ちょっと長くなりそうなので二回くらいに分けます。
あと、今回と次回は大陸版のネタバレが結構出てきます。
「Fooooo‼︎何なんだこりゃあぁぁ⁉︎ルーラーっつう
かなり興奮した口調で話すリヴァイルなる人物にバレットらは唖然としていた。彼はリバイバーを見るやいなや自身の事を話すかわりにメモリーを繋げろと迫り、正直言って不安でしかなかったが、彼の言う『パラデウス』という組織の情報を知る為にやむなく行った結果、彼はこれまでの様々な技術に目を輝かせていた。
「いや〜興奮した興奮したぁ。ヒトだった頃だったら興奮し過ぎて鼻血とアドレナリンがドバドバ出てたし、なんなら一回達してたな」
(うわぁ…)
「おうなんだその顔はリバイバーとやら?オレはお前さんでもあるんだぞ?まぁよく考えたらオレもそんなこと言う奴いたら引くからその反応は正しいか」
「で、そろそろあなたについて聞かせてくれるかしら?あのネイトって子供達の話からして、所謂オリジナルの貴方は事故死したみたいだけど…」
それを聞いた瞬間、リヴァイルは安心した顔を浮かべたのであった。
「おー良かった良かった。ちゃんと死ねたか。なら向こうからすればオレは死んだ者となってるし、オレの技術は綺麗さっぱり無くなったってわけだ」
「っ!その言い方…オリジナルのお前さんは事故死じゃなく自殺か?」
「正解だ。奴らにはデジタルクローンはお前さんを以て失敗したと伝えてあるし、記録メモも殆ど嘘ばかりだから
「…?いや、デストロイヤーが施設にあったE.L.I.Dに喰い散らかされた死体から持ってきたって聞いたが?そういやそこにそんなような残骸があったとも言ってたな…」
リバイバーからそう聞かれたリヴァイルは顔を青くしてマジで?と答えた。どうやら本来ならあらかじめプログラムに細工してた護衛人形がリバイバーの入ったチップを事故を装って強奪し、外部に流出させる予定らしい。ついでに言えばリバイバーのプログラムにも細工をしており、テスト時に表示されるスペックが本来のものより低く表示されるようにした。そうすることでリバイバーは条件をクリア出来なかった落伍品となるため失っても問題ないものとさせるつもりだったらしい。
「まぁ結果的に逃げれたならいいか」
「それで?貴方は何故逃げたのかの前に、デジタルクローンまで作って貴方は何をするつもり?」
似た前例があった以上、彼が何か良からぬことを企んでいるのではと勘繰り、ペルシカが険しい顔で問いただすとリヴァイルはあっさり白状し始めた。
「オレがしたい事?それはただ一つ……
『遺跡』の謎を解明したい。それだけだ」
「…遺跡の謎を?」
「だってそうだろう?大昔にあったにしてはオーパーツ過ぎるそれを作り上げたのは何者か、何の目的で建設したのか、そして彼らは何故この地を去ったのか、自らの実験の事故か何かで自滅したか?それともこの星は奴らの実験場で観察するために離れてるのか…。それに、未だ解明されない各所の遺跡最奥部に何が眠ってるのか、そしてそれらは我々人類に役立てるものか、またはその技術を応用して現行技術の革新、つまりはパラダイムシフトを起こせるか等…そういうのをオレは知りたいし解明したいし試したいのだよッ‼︎」
キラキラと目を輝かせて語るリヴァイルにペルシカ達はその語りに圧倒されかけるも、それとデジタルクローンがどう繋がるのかがわからなかった。
「何故それがオレのやった事と関係するかって顔してるな?まだ話は続くから安心して聞きな」
彼の語りは続いていく。便宜上『生前』の彼は国連の遺跡の研究チームに所属してたらしいが、正規軍の一部から遺跡に眠る『ある兵器』の研究を優先的に進めろとの圧力に対し遺跡全体を調べたかった彼はそれに嫌気が刺し、退所。追手から上手く逃げつつ彼のみで研究を続けていたそうである。
遺跡を解明するにあたって、まずぶつかる問題は崩壊液汚染である。元々は遺跡にあったものであるため内部は高濃度の崩壊液汚染区域となっている可能性が高いうえ、そもそも北蘭島事件で世界中に広がってしまったため遺跡に行く前に汚染地域を通らなくては行けない場所もあるし、何よりE.L.I.Dの脅威もある。故にまずは崩壊液の除染及びE.L.I.D治療技術の確約から進めていたが、更なる問題がある事に気づいた。
