ちなみに調べたら店にいるアンドロイドは控え除いて36名なんですよね。
…あと一人いたら完全に地雷踏んでたな。
エデンクラブへ到着したライ達はその場でコナー達の到着を待っていた。別に中に入っても良かったのだが、場所が場所なのであまり中には居たくないのが本意であった。
数分後にコナーとハンクの二人が到着し、彼らは店内に入って行った。
「『最高にセクシーなアンドロイド』ね…そういや、そっちにはこういった人形の店があるのか?」
「あるにはありますが、殆どが他所から拉致したり違法製造された人形を使った違法なものです。そういった者たちの救出も、我々の任務です。それに、こういうのは言いたくないですが、我々人形には感情が初めからありますから…」
ライが言葉を濁すように言うと、ハンクは納得したような顔をした。
「…なるほどな。
ポールダンスをしていたりショーケースの中で微笑みながらこちらを見つめるアンドロイド達を横目で見つつも、彼らは現場の部屋に到着する。現場にはすでにリード刑事ともう一人、クリスという警官がいた。
「アンドロイド
「こいつらがメルヘンチックに見えんならお前、俺より酔ってるぞ?」
「ハッ‼︎…どーせアンドロイド絡みの事件だから来たんだろうが、無駄みたいだぜ?変態親父がやり過ぎて倒れただけだ」
「ご丁寧にどうも、参考にするよ」
「ほら行くぞ…なんだか、酒と硝煙臭くなってきたしな」
リード達は出て行ったあと、コナー達は現場の捜査を始めると、被害者に首を絞めたような痕が付いてるのを発見した。
「警部補、被害者は首を絞められたことによる窒息死のようです」
「なるほど、だが激しいプレイならそういう事もある。ガイシャはそれで死んだのか?」
「いや、ならばそこのアンドロイドが死んでる事の説明がつかない。もしそれが死因ならアンドロイドは生きている筈でしょう」
ライの指摘の通り、被害者から少し離れたとこに青い髪のアンドロイドが
「再起動して話を聞いてみましょう」
「出来るのかコナー?」
「ええ。ですが損傷が激しいので再起動してもごく僅かな時間ですが…」
コナーはそのアンドロイドの腹部のカバーを外して中の配線を繋げると、アンドロイドは再起動し、怯えた様子で壁に寄った。その後要点のみをコナーが聞くとある事が判明した。
彼女は被害者を殺しておらず、寧ろ被害者である彼に殴りつけられたそうである。恐らく、その時に停止したのだろう。さらに、事件当時はもう一人のアンドロイドが存在していたとの証言からそのもう一人のアンドロイドが犯人だろうとコナー達は考えた。もう一人は何処に行ったか聞いたところで、彼女は再び停止した。
事件発生から時間が経ってるためもう逃げたかと思われたが、表に出れる格好では無いため、まだ店内に潜んでると考え、コナーとハンクは部屋から出て行った。ライ達もあとに続くがその前にココが彼女に近づき、目を閉じさせた。
「…兄さん、あまり死者を貶めたくありませんが…これは被害者の自業自得ですよ」
「まぁな…。恐らく犯人のアンドロイドは彼女が死んだのを見て変異して、敵討ちか次が自分が殺されると思って反撃したんだろうな」
部屋を出た彼らはコナーが店内のアンドロイドに接続してそのメモリーから犯人を追跡しているところであった。コナーについて行きながら、ジュッターレがある事を聞いた。
「コナー、もし犯人を捕まえたら彼女もルパートと同じく解体されるのか?」
「……いえ、そうさせないよう私からサイバーライフに掛け合おうと思います」
「っ⁉︎それは、何故だ?」
「…ルパートを捕まえた後、個人的にあなた方DG小隊について詳しく調べてみたんです。その情報を踏まえて考えると、今回の事件は犯人に同情すべき点があると結論しました。しかし、サイバーライフがそれに応じるかは…」
申し訳なさそうに顔を伏せるコナーにハンクを含めた全員がコナーの変わりように驚いていた。ライはコナーのLEDがジュッターレが質問したあたりからずっと一時的異常を示す黄色に点滅しているのに気がついていた。
(……もしや彼は既に…)
(驚いたな。初めにジミーのバーで会ったときに人の酒をひっくり返した奴が、こんな事言い始めるとはな…)
そうこうしてるうちに、犯人はスタッフ専用扉に入ってきた事がわかり、念のためライとバラージ以外は待機させて中に入ると、複数のアンドロイドが佇んでいた。恐らく控えのアンドロイドなのだろう。外に繋がる扉が開いてるのを見て一度は逃げたと考えたが、足跡らしきものが無いため、この中に潜んでると踏み、探索を始めた。
すると、隅の方を探索してたコナーが青い髪のアンドロイドに掴みかかられていた。恐らく彼女が犯人だろう。それに呼応するように明るい茶髪の女性アンドロイドがハンクに襲いかかってきたため、加勢しようとライ達が二手に分かれて駆け寄るが、二人のアンドロイドは抵抗しながら修理台に近づき、そこにあったブルーブラッドの袋を掴むとそれを顔に投げつけ中身を浴びせて彼らの視界を封じた。
「ぐぁ‼︎」
その後も攻防は続き、顔を拭ったライが見たのは茶髪の方の手を引いて外に逃げる青髪のアンドロイドであった。それをさせまいとコナーが向かうもアンドロイドは二人がかりでコナーに立ち向かい、殴りつけたり壁に叩きつけていた。
「コナー!」
ライとバラージが駆け寄る間にコナーは二人の拘束から逃れ、揉み合いの際に落とした銃を拾って茶髪のアンドロイドに向けるも、何故か撃たなかった。
(コナー…?以前の性格からすれば撃っている筈…やはり彼は…)
その後、アンドロイドは語り始め彼らの予想どおり、彼女はあの被害者に殺されたくなくて犯行に及び、恋人関係にある茶髪のアンドロイドと共に自由になりたかったという趣旨の話をした後、金網を登ってどこかへ去って行った。
本来なら捕まえるべきなのだが、色々と思うところのあるライとバラージは彼女達を見逃さずにはいられなかった。
「…これで良かったのかもな」
ハンクがコナーにそう語りかけるも、コナーは返事もせずにただ呆然としていた。そしてその翌日、例の声明がテレビで流されたのであった。
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宿の中で、ライ達は神妙な顔をしていた。
「あの声明…放送局で誰も殺さず平和的なメッセージを伝えた彼らの言い分も理解できる。しかし、デトロイト市警と協力してる立場上、我々は彼らを捕まえなくてはならないとはな…」
「複雑ですね…俺たちは本来彼らの側に立つべきなのに、敵対しなくてはいけないなんて…しかも、彼らの協力者に人形もいるとなれば尚更ですよ…」
暗い顔をしている彼らは今後グリフィンとしてどうすべきかペルシカの意見を聞こうと彼女に連絡をし始めた。
「…もしもし、ペルシカさん?あの声明は聞きましたか?その件について相談が…」
『ええ聞いてたけど、悪いけど後にしてくれるかしら⁉︎ノアが産気づいて今こっち大慌てなの‼︎』
「ええっ⁉︎」
彼らがその報告に驚いてるなか、グリフィン本部では新しい生命が産まれようとしていた。
※ちなみにコナー君はあのあと公園で無事ハンクに殺されずに済みました。(友情ルート)
あと放送局誰も殺されてないけどサイモン兄貴は無事逃げられました。その理由はのちに。
そして次回、いよいよ産まれます。