人形達を守るモノ   作:NTK

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前回の後日談です。
それぞれといってもバレットとスミスとコレクターの話ですが。


Code-65 それぞれのその後

16Lab 研究室

 

「は〜マジで一週間義手か〜」

 

スミスはため息を吐きながら自身の義手となった左腕を見た。人工皮膚もなく指も三本のみの簡素なものだが一応最低限の生活については問題ない程度には出来ていた。

 

「なるべく早く作り直すけど、それまではそのままでいてね。動かした感じはどう?」

 

「特に問題ないな。何で手首がクルクル回転するんだ?ペルシカ、まさかこれに妙な機能とか付けてないよな?」

 

「例えば?」

 

「指から刃が出てドリルになるとか、手首が分離、移動して指先からレーザー出るとか作りそうじゃん」

 

「何もないわよ。頼めばやるけど?」

 

ペルシカがニヤつきながら聞くとスミスはまさか、と首を振った。

 

「やるわけないだろ。んじゃ作り直せたら教えてくれ」

 

「わかったわ。それで、あなた達から見てコレクターはどう思う?」

 

「最低最悪の外道としか言いようがないな。まさか奴を鹵獲しろなんて言わないよな?」

 

「まさか。断固撃破で頼むわ。多分そのうち正式に命じられると思うわ」

 

了解、とスミスは部屋から出て行った。その後少し経ったあと、ペルシカはあ、と声を出した。

 

(スミスにM134の事話しておくの忘れてたわ。まいっか、その方が面白そうだし)

 

一方で、バレットはヘリアンにコレクターについての報告をしていた。

 

「…なるほど、確かにそいつは危険なハイエンドだな」

 

「一連の猟奇殺人は彼女の仕業で間違いないでしょう。あそこで取り逃してしまったのは痛手ですが、早急に対処する必要があると提言します」

 

「わかった。上に掛け合ってみよう。あれだけの事をすればI.O.Pの方もコレクターを撃破するようこちらに要請する可能性が高い。その時は正式に命令が来ると思うはずだ」

 

「了解です。それと、各基地にコレクターについて警戒するよう連絡を頼みます。鹵獲ハイエンドや誓約してる人形がいる基地には特に警戒するようお願いします」

 

その後ヘリアンはリバイバーを呼び出し、コレクターについて知ってるか聞いたところ、存在の可能性こそ考えてたが処分されたものと考えていたためそれ以上は知らないとの事であった。

バレットが部屋に戻ると、アスターが中で待っていた。

 

「おかえりなさい。…どうかしたの?」

 

「…アスター、少し話せるか?」

 

「ええ、大丈夫だけど…」

 

バレットはアスターにコレクターの事を軽く話した。アスターはそれを聞き、驚きと畏怖の入り混じった顔をした。

 

「そんなハイエンドがいるなんて…⁉︎」

 

「俺もあそこまで酷い奴は初めて見た。あいつは人形の指、特に誓約してる人形の指を集めて装飾品にして身に付ける趣味を持っている。アスター、君も任務に出る時は気を付けてくれ」

 

「わかったわ。でも、あなたも気を付けてね?指輪持ちで珍しい男性型人形って事であなたが狙われてる可能性もあるのよ」

 

「それは十分に警戒しているさ。スミス達にもそれは伝えている」

 

「スミス君にも?」

 

「あいつと付き合ってるバルカンは鉄血に狙われた事もある。今でも狙ってるとしたら、スミスを拐う事で芋づる式にバルカンを捕らえる策を取る可能性もあるからな」

 

「そう…どちらにしても、気を付けてね?結婚して早々未亡人になるのは嫌よ?」

 

「あぁ。わかってるよ」

 

────

鉄血工造

 

(思ってたより修理に時間掛かったなぁ…ま、これだけ時間あれば出来てる筈だよね)

 

右腕の修理を終えたコレクターはあるラボに足を運んでいた。ラボに入り中にいる人物にコレクターは声を掛けた。

 

「建ちゃ〜ん、私の装備出来てる?」

 

「ッ‼︎う、うん…出来てる、よ…」

 

声を掛けられた人物(建ちゃん)─アーキテクトはビクッ!と体を震わせて振り向き、どこか怯えた様子でコレクターの問いに答えた。

 

「そんなに怯えなくていいでしょ?建ちゃんが出来ればグリフィンや人間と友達に〜なんて巫山戯た事言うから私が『お仕置き』したんでしょう?あなたの仕事はグリフィンや人間を殺す武器を開発したり奴らの施設を壊す事だって言うのに。それとも、まだそれがわからないなら…」

 

「…っ⁉︎いやっ‼︎わかる、わかるからぁ!痛いのは…やめて…!」

 

「なら良いんだよ。で、私の装備はどこ?」

 