「端的に言えば、時間が足りないって気づいたんだわこれが」
「それは、技術完成の前に人類が滅びるって意味かしら?」
「あ?違う違う、足んねぇのはオレ自身の時間、要は寿命だ。新技術の発見や科学の発展具合を頭に入れても、どう考えても技術完成して除染しきって遺跡調べられる頃にはとっくにオレは老ぼれジジイだ。探索なんて出来る体じゃねぇよ。第一、そん時は蝶事件が起きてちょっとしたくらいだったし、さらに大きな動乱が起きればさらに時間がかかるだろうしな」
「…えっと、除染したあとの遺跡探索を後世に託すって考えは…?」
「無ぇよ。オレは生きてこの目で遺跡の謎を見てみたいんだ。あとから来た奴にオレが生涯賭けたものの美味しいとこだけ掻っ攫われてたまるかよ」
「…なるほど、それでお前さんはデジタルクローンという手段を取ったってわけか」
リバイバーの問いにリヴァイルはまたまた正解だと答える。
彼は人形の半永続性に着眼し、自身の完全なデジタルクローンを作成してバックアップを作成してボディにそれを移せばもし死んだとしてもバックアップから蘇ればいい話となるので事実上半永続的に生きられ、歳を重ねることなく研究を続けられるばかりか、万が一第三者に命を狙われても、オリジナルを生け贄にすれば名実共に死人となるため都合が良いのである。
「っ⁉︎待て待て!お前はそれで何とも思わないのか⁉︎」
「思うも何も自分の命だ、どうしようが勝手だろ?それに、それで安全に研究を続けられるなら喜んでこの身を捧げてやるさ」
その答えにバレットは絶句した。何が彼をそこまで突き動かしているのか、言うまでもなくそれは遺跡という未知に対する探究心なのだろうが、ここまでくればもはや狂気じみた憧憬だろう。
「…本当にお前は遺跡の技術で人類に貢献するだけか?その力を持って世を支配しようとか考えてるんじゃないのか?」
「まさか!崩壊液はともかく、『アレら』はオレどころかヒトの身に余り過ぎる代物だ。完全制御なんてほぼ無理だし、そんなんで支配して何の得になる?支配しても住む土地が汚れてりゃ意味ねぇだろうし、無理な抑圧は大きな反発を呼ぶだけだぜ?破壊以外に使えるものがあるのならば使えるようにするし、ないなら管理すりゃ良い話だ」
話を戻すが、彼はデジタルクローンの作成を試みたものの、個人でやるには設備や資金的にも限界があり、上手くいかなかった。そんな遅々として進まない状況にある時、転機が訪れた。ある人物が護衛を連れて彼の元を訪れ、その遺跡解明の手腕を見込んで自分の元に来ないかと言われたのだ。僅かに残った通信記録などから追跡されたことから相手はかなりの技術を持ってると確信した事と、彼が自分を引き入れる目的には互いに利があると感じたリヴァイルは彼の組織に加わる事にした。
それが、『ウィリアム』なる人物であり、彼が首魁を務める『パラデウス』であった。
科学に身を捧げる(物理)
なおコイツが予想してた技術の伸びは原作の秩序乱流レベルだったりします。
要約するとコイツはただ遺跡を調べたいだけであり、それを使っての支配とかは興味がなく、それをやるのに必要な事をするのに寿命が足りないからデジタルクローンという手段を取ったけど、作成が上手くいかないときにパラデウスに協力持ちかけられたから設備や技術利用したろって感じで入った次第です。
ちなみに他にも問題あるのに放置してるのは他にも似た考え持つ奴がいるだろうからそういうのはそいつに任せておけばいい的な考えです。
所謂『憧れが止められないタイプ』であり、『人類で初めてキノコ食ったりするタイプ』の人です。
また、ウィッカーマンというのはドルイド教における人身御供の儀式の名前でもあります。まぁこの場合供物は自分自身ですが。
次回は彼がパラデウスに入ってからと、何故逃げたのかを書く予定です。