人形達を守るモノ   作:NTK

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模擬戦と言ったな、あれは嘘だ。

理由に関しては本編をご覧ください。


Code-78 Gospel to the Guardian

模擬戦当日の朝、模擬戦自体は昼過ぎに行うため時間には余裕があるのだが、ノアは起床した時から妙に体調が悪い事を自覚していた。ライ達第二部隊と会う数日前くらいから調子が悪いときがあったが、以前の作戦の疲れが今来たのだろうと思っていたが今日のは以前のそれとは違い、着替えるために移動するときにも足取りが重くふらつくのを感じ、今日の模擬戦はやめておこうかと考えたとき、レストが目覚め、起き上がった。

 

「おはようございます、レストさん」

 

「あぁ、おはよう…?ノア、もしかして今体調悪いか?」

 

「え?まぁ、ちょっとふらつく感じですね…」

 

目覚めてすぐにノアの不調に気がついたレストに驚きつつ、彼の質問に答えるとレストは心配そうな顔で

 

「そうか…隊長には俺から連絡しておくよ。多分ライ達には悪いが今日の模擬戦は中止になるかな」

 

「いや、電子空間ですし、そこまでしなくても…」

 

「調子悪いなか模擬戦しても向こうも気遣うだろ?今日はゆっくり休んだ方がいい」

 

「…わかりました」

 

────

 

「そうか、ノアが体調不良か…」

 

『はい、俺も看病しますので、向こうに悪いですが模擬戦は中止ですかね』

 

「そうだな、向こうに連絡しておくよ。大事にな」

 

バレットは通信を切ると今度はライに連絡を入れた。

 

『バレットさん、何かあったのですか?』

 

「あーライ、すまないがノアが体調不良になってな、レストが看病することもあって、今日の模擬戦は中止にしたいんだが、どうだ?」

 

『ノアさんが?珍しい、人形が体調を崩すとは…そういう事でしたら仕方ありませんね。他のメンバーにも連絡しておきます』

 

本当にすまないな、と言いバレットは通信を終えた。

 

(急な体調不良か…確かに珍しいな…もしかすると、アレか?)

 

────

食堂

 

「「……」」

 

レストとノアの二人は食堂で気まずそうな顔で朝食を摂っていた。

というのも、ノアがいつも頼んでいるものを食べた時、何故か口に合わずレストに自身が頼んだものを食べて貰うよう頼んだ後、別のものを頼んだのだが、それが『酸味のある食べ物』だったため、体調不良の原因が何か想像がついたのであったからだ。

 

「…あー、レスト、さん?」

 

「っ⁉︎な、何だ?」

 

「その…食べ終わったら、一応ペルシカさんに、相談…しましょう?」

 

「あ、う、うん。そうだな。そう、するか…」

 

心当たりはある。というより心当たりしかないが、もしかしたら本当に不調の場合もあるかもしれないしどのみちペルシカに相談するしかないのでとりあえず二人は食事を続けた。ちなみにやけに反応が薄いが、場所が食堂というのと急過ぎて頭が追いついてないだけである。

 

時間は流れ、ペルシカのいる研究室に二人はたどり着き、ペルシカに事情を説明するとペルシカは顔を綻ばせていた。

 

「くくっ…なるほどねぇ…とりあえずP基地からコレ送られたからノア、調べてらっしゃい」

 

「は、はい…」

 

ノアはペルシカから『ある物』を渡されると部屋から出ていった。そのあとペルシカはレストに声をかける。

 

「…いつか来ると思ったけど、思ったより早かったわね?」

 

「それについては聞くな。と言うよりあんたがそんな下世話な話するとは思わなかったな」

 

「いや、ごめんごめん。気を悪くしたなら謝るわよ。それより…よくここまで来れたわね」

 

「あぁ。こうなるなんて、『あの場所』にいた時は微塵も思わなかったな…だがそれ故に不安もある。俺は違法製造された人形だからな…」

 

「それを承知で受けたんでしょう?なら、今更そんなこと言わない方がいいわよ?」

 

そうだなとレストが答えた時、ノアが戻ってきた。そして彼女の報告を聞き、レストは目を見開いた。

 

────

 

しばらくして、DG小隊第一、第二部隊とリバイバー、コンダクター、グリンダは会議室に呼び出された。

 

「どうしたんだ?大事な話って…あー、そういうことか」

 

レストとノアのどこか嬉しそうな顔を見てバレットらは何の報告か予想ができた。少ししてノアはゆっくりと口を開いた。

 

「えっと…皆さんに、報告がありまして…その、私…

 

 

 

 

この度、妊娠しました」

 

誰とのとは言うまでもないだろう。それを聞き彼らは顔を綻ばせた。

 

「おめでとう、二人とも」

 

「マジか、お前たち親になるのか!とりあえず、おめでとう」

 

「おめでとうございます」

 

バレット、スミス、ウェイターたちが祝いの言葉を送ると第二部隊やリバイバーらも少々戸惑ったものの二人の吉報に祝福した。それらを聞きつい先ほどまで嬉し涙を流していたノアは再び涙を流し、レストがノアの肩を抱くが、彼の目にも涙が浮かんでいた。

 

「それで、今後の方針について話したいんだけどいいかしら?」

 

真面目な声で話すペルシカに一同は気を引き締める。

当然ながらしばらくノアは出撃不可とし、今後の作戦は第二部隊を交えての差行動が基本になるとの事である。

 

「あと、ノアの妊娠についてはここと繋がりがあるとこ以外は口外は厳禁よ」

 

「それなんだが、ホーテン達に話しても平気か?あいつらは一般だが、信用できるし、何より友人として報告したい」

 

「…わかったわ。ただし、連絡するならこちらに呼んで一度に知らせて頂戴。彼らを信用してないわけじゃないけど、出来るだけリスクは避けたいわ」

 

「ありがとう」

 

「とりあえずP基地には連絡を入れておくわ。向こうのPPSh-41がこちらに来る予定だからわからない事とかは彼女に聞くといいわ」

 

その後、幾つかの話し合いをし、その場は解散となった。だがスミスのみペルシカに呼び止められた。

 

「スミス、少しいい?」

 

「どうしたんだペルシカ?」

 

「ノアの妊娠の件はEA小隊にも連絡するけど、これを機にバルカンには禁酒だけじゃなく、酒場の立ち入りも禁止にしようと思うの」

 

「…理由を聞いても?」

 

「あの子、前に銃のメンテ先で、酔った勢いで機密を話した事があるのよ。今回はことが事だからまたあんな事になる訳にもいかないからね」

 

それを聞き、スミスはどこか納得し、複雑そうな顔を浮かべた。

 

「それは…まぁ、仕方ないか…。で、俺を呼び止めた理由は?」

 

「今バルカンは訓練受けてるのだけど、結構スパルタでね…その上好きなお酒も飲めなくなるのは相当ストレスになると思うから、あなたが彼女の支えになってくれる?」

 

「なるほどな。まぁあんたに言われなくとも、時々様子を見に行くつもりだったからな」

 

「頼むわね」

 

スミスが承諾し、出て行くとペルシカは早速P基地への連絡を行った。




はい、ノアがご懐妊でございます。祝え(某時の王者風)ただし静かに。

人形同士だし多少発覚が早くなるだろうし、日数的にも模擬戦してる場合じゃねぇなと気づきましてね。期待された方、申し訳ございません。
各所に色々お世話になると思いますが、よろしくお願いします!

oldsnake様、すみません…バルカン以前にしでかしたのもあるのでこうなりましたが、スミスが代わりになんとかさせるので何卒よろしくお願いします。
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