人形達を守るモノ   作:NTK

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最近ややシリアス続きなのでちょいと糖分補給です。
タイトルからわかる通り今回スミスとリバイバーの出番はありません。

スミス・リバイバー「「なん…だと…!」」


Code-34 恋人達の日々

レスト&ノア

 

前回の作戦で練度を上げ、ようやく四回目の編成拡大を行うことが出来るようになったノアは早速編成拡大を行うことにした。

しばらくして、新たに造られたダミーを見ながらふとノアはある事を考えた。レストは自分とダミーの違いがわかるのだろうかと。戦闘の時はあまり喋らないようにダミーに指示してあるので区別がつくのだろうが、自分も黙っていれば見た目での違いはないのでどうなのか気になり始めた。

そう考えてノアは他のダミーを呼び出した。

 

────

 

「急に呼び出して、一体どうしたんだ…ん?」

 

ノアに呼び出されたレストが部屋に入ると、無言でこちらを見つめているノアとそのダミー四体。それぞれが持っているプラカードには『誰がメインかわかりますか?』と書かれていた。状況を理解したレストは可愛らしい事をするなぁと思いながら近寄って顔をじっくり眺めた。

顔をかなり近づけても眉一つ動かさず、耳も赤くならないあたりきちんとレストに当てて欲しいことが伺えた。

しばらくして全員の観察を終えると、レストは向かって右から二番目にいたノアに近寄ると、顎を軽く持ち上げ唇を重ね合わせた。

 

「むぅッ⁉︎」

 

予想外の行動にノアは思わずビクリ、と反応したがそのまま受け入れた。十数秒ほどした後で唇を離し、レストは悪戯っぽく笑いかけた。

 

「当たってるだろ?」

 

「な…何でわかったんですかぁ…///」

 

「どれくらい付き合ってると思ってんだ?メインとダミーの違いがわからないほど俺は鈍くないし、他の基地の9A-91(お前)がいても間違わない自信はあるさ」

 

「〜〜ッ!」

 

レストの言葉にノアは嬉しいやら恥ずかしいやらで赤くなった顔を抑えてうずくまった。

 

「さ、お祝いにどこかに行くかい?」

 

「あ…ならホーテンさんのお店で…」

 

「わかった。んじゃ、行こうか」

 

「はい♡」

 

ダミーに戻るよう指示しつつ、ノアはレストの手を握って出掛けて行った。その様子をこっそりカメラ越しでみていたペルシカは口から砂糖を吐いていた。

 

「うっぷ…面白い事やってるから見てみたけど、ゲロ甘なものを見せつけられたわね…にしても、レストはよくあそこからここまで幸せになれたわね。結婚するのも時間の問題かしら?」

 

どこか見守るような目つきで画面を眺めるペルシカであった。

 

────

 

ウェイター&フィオナ

 

「ふぅ、やっと一息つけるわね」

 

「お疲れ様です。どうぞ」

 

「ありがとうウェイター。…あ、これ美味しいわね」

 

書類仕事を終えたフィオナにウェイターがコーヒー(例のお土産)を差し出す。一口飲んだ後、フィオナはウェイターの方を向く。

 

「…こうやって見ると、貴方っていろんな人形を助け出したりしているのね」

 

「ええ。時折人形からお礼を言われるのですが、その時が一番嬉しかったりします」

 

「へー。…助けた娘たちに迫られたりしなかったの?」

 

「え?あっと…それは…」

 

わかりやすいくらいに目を泳がせるウェイターにフィオナはクスリと笑い、気にしないから言ってみなさいというとウェイターはやや申し訳なさそうに離し始めた。

 

「いや、まぁ…何回かは告白された事はありました…。もちろんきちんと断りました」

 

「ふーん…何て言って断ったの?」

 

「…えっと、聞きたいですか?」

 

「うん」

 

「…『気持ちは嬉しいのですが、私には心に決めた人がいます。今は訳あって近くにいませんが、その人の気持ちを裏切りたくないので貴女と付き合う事は出来ません』…です」

 

「え…?それって、私の事?」

 

他に誰がいるんですか?、と恥ずかしげに言うウェイターを見てフィオナはたちまち真っ赤になった。さらに言えば彼はフィオナが昏睡状態の間、長期任務で来られない時を除いてはほぼ毎週見舞いに来ていた彼の想いの強さは相当なものだろう。

