人形達を守るモノ   作:NTK

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今回でこちらでのコラボはおしまいです。

そして今回、リヴァイルの重要な秘密が明かされます。


Code-140 未確認島調査依頼-5

キノコ男を撃破し、山崩れから退避した一行は国連が管理している島にてバカンスに興じていた。キノコ男との戦闘でまたしても両腕と崩壊液技術関連の箇所を破壊されたリバイバーは船に積んであった予備部品にて修復完了し、他のメンバーも一部センサーの修復作業のみで済んだのであった。

 

「スミス…その、水着…似合ってるかな?」

 

「ん?…あぁ、すっごく似合ってるよ」

 

「…っ! えへへ〜」

 

スミスに水着を褒められ、ニヨニヨと顔を緩ませるバルカンというある種見慣れた光景が流れたあと、二人はミニガンを誘いビーチ遊びに興じていたのであった。ミニガン本人も最初は面倒くさがってたが、次第に満更でもない様子をしていたのであった。

 

「あの〜?バレットさん?そろそろ引き抜いて貰っていいですかね?日差しが暑くてキツくなってきたんですが…」

 

「いや、スミスから戻るまで引き抜くなっていわれてるし、おたくらの自業自得だろ」

 

そういうバレットの眼下には首から下をガチガチに埋められた国連兵の姿があった。彼らは少し前にスミスに対して

 

「そこの岩陰ならあまり人があまり来ないからナニかするならおすすめだぞw」

 

と下世話な話をした結果、無言無表情のスミスに埋められたのであった。

 

「にしても、リヴァイルの奴、『コレ』を手に入れたことをえらく喜んでたな…」

 

「経緯を考えればわからなくもないですね。『保存状態の良い、中身が入った日本茶の茶葉缶』なんていう絶滅当然の代物、他にあるならあの喫茶店くらいしかありませんよ」

 

あの島から退避する途中、リヴァイルが偶発的に拾ったそれはウェイターの説明通り日本茶の茶葉缶であり、中身が判明した時リヴァイルは狂喜乱舞したのであった。

 

イィィヤッターァァ‼︎日本茶ゲットォォ‼︎これで柿の葉とかじゃないモノホンの緑茶が蘇るぞォォ‼︎」

 

北蘭島事件以降、発生源から近かった日本は壊滅状態に陥り、それに伴い殆どの食文化なども失われ、緑茶やそれから派生する抹茶もその一つである。一応、紅茶と同じ茶葉のため再現は出来なくないが品種の問題から完全再現はほぼ不可能とされていたが、今回リヴァイルが茶葉を手に入れたため状況が変化することとなる。

手に入れた茶葉から遺伝子を抽出して現行の紅茶の茶の木に注入すればほぼ完璧な日本茶が栽培可能となるため、リヴァイルは張り切っていたのであった。

 

一方でニモジンとマーキュラスの二人はビーチパラソルの下でぼんやりと海を眺めていた。二人は今回のことで圧倒的な力を前に手も足も出なかったことで自尊心が軽く傷ついていたのであった。

 

「…お姉さま。聞いた話ですと、彼らはアレほどでないにしても、似た技術や力を持った勢力と衝突したことがあるそうですわ。アレはどうやってもお父様、ひいてはパラデウスのそれを圧倒的に上回っています…」

 

「勝てなかったわけね…でも、それは彼らの力ならパラデウスを制圧できる可能性は大いにあるということ。なら、まだあそこにいる沢山の妹たちを助けることができるわ」

 

「えぇ。でも今回の件で彼らには休息が必要です。時期が来ればリヴァイルあたりに持ちかけてみましょう」

 

そんな話をしている傍ら、当のリヴァイルはアラマキと万能者を連れて人気のない場所に移動していた。

先の戦闘でリヴァイルがOGASを使用していることを二人に見抜かれ、問い詰められた結果、自身のある秘密を話すと言うことでここにきた次第であった。

 

「ここらでいいかな…万能者、周りに誰かいたり盗聴されたりはしてないか?」

 

「ん…とくにそう言うのはないな。それじゃあ話してもらおうか。使用した理由はなんとなくわかる。そうでもしなきゃ時間稼ぎが出来ず全滅してたかもしれないからな。だが、あの様子だとかなり前からOGASを導入しているよな?前々から気にはなってたが遺跡に関する探究心がかなり異常だぞ?何故そこまでして調べたがってるかいい加減教えてくれ」

 

「そちらが調べ、利用しようとしてるのは遥かに危険な代物だ。下手を打てば北蘭島事件の二の舞になりかねん。ワシ個人としても理由を聞かせてもらおうか」

 

二人の刺すような視線を受けつつも平然としているリヴァイルだが、少しの沈黙の後口を開き、話し始めた。

 

「……わかった。そろそろ話しとこうと『私』も思っていたところだし、いい機会だから話せる限りのことは全て話そう」

 

「? それがお前の本来の口調か?」

 

「正解だ。狂人と印象付けた方が何かと都合が良いからな。話を戻そう。そもそも私は表向きには『遺跡を調べるが為に除染及び環境再生をしている』と言ってるが事実は逆だ。『除染及び環境の再生の為に遺跡を調べたい』のだよ。世界を汚したのが遺跡由来の崩壊液ならその逆を行えるのも遺跡内にある筈だからな」

