なんでイベントが起きる度に仕事が忙しくなるんだよ…
違法工場を視界に捉えられる位置まで移動したバレットらは改めて作戦内容を確認する。
「今回の作戦はそこにある違法工場の完全破壊、及びそこにいる人形全ての救出だ。リバイバー、見ての通り工場付近は守りが厳重だ。派手にやってくれて構わないが、施設の攻撃は中の人形の救出が完了するまでは行うな」
工場はやや中規模であり、敷地内には歩兵の他に有人式の大型兵器が何機かうろついていた。
「了解。だが中に人形がいない事がわかれば攻撃してもいいんだな?」
「構わないが…わかるのか?」
「俺のこのバイザーにはバッテリー残量や目標の距離の視覚化以外に、生体反応や人形の反応も見える機能がある。現に工場を見てみたがバッチリ人形の反応が見えたから心配はない」
「そうか、わかった」
ちなみに、リバイバーの視界には人形と人間の反応が
各員配置についたところでバレットはリバイバーに合図を出す。
「作戦開始だリバイバー、やってくれ」
「OK。グリフィンでのデビュー戦の火蓋、派手に切らせてもらうぞ‼︎」
高所にいたリバイバーは近くの大型機に狙いを定め、V.S.L.Cを撃ち放った。放たれたレーザーは大型機の上半身を消し飛ばし、下半身も燃料に引火し爆散した。
何事かと工場内の人間は慌てふためくがその間に二射、三射とレーザーが降り注ぎその度に大型機を破壊していく。
その後リバイバーは歩兵達の近くに降り立った。
「なっ…⁉︎貴様、何者だ‼︎」
「グリフィン所属の人形、とだけ言わせてもらう。さて、この工場は本日をもって閉鎖とさせて頂こうか」
「っ…⁉︎舐めるな‼︎撃て‼︎」
歩兵達は一斉にリバイバーに向かって銃を撃つがそれよりも早くリバイバーはF.E.F.Gを展開、電磁フィールドにより銃撃を防いでいた。
「弾と時間の無駄だな…むンッ‼︎」
「がバッ⁉︎」
そしてお返しとばかりに散弾状のレーザーを相手に浴びせ、焼き焦げたグズグズの肉塊へと変えていった。
「こいつ、銃が効かねぇぞ‼︎」
「なら俺に任せろ!喰らいやがれ!」
大型機に乗った男がリバイバーに向けて搭載されていたミサイルを全弾発射する。ミサイルは電磁フィールドに命中し、派手に爆発して辺りは爆煙に包まれた。
「ははっ!ザマァ見やがれ!」
「所詮人形が俺らに敵うわけg「あるんだなこれが」⁉︎」
煙が晴れるとそこには何事も無かったかのように立っているリバイバーの姿があった。
「マルドゥーク…いや、
そういうやいなやリバイバーは大型機を撃ち抜き、周囲の敵や人形のいない施設へと攻撃を始め、辺りは火の海と化した。
リバイバーの相手で手薄に内部がなったところでバレットらも工場内部へと侵入する。
残っていた兵がこちらに気づき射撃を加えるが先ほどの襲撃で動揺しているのかほぼ見当違いのところに弾が飛んでいく。無論それを見て油断したり見逃すほど彼らは甘くなく、兵や逃げ惑う従業員を容赦なく撃ち倒していく。
非戦闘員である従業員を撃ち殺すことはここが普通の工場なら許されざる行為だろう。だが、ここは違法工場であり彼らがここで造られた人形を
侵入を阻もうとバレットの前に5人ほどの兵が立ちはばかるが、バレットは一度物陰に隠れて攻撃を凌ぐと物陰から飛び出して素早く自身の銃を五発撃ち、兵達を吹き飛ばした。その様子を見ながらスミスはバレットに尋ねた。
「バレット…お前、また早撃ちの腕上げたな。今の2秒くらいじゃなかったか?」
「ペイロードが前の作戦でだいぶ成長したって聞いたからな。兄として負けられな…⁉︎」
瞬間、バレットは身体の力が抜けその場に倒れこむ。視線だけ動かすとスミスや他のメンバーも同様に倒れこんだ。
その時だった。壁を吹き飛ばして先ほどより一回り大きな大型機が彼らの目の前に現れた。
『フハハハハハッ‼︎ジャマーのお味はどうだDG小隊‼︎手も足も出ないだろう‼︎』
スピーカーから発せられる男の言葉にバレットは内心焦っていた。
(ジャマー内蔵型大型機か…⁉︎マズい…このままじゃ…!)
