DG小隊がチビバルカンとチビマーダーの面倒を見ます。
一話で纏まらなかったので前後編で分けます。
「バルカンとマーダーを預かって欲しい?どういうことだペイロード?」
「詳しいことは省くけど、二人は今ボディもメンタルモデルも幼児化しているんだけど、私今夜ペルシカさんと飲みに行くことになってるんだけど、フレイムさんは用事があって出掛けるみたいで、デストロイヤーちゃんはマーダーさんのこと怖がってて面倒見れないからお兄ちゃんのところで面倒見てもらいたいんだけど、大丈夫かな?」
「そういうことか。わかった、今日一日預かってればいいんだろ?スミス達には俺から言っておくよ」
「本当に⁉︎ありがとうお兄ちゃん!」
「どういたしまして。それより、なんでまた飲みに?ていうかお前、酒飲めるのか?」
「いえ、私お酒弱いんでノンアルしか飲みませんけど、ここ最近色々あって雰囲気で酔わないとやってられなくて…」
そういうとペイロードはどんよりとした雰囲気を纏い始めた。なんとなく事情を察したバレットはペイロードの頭を撫でて慰めていた。
「あー…とりあえず今日は思う存分リラックスしてきな。それと、なんかあったら俺がいつでも相談に乗るから、辛かったらいつでも来な?」
「うん…ありがと…。じゃあ早速二人を呼んでくるね」
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「…で、連れて来たと?」
「今日だけだし、預かるだけなら問題ないだろ?」
「隊長、トラブルメーカーのこの二人が何も起こさないわけがないと思うんだが…」
「というより、これ絶対前に私たちに使ったのを応用してますよね?」
「まぁいいじゃないですか、二人とも可愛いですし、何かしても大したことないですよ」
スミス達の反応はそれぞれだが、概ね預りには賛成のようであった。さて、件の二人だが、イノセントにじっと見つめられていた。
「…バルカンとマーダーがちっちゃくなってる!」
「は?お前だってちっちゃいだろうが」
「アハハハハ!ちっちゃーい!」
「(ムカッ)」
幼児化したことでさらに沸点が低くなったバルカンはケラケラ笑うイノセントに腹が立ち、頬をつねり始めた。
「いひゃっ⁉︎この〜!」
「なっ⁉︎は〜な〜せ〜!」
頬をつねられたイノセントは負けじとバルカンの頬をつねり返し、二人は唸りながらそのままの状態でいた。それを見ていたマーダーは鼻で笑っていた。
「フッ幼女に煽られてるとかwwメッチャウケるww」
「
「
「うわっ!こいつ〜‼︎」
バルカンとイノセントはそれぞれ片手でマーダーの頬をつねり、マーダーも仕返しにそれぞれの頬をつねり返し、幼女三人が頬をつねり合うシュールな光景が発生し、バレット達は頭を抱えた。
「早速問題起きてるし…ほら、三人とも今すぐやめろ」
「「「う〜〜!」」」
「はぁ…スミス、レスト。引き離すから手伝ってくれ」
「「はいはい(わかった)」」
バレットらが三人を引き離しケンカをやめさせるとバレットが三人に注意する。
「三人とも、くだらないことでケンカするんじゃない」
「だってイノセントが!」
「だとしてもお前の方がお姉ちゃんだろ?一々怒るなよ。イノセントも、あまり身長のことを揶揄うんじゃない。人によっては気にしてる奴もいるんだから。マーダーも二人を煽るからそうなったんだから反省しな。わかったか三人とも?」
「う…わかったよ」
「は〜い」
「…悪かったわよ」
三人はバレットの説教を聞いて大人しくなり、とりあえずこの場は収まることができた。ちょうどその時、リバイバーが部屋に入ってきた。
「何の騒ぎだ…って何だこいつら?前に言ってたEA小隊の連中…にしては随分ちっこいな」
リバイバーはバルカン達をみて怪訝そうな顔を浮かべた。ちなみにだが、彼の行動制限はある程度緩和され、非武装でDG小隊の誰かしらが立ち会いしてれば元攻撃対象への接触を許可されていた。
「色々あってな。今日一日預かる事になった」
「ふーん…まぁいいや。俺は子守りはごめんだから自分の部屋に戻るからな。チャオ♪」
そういいリバイバーは部屋から出て行った。正直に言えばあの二人のことは鉄血時代から警戒対象として知っていたし、グリフィンに来てからはトラブルメーカーということまでわかったので確実に面倒ごとになると察して出て行ったのであった。そしてその予感は当たっていた。
しばらく二人は大人しくしていたのだが、マーダーが持ってきたポーチから小包を二つ取り出すと、レストとウェイターに近づいて行った。
