DG小隊がお見舞いに行きます。
戦場へ戻ったバレットだが、思いの外早くマーダーを見つけることができ、一行は無事に撤退することが出来た。
「うわ…まだ戦ってるよ…」
スミスがそう言ったのを聞き、ヘリから外を見ると、未だに万能者と大型兵器が戦闘を繰り広げていた。
「あれはもう手に負えないですね…」
「で?ドリーマーはどうする訳?」
スミスは横で眠っている幼女ドリーマーを見ながらバレットに尋ねる。
スゥスゥと寝息を立ててる様は見た目も相まって可愛らしいのだが、この場の全員が本性を知っているため何も思わなかった。
「それなんだが…イイ案を前から思いついてな。すでに道具をペルシカに依頼済みだ。幼女化してるのは予想外だが…まぁ問題ないな」
(うわ、絶対ロクな事考えてねぇぞ…)
その後、彼らは無事に本社に着き作戦は完了した。
────
作戦終了から一日が経過し、DG小隊はバルカン達のお見舞いに行くことにした。
まずはペイロードのいる修理室へと向かっていった。
「ペイロード、見舞いに来たぞ。入っていいか?」
「お兄ちゃん?うん、入っていいよ」
「失礼するよ」
ペイロードの許可を得て彼らは部屋に入っていく。
「怪我の具合はどうだ?」
「全然大丈夫です。撃たれただけだから、すぐに修復できるってペルシカさんが言ってました」
「そうか…これ、見舞い品。果物だとこの時期すぐダメになるからこれにしたんだが大丈夫か?」
バレットはペイロードにお菓子の詰め合わせを手渡した。
「大丈夫だよ。ありがとうお兄ちゃん」
「気に入って何よりだよ。…それと、今回の事で少しアドバイスがあるんだが、いいか?」
少しだけ真面目な顔でバレットはペイロードに尋ねる。それにペイロードが頷くとバレットは話し始めた。
「ペイロード、今後は今回みたいに近づかれた時のためにサイドアームを携帯することを勧める。俺もあまり使わないが、あるのとないのじゃ万が一の時に大きく差が出るからな」
「はい…わかりました」
「それと、選ぶなら反動の少ない拳銃を選びな。スミスの銃みたいに反動のデカイのはとっさの時に当たらない事が多い」
「いや、サイドアームで
スミスのごもっともな指摘はさておき、バレットは話を続ける。
「あとは仲間と弾丸を共有できるものがいい。俺やウェイターのサイドアームはレストの銃に合わせて9パラが撃てるやつにしてる。まぁこれはお前には関係ないか」
「そうですね…みなさん弾丸が桁違いだったりフレイムさんはそもそも弾丸ですら無いですからね」
「俺からは以上だ。みんなは何かあるか?」
「いいや」
「特には」
「同じく」
「私もないです」
「んじゃ、そろそろ行くか。ペイロード、早く怪我治るといいな」
「うん、じゃあねお兄ちゃん」
次に彼らはマーダーの所に行くのだが、これにはレストとウェイターは少し難色を示した。部屋の前で二人は改めてバレットに聞いた。
「隊長…本当に行くのか?」
「正直、元に戻った以上あまり顔を合わせたく無いのですが…」
「俺もあまり会いたくない。が、一応綺麗だった時にスポッターとして活躍してくれたからな…マーダー、入るぞ」
「どうぞ〜。…意外ね、てっきり来ないかと思ったわ」
バレットらの姿を見て含みを持たせた笑みを浮かべるマーダーだが、それに構わずバレットは近くの机に見舞い品の缶詰を置いた。
「あら?何これ、人肉の缶詰?」
「んなわけあるか。ソイミートの缶詰だ。味は良いんだが社名の所為で売れなくて在庫あまりが出たのを安く買った」
「ふーん、その社名って?」
「ソイレント・システム・コーポレーション。もう社名は変わったがな」
「…やっぱり人肉じゃないのこれ?」
「お前なら食えばわかるだろ?じゃあ俺らは行くからな」
そういい足早にバレットらは出ていった。そのあとマーダーは缶詰を開けて中身を食べた。
「あら…これは…」
最後に彼らはバルカンのいる隔離室へと向かう。しかし、ウイルス感染の疑いがあるので直接の面会はできないため、対面室で待機しているとバルカンが扉を開けて入ってきた。
「おっ!来てくれてありがとな!ここ何もねぇから退屈だったんだ」
明るく話しかけるバルカンだが、その姿にバレットらは思わず息を呑んだ。
彼女の髪と肌は鉄血のハイエンドのそれと同じように白くなっていたからだ。
「傘ウイルス、話には聞いていたが…ここまでとはな…」
「バルカン、それ大丈夫なのか?」
「うーん、今のところは特に何も無いかな。あ、それで見舞い品とかないのか?」
「あぁ、あるぞ。はい、ジャックダニエル。良いやつだから大事に飲めよな。あと、ツマミもいくつか持ってきたから。あとでペルシカから受け取ってくれ」
