先制攻撃を行ったのはマーキュラスであり、両腕の機械の触手による刺突が襲いかかるが、バレットとスミスがそれぞれに銃撃を加えて軌道を逸らしその隙に回避すると、続いてニモジンのアームが飛来しレーザーを放つも間一髪で避ける。
「なるほど…ただの人形ではなさそうですね」
「それはどうもっ‼︎」
「ですが、それがいつまで保つか、楽しみですね」
その言葉の直後、彼女たちの配下の人形も攻撃を始め、辺りは混戦状態となりバレット以外の三人はそれぞれの専用武器を展開して応戦を始めていた。
リバイバーはドッペル二体を相手取っているが、思っていた以上に相手の偏差障壁が硬くなく、既に一体を大破させていた。
(考えてみりゃ、リヴァイルが手を加えたと言っても、その当時はPownどころか、グリフィンや鉄血の技術や戦力が大幅に上がってるなんて知りもしなかったんだったな…ならこうなるのは必然か)
リヴァイルが改良*1を施したためパラデウスの戦力は一般の人形には充分すぎる程の脅威なのだが、いかんせん彼らはそれらを上回る規格外の戦力と交戦した経験があるため、対応が可能であった。
バレット達もニモジン達の不意打ちに苦戦してはいるが、一体ずつ確実に仕留めていった。ウェイターのワイヤーがストリティ三体を同時に斬り裂き、残りの一体はレストのスパラグモスにより撃破されていった。バレットはメンバーの中で唯一特殊兵装を持っていないものの、素のスペックを活かして徐々にロデレロに近づき、至近距離で愛銃のM107を連射し強引に偏差障壁を突発し撃破していった。
撃破したストリティの割れたバイザーからE.L.I.Dの進行が進んだ人の顔が見え眉を顰めるも、元々対人戦を主に活動していた事と、リヴァイルから事前に『こう』なったらもはや奴らは人間ではなく、人間を部品にした人形や兵器と同義だから躊躇う必要はないと伝えられていたため、そこまで動揺はしなかったが、どう見ても子供としか思えない者もいたため、パラデウスのやり方に怒りを覚えていた。
やがて、ニモジンやマーキュラスの着弾地点に氷塊が現れてることから彼女達の攻撃がコーラップス由来のものと見抜くとスミスの神獣鏡による弱体化を行うと二人は明らかに動揺していた。
「なっ…⁉︎コーラップス技術が…!」
「リヴァイル…!厄介なものを…」
「残念だが、それ作ったのはリヴァイルじゃなくて…言いたかねぇがアイツの劣化コピーの俺と俺の彼女だ。言っただろ?俺らを甘く見るなって」
見るとドッペルは既に破壊され、残ったロデレロも撃破され残るは彼女達のみとなったところで、リヴァイルも合流したのであった。
「やぁやぁ。お久しぶりですねぇニモジン、マーキュラス。尤も、この姿の『私』と会うのは初めてですが。マーキュラスは詩の引用以外の言葉は話せるようになりましたか?」
「その口調は…リヴァイルッ!随分と若い姿になったものだな‼︎」
(アイツ、パラデウスにいた時あんな口調だったのか…いや待て!『若い姿』ってアイツ、何歳だ?)
裏切り者を前にしてか、口調を荒げるニモジンとは対照的にリヴァイルは平然とした顔でこちらにいた時からの口調に戻して話しを続けていた。
「にしても、アンタらが出向くとは相当ウィリアムも切羽詰まってるな。まぁそれはそれとしてだ。これで数は6対2。大人しく降伏してくれると助かるんだが…」
「黙れッ‼︎私たちは上位種だ!これくらいの差、覆すことなんて容易い事…」
「ふぅん…頭フル回転させて打開策を見出してるのか。…ひとつ忠告するぞ。それ以上演算するのはやめておけ…
「ハッ‼︎何をでまかせを。私たちの【OGAS】を恐れてるならもっとマシな……⁉︎」
あまりに突拍子もない死の忠告。その言葉に二人は鼻で笑い、次なる手を行なうとしていた。しかし、リヴァイルの顔は真剣そのものであり、バレット達は彼の言葉の意味を考えようとした次の瞬間、ニモジンとマーキュラスの二人はピタリと動きを止めたのであった。
「あ、あぁ……!」
突如として足がガクガクと震え出し、表情が歪んでいく様子を不審がった途端、彼女たちは絶叫をあげたのであった。
「ああああああぁぁぁ‼︎いや、いやぁぁぁぁぁあ‼︎」
「痛い痛い痛いぃぃぃ‼︎お父様、助けて‼︎お父様ぁぁぁぁ‼︎」
「な、何が起きて…⁉︎」
「ちっ‼︎予想より早いが…まだ間に合う、全員二人を押さえてくれ!」
悲鳴を上げて頭を押さえるようにして地面をのたうち回る二人にバレット達が困惑していると、リヴァイルは落ち着いた様子でヨルハから降り、小さな長方形の箱らしきものが幾つか連なった首輪状の物を二つ取り出して指示を出した。
指示を受けた彼らは急いで二人に駆け寄り、押さえつけた。とはいえ暴れる力はかなりのもので何度か振り解かされるがその間にリヴァイルは二人にその首輪を取り付けた。
「落ち着け!下手に考えを巡らせるな!」
「う、うぅ…」