「レスト、ウェイター、はいこれ…」
「私たちにですか?」
「…どういう風の吹き回しだ?」
警戒しながら問い詰めるレストにマーダーは申し訳なさそうな顔をした。
「あのね…この前一緒に作戦を行った時に、二人に酷い事言っちゃったでしょ?だから、そのお詫びなんだけど…開けてみてくれる?」
「これは…チョコですか?」
「ふむ…匂いは平気そうだな」
チョコに問題がない事を確認するとレストとウェイターは顔を見合わせた後、マーダーに向き直った。
「…ま、ありがたく受け取るよ」
「意外と素直なところがあるんですね…ん、これは天然物ですか…よくこんな良いものを買え…⁉︎」
二人はマーダーが反省したものと思い、チョコを口にする。食べた瞬間、天然物独特のチョコの風味が口に広がり美味しいのだが、次の瞬間、突然辛味が広がり始め二人は思わずむせてしまう。
「…ゴホッガハッ⁉︎こ、これってまさか…タバスコチョコですか⁉︎」
「キャハハハハハ!大成功〜!」
「クソッ!少しでもお前を信じた俺が馬鹿だった…!ああ辛えぇ‼︎み、水…」
マーダーの善意を装った悪戯に辛いものが苦手なレストは水を求めてアワアワしていた。それを見ていたバレット達は戦慄していた。
(こいつ…幼女になっても恐ろしいな…!なるほど、ペイロードが苦労するわけだ…)
そう思いつつバレットは椅子に座ろうとするが、瞬間マーダーが椅子に周り込み椅子を思い切り引いた。当然バレットは勢いよく尻餅をつく羽目となった。
「のわっ⁉︎」
「アハハハ!
ピクッ
マーダーの言葉に反応したバレットはゆっくり立ち上がり、マーダーに近寄って肩を掴んだ。
「え?」
「なぁマーダー…今のはちょっと良くないなぁ…。俺やペイロードは人形だからいいが、人間だったら最悪尾骶骨が折れて大変なことになるからな?もし人間にやってそうなったらお前の立場上解体されてもおかしくないからな?そうなりたくないだろ?」
「え、あ…うん…」
てっきりペイロードにも悪戯した事に怒るのかと思いきや割と真面目な説教にマーダーだけでなくスミスも驚いていた。
「だろ?俺は折れてないがそれなりに痛かったから言う事あるだろう?」
「えっと…ごめん、なさい…」
「よく言えたな。あとでペイロードにも謝っておけよな?あとバルカン、お前もペイロードに迷惑かけてたら謝っておけよ」
「あ、うん…わかった…」
意外な形で丸く収まった状況に唖然としていたスミスだが、すぐにバレットに話しかけた。
「意外だなバレット。てっきりキレるかと思ったぞ?」
「確かに腹は立ったが、さっきバルカンに説教した手前、大人気なくキレるわけにもいかないだろう?」
大人の対応をしたバレットだが、マーダーとしてはあまり面白くなく、新たな悪戯を思いつき、ポーチからあるものを取り出して隠し持った状態でバレットの手を握り締めた後、それをバレットの手に滑り込ませた。
「ん?どうしたマーダー…」
<ハーイ、じょうじじょうじ
バレットの手からGが頭を覗かせた。マーダーは悪戯が成功したと思いほくそ笑んだ。だが、バレットは眉一つ動かさず、Gを親指で挟んで手の中に押し込むと半ば強引にマーダーと強めの握手をした。瞬間、手の中からブチッと音が聞こえた。
「#/@*♠︎〜〜⁉︎」
流石のマーダーも潰れたGの感触は嫌なのか、手を振り解こうとするがよほど強く握ってるのか、中々離れなかった。
「ちなみに全く関係ない話なんだがな、スナイパーはかなりの冷静さが必要でな、俺の場合は例え狙いを定めてる時にゴキが顔を這ってようが動じない精神は持ってると自負してる。いやほんと関係ない話なんだがな。俺はただ仲直りの握手をしようと思ったんだけどな」
「えっと…本当に、ごめんなさい…!だから離して…!」
「ん?なんで謝るんだ?
(あ〜これ、ゴキ入れるまでは本当に許すつもりだったんだな)
その後握手は一分ほど続き、ようやく手を離すとマーダーは一目散に手洗い場に向かって行った。すると、バルカンがやや怯えた顔でバレットに話しかける。
「あの、バレット?ペイロードが帰ってきたら私、ちゃんと謝るから…!」
「ん、わかった」
「とりあえずバレット、お前も手を洗え」
マーダーにお灸を据えたバレットだが、ペイロードが帰ってくるのにはまだまだ時間があるのであった。
バレットの虫耐性はSクラスですが、毒のある奴は別です。
ちなみにタバスコチョコは自分も食べましたが、慣れると美味しかったです。
では後半をお楽しみに。