グリフィン本部の中庭で、レストとノアの二人は休んでいた。お腹の子は順調に育っており、三つ子というのもあり傍目でもわかる程度にお腹が膨らんでいた。
「…っ!また動きましたよ」
「だいぶ元気みたいだな。良かった…」
「そう言えば、アスターさんも懐妊したんでしたよね?」
「あぁ。隊長、嬉しそうに話してたよ。時期的にもこの子たちのいい友だちになれそうだな」
レストがノアのお腹を撫でやりながらそう言うと、そうですねとノアが返す。
ふと、ノアは子供たちはどんな子供になるのかと考えてみた。まだ性別はわかっていないが、ノアは何となくだが一人は男の子で初めに産まれてくるんだろうなと感じていた。
(多分レストさんに似て、面倒見がいい優しい子になりそうですね…そうなると、下の子たちはお兄ちゃん大好きっ子になりそうかな?)
兄大好きな妹たちに振り回されつつも、困り顔を浮かべながらも満更でもない息子の様子がありありと浮かび、思わず笑みをこぼしていた。
「どうした急に?」
「いえ。ちょっとこの子たちの将来を思い浮かべて…」
「そっか…とりあえず、この子らが安心して過ごせる世にしていかないとな…」
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16Lab
新ボディが完成したと聞いてやって来たリバイバーはそのカタログスペックを見て唖然としていた。
「…お前さんら、限度って知ってるか?」
「あら、ご不満?コーラップス技術を出来る限り応用したものだから、性能的には問題ない筈よ。バッテリー問題もそれで解消してるわ」
「いいや。思ってた以上のスペックの高さに少し引いてるだけだ」
やりきった顔をしているペルシカとグリンダを見た後、改めてリバイバーはカタログスペックを見た。
リバイバー・ネオ
強大な戦力を有しつつも、未だ全容を掴めていない人類人権団体過激派を支援している組織『FANNIES』や目撃例は少数ながら偏差障壁という防御兵装を持ち、未知数の力を持つ正体不明の『白い人形』に対抗するため、こちらに協力しているリバイバーをコーラップス技術を導入し、可能な限り改修したもの。
武装 小型改良型V.S.L.C×2
V.S.L.C下部レールガン×2
改良型F.E.F.G 8×2対
V.S.L.C発振型レーザーブレード×2
コンピュータウイルス生成ユニット
移動系能力 各部スラスター 短距離テレポート
その他 電力生成
戦術人形『バルカン』に使用している試験技術を転用、大量の電力を生成可能とし本機の弱点であったエネルギー問題を解消。より強力な武装を使用することに成功した。
小型改良型V.S.L.Cはグリンダの協力もあり、従来のものより小型化しつつ威力は以前のものより上げており理論上では偏差障壁にも効果的とされる。また、銃身下部にレールガンを装着することで戦況によって実弾とレーザーを使い分けが可能。
改良型F.E.F.Gは電磁フィールドの耐久力の大幅強化と放電による捕縛、またナノマシン生成ユニットを備え、作成したコンピュータウイルスをそれに乗せて散布し敵陣の混乱を起こさせる。また、四枚の刃を仕込んでいるため近接武器として使用可能。
移動系統は浮遊能力に加えて義足化した脚部と本来バッテリーを載せてた背部にスラスターを装備し機動性を向上、またアルケミストに搭載されているテレポート機能をベースにコレクターにあったテレポートの短期間連続使用機能を混ぜ込み、誤差を無くさせたためコレクター程でなくとも、通常より短いスパンで再使用を可能とした。
「
「嫌だったのなら削除するけど?」
「大丈夫だ。利用できるなら使ってやるさ。グリンダも、改良に協力してありがとう」
「!い、いや、私はやりたかったことやってみただけだし…とりあえずさ、早速ボディを移し替えようよ!」
リバイバーが台に寝そべると、ペルシカはパソコンを操作してメンタルモデルを新ボディに移し替える作業を開始する。数分ほどで作業は終わり、新しいボディとなったリバイバーは起き上がった。