 

「…なるほど。だが何故そこまで執着する?崩壊液汚染の除去は人類の悲願ともいえる。お前だけの目標ではない筈だ」

 

「爺さんの言う通りだよ。私だけでなくP基地やD08の嬢ちゃん方も除染に積極的だ。だが…私にはそれを行わなければならない『絶対的な理由』が存在するのだよ」

 

絶対的な理由?と二人が問いかけると、リヴァイルはある人物の名を口にした。

 

「………■■■■。爺さん、この名前の少年を知っているだろ?」

 

「…あぁ。有名な名だ。北蘭島事件のきっかけとなった遺跡に無断侵入した七人の学生、それも遺跡の探索を持ちかけたとされる少年の名前だ」

 

「その通り。世界一愚かな学生、この汚れた世界の元凶さ。

 

 

 

 

 

 

 

 

……そして、()()()()()()()()。」

 

「なっ…⁉︎」

 

衝撃の事実にアラマキと万能者が驚くなか、リヴァイルは自身が妻子持ちの男が不倫してできた子であることを告げたうえで説明し始めた。

彼自身がその事実を知ったのは北蘭島事件から数年経ったときであった。当時九歳の彼はその頃から頭が良く、混乱の世の中でも上手くやっていた。

 

ある時、彼は何となくこの混乱の原因である北蘭島事件の事を調べていた。当然、事件を引き起こした学生たちは死亡してるとはいえ世界中から恨まれ、彼らだけでなくその親族の顔写真が流出しており、中には偶然海外にいて生き延びた親族が私刑を受けて殺される事件が起きたり、同姓同名の無関係な人間も巻き込まれたりと酷い有様であった。当時のリヴァイルは親族の顔写真を眺めていたとき、ある人物の顔を見て愕然とした。その顔は、母親が唯一持っていた父親の顔写真と全く同じであり、その息子…つまりリヴァイルにとっての腹違いの兄が事件の元凶とも言える存在と知った時、足元が崩れるような感覚を彼は覚え、いずれ自分のことも突き止められて殺されるのではと怯えていたのであった。

 

幸いにも不倫相手の事までは特定されなかったため、そのような目に遭わなかったが、彼はその時からある使命感を得たのであった─兄が世界を汚したのなら、弟の自分がこの世界を再生しなくてはならないと。

 

「そっからはひたすら勉強したさ。遺跡についてなんもわからなきゃ再生なんで夢のまた夢だしな。どうやら私にはその手の才能があったらしくてね、新技術を幾つも編み出したし、第三次世界大戦じゃ盤石な地位を得るために技師として志願して幾つも兵器を開発したよ。多分正規軍が今も使ってる兵器の基礎設計のベースにもなってると思う。終戦後は国連の研究機関に入所して念願の遺跡調査して、あとは色々あって今に至るってわけだ。無論、正体については一切隠し通してたが、たまに突き止められたりした時もあった。その時は例外なく全員口封じに始末したよ。情報が漏れて逆恨みで殺されるのはまっぴらだからな」

 

「デジタルクローンに着手したのも、世界を再生する前に死ぬわけにはいかなかったからってのもある。今の世に起きた大半の事件は元を辿ると兄がしでかした事に起因する。蝶事件の大元の発端である戦術人形が現れたのも北蘭島事件以降の人手不足が原因だからな。だからこそ、腹違いとはいえ弟の私が何としてでも遺跡を調べ上げ、世界を再生しなきゃいけないのだよ!」

 

「……わかった、理由については納得した。まさかあの学生に弟がいたとはな…」

 

「互いに会ったことはないがね。それと、先程あんたは北蘭島事件の二の舞になるといったが、私は兄と同じ過ちは絶対に犯さない。その為に遺跡の技術の正しい使い方を知る必要がある。万能者、恐らくあのキノコ男は崩壊液と関係がないとは言い切れない。これ以上兄の過ちの影響が広がる前に早急にあぁいった存在に対抗できる技術を手に入れなきゃならない。より一層の協力を頼む」

 

「あ、あぁ…(厳密には違うけど、言える空気じゃないしな…)」

 

その後、この事は口外しないことを約束させ、その場は解散となった。

ちなみに、日本茶の件だがある程度研究したのち、その後の研究をP基地に委託したところ、スリーピースや日本銃の人形がハイテンションになったそうである。




ハイ、実はリヴァイルは北蘭島事件の関係者の身内であり、遺跡を調べて環境を再生したいのは兄のした事に対する贖罪の意が大きいです。ちなみに人間として死んだときの歳は三十歳後半です。
また、リヴァイルの母親はヨーロッパ系の人であり、リヴァイルを懐妊してるときに故郷に移ってたので難を逃れた感じです。

日本茶の件は向こうにお任せします。まぁ、アイドル()ですしなんとかしてくれるでしょう。
あと、中盤のニモジンたちのやり取りからわかる通り、こちらも近いうちにパラデウス関連の大型コラボを開催する予定です。
コラボお疲れ様でした!

次回(ハロウィン)の簡単な予告

「キャハハハッ!ばいば〜‼︎」

「俺がカボチャ被って踊るのがそんな面白いかチビ助たち?」

何を踊るって?そりゃあ、もうアレだよ。
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