 

「……そろそろ仕事の続きをしようかしら…」

 

「あ、なら手伝いますよ」

 

なんとも言えない空気に耐えられずフィオナは仕事を再開し、ウェイターがそれを手伝い始めた。その様子を影から見る者が二人。フィオナの教育に訪れていたカリーナと事務用人形として入社したリリィである。

 

「あの二人があんな顔をしているの、初めて見ました…」

 

「いいですわ〜私もあんな恋愛をしてみたいですわ〜。あ、指輪の入荷をしておいた方がいいですわね」

 

────

 

バレット&DSR

 

食堂内にて、バレットは眉間を抑えながら向かいにいるDSRに話しかけた。

 

「あの…DSR?ひとついいか?」

 

「なーにバレット?」

 

「どこで噂を聞いたか知らないが慈愛を込めた目でお腹をさするのはやめてもらっていいか⁉︎周りにかなり誤解与えてるからな⁉︎」

 

実際、食堂内にいる職員や人形達はDSRの様子を見てヒソヒソと話し合うのが見えていた。当の本人はバレットの反応を見て満足したのか、お腹から手を離した。

 

「ふふ、ちょっと面白い話を聞いたからやってみたけど、いい反応が見れて良かったわ。あとでみんなには私から言っておくわ」

 

「そうしてくれると助かるよ。というより、まだ()()までいってないし…

 

「あら?この前夜にこっそり貴方の部屋に忍び込んだんだけど…覚えてないの?」

 

「え⁉︎」

 

「冗談よ」

 

クスクス笑いながら話すDSRを見ながらバレットは頭を抱えた。

 

(どうも付き合ってから彼女の良いようにされてるなぁ…そろそろこちらからも何かしら仕掛けておくか…?)

 

そう考えていると、DSRは先ほどから食べていたケーキの一部をフォークに刺してバレットに向けた。

 

「はいバレット、あーん」

 

「え?…本当にやるのか?」

 

その質問に答えるようにフォークを動かすのを見るとどうしようか躊躇い始めた。

 

(いや、よくレストとノアがやっているのを見てたりするが、いざ自分の身になると恥ずかしいなこれ⁉︎よく出来たなあの二人…)

 

二人に賞賛を送りつつ、バレットは意を決して口を開ける。もう少しでケーキに届くというところでDSRは手を引っ込め、空振りさせた。

 

「…?んッ⁉︎」

 

どういう事だとバレットが訝しむと、その隙をついてDSRはバレットの口にケーキを押し込んだ。突然の行動に目を白黒させるバレットを見てDSRは再びクスクスと笑っていた。

 

「ふふっ♪貴方って意外とプライベートだとノせられやすいのね」

 

(カチン)

 

DSRの言葉に少しだけ頭にきたバレットは一度ケーキを飲み込み、コーヒーを口に含む。そしてそのままDSRに近づくと、いきなり彼女に口移しを始めた。バレットの大胆な行動は周りの人の注目を集めた。やがて口移しを終えたバレットは口を離した。

 

「…俺だって反撃くらいはするからな」

 

先ほどとは打って変わって戸惑いの顔を浮かべるDSRに向けてバレットがそう話すとDSRは顔を赤くしてモジモジし始めた。

 

「えっと…バレット…?その、こういうのは二人きりの時でしてくれる…?」

 

「周りの目を引くような事をしてる割には見られるのは嫌か?」

 

「……意地悪

 

そんな二人のやり取りをたまたま通りかかって見ていたヘリアンはというと口から血と砂糖を吐き出して倒れていった。

 

「カッハァッ⁉︎」

 

「大変だ!ヘリアン殿が倒れたぞ!」

 

「衛生兵ーッ‼︎」

 

「合コン連敗で荒んだ心に、シュガーテロは危険だったんだ!」

 

(あ…すみません、ヘリアンさん)

 

図らずとも上司にダメージを負わせたことに内心謝罪しつつもバレットはDSRとともに食堂から出て行った。

 

任務の合間に訪れた彼らの幸せな日々であった。




シチュは思い浮かべられるけどいざ書き始めると恥ずかしくなるんですよね。
こういうのスラスラ書ける人ってすごいと思います。

DSRって反撃されると弱い気がすると思うんですが、分かる人いますかね?
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