アイソマーの何名かを救出したというランページゴーストらの通信を受けるも、リヴァイルとAR小隊はそれを喜ばしく思う余裕はなかった。というのも今この間にも例の大男からの斬撃を必死に回避しているからであり、攻撃こそ効いてはいるがいつぞやのキノコ男ほどではないがすぐに再生してくるため手を焼いていた。
すると、何かが高速で通り過ぎていき、その直後大男は手足を切り落とされて地に倒れていた。当然大男は再生して立ち上がろうとするがその都度同じ目に遭い足止めされていた。
「ッ⁉︎何だ今のは?」
《カメラで捉えたわ。…あれは、蛮族戦士ね》
「あー、なるほど…」
OGASの言葉に納得した直後、万能者から通信が入り、総合するとやはりあの攻撃は蛮族戦士によるものであることと、パラデウスが証拠隠滅にシフトして爆撃機を向かわせてるとのことであった。爆撃、と聞いてリヴァイルは眉をピクリと跳ね上げ、万能者にある事を聞いた。
「万能者、その爆撃機…普通の爆撃機か?」
《いや…恐らく核を積んでる可能性が高いな》
「そうか…リバイバー、上空から花畑は見えるか?」
《あぁ見えてるぞ!見る限り辺り一面に群生してるぞ‼︎ここが吹っ飛んだらとんでもない事になるぞ⁉︎》
「了解…リバイバー、今すぐ爆撃機に向かって一機残らず撃ち落とせ。核を積んでるやつはそんなにない筈だ、落とされるまえに無力化しろ」
言われるまでもない、とリバイバーが応じて通信を切るとリヴァイルは歯軋りをし空を睨んでいた。
(ウィリアムめ、ここが吹っ飛べば第二の北蘭島事件だぞ…!そんな事、私が許すものか‼︎恐らく防衛線の生き残りもアイソマーの始末に動いてると見ていい、急がなければ)
幸い、大男はM4の処刑よりも先ほどからそれを妨害している蛮族戦士を始末したほうがいいと判断したのか、口惜しそうに兜越しにこちらを睨むと彼を探しに移動していき、一行は先を急いだ。
「しっかし、あの大男…アブノーマルだと思うが、どう対処すれば…?」
「前にアラマキのお爺ちゃんが言ってたけど、アブノーマルってのは連絡線っていうのが無くなるといなくなるみたいだよ!」
「連絡線の在処ですが、あまり離れ過ぎたところには置けないそうです。故にこのタリンの何処かにあるかと」
「ふむ…なるほど。となると、それが置いてある場所は安易に爆撃できない花畑にある可能性が高いな。ん?となるとパラデウスの爆撃は奴らは知らない…?もしくはそれ込みでの契約なのか?」
アブノーマルの対処について情報を話しているうちに、少し前に送られた都市部内のアイソマーの位置が近くにいることに気づき、またそれと同時にパラデウス兵が近くにいることを知り急いで現場に駆けつけると複数のストレリツィとロデレロがアイソマーが潜んでるであろう建物に向けて銃撃を加えていたのであった。
「…ッ⁉︎マーキュラス‼︎」
「はい、お姉さま‼︎」
ニモジンとマーキュラスが真っ先に向かっていき、腕部の触手を打ちだし何体かを貫き、壁に叩きつけ破壊すると残りをマーキュラスは触手によるオールレンジで、ニモジンは自身の能力を使い凍結させていき、残った僅かな兵はリヴァイルやAR小隊の銃撃にて撃破された。
建物内に突入した彼らが見たのは撃たれて倒れ伏したアイソマー達の遺体であり、間に合わなかったかと表情を歪ませるが奥の方で物音が聞こえ、向かうと8名のアイソマーが怯えながら身を寄せ合っていた。
「君たち、大丈夫かい?」
「…リヴァイル、さん?それに…ニモジンお姉さまに、マーキュラスお姉さま?」
「どうして、ここに…?それに、何でお父様の兵隊が、私たちを…?」
戸惑いながら質問するアイソマー達にどうすべきか悩んだものの、正直にこれまでの経緯を話すことにし、簡潔に話すとアイソマー達は絶望したような顔を浮かべ泣き始め、自分達のことを話し始めた。どうやらここに咲いている優曇華は全て彼女達がその性質を理解した上で栽培しているものであり、何故そのようなことをしているか尋ねたところ、あまりにも重く、哀しい理由であった。
優曇華の開花時に放出される大量の崩壊液、それを浴びる事による死をもって自身を苛む苦痛から解放される目論みがあり、例え生き残ったとしてもそれはその個体が崩壊液耐性を持っていることとなり、父であるウィリアムが必要として自分らを迎えに来ると信じて栽培を続けていたのであった。
しかし、リヴァイルらがここに来た経緯を聞いたことでそれが為されないことを知ったのであった。適合者であったニモジンやマーキュラスが戦闘不能となるやいなや切り捨て、今は証拠隠滅の為に兵を差し向け自分らを殺そうとするウィリアムの所業を聞き、自分らはもう二度と彼に愛されず、終わらぬ苦痛を味わうことになると悟り、彼女達は絶望の淵に立たされていたのであった。
