人形達を守るモノ   作:NTK

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鼓草: タンポポの別名。
花言葉は『愛の信託』、『誠実』、『幸せ』、そして『別離』


Code-146【反抗期】-鼓草

E.L.I.Dの一体を撃破、残るもう一体も蛮族戦士らが捕捉したとの報告を受けて間も無く、アブノーマルが突如行動を活性化、さらにはヘカトンケイルと思われる大型兵器の乱入とFANNIESが似たような大型兵器を連れて援軍に来たと聞き、リヴァイルは苦笑いを浮かべていた。

 

「大型とは知ってたがあんなデカいとは…誰だあんな馬鹿と冗談が総動員したようなモン考えたのは?しかも私抜きで」

 

「てことは、弱体化パッチはないと見ていいわね?」

 

「そうだな。ついでにハッキングも試したが、かなり時間が掛かる。少なくとも【人間】じゃ無理だな」

 

《今の私でも六時間は掛かるわ。その頃には全部終わってるわね》

 

最後の一言をさりげなく全員に連絡し、そこまで整理した彼らは例のアイソマーの保護の優先を続行し、先を急ぐが時折大型兵器同士の戦いの余波で瓦礫やら流れ弾やらが降り注ぎ、花畑が近いこともありかなり危険な状況となっていた。

 

「このままじゃこっちより先に彼女の方がやられる…キャロル、あとどれくらいの距離だ?」

 

《もう少しだ!このまま真っ直ぐいけば辿り着く!》

 

「了解!」

 

一行は先を急ぎ向かっていくと花畑へと辿り着き、視線の先に一回り成長したアイソマーがこちらに向かうのが見え、リヴァイルはコクピットから身を乗り出すと、相手のアイソマーは驚いた表情をしていた。

 

「え、うそ…?リヴァイルさん…?」

 

「何度も他の子らにもその反応をされたな…まぁ流石に死んだって言われた人間に会えばそうなるか…」

 

「あのっ!私のこと、覚えてますか?よく私に植物図鑑を読ませてくれましたよね…!」

 

「植物図鑑……っ⁉︎まさかキミ、私によく懐いてたあのネイトかい?」

 

「はい…!また会えて良かった…!」

 

【information: リヴァイル、M4A1、失格異性体の接触を達成。これ以降、敗北条件に各三名の死亡、戦闘不能、戦線離脱を除外】

 


 

上空で新型部隊の襲撃で足止めを受けているリバイバーは何機かを撃墜したところで敵の空中戦闘能力が自身のそれをベースにしていることに気がついた。

 

(ま、俺がリヴァイルじゃねえかって向こうから警戒されてたなら戦闘能力を視る機会なんて幾らでもあったから模倣されるのは驚かないが…)

 

リバイバーが顔を向ければ万能者はともかく、パワードスーツを纏ったノアやリヴァイアサンという大型機動兵器に乗ったネージュと名乗る人物が多少手間取ってるものの、次々と新型機を撃ち落とすのが見えた。

 

(参考にする相手、間違えてるよな?おおかた、彼女達の相手はあのデカブツがする予定だったんだろうが…)

 

だとしてもやられるわけにはいかないが、とすれ違いざまに新型機を切り裂き撃破するとリバイバーは他の三人に指示を出した。

 

「三人共、ここは俺が引き留めるから他の援護に行け‼︎」

 

「ハァ⁉︎まだ七機いるぞ!大丈夫かよ⁉︎」

 

「俺を甘くみるなノアの旦那よぉ!強くなってるのはそっちだけじゃないんだぜ?」

 

「……わかった。死ぬなよ?」

 

そういいノア達三名は他の救援に向かっていく。当然それをさせまいと追撃する新型機をリバイバーはレーザーにて牽制して足留めする。

 

「おっと、それ以上先には行かせないからな?」

 

リバイバーが新型機にそう言うと新型機らは一斉にリバイバーに向けてレーザーガトリングによる弾幕を殺到させる。七機分ということもあり回避が困難なほどに濃密な弾幕をリバイバーは避けずにF.E.F.Gを展開して弾幕を防ぎ、新型機に向けて突貫していった。

 

(これが俺の本懐ッ‼︎自身は電磁フィールドによる圧倒的な防御をしつつ、相手を一方的に撃滅する!そうだよ、俺らに辛酸を与えたPawnらやキノコ男と戦術的には同じなんだよッ‼︎それをする前に攻撃手段を潰されてたがな!)

