写が殆ど被るからね、仕方ないね。
というわけで次回、P基地にお邪魔しますので焔薙様、今週中に書き上げる予定ですのでよろしくお願いします‼︎