今回はほとんど後日談ですね。
「皆さん、この度は本当に協力感謝する」
本社に戻り、作戦の報告書とオークションで手に入れた顧客リストと資金帳簿を提出したバレットは今回協力してくれた部隊に頭を下げた。
特に顧客リストはかなり重要な情報であり、中にはそこそこ有名な企業の重役の名前が記載されていたため、資金帳簿と合わせて告発すれば実態が明らかになるだろうとの事である。とはいえ、重役個人のみの関わりがある可能性もあるため、慎重に捜査する必要があるが。
「頭を上げてくれバレット。私達は出来る事をしただけなんだから」
「そうじゃよ。そんな気を張らなくてよい」
「それに、お兄ちゃん達が情報を提供したから戦えたんですから」
「…わかった。それとこれはDG小隊の連絡先だ。何かあれば連絡してくれ」
その後、アレキサンドラ指揮官の部隊とナガンの部隊の補給を行なったあと、バレットは二小隊をヘリポートまで見送る。
「アレキサンドラ指揮官、お元気で!ナガン、ユノ指揮官にありがとうと伝えてくれ!」
「ああ、機会があればまた会おう!」
「達者でな!」
ヘリが飛び立ち、それぞれの基地へ向かうのを見届けたバレットは表情を引き締めて後ろを振り返る。
「…いつまで覗いてるつもりだマーダー」
「あら?バレてたの?」
「背後の視線には鋭いんでね。ちょうど探そうとしてたから都合が良い…お前、随分とうちの仲間を侮辱してくれたんじゃねぇの?」
厳しい視線を向けるバレットにマーダーはどこ吹く風といったような顔をしていた。
「別にぃ?ちょっと気になる二人の過去を知ろうとしてただけよ?あなたはそういう経験はないの?」
「正直言ってお前の顔は見たくねぇが、同じ本社にいる以上それは出来ない。だがこれだけは言っておく─二度と俺の仲間を侮辱するな」
殺気を込めた視線でそう言い放つとバレットはマーダーの横を通り過ぎる。
「あらそれだけ?てっきり殴ってくるのかと思ってたけど優しいのねぇ?」
煽るような口調で言うマーダーに対し、バレットは意地の悪い笑みを浮かべて振り向いた。
「ペルシカに今回の件は報告しといた。そしたら、『
「え''っ⁉︎ちょ、嘘でしょう⁉︎」
「(やっぱペルシカが天敵か)んじゃ、ご愁傷様〜♪」
この世の終わりみたいな顔をするマーダーを尻目にバレットは去っていった。
───
「……」
レストは部屋で考え込んでいた。
というのも、作戦終了後にマーダーに言われた言葉が頭に残っていたからだ。
『貴方のそういう闇……何かの拍子で壊れて廃人になるかもねぇ?』
『復讐の余りに我を忘れ私の目の前以外で狂って滅茶苦茶になったらつまらないじゃない?ねぇ?』
『復讐するなら…される覚悟を持っておきなさい』
(そんな事ぐらい…百も承知だ…!実際何度か奴らの仲間に逆襲されたこともある。だが…)
DG小隊に入ったばかりのレストは復讐心が彼の心のほとんどを占めており、復讐相手を前に我を忘れて突撃して罠にかかり、死にかけたことだってあった。
そんな彼を変えてくれたのがノアであった。彼女を助けて以降、自分に好意を持って近づいてく彼女に戸惑った。─こんな復讐にまみれて、しかも
だからある日、彼女に思い切って自分の過去を告げた。しかし、彼女はそれに臆さず、自分を愛し、受け入れると言ってくれた彼女に彼は惹かれ、今に至っていた。
─だからこそ彼は恐れていた。残りの二人が自分に逆襲するためにノアに危害を加えることを、それによって彼女が命を落としてしまうことを。
ノアだけではない、ホーテン達が働いているあのカフェだって狙われる可能性がある。正直、残りの二人は他の連中に比べてかなりの小物であるが、小物であるが故に卑劣なことをしかねない。もしそうなったら、マーダーの言う通り、彼は怒りと悲しみに狂い、やがて壊れて廃人になってしまうかもしれない。
故にレストはそうなる前にケリをつけようとある手段に出た。
アリババとメジェド─その道のものなら知らない者はいないというハッカーコンビがS09P基地にいるとペルシカから聞き、レストはナガンに頼み込んだ。
残りの二人が生きているのか、死んでいるのか。生きているならどこにいて、何か動きはあるのかをアリババとメジェドに調べさせてくれと依頼したのだ。ナガンは頼みを快く受け入れ、結果は彼専用の端末に送ると言ってくれた。
彼の復讐はもはや彼だけの為ではなく、彼を愛する者や仲間達の為にもなっていた。
(俺は一刻も早く復讐を終えなくてはいけない…ノアの為にも、みんなの為にも…そして、俺自身が先に進む為にも…!)
───
それから3日後、ウェイターはリリィを連れてグリフィン傘下の病院へと向かっていった。
ようやく外出許可が降りた彼女はお嬢様に会いたいと言い、ウェイターはそれを聞き入れて連れてきた。
病院に着き受付を済ませると、二人は病室へと歩いていく。
やがて《フィオナ・ノーライト》と書かれた病室の前で立ち止まる。
「この部屋にお嬢様が…」
「はい。─失礼します」
ウェイターに続き、リリィが中に入る。部屋の中を見たリリィは思わず息を呑んだ。
─そこにいたのは、酸素マスクをつけ、いくつかの点滴を受けて横たわる若い女性の姿だった。
「お嬢…様…⁉︎」
「
ウェイターはフィオナが横たわっているベッドの近くの椅子に座り、彼女に語りかける。
「お嬢様、いい知らせです。リリィが生きていたんです。3日前に、私と仲間達で助け出したんですよ」
─ここに来る度に、ウェイターは思い出す。民生時代の幸せだった日々を。そして、それらを失った
これにて、コラボは終了です!
oldsnake様、スツーカ様、焔薙様、本当にありがとうございました!
また機会があればお願いします!
次回はウェイターの過去回です。