 

大規模作戦の度に改修を加え続けるも、その都度不意打ちやあまりに早すぎる攻撃により防ぐ前にダメージを負ってしまい、半ばお荷物となっていたF.E.F.Gだが、殆どダメージを受けていなかった今作戦では大いにその実力を発揮する事となった。

新型機の弾幕を一切通さず、逆にリバイバーのレーザーやレールガンに撃ち抜かれ、一機、また一機と数を減らしていくと向こうは物理的に突破する事を選んだのか、二機がスパイク付きの大型シールドによるタックルを同時に行い、電磁フィールドに接触するが、ほんの僅かに歪ませたのみに過ぎず、至近距離からの散弾状のレーザーに撃たれて爆散していった。

 

「オラどうしたぁ⁉︎そんなもんか?それとも、使ってなかったから防御能力のデータが取れなかったかぁ?」

 

流石に分が悪いと感じたのか、残った三機は撤退しようとするが、リバイバーはテレポートを使い先回りをすると二機をレーザーブレードで突き刺し沈黙させると、残る一機に銃口を向けた。

 

「これで終いだ。さて、お前さんはせめてデータだけでも送信して次に活かそうとしてるんだろうがそうはさせないぜ……どうだ、LAFI?」

 

《はい。事前の連絡通り、既にその新型機をハッキングしてリバイバーさん達と新型機が接触してから今までの記録を全て消去済みです。ちなみに、その新型機はスプリガンというらしいですよ》

 

リバイバーはデータ招集による敵の成長を危惧し、一人で足留めする時に端末でLAFIと連絡を取り、ハッキングの依頼をしていたのであった。

 

「そうか、ご苦労さん。じゃあスプリガンとやら。足留めもできず、データも取れずでお仲間の役に立てなくてご愁傷様」

 

リバイバーは小馬鹿にしたような笑みで残る一機を撃墜させると味方の救援に向かっていくのであった。

 


 

「なるほど…そういうことでしたか…」

 

「キミらがウィリアムをどう想っても、奴は迎えにいくどころか、あまつさえ自己の保身のためにキミらを殺そうとしてる。そうさせないために私たちは来たんだ。早速他の姉妹の場所を教えてくれ。すぐに助けにいこう」

 

リヴァイルの説明を聞き悲痛な顔を浮かべるそのアイソマーだが、すぐに気持ちを切り替え、リヴァイルの言葉に頷いた。

 

「…わかりました。ちなみに、お父様に私を渡すことで妹たちを救うことはできますか?」

 

「無理だな。奴が必要なのは崩壊液耐性を持ったキミだけで、他の姉妹たちは用済みとして処分されるのがオチだ」

 

「そう、ですか…。私たちは、二度とお父様に愛して貰えないのですね…あの、リヴァイルさん?治療が終わったら、貴方のところで…⁉︎」

 

何かを頼もうとしたアイソマーの視界にはリヴァイルに向けて銃口を向けるストレリティが見えていたのであった。

 

「リヴァイルさんッ!」

 

咄嗟に彼女はリヴァイルを突き飛ばす。その直後、ストレリティのレーザーが彼女を撃ち抜いたのであった。

 

「なッ⁉︎」

 

「コイツ‼︎」

 

すぐにニモジンがストレリティを撃破し、リヴァイルは撃たれた彼女を抱き止めた。

 

「おい、おいッ‼︎しっかりしろ‼︎」

 

「うっ……リヴァイル、さん…大丈夫、ですか?」

 

「私は平気だ!クソ!治れ治れ!」

 

すぐにリヴァイルは万一のためにボディに搭載してた崩壊液技術で治療をするが、急所を撃ち抜かれており、正直助かりそうにない状態であった。

 

「リヴァイル…さん…。もう、いいです…。自分でもダメだと、わかってます…」

 

「冗談を言うなッ!私はキミたちが苦しむことになるとわかってて除染のためと言い聞かせて奴らを放置した!だから私はキミらを助けなきゃならないんだッ!こんなことで死なせるか、死なせるかよ!」

