人形達を守るモノ   作:NTK

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何か少し前に日間ランキング入りしてテンションが上がっております!

今回はリバイバーの強化がメインです。


Code-122 いつか彼らに鉄槌を

「…で、やっとこさパスワード突破したと思ったらアイツ何仕掛けてたと思う?地雷だぜ地雷?しかも強めのやつ。室内でしかも一個人に対してやるモンじゃないだろ?コレ慰謝料として武器のデータとか貰ってもいいと思わないか?」

 

「百桁の英数字パスワードを仕掛けた方もそうだが、それを十数分で解いた変態に対してそれは当然の措置だろ。サマー○ォーズの健○かお前さんは」

 

コイツが悪事に手を染めたら人間じゃ誰も勝てなくなるんじゃないかとリバイバーは被害者面をするリヴァイルに対してそう感じ取っていた。この二人は元が元の為かよく絡む事がありこうして話す事が多かった。一応間柄としては『記憶を一部共有した他人』といった感じで落ち着いてるらしい。

 

「何でまたパスワードを破った?向こうにとって見られたらまずい、もしくはとんでもないことになるモンがあるかもしれないだろ?」

 

「え?だってパスワード強化したって事は突破したら褒美として調べさせてもいいって事かと…」

 

なんつー暴論だよ。お前さんの性癖までコピーされなくて本気で良かったと思ったわ。それで?まさかずっと万能者追いかけてて研究してませんでしたって言うんじゃねぇよな?」

 

「まさか。アレは研究の合間でやってた事だし、ある程度の装備開発は出来てる。ついてきな」

 

そういってリヴァイルが案内するとそこにはペルシカがおり、机の上には彼が愛用してるV.S.L.Cが置いてあったがレーザー砲身の部分が変更されており、それには見覚えがあった。

 

「ん?これって連中の…」

 

「そ。お前さんが掻っ払って来たやつを組み込んだんだ。いや〜調べたけどすごいよコレ!火力もさるものながら、連射性も高い上反動制御も放熱もバッチリでほぼノーリスク。砲身自体もクソ硬いし補助動力も内蔵されてるんだがコレもヤバくてね、小さい割にこれ一つで軍の大型装甲人形を楽に動かせるんだわ!これでも万能者によれば劣化版だって言うんだから本来の性能がどんなもんか想像しただけで心が躍るねぇ‼︎」

 

(また始まった…)

 

リヴァイルは鹵獲したPownの砲戦使用が所持してた大型粒子バズーカを改造してリバイバーの武器に組み込んだのであった。当然中身は複雑なものであったが、ある程度仕組みを理解した上でレーザーを放つのに必要なもの以外をオミットしたり、わからない回路をわかる回路に改造したり、リバイバーの武器の特徴である収束率の変更機能などを追加した結果、出力が本来の六割近くに落ちたものの、少なくともあの時いた鉄血の新型なら倒せるくらいにはなったそうだ。

また、補助動力もそのままにしてあるため、それを用いてレーザーブレードや同軸装備のレールガンの出力も上がったのだから全体的な性能向上となった。

 

そこまで聞くとリバイバーはある疑問が浮かんだ。

 

「性能が上がったのはいいが…コレ、保安局や国連に文句言われないか?」

 

「それがねぇ…不気味なくらい何の音沙汰もないのよ。初めは万能者が絡んでるからかと思ってたけど、こっち万能者関係ないとこでも色々規約に触れる物開発してるのだから逆に怖いわね…」

 

「あ?そんなん単純だろ。保安局や国連のジジイどもは()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

どういうこと?とペルシカが尋ねるとリヴァイルは語り始めた。

 

「考えてみ?今グリフィン(こっち)を規約違反で拘束、解体してみろよ?そうなったらPownの矛先はどこに向く?」

 

「どこって…あー、そういう事ね」

 

今グリフィンを解体すれば、大戦力を有してるのは正規軍と国連軍であるが、その力は量こそあれどPownに比べれば大人と稚児にも等しい。彼らの存在は既に認知されてるためその脅威は国連や保安局も周知であり自分たちの喉元にそれらが迫るとなれば彼ら─特に国連上層部─としては今の生活を甘受することができなくなる為、都合が悪い。

そこで、敢えてこちらを放置することで向こうと潰し合わせて矛先が自分らに向かないようコントロールしているのだろうというのがリヴァイルの推察である。こちらの技術を提供して戦力を上げる策もあるが、向こうは建前上堂々と規約を破るわけにもいかないし、かといって規約を変更した場合、下手を打てば内乱が起きてしまう。第一、それをPownが悠長に待っているとは思えないためその策はほぼ使えないといった具合である。

 

「まぁそもそもPownが国連の連中を襲撃することに興味を示してない可能性もあるが、連中は臆病だからな。それくらいの事は考えそうだ。あわよくば相討ちになれば良いってとこじゃね?」

 

「なるほどね…これを素直に喜んで良いのかはわからないけど、筋は通りそうね」

 

「とりあえずコレ使って問題ないってことならありがたく使わせて貰うぜ。今後も奴らに有効なやつの開発頼む」

 

「了解〜。まぁ対抗策は一応はあるかな。『対策しなかったら部隊が壊滅・鹵獲されるけど対策したらしたでのちにそれが原因で組織が大崩壊する』みたいな二択を突きつけるようなもんが有効だとは思う。その辺りで攻めてみる」

 

「そ、そう…頼むわね」

 

「あ、そうそう。なんかS13基地だっけ?そこにリホっていう万能者と前につるんでた奴がいるって聞いたが会いに行っちゃダメか?」

 

外出許可が出てないからダメよ、とペルシカに言われたリヴァイルはなら許可が早く出るよう協力するとしますかと言って部屋を出て行ったのであった。




着々と反撃するための準備をしていくスタイル。
鹵獲品使っちゃったけどまぁ生贄にしたって事で大丈夫ですかね?(震え声)

個人的に保安局とかが何もしてこないのってこれが妥当とは思うんですよね。
捕まえたいけど国連上層部から言われて手を出さない的な。


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