「目的を達成すれば、お父様はまた愛してくれる…そう信じて、ずっと痛いのを我慢してたのに…その結果がこれなんて…!」
「何でなのッ⁉︎何でこんなに苦しまなくちゃいけないの‼︎産まれなきゃ良かった…!苦しむだけの
「私たちは、何のために…!」
アイソマー達の慟哭を聞き、AR小隊は何と声をかけたらいいかわからず、ただここまでの仕打ちをするパラデウスに対する怒りのみを燃やしていた。また、情報共有を兼ねて優曇華の栽培理由の辺りから彼女達の声を通信にて他のメンバーに聞かせており、その全員が彼女達の悲惨な境遇とパラデウスの外道さを知ることとなった。
「産まれなきゃ良かった?そう思うのは君らが苦しみしか知らないからだ。私たちはその苦しみから生きて解放させるためにここに来たのだよ」
ポツリと話すリヴァイルにアイソマー達は耳を傾ける。
「君らのその苦痛は理論上、ある程度技術があれば誰だって取り除けるほどの簡単なものだ。ここから救い出した後すぐに治療しておこう。そうしたら君らにこの世界を存分に教えよう。苦しいだけじゃない、楽しい事を識ってもらう。そうして、産まれてきて良かったと、生きてて良かったと心から思わせてやる。…だから、もう少しだけ我慢してくれるか?」
優しい笑みを浮かべて彼女達の頭をリヴァイルが撫でると、アイソマー達を苛む苦痛のうち、頭痛が少し和らいだような感覚を覚え、彼女達は首を傾げた。
(OGAS、
《ええ。8人分、キッチリ取り込んだわ。それに伴って処理能力が上がった感覚がするわ》
『共食い』。それがOGASの真価であり、他のOGASを取り込む事で自身を大きく成長させるのが彼女の本質であり、アイソマー達の頭痛を緩和した種明かしである。彼女達にも適合率が低いながらもOGASが組み込まれており、それが頭痛を起こしてると考えたリヴァイルは頭痛の原因を取り除くと同時に自身のOGASを成長させる目的で参戦したのであった。無論、アイソマー達の救出が最優先ではあるが。
だがこの行為が彼女達の信頼を得ることになり、リヴァイルの言葉に従うと比較的安全な場所に移動させ彼女達の周りにF.E.F.Gを展開させてバリアを張って位置情報を周囲に伝えると花畑へと向かっていった。
(このまま救出と並行してアイソマーのOGASを取り込んで私のOGASを成長させる…そうすれば万が一何かイレギュラーがきても成長させた彼女の相手ではない筈だ…。ゆくゆくはM4のそれも取り込ませたいが、今はその時じゃない。然るべき時が来たらそうするか…)
だが、その『然るべき時』が目前まで迫っている事をまだ彼は知る由も無かった。
一方、リバイバーは爆撃機の迎撃に向かっていたのだが、途中で敵の反応を見つけ急行するとこちらのヨルハによく似た無人機が3機、地上のアイソマー達を狙っているのが見えた。
(ん?何故ヨルハが敵に?アイツの事だ、知ってるなら教えてる筈…国連にスパイがいてデータを盗んだ感じか?まぁいい。とにかく助けなきゃな!)
リバイバーはヨルハ擬きに向けレーザーを照射する。2機は回避できずにそのまま撃墜されるが、こちらに気づいた1機が回避して迫ってくるも散弾状に変えたレーザーであっさりと撃ち落とされた。
「え⁉︎何?味方⁉︎」
「でもあんなの知らないよ‼︎」
「さっきから何が起こってるのよ…⁉︎」
アイソマー達は何がなんだかわかっておらずパニックに陥っていた。リバイバーはまずは彼女達を落ち使えるため、すぅーと息を吸い込むと
「狼狽えるなッ‼︎俺はパラデウスじゃないがお前さんらの味方だ!救いを望み、さっきみたいな奴らに殺されたくなければあっちに向かえ!…いいな?」
リバイバーの剣幕に驚いたのか、はたまた彼にリヴァイルの面影を見たのかはわからないが、彼女達は指示に従い救出部隊のいる方は駆けていき、リバイバーはその事を伝えると再び爆撃機に向かい飛んでいった。
(とはいえ、核をどうするか…いっそハッキングすればいいが、ある程度セキュリティはあるだろうし、戦闘して彼女達を守りながらじゃキツいな…誰かやってくれれば良いが、ないものねだりはしても仕方ない…核持ってない奴だけでも潰すか)
・メインカラーが黒から白(銀)になった元敵
・知人に鎌使い、鋸使い、有能だけどイカれてる科学者がいる
・しかもその科学者が連れてるのが共食いのヤベー奴
・何かと面倒見がいい
・今回のセリフ
……リバイバーは黒グニールになって国際中継で全裸になるのかな?
それはともかく、とりあえずリバイバーは核持ちの対処は保留のまま爆撃機迎撃に向かってる感じです。
アイソマーの放送については自由に使ってくだせえ。