人形達を守るモノ   作:NTK

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コラボその2です。

今回普通に鉄血兵が喋りますがご了承を。


Code-20 激闘・F05地区-①

「…もうすぐ501FGの部隊が爆撃を開始する筈だ」

 

F05地区に到着し、EA小隊、SASSと合流して501FGの部隊が爆撃するのを待っていると、エンジン音が聞こえてきた。

 

「…来たぞ!」

 

その後空爆隊がジュピターやその周辺に爆弾を落とし、辺りは爆音に包まれる。

 

「ヒュー‼︎やる事が派手だねぇ」

 

スミスがそう呟いたあと、ヘリアンから通信が入った。

 

『501FGよりジュピター全機破壊が確認された!これよりペイロード、バルカン救出作戦を開始する!総員準備せよ!』

 

「了解‼︎」

 

「まずは空挺部隊と合流する!各員周囲に警戒しながら行くぞ!」

 

バレットを先頭に一行は合流地点へと向かう。道中爆撃から逃れた部隊と交戦しつつも、合流地点へとたどり着いた。

そこには三人の男性がおり、すでに戦闘が行われたのか、周りには鉄血兵の残骸が横たわっていた。内一人に至っては悠々と紅茶らしきものを飲んでいた。

 

「あなた方が空挺部隊でよろしいですね?」

 

「お、男の人形⁉︎…あぁそうだ。俺は501FGの部隊の兵長だ。そっちがタワシで、そこで紅茶飲んでんのがパンジャンだ。これから俺たちは一時的にそちらの指揮下に入る」

 

「了解した。このまま敵司令部まで直行する、ついて来てくれ」

 

そのまま移動しようとした矢先、ビルからストライカーとイェーガーがこちらに狙いを定めているのが見えた。

 

「っ⁉︎避け…」

 

その時、ビルが砲撃を受けて敵兵諸共吹き飛んだ。

砲撃音のした方を向くと、一台の戦車がゆっくりと前進していた。

 

「あれは…ヤークトティーガー?」

 

「あれってそっちのお仲間?」

 

「その通りだ。ビルの敵はあっちに任せて早いとこ向かうぞ」

 

「いいのか?見たところ随伴兵もいないようだが…?」

 

「彼なら平気です」

 

仲間である彼らがそう言うなら平気なのだろう、そう判断したバレットは司令部へと突撃を開始する。

彼らの行く手を阻もうと、リッパーやヴェスピドの部隊が現れるが、彼らを止めるには至らず、SASSの狙撃支援もあり次々に返り討ちする。

特にバレットは腰だめで連射を行い、確実に敵兵を吹き飛ばした。

 

「あのバレットって人形、すげぇな…」

 

「まぁ俺らの隊長だし、妹が捕まってんだからああなるのは当然…って兵長、後ろ‼︎」

 

兵長の後ろにブルートが差し迫るのを見たスミスが声をあげると、兵長は紙一重で斬撃を躱し、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「…は?」

 

「…ふぅ。危なかった」

 

「兵長…あんた、リ○ァイとかっていう名前じゃないよな?」

 

「いや、違うが?」

 

「あそう?(ヤベェこいつら…本当に人間?とりあえず味方で良かった…)」

 

やがて司令部周辺へとたどり着くが、流石に司令部とあってか、敵の数が多く一度引く事にした。だが二度目の襲撃はなく、どうしたものかと考えた矢先、ウェイターから通信が入った。どうやら彼が敵を引きつけるので先に行ってくれとのことであった。

バレットは少し迷ったものの、ウェイターを信じて先に進む事にした。

 

「…さて、やりますか」

 

ウェイターは敵部隊を見据えながら呟く。

敵部隊はガードが大半を占めており、ダミー含めた五人で相手するには骨が折れるが、さほど問題にしなかった。

ウェイターはダミーに指示を出し、物陰から一斉に飛び出しEGLMから榴弾を放ち、前衛を吹き飛ばす。そのまま追撃しようと前に出た瞬間、隠れていたブルートが不意打ちをかます。とっさに銃でガードするが、その際に銃は両断され、使い物にならなくなってしまう。すぐにウェイターはサイドアームのFNP9を取り出しブルートを撃ち倒すが、その隙を敵が逃すはずがなかった。

 

「今だ!そいつを狙え!」

 

「くっ!ダミー1、スモーク!」

 

すぐにダミーに指示を出しスモーク弾を放たせるが、ほぼ同時に敵の攻撃が降り注ぎ、ダミーが二体やられてしまった。

辺りが白煙に包まれるなか、敵部隊は勝てると確信したのか前進する。

─その時だった。風を切るような音が聞こえたかと思うと何体かのリッパーとガードがバラバラに切り刻まれた。

 

「何っ⁉︎」

 

部隊長のヴェスピドが驚くもその後も何度も先ほどと同じ音がし、その度に敵部隊はバラバラになっていった。

 

「隊長の言った通り、持ってきて正解でしたね」

 

煙を割るようにして現れたウェイターが持っていたのは、以前に使用したワイヤーであった。

 

「以前は使いづらいと考えてましたが、案外慣れれば大丈夫です…ねっ!」

 

敵部隊の弾幕を躱し、ウェイターはワイヤーを閃かせる。

瞬間、ヴェスピドの後ろにいたガードの部隊が一斉に上半身と下半身に分けられた。

 

「なっ…⁉︎」

 

「補給は済ませましたか?エリザ様にお祈りは?戦場の隅でガタガタ震えて命乞いをする心の準備は──できていますか?」

 

薄い笑みを浮かべて言い放つウェイターにヴェスピドは歯ぎしりをした。

 

「…っ!舐めるなっ!後衛、前に!」

 

すぐさまヴェスピドは残った部隊のうち、後衛のガード部隊を前に出す。それに合わせてウェイターもダミーに指示を出す。

 

「ダミー1、敵戦列右中央に榴弾を。ダミー2はその後焼夷弾を左中央に」

 

「「了解」」

 

指示に合わせダミーは榴弾を放ち、もう一人のダミーが一拍遅れて焼夷弾を放った。榴弾は目標に命中し、爆発の余波で左に倒れた部隊は焼夷弾に焼かれていった。

 

「くっ!この─「チェックメイトです」…⁉︎」

 

ヴェスピドが反撃を行おうとしたが、すでに彼女の首にはワイヤーが巻き付いていた。

 

「一応聞きますが、ペイロードとバルカンはここに居るのですね?」

 

「ペイロードは居るが…バルカンは…アルケミスト様が、自分の管轄下の基地に…」

 

「…アルケミストが?これは隊長に報告しなくては…!」

 

ウェイターはヴェスピドの首を落とした後、バレットに通信を入れた。

 

「こちらウェイター。敵部隊を撃破しました。それとバルカンはアルケミストが自身の基地に連れてったそうです」

 

「何…⁉︎わかった。ウェイター、まだいけるか?」

 

「ダミー二体と銃を失いましたが、何とかいけます」

 

「良し、それならすぐに来てくれ」

 

「了解」

 

ウェイターはすぐにバレットの元へと向かっていった。




完 全 に ウ ォ ル タ ー

いやね、元々ウェイターのモデルは青年ウォルターだったりします。
ウェイターの見た目はあれを髪の毛束ねずに短くしてモノクル逆にして目付きを柔らかくした感じだと思ってくれれば良いです。
ちなみにウェイターが何で元民生なのにこんな強いのかと言うと、入隊してから彼をメンテナンスしてたのはペルシカさんだからです。つまりはそういうことです。(要はメンテナンスついでに色々やった)

例の台詞感想で言ってもいいんですよ?(チラ)

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