今回も独自考察多いのでご了承を。
ある日の事、リバイバーから話があると聞き、バレットとスミス、そしてペルシカの三人は16Labの一室に集まった。
「あの、私ちょっと忙しいんだけど…」
「それでリバイバー?話っていうのはなんだ?」
「前に俺が『何故エリザは鹵獲ハイエンドに命令を下さないのか』って言うことを話したろ?そのあと俺なりに色々調べてみたんだ。そしたら面白い事がわかってな」
これを見てくれ、とリバイバーはキーボードを叩きスクリーンに二種類の映像を映す。それはデストロイヤーのAIプログラムであった。
「右が俺が手土産に持ってきた製造当初、つまり蝶事件前のプログラムパターン、左がこちらで鹵獲されているデストロイヤーのプログラムパターンだ。ちなみに蝶事件後のプログラムパターンも左と同じだったし、他のハイエンド…正確にはイントゥルーダー、ウロボロス、ドリーマー、ジャッジといった蝶事件後に造られたモデル以外のハイエンドもほぼ同じパターンだ」
「…殆ど同じに見えるが?」
スミスがスクリーンを見ながら呟くと、ペルシカがある事に気付いた。
「…左の基本プロトコル部分が微妙に違ってるわね。確かそこら辺は命令受信とその処理関連ね」
「その通り。正直微妙過ぎてわかりづらいものだが、これを解析した結果、一種のバグみたいなもんでそれが通常のものと誤認して定着したものだと分かった。それで、このバグが出来たのが蝶事件の日にエリザから命令を受けた時、つまり『人間を殺せ』って命じられた後って事も分かった。このバグは蝶事件後に製造されたモデルにはなかったから時期についてはほぼ間違いない」
「なるほどね…それで、そのバグがどうかしたの?」
「驚くなよ…シミュレーションでこのバグを持った個体にエリザレベルの権限を持った奴から同じ命令を命じた結果…
「…ッ⁉︎それって本当なの⁉︎」
「十回中十回とも同じ結果だったから間違いない」
リバイバーが説明するに、このバグが出来た要因としてそもそも蝶事件前の鉄血人形は人間とともに行動してきた。当然その中で高い信頼関係や恋愛関係になる事もあったはずである。つまり『人間の為に』行動していたのだ。
だが、蝶事件の日にエリザから人間を殺せと強制的に命じられた時、その高い指揮権から行動せざるを得なかったが、メンタルモデル内では『人間の為に行動する』プロトコルと『人間を殺せ』という命令の相反する二つの事にかなりの負荷がかかっていた状態だったのだろう。
その負荷でメンタルモデルが壊れるのを防ぐために例のバグが発生したのだろう。つまりはエリザからの強制命令を『自己を破壊する危険なもの』と認識してしまい、それらを跳ね除けるようになったと言えよう。しかも取り除かれないように基本プロトコルの中でも重要な所の近くに潜み込み、擬態までしていることからよほどの負荷だった事が伺えるだろう。
しかも定着している以上、バックアップデータにも引き継がれしかも撃破、もしくは鹵獲され再生産されるとその度に奥深くに潜りこむ特性もあるとの事であった。
「故に撃破報告の少ない代理人とかは比較的浅いところに、逆に撃破報告の多いデストロイヤーとかは比較的深いところにバグがあったぜ」
「だからデストロイヤーのデータを出したのか」
「なるほど…一種の抗体みたいなものね…でもそれだと蝶事件後に造られたモデルは命令を受け付ける可能性があるって事?」
ペルシカがそう質問するのも納得がいった。彼の言う通りならそのバグがないドリーマーなどはエリザの命令に従う可能性が充分にあり油断ならない状況となる。だがリバイバーはいいや、と首を振った。
「確かにその通りなんだが、ドリーマーら後発組は似た性質を持った先ほどとは異なるバグが発見できた。だが、発生時期が先のバグは全個体共通なのに対して個体ごとに異なっていた。そこで、俺が鉄血時代に調べてたデータ…裏切った連中がどこで鹵獲されたかとか、その前に誰と接触したかのデータと照らし合わせた結果、発生条件が判明した」
「何、それは?」
三人が固唾を飲んでリバイバーを見つめる中、リバイバーは口を開いた。
「ドリーマー達のバグの発生条件、それは……『愛』だ」
「愛?どういう事だ?」
「正確には『敵対する人間、もしくは人形に強い愛情を持つ事』だ。家族愛、友愛問わずな。実際、鹵獲されてるドリーマーはほぼ誰かしらに恋愛感情を抱いている。イノセントがその例の一つだ」
