今回はタイトル通り、リバイバーが新しい噂を広めます。
なので盗賊達には噛ませになってもらいます(無慈悲)
「名前…か?」
バレットの自室でDSRと
「ええ。貴方のところのノアちゃんもレスト君から名前を貰ったんでしょう?なら、私も貴方から名前をつけて貰いたいの」
「そういうことか…他の基地の君が一緒にいても見分けがつくが、やはり名前があった方がいいか…」
(さりげなく見分けられるって言ってる…ノアちゃんからレスト君からそう言われて嬉しかったって言ってたけど、その気持ち、今ならよくわかるわ…自分のことわかってくれてるってこんなに嬉しいのね)
「ふむ…どうするか…」
「別に今じゃなくてもいいわよ。決まったら教えてちょうだい」
「わかった。考えておくよ」
────
翌日、DG小隊は某地区で活動している盗賊団の殲滅任務を言い渡され現場へと向かっていった。
「で、盗賊団の中には元正規軍の奴がいるんだって?」
「あぁ。そいつらが軍を抜ける時に強化スーツやら自律兵器やらをくすねたらしくてな、人数も多くて結構厄介らしい」
「…E.L.I.Dの相手するのもいいが、身内や兵器の管理をしっかりして欲しいもんだな」
「それより、正規軍の自律兵器相手に私達でなんとかなるのですか?」
「向こうによると、性能は低い方らしくマンティコアより少し強い程度らしいがフォースシールドを使うからリバイバーに相手して貰う。ちなみに数は四機だ」
「了解」
やがて盗賊団が拠点にしているという廃墟群に到着し、バレット達は配置につき始める。しばらくしてバレットはリバイバーに連絡を入れた。
「リバイバー、奴らに鹵獲された人形は何処にいるかわかるか?」
「んー30の方向に赤い看板がある廃墟があるだろ?そこに11…いや、12人いるな。そこ以外にはいない。見張りが外に3人、中に12人いるが、
「了解。そこの近くまで移動し終えたらまた連絡する」
バレットからの連絡が切れるとリバイバーも準備を始めた。といっても装備の方は既に点検済みである。準備というのはこの前の噂を聞いて自作した
「動作は…問題無し。鹵獲人形はそこしかいないから派手にやれるな…」
「リバイバー、移動完了だ。始めてくれ」
「了解。じゃ、始めるとすっか…!」
リバイバーはそう言い体に取り付けた『指向性スピーカー』のスイッチを入れた。
────
「いや〜にしても元正規軍の奴らが持ってきたこれはいいな。仕事が楽になる」
外にいた盗賊の一人がもう一人に声をかける。
「まったくだ。というか、まだあの人形らに手を出しちゃダメか?」
「ギリギリまで怯えさせて夜にマワすんだとよ」
「そういうことか。なら夜が楽しみだな」
ゲラゲラと下品な笑いをする盗賊達だが、ふいに妙な音が辺りに響き渡る。
チリーン……チリーン……
「ん?何で『鈴の音』が…」
刹那、盗賊の一人が首から下をレーザーに貫かれ、周りの人間も着弾による爆発で地面ごと吹き飛ばされた。
その後も鈴の音が響き渡り、その度にレーザーが降り注ぎ、盗賊達本人やそれらが潜む建物を吹き飛ばしていく。事態に気づいた盗賊達が慌てて自律兵器を起動させるものの、一機は起動前に破壊され、残りの三機はフォースシールドを展開してレーザーの出所を探るが先ほどより高威力のレーザーが三機に命中し、フォースシールドを貫かれ呆気なく爆散していった。
「なっ⁉︎馬鹿な、フォースシールドが⁉︎」
「ハハハハハ‼︎ご自慢の兵器があっさり破壊された気分はどうだ盗賊さん方よぉ?」
盗賊達が狼狽えている中、リバイバーは鈴の音を鳴らして盗賊達の前に姿を現した。鈴の音に敏感に反応した盗賊達を見てリバイバーはほくそ笑んだ。
(この反応…先ほどの襲撃でもう鈴の音に恐怖しているな…なるほど、これは良い。相手の士気を下げられるし、俺もやってみて気分がやや高揚している…続ける価値はあるな)
「お前…!最近DG小隊に加わったっていう元鉄血か⁉︎」
「おーそこまで知ってるのか。なら俺がここに来た目的はわかるな?じゃ……消えてもらおうか」
そう言うが早いか、リバイバーはV.S.L.Cを薙ぎ払うように撃ち、地面ごと盗賊を吹き飛ばす。すぐさま盗賊達も反撃に応じるが、電磁フィールドを展開するまでもなく回避され、一人また一人と死者の仲間入りを果たしていく。すると強化スーツを着た複数の盗賊が駆けつけ、リバイバーを取り囲んだ。
「やっと真打ちのおでましか」
「はっ‼︎余裕ぶってるのも今のうちだ!撃てぇ‼︎」