『今まで殺られた仲間の恨みだ、ここで死ねぇ‼︎』
大型機はバレットに右腕の大型ショットガンを向け、射撃を加えようとする。
「「「バレット(隊長)‼︎」」」
ここまでか、とバレットは目を瞑った時だった。突然大型機の右腕がレーザーに貫かれ、爆発した。何事かと一同はレーザーの飛んできた方向を見ると、リバイバーがV.S.L.Cを構えて立っていた。
「…外の敵をあらかた片付けたと思ったら、危機一髪ってところだったな」
『なっ…⁉︎何故だ⁉︎何故お前はジャマーの影響を受けていない⁉︎』
「俺は元とはいえ最新鋭の鉄血ハイエンドだ。そんなもん効くかよ」
ハイエンドのみならず、鉄血の人形はプラウラーのようなものでもジャマーに耐性がある事はグリフィンでは周知の事実である。グリフィン所属と聞きリバイバーをI.O.P製と思い込んだのが彼らの敗因だろう。
リバイバーはバイザーの生体反応でコクピットの位置を割り出し、高出力レーザーで撃ち抜いた。大型機は数秒ほど立ち尽くしていたがやがて倒れ落ち、爆散した。もちろん爆風に巻き込まれないようにF.E.F.Gをバレットの周りに展開させた上でのことである。
ジャマーが無くなった事で体の自由が戻ったバレットらはすぐさま反撃に応じ、ほどなくして工場の制圧が完了した。
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「リバイバー、本当に人形はこれで全員なんだよな?」
「ああ本当だ。というより、さっきお前さんにバイザー貸して確かめさせたろ?」
「一応だ。んじゃ…始めてくれ」
了解、と通信を切ると高所にいたリバイバーはV.S.L.Cを工場に向けて構えた。
「出力はこれくらいで充分か…それじゃ…ズドン♪」
トリガーを引くと先程までとは比べ物にならない威力のレーザーが放たれ、工場に突き刺さる。瞬間、轟音と共に爆炎が広がり工場は派手に吹き飛んだ。その後も念の為に数発撃ち、不幸な人形を生み出した工場は跡形もなく消え去っていった。
「ん〜壮観だなぁ。自分の工場がぶっ飛ぶさまはどうだい?
「くっ…悪趣味人形が…‼︎」
リバイバーは後ろで拘束されている男に向けて問いかける。この男はリバイバー襲撃時に一人コソコソ逃げていたのをリバイバーが見つけ、足を撃ったまま放置していたのをわざわざこれを見せるために連れてきたのであった。ちなみに、この事はバレットらには報告していなかった。
「ところでお前さんさぁ…この工場と養豚場、同じところと違うところがあるんだが、わかるか?」
「は?知るかよ。それより、俺をどうする気だ?」
「それについては後で言う。で、正解だが、同じところはどちらも人の欲を満たすためにできた施設だ。違うのはそれが性欲か食欲かの違いだ。だが、食欲は満たさなきゃ死んじまうのに対して、性欲は満たさなくても死にはしない。つまり『そこまで必要じゃない施設』なんだ。なのに何故お前さん達はここを作り、運用した?」
段々と怒気と殺気の入り混じったリバイバーの声に男は怯え、声が出なかった。
「答えないか。なら代わりに答えよう。理由はズバリ『金になるから』だ。どんな相場で売り買いされてるかは知りたくねぇがお前さん達が金銭欲をコントロール出来ずもっと利益を得たい為に彼女達を不幸にした」
そういいリバイバーは右手で男の首を掴み、持ち上げた。
「ぐっ…‼︎ガッ…⁉︎」
「俺はなぁ…己の欲望をコントロール出来ずに周りに害を与える行為は許されざる行為だと思っている。お前さん達がやったのはまさしくそれだ。獣ですら必要以上の獲物は狩らないというのにそれが出来ないお前さん達みたいな連中は……死ね」
ゴキリ、とリバイバーは男の首をへし折り、投げ捨てる。その後リバイバーは回収ポイントへと歩いていった。
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翌日、バレットはヘリアンに報告書を提出した。
「以上が今回の報告です。販売先のリストも手に入ったので各地区の指揮官に伝えれば彼女達の足取りも追えるでしょう」
「ふむ…わかった。それとバレット。今回の事で貴様から見てリバイバーはどうだ?」
「まだ彼の真意が掴めませんが今回の件ではこちらの指示におとなしく従った事と彼にジャマー耐性があったことが幸いし、我々が全滅することを避けられたのは事実です。完全とは言いませんが、少しは信用しても問題ないかと」
「なるほどな…それと、ジャマーの所持を把握出来なかったのはこちらの落ち度だった。すまない」
「いえ、想定していなかったこちらにも非があります…ではこれで」
バレットは部屋から出て行く。そして自室へ入ると何故かリバイバーが部屋にいた。
「…いくら部屋の出入りが自由だといっても何故ここにいる?」
「暇だったものでな。それで?俺はあんたらの役に立てそうかい?」
「今の所はな。今回みたいな作戦で他の基地の協力を得られない場合でもお前を使えばほぼ問題ないとわかったからな。それに、一度命を助けられた身だ。理不尽に切ったりはしないようにするさ」
「そうかい、ありがとよ。それとこの写真に写ってるのってお前さんの妹か?随分カワイイじゃn」
「妹に手を出したら殺すからな?」
「アッハイ」
さっきと言ってる事が違うじゃないかとは言えなかったリバイバーであった。
作戦自体は成功したが、独断行動をしたリバイバー。その行く末は…。
ちなみにコラボイベントのG36一家のストーリーに星●一のショートショートのようなものを感じたのは自分だけでしょうか?
あとみんなアレをガンダムガンダムって言ってますけど個人的には胴体の生えた魔改造ボールだと思うんですよね。あと一般兵、君ビルドにいなかった?