ではショタ回です、どうぞ!
ある日、DG小隊はペルシカに呼び出され、16Labに集まった。
「急に呼び出して、一体何の用なんだ?」
バレットが質問するとペルシカは深刻そうな顔でこう告げた。
「…あなた達、前にドリーマーと交戦したわよね?この前検査した時にわかったんだけど、多分その時にやられたんだと思うけど、ナノマシンタイプのウイルスが検出されたわ」
「なっ⁉︎ウイルスだって⁉︎」
「そんな…!」
「安心して。今日呼んだのはそのナノマシンを駆除するナノマシン入りのカプセルが出来たから呼んだの。幸いウイルスの効果はまだ出てないから今飲めば問題はないわ」
そう言いペルシカはカプセルと水を個別に手渡した。バレット達はそれをすぐに飲み込むが、ノアだけがある事に気づいた。
(あれ?これって…)
「それにしても、ナノマシンタイプのウイルスとは…それで、そのウイルスはどんな効果が─」
ドサリ、と突然ウェイターがその場に倒れた。
「ウェイター⁉︎おいペルシカ、どうなってんだこれ⁉︎」
「あ〜ゴメン。ウイルスが検出されたって言ったわね…あれは嘘よ」
「は?じゃあさっきのカプセルは一体─」
最後まで言う前にノアを除いた全員がその場に倒れこんだ。
「え?え?」
「あぁ、ノアに飲ませたのはただの強化カプセルよ」
「あ、やっぱり…えっと、レストさん達に何を飲ませたんですか?」
今にわかるわよ、とペルシカは人の悪い笑みを浮かべていた。
───
「んっ…クソ、頭が痛ぇ…ペルシカ、お前何飲ませ…あ?何か声が変だな?」
バレットが頭を抑えながら起き上がるとある違和感に気づく。
「バレット、コレで自分の姿を見てみなさい」
ニヤニヤしながらペルシカが持ってきたのは姿見だった。バレットはその前に立って自分の状態を確認する。
「──ッ⁉︎なんじゃこりゃあぁぁ⁉︎」
そう叫ぶバレットの姿は、だいたい8歳前後の姿にまで縮んでいたのであった。
「うるせぇなバレット…ん?何でお前小さく…ってえぇぇ⁉︎俺もかよ⁉︎」
「一体何だ二人とも…は?何だこれ⁉︎」
スミスやレストも同様に小さくなっており、自分の姿に困惑していた。ウェイターはまだ目が覚めていないが身体が小さくなっているものの、三人と違い彼だけ6歳くらいの姿となっていた。
「おいペルシカ‼︎どうゆう事だこれは⁉︎」
「いや〜ね、前々から人形の幼児化薬とか作っていたけどね?それでこれってあなた達にも効くのかなって思って男性型のあなた達に合わせて改良したのを試したんだけど、どうやら成功したみたいね」
「それだけのためにわざわざ呼んだのかよ…しかも服まで縮んでるし、物理法則はどこいったんだよ…」
「っ⁉︎待てよ、まさか…⁉︎」
スミスはハッとした顔で部屋の奥へと向かう。数秒後、どんよりした顔で戻ってきた。
「Oh…デリンジャー…」
(ナニ見てんだよコイツは…)
「傷が…なくなってる…!」
自身の身体を見てレストは驚いていた。今の身体には彼の身体中にあった傷が無くなっていたのだった。
「へぇ、それは予想外ね。後でデータを取らせてくれる?もしかしたらそれを元にあなたの傷を完全に消せるかもしれないわ」
「本当かっ⁉︎是非頼む!」
レストが一つの希望を見つけたところで、ちょうどウェイターが起き上がった。バレット達はウェイターが今の姿にどんな反応をするのか気になった。
が、当の本人はキョトンとした顔で首を傾げていた。
あれ?なんかおかしくね?そんな雰囲気が漂い始めた頃、ウェイターが口を開いた。
「…たいちょう?どうかしたの?」
「「「「「……はい?」」」」」
いつもの口調ではなく、年相応の言葉で話すウェイターにその場にいた五人は固まっていた。
すぐさまバレットはペルシカに問い詰める。
「…ペルシカ?これは一体?」
「あー…そういえばこの薬、メンタルモデルがボディに合わせて幼くなることがあるんだっけ…」
「つまり今のウェイターは見た目も中身も子供になってるのか?でも、さっきバレットの事を隊長って言ってたぞ?」
「記憶自体はそんなに影響しないみたいね。効果は一日くらいで無くなるから、その時に戻ると思うわよ?」
「それまで俺らはこのままかよ…」
「まぁいいんじゃない?子供の頃に帰った感じで?」
「ねぇよ人形に子供の頃なんて」
バレットはごもっともな意見を述べた後、とりあえず外に出なければいいとの事なのでスミスと共に出て行った。レストはデータの採取の為にノアと残り、ウェイターも状態が状態なのでそのまま残る事にした。
───
「うーん、やっぱこの身体じゃ片手で撃てないか…」
スミスは射撃場にて一人呟く。どうやらボディの性能は元の身体に比べて劣っているらしく、両手で構えて撃つのが精一杯だった。(そもそもS&WM500は両手で構えて撃つものだが)
するとそこへ、グリズリー、リー・エンフィールド、ネゲブの三人が訪れた。三人はスミスの姿を見つけると眉をひそめた。
「あれ?あんな子いたっけ?」
「いえ、見覚えがありませんね…あ、でも何かスミスさんに似ていませんか?」
「もしかして…隠し子とか?」
「「あー」」
「違うッ‼︎本人ッ‼︎本人だから!」
スミスはこうなった事情を三人に説明する。
すると三人は心当たりがあるようで納得したようであった。
「私たちもあったわねそういうの。まぁこっちはスキンだったけど」
「まったく、ペルシカといい、I.O.Pは何でこんなもの用意したのかしらね」
「君たちはそん時は射撃とか不便なとこは無かったのか?特にリーなんかはライフルが身長とほぼ同じだろ?」
「いえ、動きづらい事を除けば普段通り扱えましたね」
「ふーん…そこは薬とスキンの違いか」
その後スミスは3人と雑談をした後、射撃場から出て行った。
廊下を歩いているときだった。目の前でバレットが血相を変えて走り去っていくのが見えた。何事かと思ったスミスだが、そのすぐあとに彼の後を追うようにM82A1が現れた。彼女はスミスの姿を見つけると足を止めた。
「スミスさん?彼もこんなに可愛く…いやそれより、弟…バレットを見ましたか?」
この時、スミスは正直に言わないほうが良いなと直感した。
「いや、さっき来たばかりだから知らないな…」
「そうですか…わかりました…せっかくお姉ちゃんが何とかしてあげるって言うのに…」
M82A1は再び走り去った。ちなみに彼女が発していた小声はスミスは聞こえていたので、先ほどのバレットの様子から彼に何が起きたかスミスは何となく把握した。
(彼女…ショタコンだったかぁ…。前々からなのか、バレット見て目覚めたかは知らないが、バレット…無事逃げ切れよ…)
スミスはバレットが逃げた方に向かって静かに合掌した。
Q.何故ウェイターだけあんな風に?
A.生真面目な弟が突然見た目も中身もショタ化して戸惑いながらもデレるFALを書きたいから。
なんて事だバレット…!君の受難は止まらない、加速する…!(アイン感)
果たして彼は逃げきれるのか?
この話、多分あと二話くらい続きそうです。
あと、前回言ってた短編貼っときます。蝶事件前に鉄血を使っていたPMCの話なのでバッドエンドですが。
https://syosetu.org/novel/194168/