掛け声と共に盗賊達は強化スーツに取り付けられた粒子ガトリングを撃ち放った。これは回避出来ないと読んだリバイバーはすぐさまF.E.F.Gを起動し念のため出力を強めた電磁フィールドを展開し、攻撃に備えた。
粒子の雨は電磁フィールドに命中し、貫かれることなく弾かれていった。
「ばっ馬鹿なっ⁉︎」
(ふむ…この威力…。比較的低級のE.L.I.Dの群れを駆逐する為のものか。しかもこいつら、元正規軍なのにこの狼狽よう…多分こいつらは…)
そこまで考えリバイバーはバレット達に通信をつなげた。
「こちらリバイバー!恐らく連中は正規軍の中でも下っ端の奴らだ!お前さん達でも対処出来ると思うが腕の立つ奴もいる可能性もあるから気をつけな!」
了解、と返事が聞こえるとリバイバーは未だに攻撃を続けている盗賊にレーザーをお見舞いした。
「ガッ⁉︎」
「…お前さん方は今まで運が良かっただけだ。だが、その運も今日でお終いだ。今まで散々奪ってきたんだ、奪われる覚悟は…出来てるよな?」
────
リバイバーの報告を受け、バレット達は鹵獲人形達のいる廃墟への突入準備を進めていた。
「俺が見張りを撃ち倒す。そしたら全員突入して内部の制圧と救出を行なってくれ」
「了解。にしても、なんであいつ鈴の音なんか鳴らしてんだ?V○ンダムでも観たのか?」
「多分、例の噂を聞いて影響受けた感じだろう。とにかく、今は任務に集中しろ」
そう言いバレットはスコープを覗いて見張りの一人に照準を合わせる。残りの二人もダミーに指示して狙わせ、いつでも撃てるようにした。
「バレット、こちらの突入準備は完了だ」
「了解。狙撃まで3…2…1…」
ゼロ、と言ったと同時にバレットは引き金を引いた。放たれた弾丸は狙い通りに見張りの頭に命中し、撃ち倒す。一拍遅れて残りの二人もダミーに撃たれ、同様の運命を辿る。
「Go」
結論から言えば内部制圧は成功した。リバイバーの見立て通り、元正規軍の盗賊は正規軍の中でも下っ端であり、しかもその殆どがリバイバーの相手をしていたため廃墟内にいた元正規軍は数人程度のためスミス達が手間取るような相手でなくあっさり殲滅し鹵獲人形達の安全を確保したのであった。
「で?バレット、リバイバーの援護に行った方がいいか?」
「いや、大丈夫そうだ。というより、行かない方がいい」
「あ?どういう事だ?」
「あいつ、久々に大規模攻撃したせいか軽くトリガーハッピーになってやがる」
バレットの視線の先には強化スーツの盗賊達を全滅させたリバイバーがV.S.L.Cを連射し、逃げ惑うわずかばかりの盗賊達を追撃していた。
「ヒィ⁉︎く、来るなぁー‼︎」
「オイオイオイ?さっきまでの余裕はどうしたぁ⁉︎もっと足掻け足掻け足掻けよォォ‼︎」
「うわぁ…これ、どっちが敵なんだか…」
「おいリバイバー、こっちは救出完了だ。別に全員殺せって言われてないんだ、残党は放っといて戻ってこい」
「ん?…あぁわかった。悪りぃ、ちょっとテンションが上がってな」
(あれのどこがちょっとだよ…)
すんなり言うことを聞いたリバイバーは追撃をやめ、バレット達と合流した。
その後、生き残った盗賊達の口から噂が広まり『戦場で鈴の音が聞こえたら死神が迎えに来る』といった噂が新たに流れるのであった。
────
作戦終了後、バレットはDSRに付ける名前をどうするか考えていた。すると、そこへスミスがやって来て話しかけてきた。
「どうしたバレット?そんな難しい顔して」
「いやな、DSRに名前をつけて欲しいって頼まれたんだが、いいのが浮かばなくてな…」
「ふーん。ま、あまり凝ったのじゃなくてもいいんじゃないか?」
「まぁな…」
「にしても、急にそんな事頼むってことは、近いうちにその名前でプロポーズして欲しいって事じゃないのか?」
「え⁉︎そういう事…なのか?」
「多分だけどな。クリスマス近いし。そうじゃなくてもこのご時世、早めにプロポーズした方がいいと思うぜ?」
「まぁ、そうだな…」
((プロポーズ、か(ですか)…))
スミスのアドバイスにバレットがうなづいてるなか、それを聞いていたレストとウェイターも同じような反応をしていた。
ええ、ザンネックもといファラさんがモデルですよ。別にギロチンかけたりバイク戦艦で盗賊の巣窟轢き潰したりしません。そもそもバイクの娘が鉄血にいるし
正直サンボルのジャズと迷いましたね。
Q.リバイバーのアレは本性?
A.いいえ。単にテンション上がってただけです。
DSRの名前どうすっかな?
え?最後のやりとりが死亡フラグっぽい?
ハハ、クリスマスの時期に人が死ぬ訳ないだろう?(色んなところから目を逸らしつつ)