「調子はどう?」
「…何か身体が軽い感覚はするが、実際に戦わなきゃわかんねぇな」
「そう言うと思って、早速任務よ。諜報部によると、この場所に大規模なテロをやろうとしてる過激派がいるわ。P.A.C.Sやどこから持って来たか知らないけどテュポーンもいるみたいだからいい練習になるでしょ?」
「了解。早速、文字通りに『飛んで』いくか」
リバイバーが部屋から出ていくとペルシカはグリンダに話しかけた。
「グリンダ、あなたリバイバーのこと好きでしょう?」
「へ⁉︎あ、うん…好きだけど…まだ告白するにはちょっとね」
「彼、前の防衛戦でアルケミストの事は吹っ切れたみたいだから、告白しても平気だと思うわ。頑張んなさい」
「あ、ありがとう…でも意外だね。あなたがこんな事言うなんて…」
「ま、ただの気まぐれよ」
その時、出撃したであろうリバイバーから通信が入って来た。
《ペルシカァ‼︎こいつ、すっげえスピードだけど、これボディが
「大丈夫よ、その辺はちゃんと設計してあるわ」
《なら安心だ!》
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某地区、集積場
「グリフィン本部が鉄血の大規模襲撃を凌いで立て直しをしている今、我らの行動が成就する可能性は大いにある!よってこれより街を襲撃し、人形共と奴らに与する輩に天誅を下そうではないか‼︎」
過激派のリーダーがそう檄を飛ばすと他の者たちも怒号を挙げて各自武器を手に取ったりP.A.C.Sやテュポーンに乗り込んでいく。すると、鈴の音色が響き渡り、それと同時に何かが飛来してテュポーンに大穴を開けて破壊していった。
「な⁉︎テュポーンが…!それに、あの鈴の音は、まさか…⁉︎」
「リーダー、リバイバーです!リバイバーが空を飛んでやって来ました‼︎」
部下の報告を聞き、上空を眺めると灰色の装甲を纏ったリバイバーがこちらに向かって来ているのが見えた。
「うわ…試しにレールガンでやったけど、装甲の薄いとこをやったとはいえ威力エグいな…さて、お次はと…」
リバイバーはすぐに急降下しP.A.C.Sに接近すると右のレーザーブレードを発振させて切り裂くと振り向きざまに左のV.S.L.Cを放って歩兵を複数薙ぎ払った。
(ハハ!身体がだいぶ軽いな…!流石だペルシカ、良い仕事をする!)
黙ってやられる過激派でもなく、反撃をするも躱されるかF.E.F.Gで防がれかすり傷ですら負わせずにいた。リバイバーは一度F.E.F.Gを戻すと再展開し、何かを散布させた。するとP.A.C.S部隊は急に立ち止まり、同士討ちや自爆を始めていた。
「うわああ⁉︎」
「おい!何やって─」
「コントロールが効かな─」
(コンピュータウイルスの散布も良好っと…酸性雨やレインコートと合わせるとかなりいいな)
主力部隊を失った彼らになす術はなく、あっという間に全滅していった。
「テスト完了っと…にしても、だいぶ俺信頼されてんな。これだとその気になれば本部を灰に出来るぞ?まぁしないけど…」
その後リバイバーは本部に戻り、ペルシカに報告しに行った。
「どう?新しいボディは?」
「なかなかいい。これなら前に俺を半殺しにした奴らと何とか渡り合えるかもな。ただ…」
「何かしら?」
「ネオって名前はな…戦術も相まって、なんか生まれたことが罪みたいでな…」
「そう?まあ好きにすれば?」
結果、新ボディの名前は覚醒を意味するAwakeningからアウェイクとなった。
戦闘記録…
人類人権団体過激派とグリフィンに鹵獲されてる戦術人形一体との戦闘を確認…
結果…戦術人形の一方的勝利
疑問…戦術人形の戦闘能力に異常性あり。既存の人形の戦闘能力を超えている可能性大。今後も観察の必要性あり。
戦闘記録を───に送信。
なお本機は送信後機密保持の為、自爆を開始する。
不穏分子が多いからね、ここまで強くなるのは仕方ないね。
ふと思ったけど、中の人的にK11とJS05でツッコミ不在の桜才生徒会ができ(銃声)