バレットは見舞い品を置いておくとバルカンはとても喜んでいた。
「おおーっ‼︎ありがとなバレット!」
「選んだの俺なんだけど…」
「あ、そうなのか?ありがとなスミス」
「どーも。あとその体ってさ、元に戻るのか?」
「ペルシカの話だと治るみたいだけど…」
「そうか、良かったな」
するとバルカンは思い出しかのように声を上げた。
「あ、そうだ!ドリーマーは?あいつはどうした⁉︎」
それを聞いたバレットはイイ笑顔を浮かべた。
「あぁ…あいつはな、今逆デ○バイさせてるよ」
「ぎ、逆デド○イ?」
聞いたことのない単語に首をかしげるバルカンにバレットはわかりやすく説明する。
「半世紀ほど前に流行ったゲームでな、簡潔に言うと四人のサバイバーと一人のキラー、まぁ鬼だな。それから逃げるゲームなんだが、前にそっちが訓練に使った
「ふーん…ん?逆ってことはつまり…」
「あぁ、あいつ一人に対して四人のキラーが追いかけてくる。しかも普通はキラーが相手を殺すのにプロセスがいるんだが、今回は
「それで脱出条件一緒だから鬼畜だよな…まぁ発電機蹴らないだけマシか」
「うわぁ…(ヤベェ…絶対バレット怒らせないようにしよ…)」
引き気味に呟くスミスにバルカンは同意を示し、またバレットを絶対に怒らせないようにしようと決めたのであった。
────
MCR内
「ハァッ…ハァッ…バレットの奴…!電脳内でもこの姿にさせるなんて…!」
物陰に隠れながらドリーマーは一人毒づいていた。彼女の姿はボディと同じく幼女の姿のため、逃げにくくなっていた。事実何度かリスポーンしていた。
ゲーム自体は昔デストロイヤーを泣かすためにやったことがあるため理解はおり、すでに2つ発電機は付けていた。
「取り敢えず、あと3つつければ…ってクソッ!ハ○が来やがった!」
急いで逃げようとするドリーマーだが、運悪く転んでしまい、追いつかれてしまった。
「ヒッ…⁉︎待って、○グのメメントって…ア"ア"ア"ッ‼︎」
────
「ちなみに、脱出したらどうなるんだ?」
「ボディに戻ってペルシカの実験台になる。まぁ脱出出来なくてもシステムを元に戻す都合上、丸一日たったら強制終了するけどな。実験が終われば何もない電脳内に閉じ込める予定」
つまり最悪の場合、ドリーマーは向こうで24日の間キラーに追い回されたり殺されたりしたあとペルシカのアブない科学実験に付き合わされる事になる。
どう考えてもバレットにやった事より酷い目に遭っているが
「んじゃ、俺らは帰るぞ。あ、バルカン。結果的に捕まったが、妹を置いて行かずに助けようとした事、感謝してる。これからも妹をよろしく頼む」
「ああ!任しときな!」
「じゃあな。早くそこから出れるといいな」
そう言い残して彼らは対面室から出て行った。
廊下を歩きながら、バレットは軽く息を吐いた。
「ハア〜やっとあの芋砂のストーキングから解放されたなぁ…」
「本当にしつこかったからなぁ…ん?どうしたレスト?そんな顔して?」
「いや…何でドリーマーはそこまでして隊長を鹵獲したがってたんだ?」
「それは俺も気になってた。男性型で16Lab製だからって理由にしては投入した戦力が多すぎる。それだけならダミーでもいいはずだ。だが、破壊されたダミーが何体か奴らに鹵獲されてるにも関わらず俺本体を狙ってきた…何故だ?」
考え込むバレットにウェイターは1つの可能性を口にする。
「もしかして、男性型のメンタルモデルのメインAIデータが欲しかったのでは?それなら合点がいきます」
「だとすれば…奴らも男性型を造ろうとしている?でも、何のために?」
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鉄血工造
(ドリーマーから連絡が来ませんね…再起動もされてませんし、これは鹵獲されたとみていいでしょう。…またドリーマーの再生産をしなくては。ついでにバレットの鹵獲命令は中止させましょう)
モニターを見ながら代理人はため息をついた。
(ボディはすでに出来てますが、メンタルモデルのメインAIデータがありませんでしたからね…できれば向こうのメインAIが欲しかったのですが、仕方ありません…
代理人はその場から移動し始め、ある部屋に入る。
「…一度
目覚めの時を待つ一体の人形を見ながら、代理人は呟いた。
ドリーマーと決着をつけたバレット。
だが鉄血では新たなハイエンドが生まれようとしていた…
ちなみに自分はデドバイは対応する機器を持ってないのでやったことはないです。
あとグローザ手に入れました(コロンビア)