人形達を守るモノ   作:NTK

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コラボその4です。

ようやくドリーマーと対峙するバレット。だが、彼が見たのは…


Code-22 激闘・F05地区-③

「もう少しで…良し、解除成功だ」

 

パンジャンが電子機器を無効化し、扉を開けるとレストとノアはペイロードに近づいた。

 

「ペイロード、立てそうか?」

 

「ちょっと無理そうです…肩を貸してもらえますか?」

 

「わかった。ノア、反対側を」

 

「はい」

 

二人はペイロードに肩を貸し、そのまま立ち去ろうとするが、パンジャンが待ったをかける。

 

「ストップ。一応その箱も調べさせてくれ。まだ何か仕掛けがあるかもしれない」

 

パンジャンは箱にコードを差して調べる。すると

 

「やはりそうか。この爆弾、ペイロードの識別反応とリンクしていて、3m以上離れたら起爆するようになってる。あと、外部からの信号でも起爆するみたいだ」

 

「何…⁉︎解除出来そうか?」

 

「これくらい、紅茶飲みながらでも出来るさ……よっと、解除完了っと」

 

「早っ⁉︎…とりあえずこれで移動しても平気だし、ドリーマーが自棄を起こしても大丈夫か。あとはこれを隊長に…」

 

その時だった。突如として轟音が響き、司令部が激しく揺れた。

 

「うわ⁉︎な、何だ⁉︎」

 

「崩れてきたらマズイです!早く脱出しましょう!」

 

一行は急いで外に出る。そして、彼らが目にしたのは一体の人形と、5m近い大型の人型兵器が激しい戦闘を繰り広げている様であった。

 

「な…何だありゃあ⁉︎」

 

────

 

「痛たた…何が起きたんだ?」

 

バレットとスミスは先ほどの衝撃でバランスを崩し倒れてしまった。

ちょうどその時、レストから通信が入る。

 

『こちらレスト!ペイロードの救出に成功したが、正体不明の人形二体が戦闘中!隊長、どうします?』

 

「正体不明の人形?」

 

バレットは壁の穴から外を見る。確かに二体の人形が戦闘を行っているが、そのうち一体には見覚えがあった。

 

「あれは…資料にあった万能者じゃねぇか⁉︎レスト、そいつに関わるな!今すぐペイロードを連れて逃げろ!」

 

『了解‼︎』

 

「万能者って、確か遺跡から生まれたっていう人形か?」

 

「あぁ。もう一体は鉄血のロゴが入っていた。恐らく万能者を捕まえるために造ったものと見ていいだろう」

 

「にしても何で万能者がこんなところに…?」

 

「さぁな。早いとこ俺らもドリーマーを捕まえて脱出しないと…うおっ⁉︎」

 

再び建物が揺れ、瓦礫が幾つか崩れ始めた。バレットとスミスは瓦礫を避けながら先に行った進む。その時だった。

 

「……フギャ!

 

司令室の方からドリーマーと思しき間抜けな声が聞こえてきた。

 

「「…フギャ?」」

 

二人は怪訝な顔をしながら司令室前まで移動する。

警戒しながら扉を開けた二人が見たのは────

 

 

「うー!クソッ!何で私がこんな目に…!」

 

瓦礫に足を挟まれて動けなくなっている幼女ドリーマーであった。しかも彼女の武器である大型の粒子狙撃銃は瓦礫によって破壊されていた。

 

「………」

 

「…バ、バレット⁉︎」

 

冷ややかな視線に気づいたドリーマーはバレットに目を向け、沈黙する。するとスミスが噴き出した。

 

「…プッ!アッハッハッハ‼︎こいつはお笑いだなぁ⁉︎まさかこんな形で決着がつくなんてなぁ、バレット?」

 

「全くだ。こちとら覚悟決めて来たのに、肩透かしを食らった気分だ」

 

「〜ッ‼︎このやろう!こんな身体じゃなきゃお前なんか…!」

 

「あー喋るな喋るな。その身体と声だと悪ガキの口答えくらいにしか聞こえねぇぞ?」

 

実際、手をバタバタさせながら悪態をつく幼女ドリーマーの姿はどうみてもいつものような雰囲気はなく、ただ滑稽なだけであった。

 

「くっ!こうなったらあなたの妹を爆破して─」

 

ドリーマーは側にあったスイッチを取り、ボタンを押すが何も起きなかった。

 

「…あれ?あれ?」

 

何度もボタンを押すドリーマーだが、ボタンを押す音だけが虚しく響いていた。

 

「…すでにペイロードは仲間が救出済みだ。終わりだ、ドリーマー」

 

バレットがそう言い放つと、ドリーマーは抵抗を諦めた後、怪しげに微笑んだ。

 

「…フッ、まあいいわ。次こそはあなたを捕まえて…」

 

は?次なんてねぇよ?お前はこのまま捕虜にして電脳空間に閉じ込める予定だからな。まぁこの姿はお前にとって屈辱的みたいだから手足吹っ飛ばすのは勘弁してやる。──あばよ、ドリーマー」

 

「ガッ…!」

 

ドリーマーは麻酔銃を打ち込まれ、動かなくなった。バレットは瓦礫をどかして彼女を抱えるとスミスに手渡した。

 

「ほれ、持ってな」

 

「わかった。…軽いな」

 

「バレットから全部隊へ!作戦完了、近くにいる万能者と大型兵器の戦闘に巻き込まれないよう撤退せよ!」

 

バレットは全員に通信をするとすぐさま司令部から撤退する。

戦闘に巻き込まれないよう逃げ、レスト達と合流する。

 

「お兄ちゃん‼︎」

 

「ペイロード、大丈夫か!」

 

レストとノアの肩から離れたペイロードをバレットは優しく抱き留める。

 

「お前、その足…!」

 

「うん、ドリーマーにね…ごめんなさいお兄ちゃん。私のせいで…」

 

「いや、気にするなよ…やっぱドリーマー足だけでも吹っ飛ばそうか…?」

 

「やめとけ、起きたら厄介だ。それより、全員いるか?」

 

「SASSは上手く撤退したって聞いた。ウェイターとフレイムはさっき連絡した。あとはマーダーだけだが、連絡が取れねぇ」

 

「チッ!どこに行ったんだあいつは?」

 

「もしかしたら万能者(厄祭)のところに行ったのかも。マーダー、戦闘狂なところがあるから…」

 

デストロイヤーの言葉に一同は沈黙した。もしその通りならあの戦闘に介入して、マーダーを連れ戻さなくてはならないからだ。

 

「…仕方ない、俺が連れて帰る。スミス、お前の麻酔銃を寄越してくれ」

 

「正気かバレット⁉︎」

 

「大型兵器の方はともかく、万能者はこちらから手を出さなきゃ問題ないはずだ。すぐ見つけて奴を眠らせればあとは逃げるだけだ」

 

「…わかった。死ぬなよ?」

 

「もちろんだ」

 

スミスから麻酔銃を受け取り、バレットはマーダーを連れ戻しに戦場へと戻っていった。




突然の乱入がありましたが、なんとか作戦は完了。しかしマーダーを連れ戻しに向かうのであった。

バレットが若干シスコンになりかけてる問題が浮上してきちゃった。どっちでも面白くなるんだよなぁ。


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