グリフィンに寝返って以降、アーキテクトの再生産は行われなかったが、やはり彼女抜きでの開発には限界があるため最近になり再生産がされたのであった。だがこの事は先に再生産され、彼女と共に裏切ったゲーガーには伝えられてはいない。そしてコレクターが彼女の管理をしているが、先の発言がコレクターの琴線に触れ、お仕置きとは名ばかりの虐待や拷問に近い事を行い、コレクターの指示に拒絶の態度を少しでも出た時にも同様のことを行い続けた結果、彼女の性格は変わってしまい、コレクターの暴力に怯えながら開発を行っていた。

アーキテクトに案内されたコレクターは机の上の装備を見て満足げに頷いた。机に置いてあったのは背部ユニットでありそこから八つに増えたワイヤークローが蜘蛛の脚のように伸びていた。

 

「うんうん♪装備は完成してるね。で、ちゃんと注文通りに出来てるんだよね?」

 

「う、うん…ワイヤー自体は逆コーラップスの応用で作った、微弱な電圧で粘性を持つ素材で出来てるから尻尾みたいに自在に動かせるし、クロー部分も切断力は増してるしコの字の部分からレーザーかレーザーブレードを選択して出せるようになってるよ…」

 

「そう、ありがと。あとはこれを実際に使って問題があればそれ直してもらうよ。あとね、近いうちに大きい作戦を行うんだけど、それに伴って作戦の要であるアイギスやガードに新装備とそれに伴う改良案を出したんだけど見てくれるかな?」

 

コレクターはある図面をアーキテクトに見せた。それを見たアーキテクトは顔を引きつらせた。

 

「え…?これ、ホントに造るの…?」

 

「もちろん。すでに()()は集めてもらってるからあとはそれを建ちゃんが見て修正案があれば出して、あとは造るだけだよ」

 

「…こんな事したら、私達の立場は…」

 

「そんなんどうでもいいでしょ?元々人間達とは敵対してるわけだし、()()()()()()()()()()()。じゃ、三日後にまた来るから修正案あったら出してね〜」

 

コレクターは背部ユニットを持って立ち去っていった。

一人残されたアーキテクトは図面を再び見たあと、顔を背けた。

 

「……こんなの、酷すぎるよ

 

今 何 て 言 っ た ?

 

声に驚き振り向くと、コレクターが無表情で立っていた。どうやら今の小声が聞こえてしまったようであった。しまった、と思う前にアーキテクトは髪の毛を掴まれ机に顔を叩きつけられた。

 

「ガッ…!」

 

「酷いだって?敵にそんな事言う必要ないよ。第一、別の君が裏切ったおかげで向こうの技術が上がってこっちの被害が増すばかりなんだよ?お人好しなグリフィンにはこれが有効なんだよ。やっぱり君はわかってないようだね…」

 

「あ、あ…!嫌だ…嫌だよ…」

 

余程コレクターのお仕置きが恐ろしいのだろう、ガタガタと震えながら泣きじゃくるアーキテクトを見てコレクターは手を離した。

 

「え…?」

 

「今日は面白い奴に会って機嫌がいいからお仕置きはやめるよ。でも、次同じ事言ったら…わかるよね?じゃ、改めてよろしくね〜」

 

今度こそ本当にラボを後にしたコレクターに、エリザから通信が入ってきた。

 

《コレクター、指示に反論したアーキテクトも悪いけど、あまり彼女を虐め過ぎないように》

 

「わかっていますエリザ様。幸い今はゲーガー(計ちゃん)はいませんしね。彼女がいたら間違いなく情に流されて建ちゃん逃がしますし。まぁ多分これに懲りて変に反抗はしないと思いますよ」

 

《わかっているならそれでいい。装備のテストが終わったら前に言ったとおりなりを潜めるように》

 

「了解しました。恐らくグリフィンは警戒してるでしょうから、盗賊あたりでテストしますね。明日にテストを行います」

 

《頼んだよ》

 

通信を終え、部屋に戻ったコレクターは飾ってあったスミスの左腕を見て目を細めた。

 

「作戦には彼を使おうかな…そして彼を手に入れて…ふふ♪」

 

翌日、某地区の盗賊グループが惨殺体で発見され、遺体の状態からコレクターの仕業であるとされたが、それ以降彼女が主犯とおぼしき事件は発生せず、バレットらは何か大きな事が起きる前触れではと不安に感じていた。




ちゃうねん、別にアーキテクトの事嫌いじゃないねん、むしろ好きな方だけどそれはそれで割り切って書いてんねん。(謎の関西弁)

コレクターの本装備はオルフェンズのハシュマルのアレと似たワイヤー使ってる感じです。

コレクターのやろうとしてる作戦は結構規模大きめにする予定なのでまたコラボ企画を出そうかなと思っています。
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