すると二人の表情が和らぎ、それと同時に一番下に垂れ下がった箱が赤熱化し、焼き焦げる匂いと共に排出されその次の箱も同様の事が起きた。四つめの箱が排出されるとそれは収まり、ニモジンとマーキュラスは痛みが無くなったのか、安堵した顔でそのまま気を失っていた。
「ふむ、四つで安定化したか」
「なぁ、彼女達は何故苦しんだ?説明してくれ」
「彼女達ネイト、正確には改造を施した後のネイトには全員OGAS…遺跡由来の超高度なAIが組み込まれている。この二人はよりそのOGASにある程度適合してるが、スペックが高過ぎてある程度使っていくとその演算処理に完全に適合してないが故に脳が耐えきれなくなって発狂死するんだ」
その言葉にバレット達は絶句するも、リヴァイルの説明がまだ終わっていないため話を聞いていた。どうやら彼が持ってきたのはその演算処理を肩代わりして安定化させることで死を防ぐ物なのだが、その中身がある意味彼らしい代物であった。
「これの中身は電脳と
「は…⁉︎待て、つまり…別のお前が彼女達の身代わりになったってことか…?」
「そう。中身の入ってない電脳だと肩代わりしないのはシュミレーションでわかってたし。さ、早いとここの二人捕まえて戻るぞ」
相変わらずのイカれ具合にドン引きしつつ、一行は二人を縛ったあと連れて行ったのであった。
「ん、んん…ここは…?ッ⁉︎」
「はい、妙な真似はしないでちょうだいね」
目が覚めたニモジンとマーキュラスはまず拘束されている事と、自分達の腕が普通の義手になっていることに気が付いた。そして目の前のペルシカとリヴァイルを睨みつけていた。
「何のつもりだ…!こちらから話す事はないぞ」
「あーその心配はない。色々検査したが、二人とも本拠地とかの記録の類が一切消えてる。ついでに通信機能も全てだ。しかもそれら全て『外部から切られた』痕跡があった。試してみな?」
「え…?まさか⁉︎」
「嘘…繋がらない…⁉︎どうして…?」
「恐らくお前さんらは監視下にあって、OGASの暴走を感知した途端に切断したんだろ。調べられたら困るから」
「つまりその…あなた達は、ウィリアムに、切り捨てられた…って事よ…」
その言葉を聞いた瞬間、二人は怒りの形相でペルシカに怒鳴りつけた。
「嘘よッ‼︎私たちは選ばれた上位種なのよ‼︎名前だって、特別にお父様から付けて貰ったのよ‼︎」
「そんな私たちをお父様が見捨てる筈が…」
「残念だが事実だ。機嫌の良い時に直接奴から聞いたが、アイツにとってネイトを含めたパラデウスの戦力は奴の計画のための捨て駒だ。故に役に立たなくなったら例え上位種でも見捨てる。そういう奴だ。名前だって、忠誠心を高めるための手段に過ぎないさ」
「そ、そんな…!」
「じゃあ、私たちは…なんのっ、為に…!」
見捨てられたのがショックだったのか、二人は見た目相応の少女らしく泣きじゃくっていた。しばらくしたあと、二人はある事に気がついた。
「そういえば…私たちのOGASは…?」
「それなら義手にする時についでにオレが除去した。だからもうあんな目に遭う事はない。どうしても戦いたいなら補助システムをつけてやる」
「え…?戦うって、私たちは捕虜じゃ…?」
「通信手段が向こうから切断されたことと、OGASが無くなったことであなた達の脅威性がほぼ無いと判断されたのよ。ま、しばらくは監視付きだけどね」
「お前さんらも、自分を見捨てたあのシスコン野郎に目に物見せたいだろ?協力してくれるか?」
「……少し、考えさせて。まだ整理がつかないから…」
「了解。ま、時間はあるしゆっくり決めな。じゃペルシカ。あとは頼むわ」
そういいリヴァイルは部屋から出ていったのであった。
自身のラボにて、リヴァイルは引き出しを開け、中の二つのチップを取り出した。その中には二人から取り除いたOGASが入っているのであった。
「さーて…始めますかね…‼︎」
そう呟くとリヴァイルは『チップを二つとも自身のボディに入れ、インストールし始めた』のであった。
「っ⁉︎ぐあぁぁ…ッ‼︎」
圧倒的な情報量に思わず苦悶の声を漏らす彼だが、防音のため外部の者にその声は聞こえなかった。
そして丸二日が経ったのち、彼はようやくラボから出てきたのであった。
(ふぅ…やっと適合したか…おまけに互いが互いのを『取り込んで』一つに纏まって成長してるな…そして予想通り、人の精神もしくは肉体を持った人形は適合しやすい…やっとこれでスタートラインに立てる…!)
「あれから三十年以上経った…全ては
?「やってみせろよマ○ティー‼︎」
?「何とでもなる筈だ‼︎」
?「ガン○ムだと⁉︎」
ハイ、ニモジンとマーキュラス生存ルートです。
リヴァイルが取り付けたのは要はメイドインアビスのカードリッジ的なものと想像すれば大丈夫です。(但し自給自足可)
OGASを取り込んだリヴァイル、その行く末は…
ちなみに次回から試作強化型アサルト様の大規模コラボに参加します‼︎