人形達を守るモノ   作:NTK

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今回はグリンダの発明品の話です。

多分分かる人には分かる奴です。


Code-79 グリンダの発明

連絡を受けたPPSh-41がこちらに到着し、医療面のサポートが充分となった次の日、グリンダが発明品を見せたいと言ってきたので訓練中の第二部隊を除いた彼らは広めの部屋に移動した。

 

「ノア、動いて平気なのか?」

 

「まだ動いても大丈夫との事です。それに、グリンダさんがどんな物作ったのか気になりますし」

 

レストはノアを気遣い、そばに寄って歩いたり椅子を用意し座らせる。正直心配するのにはまだ早いのだが、小隊一といってもいいくらいの愛妻家である彼がこうなるのはほぼわかっていた事なのでそこには触れず見守ることにした。

全員が来たところでグリンダが話を始めた。

 

「実は昨日見せたかったけど、ノアちゃんの妊娠がわかったから今日にしたんだ」

 

「つまり、作ったのは防衛関連のものじゃないのか?」

 

「うん、それは今考えてるところだよ。今回のはどっちかというと便利なオモシロ発明的な感じかな。リバイバー、このボタン押して」

 

そういい彼女が差し出したのは手のひらサイズのボタンであった。何故かボタンにペ○シのロゴが描かれているそれをリバイバーは迷わず押した。すると

 

< デッデーデレ・デッデーデレ・デッデーデレ・デッデーデレ♪

 

軽快な音楽が流れだし、何事かとバレット達は戸惑った。すると、こちらに向かってくる足音が聞こえてきた。すると突然扉が開き、現れたのは180cm程の上半身銀、下半身青のタイツを着たムキムキの体をしたのっぺらぼうのマネキンのような人形であった

 

「うわ⁉︎な、なんだコイツ⁉︎」

 

「シュワー‼︎」

 

リバイバーが驚くと彼(?)は腰のポーチから紙コップを取り出すと、右手の指先からコーラと思しき液体を出してコップに注いでリバイバーに差し出した。

 

「え?くれるの?」

 

「シュワッ!」(コクコク)

 

「ど、どうも…あ、メッチャ冷えてウマい…」

 

するとその人形はバレット達の方を向いて君たちもいる?といった動作をした。バレット達は少し戸惑ったが妊娠してるノアを除いた全員が受け取ることにした。

 

「…で?グリンダ、もしかして発明品はコイツ?」

 

「ング…プハー!そだよ。歩行移動式ドリンクサーバー《デリドリくん》!30Lまで保存できてキンキンに冷やしてくれて、そのボタン押した人のところに向かって飲み物を出してくれる優れモノだよ!ちなみに盗難防止にある程度格闘戦もできる上、滅茶苦茶頑丈でフォースフィールドまであるよ!」

 

誰がこんな不審者丸出しの奴を攫うんだろう、という言葉を飲み込み、バレット達は別の言葉を話した。

 

「ドリンクサーバーってことはコーラ以外も入れられるのか?」

 

「その通り!水や他の飲み物も入れられるよ。けどね、シミュレーションでわかったんだけど、コーラに限るんだけど最初に入れたコーラと違うメーカーのコーラを入れると何故か死ぬんだよね〜だからこの子はペ○シ以外のコーラを入れたらアウトだね」

 

「なんじゃそりゃ?」

 

「あとそのボタンの脇にあるツマミで音消せるよ」

 

ツマミは二つあり、一つは先程の音楽、もう一つは到着した時に

 

ペ○シメェェェェン‼︎

 

と鳴る予定なのだが流石にそれは妊娠中の身には驚かせるという意味でマズイので控えたのであった。ちなみにボタンのロゴはヌカコーラやコ○・コーラなどのものと取り替えられるが到着音はどのコーラを入れてもそうなるそうだ。

すでに何体か作ってあるようで、問題なければ他の基地などに宣伝して格安で販売するそうだ。

 

「でもそれ、元取れなさそうだが、いいのか?」

 

「いーのいーの!好きで作ってるんだから。それと、これみんなに」

 

グリンダが渡したのは以前から作っていた彼らを模したぬいぐるみであった。

 

「これ、グリンダが?」

 

「そう!よくできてるでしょ?第二部隊のは今作ってるところだからできたら渡すつもり」

 

「お、これバイザー取れて素顔に出来るのか。すげぇな」

 

まぁね〜とドヤ顔をするグリンダに、ノアが話しかけた。

 

「あの、グリンダさん。私にも作り方教えてもらえますか?子供用に覚えておきたいので…」

 

「もちろんOKだよ!あとで都合が良い日教えてね〜♪」

 

その後、グリンダはデリドリくんの販売許可を申請したところ、すぐに許可が降りて各基地に宣伝を行い始めた。

その日の夜、グリンダはパソコンをいじって次の発明について考えていた。

 

「次はノアちゃんの防衛関連のがいいかな〜何か良さげなのないかな…」

 

何かヒントになりそうなものを漁っていると、あるものが目に止まった。

 

「ふむふむ…ケータイ型の…うん!これいいかも!よーし、早速設計始めよっ!」

 

そういい彼女は作業を始めた。その机の隅にはリバイバーに似たぬいぐるみ、そしてその隣には彼女に良く似たぬいぐるみが置いてあった。




《解説コーナー》

『デリドリくん』 ようはペ○シマン型の動くドリンクサーバーです。本家はどこから出すかわからなかったから右手の指先からにしました。
ちなみに入れたコーラによって胸のロゴがそのメーカーのものに代わる素敵仕様。でも到着音は一緒。フリーなのでお好きにお受け取りください。ちなみに充電式。八時間充電すれば五日くらいもちます。
そもそもペ○シマン知ってる人いるかなぁ?

次に開発しようとしてるのは…これも分かる人には分かります。

次回第二部隊メインにするか、別のにするか…

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