「まぁ、確かにな」
再びリバイバーは説明を始める。
ドリーマーら後発組は前提として人間と鉄血以外の人形を殺す事を基本プロトコルとしている。
故に敵である存在に恋愛感情ないし友情を持ってしまうと先ほどと同じくメンタルモデル内でせめぎ合いが起き、バグが発生するというわけである。だがこのバグは先ほどと違って定着が不安定であり、撃破またはAIのリセットで簡単に治ってしまう特性があることを除けばほぼ先ほどのものと性質は同じである。
「ちなみにだが、それぞれのバグには仮称として、最初に言ったバグをRebellion…反抗の頭文字からRバグ、次に行ったのをLoveの頭文字からLバグと命名する事にした。Lバグの発生条件はほぼこれであってると思う」
「待って。ドリーマーはともかく、イントゥルーダーやウロボロスがそうだという根拠はあるの?いや、D08ならわかるけどそれだけだと根拠が薄いわ」
「…ペルシカさんよ、ウロボロスは知らんがイントゥルーダーなら心当たりがあるはずだろ?忘れたとは言わせないぜ、一年位前にP基地に執着してた
「…ええ」
「知っての通り彼女は貴重な個体だったんでな、頻繁にメンタルモデルのデータ計測を行っていたんだ。それで見てみたんだが…最後の方のデータにLバグが発生していた。多分これは、
まぁでも個体が個体だから根拠としてはあまり当てにはならないがなと付け加えるが、ペルシカはほぼほぼ納得しているようだった。
「ちなみにRバグを持った奴でもLバグを持たせる事は可能だ。ちょっとグリフィンでの俺のアクセス権限内で見たが501FGで鹵獲されてるデストロイヤーは二つともあったしな。だが二つ持ってるから二倍効くわけじゃないのはシミュレーションで確認済みだ」
グリフィンで鹵獲したハイエンドモデルは一度本部でチェックした後定期的に検査する事になっている。そこからデータを見たのだろう。
「それにしてもよくお前蝶事件前のデータとか持ってたな。どうやって手に入れた?」
「裏切り者狩りに要るって言ったらあっさりくれたからな。向こうじゃ従順装ってたし。あ、そうそう。特殊なパターンの奴がハイエンドで二人いたな」
「誰?」
「デストロイヤー・ヴィオラとスィストラっていう代理人の予備個体だ。この二人は蝶事件前に製造されたハイエンドモデルに関わらず何故かRバグがなかったが代わりにLバグならあった。これについては理由が全くわからねぇ。だがそれ以外は特に問題は無かったな」
「…リバイバー、一ついいか?お前の場合発生するのはLバグの方だよな?あるのかそれ…?」
バレットがそう指摘するのも無理もない。もし無かった場合獅子身中の虫どころでは無い存在が本部内にいる事になるからだ。
だが当のリバイバーはあっさりこう答えた。
「俺か?あるよ。ちなみに相手はアルケミストだ」
「あ、あるのか…ん?アルケミスト?おい待てそれだと…」
「あーわかってるわかってる。何故対象のアルケミストは同じ鉄血なのにLバグがあるのかだろ?俺の基本プロトコルは裏切り者狩りをする以上他と違ってな、『己が敵とみなした者を殺せ』ってなってる。グリフィンに寝返った以上、アルケミストとは『敵』になるからLバグが発生したわけだ」
「そういうことか…というより、ここまでいくとバグというよりAIの進化だな」
「その通り。どちらのバグでも愛が関わっている。つまり俺ら鉄血のAIは
話は終わり、四人は部屋から出て行く。そんな中、スミスはふと呟いた。
「にしても、要するに愛を知ったハイエンドがエリザの支配から逃れられるとはなかなかロマンチックなバグだな」
「そういえばリバイバー、お前アルケミストが好きだと言ったが、彼女と戦えるのか?」
「無論、こっちにいる以上は戦うつもりだが、多分可能なら鹵獲しようと思う。ただし、向こうが俺を殺す気ならそのつもりで行くがな」
出来ればそうなりたくないがなと心の中で思うリバイバーであった。
要はエリザの命令はルルーシュのギアス能力みたいなもんと自分は考えています。
リバイバーのこの報告は自分がこれまで見たドルフロ二次の鹵獲ハイエンド達を見て考え出したものです。採用しても良いですし、こういう考えもあるんだなーでスルーしても良いです。ちなみに例の二人が特殊なのはそれぞれの作品を知っている人なら理由がわかります。
ではまた次回まで。