 

「その気持ちだけで…充分、ですよ…貴方は私たちを想ってくれた…。それだけで、いいんです…」

 

半狂乱になりながら叫ぶリヴァイルに彼女は優しく微笑みかけ、頬を撫でていた。

 

「リヴァイルさん…貴方がお父様のやってる事を止めるのならば、それは構いません。それで、もし…私の体が必要なら、『使って』ください…」

 

「ッ⁉︎それは…!」

 

彼女の言いたいことはすぐに理解できた。だが、『ソレ』を行うということは彼女の遺体を利用することになるため、リヴァイルは躊躇っていた。その様子を察した彼女は彼に再び声をかけた。

 

「貴方は優しいのですね…でも、気にしないでください。貴方の役に立てるなら、喜んで協力します…」

 

「……!わかった、その頼みを聞き入れよう。その代わり、私は絶対にキミを他の者達の手に渡らせないことを誓おう」

 

「ありがとう、ございます……不思議です、こんな仕打ちを受けてもなお、お父様を憎めないのです…どんな形であれ、私たちをこの世に生まれさせたからでしょうか…?ただ、何で…私たちをこんな風に扱われるのか、聞きたかった…」

 

そういい、彼女は事切れた。リヴァイルはしばらく彼女の遺体を抱き止めると、M4に顔を向けた。

 

「…M4。今からやる事に協力してくれ」

 

「何をするんですか?」

 

「キミのOGASを私のOGASに取り込ませたあと、彼女に移す。ついでに周辺のアイソマーのOGASも取り込ませる。そうすれば、成長したOGASは肉体を手に入れ、より自由にその力を発揮できる。今のこの状況を覆せることも充分に可能になる」

 

「っ! 少し、まっててください」

 

すぐにM4は自身のOGASに問いかけた。

 

(どうする?彼の提案を受けると貴女は消える事になるけど…)

 

《別に構わないわ。それでルニシアの助けになるのなら》

 

(そう…今までありがとう)

 

《どういたしまして》

 

「…わかりました。すぐ始めてください」

 

「了解。始めてくれOGAS」

 

その直後、M4は自身のOGASがいなくなる感覚を覚え、取り込みは完了した。そして、OGASは倒れ伏した彼女の遺体に身を移し始めたのであった。

 


 

リヴァイルの会話を聞いていたキャロルはマップ上に映されたアイソマーの反応が一つ消えたのをみて顔を歪ませたが直後に消えたはずのその反応が再び現れたのを見て複雑な顔を浮かべたのであった。

 

「そうか…彼女もある意味、こちらと同じ存在となったか…」

 


 

再び目を覚ましたアイソマー、もといOGASは体を起こすと自分の感覚を確かめるように手を開いたり閉じたりしていた。

 

「…上手くいきましたね。これが、現実の身体…!それで、リヴァイル。私は何と名乗れば良いのでしょうか?OGASと名乗るのはアレでしょうし…」

 

その問いにリヴァイルは少し考えたあと、生前の彼女が好きだった花の名前を思い出した。

 

「ならキミは……

 

 

 

 

 

 

『ダンドリー』。そう名乗るといい」

 

 

「…わかりました。では手始めにここらのパラデウス兵を排除しましょう」

 

そう言うと彼女…ダンドリーは手を空にかざすとすぐにキャロルから通信が入った。

 

《キャロルより連絡!花畑にいたパラデウス兵およそ50体ほどが急に味方の反応を出したがどうなってる⁉︎》

 

「なに、私が彼らをハッキングして書き換えたまでですよ。このまま彼らに連絡線を捜索させます。あ、私はダンドリーといいます。以後お見知り置きを」

 

あの一瞬で、と驚くリヴァイル達だが、これでイレギュラー続きの状況に光が差してきたことを確信するのであった。




リバイバー「俺は噛ませじゃないんだぜ?(切実)」

そして公式チート、ダンドリー爆誕。

正直、彼女をどうするか悩みましたが、原作と同じようにダンドリーとなってもらいました。

残るは引き続き救出活動とイレギュラーの排除のみなので、皆さん頑張ってください!
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