リアルはどうか?ハハッ(察して)
G&K本社の共同キッチンにてノア、アスター、フィオナの三人は集まっていた。理由は言うまでもなく、もうすぐ訪れるバレンタインに向けてそれぞれの彼氏に贈るチョコやそれを用いたお菓子作りの為である。
「バルカンさんも呼ぼうとしたんですが、なんかTVの企画に参加していないそうです」
「それなら仕方ありませんね。ちなみにフィオナさんとアスターさんは料理の方は大丈夫ですか?」
「私は出身が出身だからそういったのは心得てるから大丈夫よ」
「私も人並みには出来るわ」
「わかりました。では早速始めましょう」
三人はそれぞれ作業を始める。ちなみに作るものはフィオナがチョコチップスコーン、アスターがチョコマフィン、ノアがシンプルに手作りチョコである。
「ノアちゃんは毎年手作りチョコを?」
「はい。他にも色々作って渡してみたのですが、これが一番喜んでくれたので…」
その理由をレストに聞いたところ、どれも気持ちが込められているのはわかるが、手作りチョコの方がシンプルな分、より気持ちが込められるのがわかるからとの事であった。その事を思い出しノアは目を細めて嬉しそうな顔をした。
「他のも美味しいって食べてくれるんですが、どうせなら一番喜んでくれたものをあげたいですから」
「健気ね〜。こんなに愛して貰えるレスト君は幸せね〜」
アスターの言葉にノアがはにかむ中、フィオナは黙々と作業を行なっていた。
「うーん、もう少し砂糖を控えた方がウェイターの好みかな…」
どうやらウェイターの好みに合わせて味の調整をしているようであった。その様子を見てアスターはふと思った。
(そういえば私、バレットの味の好みってあまり把握してないわね…)
アスターは自分の作ったものがバレットの好みに合うか不安になってきた。自身の料理の腕は自信があるとはいえ好みじゃない味を渡した場合、バレットの事なので顔に出さず食べてくれるだろうが、そのような事をさせるわけにはいかないのでアスターは思い切ってノアに尋ねる事にした。
「ねぇノアちゃん。バレットってあまり甘いものって苦手だったりする?」
「隊長さんですか?前にD08のデリバリーが来た時は普通にスイーツを食べていたので、あまり甘過ぎなければ大丈夫だと思いますよ」
「そう、わかったわ。ありがとう」
その後三人ともそれぞれの菓子を作り終え丁寧に包装した後、余ったり形が崩れたものをお茶請けにしてティータイムをしていた。
「そういえば、ノアちゃんは結婚とかは考えているの?」
「へ⁉︎ま、まぁ…結婚したいなぁとは考えてますが、下手にアピールして焦らせるものあれなので黙って待っていますが、多分そろそろプロポーズされるかなとは思ってます…二人はどうですか?」
「私はね、目が覚めた時に人間と人形が結婚したって話を聞いて真っ先にウェイターと結婚したいって思ってたけど、まだ体のほうが本調子じゃなかったからまだ早いなって考えてたけど、もう体は平気だし、いつ言われるか楽しみにしてるわ」
「私もバレットと結婚したいと考えてるわ。でも、付き合って半年くらいで結婚は早いかなとかバレットの方が気にしそうなのよね。私はいつでも歓迎するけどね」
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三人が話をしている頃、それぞれの彼氏も各自の部屋で
(こんなご時世だし、これ以上ノアを待たせるわけにはいかないし、そろそろかな…)
(タイミングとしては問題ない。しかしP基地のユノ指揮官もバレンタインに渡したって聞く…流石に芸がないか?だが他にいい日がないしな…)
(問題は他の二人も同じ事を考えていそうですが、そうなったらそうなったらで話し合うとしますか。色々とあるでしょうし)
それぞれの想いと共に、バレンタインの日は近づいていく…。
ええ、まぁそう言う事ですよハイ。
皆さま、祝う準備をしておいてください。
それに伴って考えてる事がありますが、詳しいことは次回にお話しします。